更新日:2025年12月10日
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令和7年11月6日(木曜)に開催された、第31回黒岩知事と県民との"対話の広場"Live神奈川の実施結果についてご覧いただけます。
知事
なんか聞いていてワクワクするような話だけれど、ここだけで聞いていてもあれなんでね、せっかく皆さん来ていただいたからね。対話の広場ですからね。
ここまで聞いていて、ね、これ聞いてみたいなとかね、これはどうなんだとか、私こんなふうに感じましたよ。
何でも結構ですからね。さあ、皆さんから発言を求めたいと思います。
それではい、どうぞ。はい、どうぞ。はい、マイクいきます。
参加者1
原監督にお伺いしたいんですが、やっぱりどうしても代表として、出る選手と外れてしまう選手がいますよね。
それは原監督の場合には、今回の代表はこの子とこの子とこの子とってだけで、その外れてしまった人に対しては何かマネジメントとかされるんでしょうか?
知事
どうぞ、どうぞ。お願いします。
原監督
はい。あの、あえてフォローしていないっていう表現をまずはさせてください。
一方で、きちっとフォローしてる方がいるという表現もさせてください。
まず、前者のあえてフォローしていないっていう表現は、これはなぜかと言いますと、日頃から選手に対して、私は平等感を持って接しているっていうのが大前提にあるんですね。
お前好きだから選手に選ぶ。お前気に食わないやつだから選ばないというのが、もう大前提にないんですね。
そして大前提として言えることは、部員50名いたら箱根駅伝に出られるのは10名しかいないんです。
40名は出られないわけです。それはもう事実として、これは11番目が出られないわけです。そういうのが現実的な問題があるんですね。
で、40人がダメなやつで、10人が素晴らしい。そういうものも我がチームにはないわけなんです。
そして、選手に選ばれるための、いわゆる方程式、メカニズム、それをきちっと年度始めに選手に対して説明しているんです。
これこれしかじかでこう選ばれていくんだと。だから、監督の頭の中でこれこれしかじか頑張ったら強くなる。だけではなくて、1年間これこれしかじかをやっていけば、レギュラーになれる可能性が出てくるんだという方程式をですね、ちゃんと年度始めに説明しているんですね。
もうそれが大前提でありますので、そこに対して選ばれる者、選ばれなかった者があるということは、あえてフォローする必要ないじゃないかというのが大前提であるんです。
一方で、やっぱりそれはちゃんと組織としてフォローしてあげないといけませんので、そこにはコーチ、あるいは私の妻、寮母の原美穂、そういった者がしっかりと組織として、フォローしているというような構図が、私どものチームにはあるということでございます。
知事
これとっても大事なことで、これ一般のなんていうか、その組織でもよくあることでね。
組織、皆さんこれからね、高校生の人たち、これから会社入ったりとかいろんなところに入っていってやるときに、どこでもある問題っていうのは人事ですよね。
上司は僕を評価してくれたとか、ね。なんであんなできないやつなのに、あいつのことばっかり気に入って可愛がってるんだとかってあって、俺の方が絶対できるのに、なんであっちが偉くなってくんだとか。
私もサラリーマン生活30年やってましたから、そういうことって必ず出てくるんですよね。
そんな中で、その今おっしゃったフェアな一つのなんていうか、ルールみたいなもの。
だから、その上司の思惑で動いているんじゃなくて、一つの基準があって、そこに来たらその人は偉くなるっていうのを、みんなで理解しているということを実践されているということですよね。
原監督
そうですね。本当に知事おっしゃるように、私自身もサラリーマン経験、もうこれはサラリーマン、もう皆さんね、もう本当に平等で選ばれると思ったら、世の中そんな甘くはないというのが事実であって、それ嫌だったんです。こいつが選ばれて、なんでこれが、なんで俺が下がるんだとか嫌だったんですよ。
だから可能な限り、平等心を持って選手選考、陸上で言ったら、これが人事ですよ。
会社でいう人事なんで、スポーツの世界での人事なんで、それを可能な限り数値化させて、平等に選ぶ。
当然のことながら、どちらにしようかなというときはあります。
その時は正直に私の経験で選ばさせてもらったということ。ただ言えることは、好き嫌いでは選んでないぞということは言えますね。
知事
これだって、見ていて直前に変わることってありますよね。
あのとき変えられた選手は、相当傷付くでしょうね。どうフォローされるんですか?
原監督
これはですね、皆さん、知事おっしゃられるのはメンバー変更、当日変更というようなことだと思うんですけれども、実は、箱根駅伝の例で例えるならば、これは一般的にはですね、ダミー選手として、選手を仮登録しているんです。
29日に区間設定をするんですね。で、30、31、1、2、まだ4日間あります。
そのときに、その4日間で、もし異変が起こったときに、1区から10区まで、きちっと想定の人を据えていた場合、仮に2区のエースが発熱をしたと、メンバー変えなきゃいけない。
そうすると、11番目の選手がそこの2区に座らざるを得ない。そうすると、駅伝は流れが止まっちゃう。
ということで、2番手、3番手の子を補欠に回して、予め16人登録選手の16番目、15番目あたりの選手をですね、ダミー登録する。
これは、我がチームで言えば、29日の区間エントリー日の前日にチーム全体のミーティングをして、申し訳ないけれども、お前は今回はダミー選手で配置するよということは事前に言っているので、直前に変わると言って、直前に変わるということは、よっぽど急遽発熱をしたというところはありますけれども、そうなったときは、もうチームそのものがちょっと良くない状況だということです。事前に分かってるということです。
知事
そういうことなんだ。へえ。すごいですね。
はい、他にどうですか?はい、どうぞ。
参加者2
原監督は大学にもちろん高校から生徒をスカウトされると思うんですけれど、その際にもちろん走力とか実力だけじゃなくて、人間性だったりとか、その青学っていう組織の中で、どういう役割を果たしてくれるのかということも、リーダーとして考えてスカウトされていると思います。
その際にどういう生徒を仲間としてスカウトしたいのかということを教えていただけると幸いです。
原監督
はい。ありがとう。先ほどから何度も言うように、やっぱり長距離種目っていうのはやっぱきついですよね。
やっぱり自分の身一つで走る競技で、長い距離を走らなきゃいけない。自分を律する、自律をしなければいけないということなので、やはり、嘘偽りなく真摯に陸上競技に向き合ってる子っていうのが大前提にあるんですね。
で、やはり陸上、走ることが好きな子ということがあるんですね。
で、もう一つ私がスカウティングでやってるのは矢継ぎ早に、10項目程度の質問を投げかけるんです。
身長、体重、1500m、5000mの自己ベスト、そして100mの自己ベストも教えてほしいと。
好きな教科、嫌いな教科、箱根駅伝にかける思い、将来のビジョン、そしてご両親を大切にしているかどうか。
そういったことをですね、矢継ぎ早にパパッとやるんですね。
で、そうすると、頭の回転が速い子はパパパパパッと答えてくれるんですけれども、ちょっと頭の回転がちょっと遅い子はなかなかこう詰まったり、こう答えられないと。
これ何が求めてるかと言ったら、本学では1から10まで学生指導、首根っこ掴んでですね、支配型の組織をじゃないんですね。
キーワードをポッポッポッと与えて、その点を線に変えて面にしていく作業を大学ではやらせているので、やはり、考える力のある子、そういった子を同じタイムであればそういった子を選びます。
そして、やっぱり表現力ある子。やっぱりね、顔つきから分かるものがあります。
青学に入りたいんだ。箱根駅伝走りたいんだという思いが強い子。そういった子を可能な限り選ぶようにいたしますね。
知事
なるほどね。とにかくこういう場合どうですか?とにかくなんか性格もすごく悪くて、あんまり頭良さそうじゃないんだけれど、とにかく走る。こいつめちゃめちゃ速いぞみたいな。
こいついたら絶対勝てそうだなと思うような子が来たときに、やっぱり今の基準でやっぱり省くことはあるんですか?
