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更新日:2021年7月28日

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第26回「黒岩知事との”対話の広場”Live神奈川」開催結果

令和元年7月10日(水曜)に開催された、第26回黒岩知事との”対話の広場”Live神奈川の実施結果についてご覧いただけます。

概要

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テーマ

持続可能な神奈川に向けて

第1弾:「かながわプラごみゼロ宣言」

~プラごみをなくすためにできること~

日時 令和元年7月10日(水曜)18時30分~20時
会場 神奈川県庁本庁舎3階大会議場
参加者数 180名

※ 参加者配布資料はこちらからダウンロードできます。

次第

実施結果(動画版)

実施結果(テキスト版)

1.知事のあいさつ/ゲスト・プレゼンテーション

2.意見交換

 

1 知事のあいさつ/ゲスト・プレゼンテーション

司会

 皆様、こんばんは。本日はお忙しい中、お越しいただきありがとうございます。ただ今から、第26回「黒岩知事との“対話の広場”Live神奈川」を開催いたします。

 本日は、知事のあいさつ、ゲストのプレゼンテーションに続き、会場の皆様との意見交換と進めてまいります。まず、本日のゲストをご紹介いたします。

 国立科学博物館動物研究部研究主幹 田島木綿子様です。どうぞよろしくお願いいたします。

 神奈川県顧問、博報堂DYホールディングスCSR推進担当部長、グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンSDGsタスクフォースリーダー 川廷昌弘様です。どうぞよろしくお願いいたします。

 また、会場の様子はライブ中継するとともに、ツイッターによる会場以外からのご意見も受け付けており、意見交換の中でご紹介させていただくこともございます。

 インターネット中継をご覧の皆様にご案内申し上げます。この中継をご覧いただきながら、ツイッターでご意見を投稿できますので、是非お寄せください。

 ここで、皆様にお伝えしたいことがございます。

 神奈川県では、3年前の平成28年7月26日、県立の障害者支援施設「津久井やまゆり園」で発生した大変痛ましい事件を受けて「ともに生きる社会かながわ憲章」を神奈川県議会とともに策定しました。

 p31vol26-0本日は、ここで「ともに生きる社会かながわ憲章」を読み上げてまいります。

ともに生きる社会かながわ憲章

一 私たちは、あたたかい心をもって、すべての人のいのちを大切にします

一 私たちは、誰もがその人らしく暮らすことのできる地域社会を実現します

一 私たちは、障がい者の社会への参加を妨げるあらゆる壁、いかなる偏見や差別も排除します

一 私たちは、この憲章の実現に向けて、県民総ぐるみで取り組みます

 平成28年10月14日神奈川県

 また、神奈川県では、憲章の理念を広めていくため、事件の発生した7月26日を含む1週間を「ともに生きる社会かながわ推進週間」として定めています。今年は、7月22日の月曜日から28日の日曜日が推進週間です。新聞やタウン誌、インターネットなどでお見かけになりましたら「ともに生きる社会」について改めて考えてくださいますようお願いいたします。

 それでは、お待たせいたしました。黒岩知事から、ごあいさつを申し上げます。

知事

 こんばんは。神奈川県知事の黒岩祐治です。ようこそ県庁にお越しいただきました。対話の広場に参加いただきありがとうございます。今日は大変参加者が多いですね。2階までお客様が入っていらっしゃって大変うれしいことだと思っています。

 私も4月の選挙で3期目当選させていただきました。3期目になってから今回は初めての「対話の広場」になります。「対話の広場」はとても楽しみにしている会で、皆さんと直接、生のやりとりをいたします。どんな話が出てくるか分かりません。基本的なテーマは決めていますが何の演出もしていませんから、どんどん発言してください。皆さんと共に流れを作っていきたいと思っています。

p31vol26-1 今年度初めての「対話の広場」ですが、大きなテーマは「持続可能な神奈川に向けて」としています。「持続可能」は重要なキーワードです。

 私が最初に知事になった時に、「いのち輝く神奈川」を作りたいと思いました。平仮名の「いのち」で、「いのち」が輝くような神奈川です。「いのち輝く」ためには何が必要ですか。医療が充実することはとても大切ですが、医療が充実すれば、いのちは輝きますか。安全な食があって、栄養のある食がとれないと、いのちは輝きません。それらを育てる農業がしっかりしないと駄目です。エネルギーがあるからこそ、いのちが輝くのです。環境も、汚い空気や汚い水だったらいのちは輝きません。労働環境もしっかりしなければならない、産業基盤もしっかりしなければならない、p31vol26-2まちづくりもしっかりしなくてはいけない。きれいで衛生的でないと駄目だし、教育もしっかりしないと、いのち輝かないですよね。共生、今紹介した“ともに生きる社会”なども、このような気持ちが皆とつながっていないと、いのち輝かないですよね。これが大事だと言ってきました。ところが、国は担当する役所が違うのです。そうすると縦割り行政の弊害が出てきます。間にすぽっと落ちてしまう。それでは駄目だ。医療も、食事も、エネルギーも、まちづくりも、全部つなげて考えることが大事だと言い続けてきましたら、こういう話が出てきました。SDGsです。

p31vol26-3 SDGsは今回の大きなテーマです。SustainableDevelopmentGoals。世界を変えるための17の目標。持続可能な開発目標を国連が定めたもので、17項目あります。何があるのかというと、「すべての人に健康と福祉を」「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」「質の高い教育をみんなに」「住み続けられるまちづくりを」など、「いのち輝く」で言ったことと、実は同じです。やっと国連も気付いたのかと思いました。それならば我々は最初から言ってきたのだからSDGs最先端の自治体を目指そうということで、SDGs担当理事、SDGs推進本部を作って徹底的にやってきました。

 p31vol26-4すると国に認められ、昨年のことですけれども、「SDGs未来都市」として神奈川県も含め全部で29都市が選ばれました。また、「自治体SDGsモデル事業」に選ばれたのは全国で10自治体ですが、神奈川県は都道府県として唯一選ばれました。そして官邸で認定証まで頂きました。ちなみに神奈川県勢としては横浜市と鎌倉市も選ばれました。10の中で3つが神奈川県勢です。つい先日、2期目の選定があり、川崎市と小田原市も選ばれました。神奈川県はSDGsの最先端の自治体なのだということで徹底的にやっています。

p31vol26-5 SDGsは何となく分かるが、では、私は何をすれば良いのかは分かりにくいですね。自分事としてとらえるには分かりにくい。どうすればみんながピンとくるのかなと考えていました。するとスターバックスがストローを廃止するという話が出てきた。「これだ」