原監督
はい。ありますね。やっぱり勉強意欲がない子は、やっぱりこれ何度も言いますように、学生スポーツの一つですから、走っとけばいいんだろう。勉強なんかどうでもいいよ。っていう子は本学では選ばないです。
やっぱり、学生スポーツ、勉強もやっぱりしっかり。できるできないではありません。意欲の問題です。やろうとする意欲。
授業さぼって、寮で寝て、練習だけ出る。そういう学生はうちでは求めませんね。
知事
これは面白いですね。チームワークってほら、例えばね、サッカーとかね、バレーボールとか、一緒にみんなやってるじゃないですか。
そうしたらやっぱりチームでこうやって一緒になってやらなきゃいけない。
だからこそ、あ、俺だけでいいんだみたいなやつがいるとちょっとやりにくいなってあるかもしれないけれど、一人ひとり走っているんだから、で、バトン渡していくんだから、襷渡していくんだから、めちゃめちゃ速いやつがいたらその方がいいのかなと思ったら、そうじゃないんですよね。
原監督
これもですね、一つの組織論の中の言えることなんですけれども、23年前に私が監督になったときは、その理念の共有から入っていきますので、いわゆるイエスマン君、あまり意思のない子、言うことを聞く子、世間一般で言う素直な子っていう子を選んでいきました。
しかし、今日、理念とか行動指針とかが定着している今は、根の悪い子はだめですけれども、僕はこうしたいんだ、ああしたいんだ、監督、僕はもっとこうして強くなりたいんだという自分の意思を持っている、多少のわがまま、そこの子の方が僕は好きですね。
ですから、皆さんもね、いい子という概念、そろそろ変えてくださいよ。
上から言われたことをはいはいはいはい聞く子、悪い子だというつもりは僕はありませんけれども、決してそれ、いい子だと言いませんよ。
自分の意思を持って、目標に向かって、これをしたいんだ。あれをしたいんだ。責任感を持って取り組む姿勢。
今までやったことないことでも自分が1番にチャレンジをするんだ。
傍から見ると角が、棘が立っててね、わがままな風に見られますけれども、僕はそういった子が、いい子という括りを私はしています。
知事
なるほどね。あのね、ちょっと、ちょっと僕は今の話聞きながら連想した話をちょっとお話をしますけれどね、今ちょうど赤レンガ倉庫でね、今度の日曜日までね、ともいきアート展ってやっているんですよね。今ちょっと見に行ってきました。
ともいきアートって何だって言うとね、障がい者アートですよ。知的障がいの方とかが中心に絵を描いていく。
それが選ばれたのがあるけれど、びっくりしますよ。そのレベルの高さっていうか。
この間もね、知事賞を選ぶために1回見に行ったんだけどね。もう1回今日見に行ってきました。
もうね、うわーっていう作品が並んでいるの。
その作者っていうのは、知的障がいの方、施設にいらっしゃる方、ある小学校の3年生の女の子なんていうのは寝たきりですよ。
で、一切喋らない。視線入力で絵を描いていったっていう。その視線入力の絵が、まあすごくダイナミックで。そしてこの色使いから何からすごいなっていう。
その子たち、私もうずっとそういう人たちと向き合っているんだけれども、そのときに、いつも聞くときに、どこで勉強したの?習ったんですか?って言ったら、ほとんどの人が習ったことがないっていうの。
習ったことなくてなんでこんな絵が描けるんだっていうときに、はーっと自分のことを振り返ってみたときに、小さいときからね、学校行って、絵を描くときに、絵描いてたら先生がやってきて、なんでここ、こんな色塗ってるんだよとかって、太陽をなんでこんな紫に塗っているんですかって、太陽は赤でしょとか、オレンジでしょとか言って、これでダメだなと言って、形通りできていないと、あんた絵が、美術はね、図工は2だとかつけられてね。
で、こんな風にしなさいよって言われて、やっているうちに、例えば自分は絵が下手な子だって落ち込んでいる。それがなんていうか、教育っていうか。
ちょっと待ってって。あの子たち何も教えてもらっていないのに、なんであんなパワー出すんだっていうときに、あれ、教育って何だろうかなって言って。
下手をすると、みんなそれぞれパワーを持っているのに、それをなんか、とんがったところ、みんなプチプチプチプチ切っていって、大体均質な同じような人ばっかり育てていこうとしているのが教育なんじゃないのかなって思った。
それが違うっていうところはね、是非、ともいきアート展見に行ってくださいよ。感じますよ。
そうすると、その子たちはそういう個性持っている。ガーって。例えば、こっちの能力はあまりなくても、絵を描く能力だけはドーンってあったりする。
それでいいじゃないですか、それで。そうしたときにそうやって、ガーンと本当、潜在的能力を持っている人たちの潜在的能力をどれだけ潰さなくて伸ばしていって、それをふわっとこうなんか包み込んで、それを例えばチームならチームの人のパワーにしていく。
だから、監督おっしゃったように、自分で考えて自分の頭で考えて自分はこうだっていうことを大事にしてる人を選んでいるとおっしゃったんですよね。
原監督
そうですね。チャレンジャーですよ。そしてリーダーとして、今日大人の皆さんもいらっしゃいますけれども、若者の失敗をね、容認しましょうよ。そして若者はどんどん失敗してくださいよ。
それで失敗で終わらせたら、本当のだめなやつになるわけだから、そこからどうやったらできるかを考えていきましょうよ。
自分で自分のルールを決める側にも回りましょうよ。言われたことをはいはいはいって言ってね、何度も言いますよ。
悪い子じゃありませんよ。それは決められたルールですから。それ守るの当たり前なんですよ。
でもそのルールが社会から駆け離れた、今の現代からおかしいと思ったらそれを変えましょうよ。
ブラック校則たくさんあるんじゃないの?ブラック校則。なんでそれイエスマンのごとく守ってんのよ。
みんなでアンケート取って、データ取って。先生、こんなデータが出てるんですよ。こういうふうに変えたらもっと輝けるんですよ。
そういうふうな論理的な思考で変えてくださいよ。ちょっと熱くなりましたね。ごめんなさいね。
知事
いや、いいですね。いいですね。これね、組織で言うとマネジメントって問題なんですね。
今、先生おっしゃったような自分の頭で考えて、おかしいというときには、もうこれおかしいよといって言いにくるような、こうね、個性の強いのがいるわけですよね。
そういう人間をマネジメントでどうするのかっていうときに、こういうタイプっていうのは、上司からすれば使いにくいんですよね。
生意気だって言って。これ、言った通りはいはいって言っている方がよっぽど組織しやすいんだよ。
ところが、そういう口うるさい、とんがったやつを切っていく上司っているんですよ。飛ばしたり切っていく。そういう組織っていうのはね、弱くなっていく。
そういうね、尖がったやつをどうやってマネジメントの中で上手く包み込んで、そいつのいいところを伸ばしていって、それを全体で包み込んでいけるかっていったところをやっている組織がどんどん強くなってくる。
原監督もやっぱりそこ、そういう感じじゃないですか?
原監督
私ガキ大将だったですからね。いろんな失敗を繰り返して今、今日いるわけなんですけれども。
ただ言えることは、自分が得をするとか、自分だけが有利になるとか、そういう思いではやりませんでしたね。
多くの仲間がこれをやった方が絶対幸せなんだと。一人二人のいわゆる既得権益の中で動いてる世界は絶対良くないですよ。
より良い組織作りをしたら、皆が幸せに結果なるんだ。それが今根詰まりしているんだ。
ここの棘を抜かないとみんなが幸せになれない。そういう思考でですね、やっぱ組織作りをやってきましたですね。
知事
なるほどね。学ぶこと多いですね。はい、質問とか。はい、どうぞどうぞ。出ましたね。
はい、どうぞ、どうぞ。マイク持ってきて。はい。
参加者3
自分今、チームで主将という立場をやらせてもらってるんですが、青学の陸上競技部、いろんな主将、これまでいたと思います。
箱根駅伝に出場できた選手、出場できなかった選手いたと思うんですが、原監督が求める主将である人間であるための、必要なことであったりとか、求めることっていうのはどういうことですか?
原監督
確かにその組織の置かれている状態とか、部員の心構えによって、当然これは変わってくるわけですけれども、どの状態においても言えることは、私はできない理屈をグタグタ言うんじゃなくて、どうやったらできるのかということを部員と共に、メンバーと共に考える思考を持っている子だと僕は思います。
やっぱり、未来思考の考えを持ってチームを引っ張っていく。それはその当該スポーツの能力の高さ低さじゃない。
ある意味、誰でもできることだと思うので、いろんな不平不満がね、部員から出てきたときに、じゃあそういう問題があると。
でもそれはどうやったら改善できるのか、どうやったら前向きになれるのかっていうことをですね、一緒になって考えられる。そういった主将を目指してほしいなというふうに思います。
知事
確かに監督がいて主将もいるわけですもんね。
監督が大きな理念とか行動指針を示して、それをじゃあ具体どうするかって、この主将が、おい、どうしようかみたいな。こういうちょっと棲み分けっていうか。
原監督
そうですね。それと、真似する必要はないんですけれども、原の考え方はですね、3割の者に賛同得られれば、一生懸命前を向いて頑張っていくっていうような思考を私は持ってるんです。
そもそも新しいことをやろうとすると必ず反対者出るんですよ。
3割賛成したら、3割反対するんです。そして、3割はAでもBでもどちらでもいい。
そして、最後の1割は何も考えてないと。3:3:3:1大体そういうふうになるもんなんです。世の中っていうのは。
だから、3割の者に賛同してもらったら、一生懸命できる理屈も考えてやっていく。
そうすると、どちらでもいい層が徐々に味方になってくれるんです。
そうした結果として、反対者がああ、そうは言っても成果出してるしな。
あいつの言ってること、正しいんかな、というふうな形で、どんどん味方が増えてくるんじゃないかな。
全員に好かれようと思って行動すると、それは無理です。人間、いろんな人がいるわけだから。
だから、違う意見の人をバサッと切り捨てるんじゃないですよ。
それはそれとして、ちゃんと聞き入れる、聞く耳を持つわけですよ。
でも、さっきの3割理論じゃないですけれども、そういう味方がいればいいじゃない。
全員に好かれる必要なんかないよ。本当の味方を作ってほしいなというふうに思いますね。
知事
うん。なるほどね。これ、でもその3割って微妙なところですよね。
自分では3割と思ってても、結構言い方きつかったらね、なんか独裁者になりそうな感じもあるしね。
微妙なとこだと思いますけどね。なかなか味わい深いですね。
はい、他にどうぞ。はい、どうぞ。どんどん挙がってきますよ。はい。
参加者4
さっきもおっしゃっていたとおり、部活で様々なミーティングを行ってきたと思うんですけれど、そのようなミーティングで、1番原監督が大切にしていることを教えてほしいです。
原監督
これ、一つのテクニックとしてお話をするとですね、今日のミーティングはどんなミーティングなのっていうことをきちっと整理することから始めないといけないんです。
まず、情報共有型ミーティングっていうのがあるわけなんですけれども、それはもう9割9分決まったことを部員に周知するミーティング。
今から何かを決めようというミーティングじゃないんです。
やはり、形あるものが出来上がって、9割9分こういうことで進めていきますよ、何かご意見ありますかっていうとこで、多少意見が出るかもしれないけれども、もう9割決まってることを皆に周知していこうというミーティングなんです。
もう一つは、本学で言えばスタッフミーティングというのがあるわけなんですけれども、主軸となる学生のキャプテンとか寮長とか学年長とかという者がいるわけなんですけれども、その子たちが原監督の指導のもと、いろんな仕組みづくりを、考えていこうといったときに、形を作るためのミーティング。
これは、いろんな大所高所に立っていて、いろんな意見を出し合いながら一つのものをするわけなんですけれども、でも最後、やっぱり一つ何か決定していかなきゃいけないというミーティングですね。
もう一つは、ブレインストーミングミーティングと言って、ブレインストーミング、もう無のものを有形化させようという、もういろんな意見を皆さんから喧々諤々話し合いをするミーティング。
AでもBでもCでもDでも、何でもいいから話し合う。
そのミーティングはもういろんな意見を出すことが重要なんですね。そこで黙り込んじゃだめなんですね。
だから、今日のミーティングが何を意図したミーティングなのかっていうのを、まずはきちっと明確化させてスタートさせるということが、一つ、これテクニックかも分かりませんけれども、大切かなというふうに思いますね。
知事
コミュニケーションをいかにとるかっていうか、それがやっぱりみんなを強くするかどうか、非常に大きなね、ポイントだと思いますね。はい、他にどうぞ。はい、どうぞ。
参加者5
こんばんは。よろしくお願いいたします。
先ほど、原監督がスポーツの世界だけじゃなくて、社会、組織のこと、お話もちょっと触れられてましたけれども、例えば会社の中で、私会社員ですので、中で、なんとかその組織を変えたいと思った人間が、でも立場としては、平社員で、ちょっと力が及ばないけれども、トップダウンではなくて、私たちのようなペーペーの立場から、会社組織を変えていける力っていうのはあるのか、もしその可能性があるのであれば、どんなような方法で、まず手をつけてよろしいかなということをちょっと伺いたいです。
知事
はい。こういう思いを持っている方はたくさんいらっしゃると思いますよね。
原監督
独占企業じゃない限り、会社って潰れていきますよ。そういう風通しの悪い会社は。
で、居心地が悪くなるんだと思うんですね。
で、居心地のいい会社っていうのは、上が居心地がいい会社は居心地が実は悪いんですよね。
平社員にとって居心地のいい会社にしていかなきゃいけないわけですよね。
で、1番会社の問題点を分かるのは、やっぱりある意味平社員で、現場の空気感を感じ取れる社員さんが1番問題点を分かってるはずなんです。
それを下から上にいったときに、言わせないようにして、言わないような組織は上司にとって非常に居心地がいいんでしょうけれども、何度も言うように、独占企業以外はそのうち廃れてくるというふうに思うんです。
じゃあ、平社員として、平社員という表現は僕はあまり好きじゃないな、パートナー社員として、
どうそれをやっていくかっていうのは、先ほども言いましたように、事実と真実をきちっと分けて、伝えていく作業をしていく。
そこにデータを用いて、自分のエゴとか好き嫌いとか、感覚、真実だけで提案をしていかないっていうようなところが大切かなというふうに思います。
おかげ様で私が歩んできた会社は、おかげ様で、ある意味風通しが良かったので、本当に涙が出るような悲惨なことになってないから、多分理解できてないんだと思うんですけれども、逆に未だにそういったところありますでしょうか?そんなに風通しが悪いですか?問題点がありますか?
でも、人生一度しかないわけですから、言いましょうよ。あなたのここが悪いんですとか、もう自分自身がストレスを溜めないことがいい。
それでクビになったら、今雇用はたくさんあります。バイトでも時給、もう1200円の世界になりました。自分を大切にしてくださいよ。ちょっと答えになってないんですけれども。ごめんなさい。
知事
いや、本当お気持ちよく分かりますよ、やっぱり。
だからね、あなたがこうやって、ここおかしいじゃないかって言う人っていうのは、さっき言ったでしょ、上司から見ると、うるさいやつだなとか、扱いにくいやつだなとかいうときに、その人をどういうふうに、その人と向き合うかっていうので、その会社の10年後が見えてくるっていうか、こういううるさいやつを、面白いこと言うやつがいるなって言って、それちゃんと耳を傾ける人もいますよね。
僕もサラリーマン生活30年やったけれど、もうそんなことの連続でしたよ。
私なんかも、どっちかっていうと生意気な方で、それでこう言って、でもそれをちゃんと受け止めてくれるたまたま上司がいるときに、グーンといろんなことができましたけれど、それでいけたんだなと思って、上司変わったら、全然違うことになっちゃうみたいな。
これやっぱりサラリーマン生活の宿命ですよね。
原監督
ですね。あるある。私も箱根駅伝のね、関東学連に携わって、今年で22年目ですけれども、
20年間ですよ。20年間の中で、もう箱根駅伝6回勝ったときでしたか、一度たりとも関東学生競技連盟の役員に、一度たりともなったことないんですよ。選ばれなかったです。今まで。
それがですね、2年前にですね、関東学連は一般社団法人になって、オープンになったんですね。
一般社団法人箱根駅伝、一般社団法人関東学生競技連盟になったんです。2年前に。
その時になんとですよ、一度たりとも委員になってない私がですよ、常務理事の箱根駅伝対策委員長になったんですね。
それまでずっと質問、会議では物申してきました。これはこうじゃないか、ああじゃないか。多分、知事おっしゃるような煙たい存在だったと思うんです。
上からすれば、またこいついっつも文句ばっかり言いやがって、ということだったんだと思うんです。
でも、私は先ほどから何度も言うように、これは正しいことだということをブレずして言い続けました。
時にはA、時にはB、じゃないです。これはこうでしょっていうことを、正論をずっと言い続けました。
やはりそうするとですね、捨てる神あれば拾う神ありって、正しく評価をしてくれる人はいたんですね。
今関東学連ではこういうポストについてますけれども、ですからブレずして、自分がこれは間違いなく正しいことなんだということをですね、やっぱり貫き通す姿勢っていうのは必要じゃないですか?
誰かが必ず見てくれていると僕は思います。それを信じたいです。そういう社会の実現を皆さんで作りたいですよね。
知事
いいですね、なんか組織論みたいな、とってもいいね、リーダー論からね、いい話ができてるなと思いますね。はい、他にどうぞ。いっぱい挙がってきたな。じゃあ、はい、どうぞ。
参加者6
リーダーシップのことについて質問があります。
リーダーとして、部内の雰囲気を一つの目標に向けてまとめあげるのに、圧倒的な発言力や部員たちを納得させる力が必要になると思うんですが、部内が暗い雰囲気に包まれたときや、意見の相違が生じたとき、原監督はどういった行動でまとめるようにしていますか?
原監督
でも、そもそも論で、衝突する文化っていうのは非常に僕はいい文化だと思うんです。
いろんな他方面からの意見が飛び交う文化っていうのはすごい良いんだと思うんですね。
今日のこのセッションも会議もミーティングもですね、もうパパっと手が挙がってきましたよ。非常にいいセッションになったなというふうに思うんですね。
だから、大前提として意見を言い合っていくというのは絶対いいことだと僕は思っているんです。
そんな中でも、行き詰まったりね、ちょっと言いすぎたところがあって、場がクシュンとなったことが、なること、当然あるんだと思うんですね。
そういったときには、はい、今から面白いこと言いましょうとかね。今日こんなおもろいことがありましたよとか、俺のちょっと武勇伝を皆さんちょっと聞いてよと、多少ここは話をちょっとずらしてね、角度を変えて、未来思考の明るいことをね、ちょっと言うというのも、これ一つ、まぁ、これテクニックですけどね。あるかなというふうに思いますね。はい。
でも大前提で言えることは、真剣に議論し合うというのは、これは素晴らしい良いことだと僕は思います。はい。
それを言ったら人は傷つくんではないか。それを言ったら場がしらけるんではないかということで、物申さない方が僕はダメな文化だと、僕は思います。
知事
あなた、激しく言い合って喧嘩した人とその後仲良くなったってことないですか?
参加者6
あまりそんなに意見を衝突したことがない。
知事
穏やかなお人柄。僕なんか振り返ってみて、激しくやり合って、なんか掴み合いの喧嘩の直前ぐらいまでやり合った人と、その後仲良くなるっていう経験っていっぱいありましたよね。
人と、やっぱり人のタイプがあるんだよね。そういうのやったら、もうなんかとってもこう距離をバーッて置かれちゃう人もいるし、僕なんか上司にやってましたからね。上司怒鳴り上げてたからね。何やってんだって言って。やってた?
原監督
知事も私もそう。あんたがそこに座っとるからこの組織だめなんだよって。
知事
そう。なんか、酒飲み行ってて上司に向かって、お前帰れとか言ったことありましたから。でも、その人と仲良くなった。
で、同じことやった人から、もう二度と振り向かれないという距離感持たれたこともありましたね。ま、いろんな、組織にはいろんなことがあるんですよね。
原監督
もう書類が飛び交って、何、貴様、何言ってんだとかね。飛び交ったけれどもね。
でも昔、飲みにケーションってあったんですよ。飲みにケーション。コミュニケーションじゃなくて飲みにケーション。じゃあちょっと今から飲みに行くぞってね。そこで仲がね、良くなる。
知事
今だめですよ、今。今それやるとテープ取られてて、出されたら、パワハラって言われちゃいますからね。これダメですけどね。気をつけましょうね。時代は変わってますからね。
はい。他にどうぞ。はい。じゃあ後ろの眼鏡の方。はい。どうぞ。
参加者7
原監督の先ほどのお話などにもあったのですが、原監督自身がサラリーマンから、青山学院大学の駅伝の監督という大きなチャレンジをされていると思うのですが、それは黒岩知事もサラリーマンから知事になるという大きなチャレンジをされていると思うのですが、そういうリスクがないとは言えないチャレンジをするときに、失敗を恐れない気持ちとか、言動力ってどういうものなのかなっていうのを教えていただきたいです。
原監督
私の場合は、元々、広島の中国電力に陸上部一期生で入りましたけれど、元々父親も両親もですね、父親も教員やってたんですね。
ですから、私の将来のビジョン、夢は、高校教員になって、そしてクラブ活動を指導してっていうのが、夢だったんですね。
それがちょっとある意味、道を外れて中国電力の陸上部、実業団の選手として入ったわけなんですけれども、5年でクビになって陸上界から抹消されて、普通のサラリーマン生活をやったんですけれども、さっき言ったように、ベンチャー企業の立ち上げとか、それらの業績を納めることができましたけれども、やはりどこかに陸上への未練というものがあったんですね。
5年でクビになったということを自分で掘り下げてはこれ以上は言いませんけれども、最後はですね、原に仕事を任せたら必ずやる男だというのをですね、やっぱり証明したかったんだと。
それが大好きな陸上競技であったというとこなんですね。
だから、箱根駅伝に優勝したいとか、なんか恰好つけたいとかいうのも当然、当然ありますよ。
でも、原に仕事を任せたら、ちゃんとこいつは成果を出す男だというのをやっぱり表現したかった。
それが転職のきっかけだったのかなというふうに思いますね。
知事
今この時点でね、振り返ると、あれはこうだったな、こうだなって綺麗に整理できるわけですよね。
で、皆さんはこれからの人生がこうあるわけですよね。その都度その都度、その先はどうなるのかって本当は全然わからないですよね。
でも、私なんかも振り返ってみて、その都度わかんないな、どうしようかなってもう絶望の淵とか、いろんなことがありながら今ここにいて、振り返ってみると、今ここに立つために全部用意された人生なのかもしれないと思ったりすることあるんですよね。そういう感覚ありますよね。
原監督
だから悔いのない生き方をね、やっぱりしたい、すべきだと僕は思うし、ある意味、黒岩知事も私もこういう世代に生まれたんだと思うんです。
普通科教育のみが全てなんだと。本当は芸術家になりたい、ミュージシャンになりたい。あるいは、建築家になりたい、スポーツ選手になりたい。
いろんな夢があったにも関わらず、普通科教育が全てで、我々世代は自分の夢を捨てて、捨てざるを得なかった状況であったんですよ。
で、それが正しい道だというふうになった時代があったんです。でも、皆さん、若い世代の皆さんはそんなことないですよ。
もういろんなことをチャレンジできる文化が今、日本にはあります。そして新しいルールを作る文化がもはやできてきています。
だから、もうトライアンドエラーの連続でね、やっぱりね、一度しかない人生、どんどん僕はチャレンジしてほしいな。新しいね、仕事、仕組みを作ってほしいなというふうに僕は思いますね。
知事
僕なんか自分で振り返ってみたときにね、こうね、失敗した体験がすごく大きな力になってると感じる。あの時なんでこれできないんだ、もうどうしようかみたいな。だけど逆に言うと、成功をずっと続けてる人って結構怖いなって思うんですよね。
失敗したあの時の辛さみたいなのがあって、あの時に比べれば、今どんなことがあってもなんか大丈夫だよなって思ったときに、乗り越えていく力をもらっているなっていうことが実はある。
だから若い皆さんが、つまりね、チャレンジすると失敗する可能性いっぱいあるじゃないですか。失敗が怖いからチャレンジしないって。逆かもしれない。
失敗した方が将来プラスになるかもしれない。だからどんどんチャレンジした方がいいんじゃないかって私も思いますよね。
はい、他にいかがですか?はい、じゃあ、どうぞ。あなた。
どんどんいきますよ。朝までやっているわけにいかないんですけれどね。
参加者8
はい、失礼します。
原監督に質問で、部活の総括のための監督としての威厳と、部活を円滑に進めるための部員との慣れ合いの割合っていうのは何かどういう秘訣とかあったりとか、あとは慣れ合いの時間と、飴と鞭っていうんでしょうかね、それのスイッチのタイミングとかあったりするんでしょうか。
原監督
そもそも指導者、要は先生と生徒というのは、やはり一定の距離感って必要だと思います。
特に高校生の皆さんは生徒、生徒とは先生に従う、徒弟制の徒だよね。先生に従うと書いて生徒って言うんですよ。
だから自主性の名のもとで、何でも好き勝手やればいいというものじゃないと。ある程度、師匠というものの存在をちゃんと作らなきゃいけない。
一方で、先生側も慣れ合いで友達感覚でやるっていうのは僕はこれは良くないと。だから、一定の距離感というか空気感というものは大切だと。
じゃあ、その空気感はどういう考え方なのかって言ったら、私はですよ、やっぱ尊敬される先生にならないといけないと。
多少バカなことをして、冗談言ってもですね、でもこの先生きちっとした信念を持ってことに向き合ってるんだと、根の部分では、ぶれないものがあるんだという空気感を出しながら、学生指導を当たらさせてもらっておりますね。
知事
その辺の距離感なかなか難しい、微妙なとこですけれどね。あまりベタベタしちゃったら、なめられちゃったりなんかしたらね、もう言うこと聞かなくなっちゃったりしますからね。その辺の頃合いですね。バランスですね。
はい、他に、どうぞ。はい。どうぞ。
参加者9
青山学院大学の陸上競技部において、先ほど原監督がおっしゃっていた理念を共有することや、チームをもっと高め上げていくために、選手同士で何か行っていることってありますか?
原監督
理念とか行動指針はもう22年間変わらない、先ほど言いましたように、部の憲法みたいなもんなんですね。そうコロコロ変わらないですね。
で、それと同時に1年間のチームテーマ、いわゆるスローガン、目標設定っていうのは、これは1年ごと変わります。
それを受けて、月間目標管理ミーティングっていうのをやるんですね。月ごとの目標設定をします。
そしてそれを受けて、個人個人が自分の能力、状態に応じて目標設定を掲げ、具体的なやり方を記述する。
その目標管理シートに記述したものを、5、6人グループで、喧々諤々話し合うミーティングを月一度やってるんですね。
だから、ベースにある、1番ベースにある理念とか行動指針、それを受けての1年間の目標やスローガン、それを受けての月ごとの目標、それを受けての個人能力に応じたやるべき目標、やるべき事項。ずーっと落とし込んでいるわけです。
それを自分とAさん、Bさん、Cさんといろいろとディスカッションする中で、いろんな知見が増えてくるし、アドバイスをもらったり、もうちょっと頑張らなきゃいけないなという思いが出てきたりというような、一気通貫の流れが存在するということです。はい。
知事
はい。だんだん時間迫ってきましたよ。さあ、行きましょう。はい。どうぞ。あ、どうぞ。
参加者10
本日は貴重なお話ありがとうございます。
僕は現在、横浜市の二十歳の市民を祝うつどいという、いわゆる成人式の実行委員長を務めています。
その組織のリーダーの1人として、いろんな改革を今後も実施をしていきたい、そういった思いを持って活動しているんですけれど、一方で、伝統だったり慣習、そうしたものも、引き継いでいかなきゃいけない、継承しなければならない。そういった改革と伝統の葛藤の今中におります。
例えば組織の中で、青山学院大学の陸上部として、原監督がその塩梅、伝統と慣習の塩梅と、改革の塩梅と、あとは、黒岩県知事が神奈川県政を運営されていく中での伝統と改革っていうところをどういったふうに捉えているのかお聞きしたいです。
原監督
そうですね。さっき言ったように、伝統というのは先ほどの根にある部分の、箱根駅伝を通じて社会に役立つ人材を作ろうというのが、根にある伝統ですよね。
それを根の部分を変えるとなると、何が何でも箱根駅伝優勝させる、勉強なんかしなくていい、に変えるのは、これはおかしな話でございましてですね、根のある部分は残しつつ、やり方っていうものは幾通りもありますね。
だから迷ったときには、新しいことをいざ始めようとしても、迷ったときには、その原点に遡って、これに全く真逆なことじゃないよね、と。全く違うものじゃないよね、っていうところは、戻るべき場所は、ちゃんと作りつつ、やり方は幾通りもありますねっていう手法を私は取っております。
知事
私も答えなきゃいけないですね。
私の場合にはですね、さっきの理念につながるところで言うとですね、県民目線っていうのをうるさく言ってるんですね。
県庁職員っていうのは、志を持って入ってくる人、ほとんどですからね。大抵、県民のために頑張りますって言うんですよね。
県民のためにってときの目線はどこにあるの?って。結構、県庁職員目線。
僕それじゃなく、それを求めてるんじゃなくて、県民目線で考えてくださいっていう話をしていて、これ目線の違いって実は全然違うんですよね。
実は、9年前に津久井やまゆり事件って起きました。
コミュニケーションをとれない人間は生きてる意味がないんだって、19人の命を奪っていったっていう元職員。
そこから始まって、なんでこんなことが起きたんだろうと言ったら、もう克服してきたはずなのに、障がい者施設では虐待が続いてるということが見えてきた。
なんで虐待が続いてるのっていって、調べてみたら、例えば強度行動障がいって言ってね、知的障がいの人がわーっと暴れることがあるんですよ。
暴れたら危険だからって、部屋に24時間閉じ込めておく、車椅子に縛り付けておく、普通に行われてるわけ。
これ何のためにやってるか、施設を安全に保つために、みんなを安全にするために部屋に閉じ込めておいてあげるんだって言ってるわけ。
ちょっと待ってって。閉じ込められている人の目線に立ってないじゃないかって。
で、当事者とずっと対話重ねてきました。そうしたらば、ある人がこういうふうに言ったんですね。
僕もかつて暴れて閉じ込められました。でも、あの時なんで僕暴れたか聞いてほしかったんです。
暴れるにはなんか意味があった。上手く喋れないから暴れたんだ。そしたら押さえ付けられるからもっと暴れた、ということ。
これだなって、当事者目線に立つことが大事だ。だから、当事者目線の障がい福祉っていうものやっていこうって、今進めているという。こういうことですね。
だから、これ伝統なのか改革なのかっていう中で、この一つのキーワードによって全部判断するということの中で、いいものはつながってくるし、改革しなきゃいけないものは改革してくるという、そういうことが出てくるのかなと思ってますけどね。
はい。ありがとう。いい成人のつどいやってくださいね。はい。
はい、他にどうぞ。はい。じゃあ女性のあなた。
どんどん出るでしょ、監督、ね。
原監督
すごいですね。朝まで生テレビになりますね。
参加者11
弥栄高校は4学科、美術科、普通科、音楽科、スポーツ科学科がある中で、いろいろな考え方だったり、得意なこと、あとは様々な国籍を持った人たちがいるんですけれど、多様性を認め合って、活かし合うっていう集団社会を作る上で大切なことや考え方は何か、教えてほしいです。
原監督
これも全て答えは同じで、学校の現場ですから学校の教育方針、教育理念、そういったものが必ずあろうかと思うんです。
そこに寄り添う形で、様々な、性別あるいは国籍、あるいは障がいをお持ちの方、健康な方、スポーツやる者、文化やる者、様々な方々が寄り添うっていうのは、当然の社会ですよね。それを否定しない社会。
お前はスポーツやってる、お前は英語、お前は外国人。分けること自体がそれはおかしな話であって、その教育理念というその名の下に、中でいろんなことが混ざり合ってるのは、非常にこれ、いいことだと思うんです。
だから、スポーツをやっていない子もいろんな競技大会に応援に行くべきだと思いますし、スポーツ活動の子たちも文化活動の逆に応援に行くべきだと思うし、受験の大学入試等々があるときには、いち早く、例えばスポーツ推薦が決まった子は、自分が終わったからと言って、これから頑張ろうとする大学受験者に対して、マイナスなような言動をしない。
俺はもう受験終わったから、わーっと遊びに行こうとかいうような話題をすると、それは友達腹立ちますよね。
だからやっぱり、寄り添う気持ちっていうのを持っていくということは大切なんじゃないですかね。
知事
そう多様性っておっしゃったのは、すごく大事なことだと思いますね。
さっきの津久井やまゆり事件から始まった一連の流れの中で、我々はともに生きる社会、これを作ろうという。
議会と共にね、ともに生きる社会かながわ憲章ってとりまとめてやってきてるんですけれどね。
なんであんな事件が起きたのかをずっと突き詰めていくとね、ああいう知的障がい、重度の知的障がいの人と会ったことがない。見たことがないって。
多分あの犯人もそうだったと思いますよね。それが大きくなってから急に向き合ったっていうときに、なんかあっち側の人みたいな。
我々と違う、私と違う。あっち側の人みたいな。そんな感じで向き合ってたんじゃないのかなっていう。共感できないっていうかね。
だから、こんなやつ生きていてもしょうがないんだって、殺しちまえって。
だから、ともに生きるっていうこと、相手の目線に立つっていうことも大事だけれど、これ大きくなってから、さぁ、やろうってなかなか難しいですよね。
だから、僕はちっちゃい頃から、ごちゃ混ぜ、ごちゃ混ぜってとっても大事なキーワードだと僕は思ってますね。
もうそんな重度の知的障がいの子も外国人も、いろんな子がもうごちゃ混ぜに、一緒にいて、だから、違和感感じないっていう。当たり前って育てきたら、ともに生きる社会ができてくのかなって僕は思ってますけどね。
そういうことがすごく大事だなと考えていますね。とっても大事な視点だと思いますね。ありがとうございました。はい、どうぞ。
はい、どうぞ。
参加者12
私は今、高校3年生になって、中学校高校とこの6年間考えてみると、生きる力をつけてきた6年間だったのかなって思うんですけれど、実際に、社会に出てみて、高校や中学で学んだことがどのように生かされたのかが知りたいです。
原監督
どのように生かされたか、はぁ。
どうでしょうね。これ性格に、私の性格によるものがあるのかも分かりませんけれども、今日の常識は明日の非常識だという根底にある根の部の考え方を持ってずっと生きてきたので、なんか抑圧されることがすっごい嫌だったんですよね。
だから、まぁ、会社、あ、そうか、ちょっと質問に答えてないかな。
まぁ、うちの両親に感謝してるんですけれども、いろんなことをチャレンジさせてもらったなというふうに思います。それが良かったかな。
生きる力を学んだって、スポーツから学んだわけ?それは指導者に感謝でしょうね。
でも、荏田高校?長距離やってんの?
あの、一方でマイナスのことをちょっと言わさせてもらうと、昭和のメソッドは上から言われたことをはいはいはいはいってね、指示を受けて右向け右でやった。それは答えが分かる時代であれば良かった。
そこへ立っとけって言ったらずっと立っとれ。時間を守れば時間を守る。言われたことやっとけって言ったら、はい、はい、ってやっとく。
そこから今日の社会は、何が正解かよくわからない社会になったら、言われたことをはいはいというふうな指導スタイルで受けた学生は、僕はある意味不幸になると、僕は思ってるんです。
だから僕はそういうやり方しない。いろんなやり方あるよねっていうふうな持って行き方。荏田高校さんがどういうやり方してるか僕は定かじゃないんで。
だから、綺麗な言葉で言ったら、粘り強く我慢強く生きる力を身つけましたというのが多分優等生の私の答えなんでしょうけどれも、あえてそういうこと言うつもりはない。
ただ言えることは、自分で生きる力を私は学んだなということだけは伝えたい。だから生きる力を学んでほしい。学んでいるというふうに僕は信じたい。それぐらいにしましょう。
知事
僕なんかはね、その中学高校でね、生きる力学んだなと思うのは、恩師の影響大きいですね。
僕、神戸の灘中学灘高校っていうところにいたんだけれども、世間から進学校って見られてるけれど、中はすごい自由な学校だったの。
国語の先生っていうのがいて、国語の先生が教科書使わないんだよ。当時あんなの許されたんですね。
文部省の決めた教科書なんか使ったらアホになるって言って、それでもう全部自分の好き勝手なことやってんの。
それの影響すがごくあったんですね。だから、なんかこうやれって言われてやるよりも、自分がやりたいことをやるっていう楽しさっていうか、っていうものを徹底的に6年間学ばせてもらったなっていうのが生きる力になっているなと思いますね。
原監督
素晴らしい先生に恵まれてよかったですね。
知事
ありがとうございました。
原監督
そういう先生が必ずいますから。
知事
ねえ、はい。はい、どうぞ。うわあ、どんどん挙がってきちゃったよ。はい、どうぞ。
参加者13
全然話が変わってしまうんですけれど、自分は現在今、消防士を目指していて、神奈川県ではどんな消防士がいてほしいとか、どうなってほしいとか、そういう、何か要望みたいなものはありますか?
知事
要望っていうより、あなたがどんな消防士になりたいかの方が、今日の話の流れからしたら大事ですよね。
参加者13
そうなんですけれど、黒岩知事から見て、どんな消防士がいたらいいなって、より神奈川県がいい消防士になるかなっていう。
知事
消防の中で、救急救命士っていう資格があるの、ご存知ですか?
あれ、実は私が平成元年から2年間、フジテレビのキャスターのときにキャンペーン報道をやってですね、救急車の中に医療がないのはおかしいって2年間、100回以上放送したってことによって、一応、救急救命士制度っていうのが、誕生していったっていう、それが僕の原点なんですね。
で、その時に、要するに医師会が大反対したんですよ。
だって、消防士でしょ?救急車に乗ってる人は。消防士が医療行為するって話だから、ふざけるなって言われて。
医療行為するのは医者だって言って、医師法違反じゃないかって言うから、医師法違反だったら、法律にそう書いてあるんだったら、新しい法律作ればいいじゃないかとかいっていう話のキャンペーン報道だったんだけれど、だから、それによって、救急救命士という制度ができたんですね。
だから、要するに救急救命士って何だって言うと、その消防の枠組がどうだとかじゃなくて、その命に向き合うっていうか。命が、この人、危機に瀕してる。じゃあ、どうすりゃいいんだって言って、医療って、救命の医療行為って限定された救命の医療行為があるんだけれど、今AEDっていうのあるじゃないですか。今誰でもできるじゃない、AEDって。
当時あんなのやることが、あんな機械もないし、だから、医療行為って言われてたから、できないっていう話。
だから、助かるはずの人がどんどん死んじゃうみたいな。いいのかって言ったときに、医師法がどうだこうだ関係ないじゃん。その人の命がどうなんだって言って。だから、その人目線。
だから、消防士、必ずね、危機に向かって立ち向かっていくわけじゃない。命の危機。
それは火事なのか、そういう身体的な危機なのか。それに立ち向かっていく時に、その人の目線に立つことができる消防士、救急救命士を望みたいですね。
頑張ってください。はい、どうぞ。うわあ、もうだめだ。どうしようもなくなっちゃって。はい、どうぞ。あなた。
参加者14
ベンチャー企業を5人で立ち上げたって聞いてすごいなと思って詳しく聞きたいです。大変だったこととか。
原監督
これは、中国電力が、えっとあれはね、何年かな?ある時ですね、火力は火力、配電は配電、事務系は事務系、営業は営業のベンチャー企業の立ち上げブームがあったんです。
その時に私はですね、あのハウスプラス中国という建築確認業務のベンチャー企業、これまで行政が建築確認を、行政のみがやってたものを民間でもやるようにしよう。
で、もう1つは建物の構造を共通の物差しで図る、いわゆるダイヤモンドの鑑定書と同じように、建物の鑑定書を第三者機関として、整備しようというような会社が立ち上がって、それを国で初めて、第三者機関として私がやって、その普及啓蒙活動と、会社ですから営業活動もしていかなきゃいけないというような、ゼロベースからスタートした会社に携わった。人事、労務、経理、営業全ての組織としてのルール作りを5人で最初立ち上げたというようなとこですね。
あの、はい。それぐらいにしましょう。
知事
はい。その時の経験が生きてるなって感じしますよね。はい、どうぞ。うわあ。こんないっぱい挙がってきてどうする。じゃ、あなた。
はい。端的に行きましょうね。もう時間なくなってきちゃった。
参加者15
学生として、今、たまに周りの中心となって働くということが、組織での中で仕事をする、やることをやるということが増えてきたのですが、それで求められるのもリーダーシップだと思います。
でも、それで求められるリーダーシップと、監督や知事に求められるリーダーシップというものは違うと思うんですね。
例えば、顧問の先生もリーダーだし、部長もリーダーだと思うんですけれど、その中で、組織に理念を広めるというのが監督や知事の仕事だと、今回の話を聞いて思ったのですが、そうなると、今度はこの下にいる部長とかは、その理念にある程度拘束されるものだと思うんです。でも下からはその、
知事
ちょっとごめんね。長くなっちゃうから。もう時間ないんだよね。
参加者15
あ、すみません。下からは、いろいろやってほしいことも上がってきて、この真ん中にいる部長とかが、板挟みになることがあると思うんですけれど、それをこの一番上に立つ理念を共有する者として、どのようなリーダーシップを真ん中の人に求めるかをお聞きしたいです。
原監督
やり方がもう幾通りもあるわけだから。それはいろんなやり方を通して、それぞれの立場でリーダーシップを発揮すればいいと。
リーダーシップの質と量が違うだけであって、それぞれの立場でのリーダーシップの発揮の仕方があると。だから、上から言われたことで牛耳られて、もう何もできないわけじゃないんですよ。やり方って幾通りもあるんです。
ただその理念がぶれるようだったら、それは組織はまとまらないんじゃないかな。そんな気がします。はい。
知事
はい。ありがとうございます。もう皆さんとね、まだどんどん手上がって、もっと当てたいんだけれども、時間がなくなっちゃいましたんでね。
いや、本当残念なんですけれども、今日本当100回にふさわしいね、非常に活発な議論が行われてね、私自身も大変学ぶことが多かったですね。
原監督がこれだけすごい結果を出し続けている。そのリーダーシップとは一体何なのかって言った中で、やはりね、今日ヒントいっぱいあったと思いますよ。
つまり、サラリーマンの時の生活、その時の思いとか、ベンチャーをやったその時の経験とか、いろんなものが全然違うことでやってきたものが今生きている。だから、この人たちの気持ちが分かるとか。
もし、ずっと最初からこの監督で、ずっとこの生活をしていたならば、多分気づかなかったことがいっぱいあったんじゃないのかなって。
そう私はそう思いながら聞いていました。だから、チームをまとめるっていうのを、それぞれの会社の中で、みんながどれだけ社員の力を発揮するのか。
県庁職員のこんな大きな組織の中で、どうやってみんなが生き生きと働けるのか。実は全部つながった感じっていうのは、すごく感じましたね。
その中で、やっぱり、みんなそれぞれ、いろんな力、潜在力持っている。その潜在力を上手くどうやって生かしていくのかって。
そのためにトップはどこに向かっていくのかっていう目標をしっかり指し示す。
指し示したうえで、それをみんなに理解してもらうような共感の輪、共感の輪をどれだけ作っていけるのかということ。
共感したら、みんな自主的に動きますよね。それをどんどん広げていくっていうことが、やっぱりとっても大事なことであって、そういうことをやってこられたから、あの奇跡のような青山学院の快進撃があるんだなということを今日は実感をすることができました。
いや、本当に原監督、どうもありがとうございました。
ご参加いただいた皆さんも本当にどうもありがとうございました。
司会
原様、具体的で大変前向きな名回答の数々を本当にありがとうございました。
原様、そして会場の皆様、ライブ配信をご視聴の皆様、本日は長い時間大変ありがとうございました。
知事と原様は先に退出いたします。皆様、今一度大きな拍手でお見送りください。ありがとうございました。
ありがとうございました。お時間に限りがありましたので、ご発言できなかった方もいらっしゃると思います。
本日お配りいたしましたアンケート用紙にご記入の上、お帰りの際出口の回収箱にお入れくださいますようお願いいたします。
以上を持ちまして、「黒岩知事と県民との対話の広場Live神奈川横浜会場」を閉会いたします。
どうぞお忘れ物のないようにお気をつけてお帰りくださいませ。ご来場誠にありがとうございました。
このページの所管所属は政策局 政策部情報公開広聴課です。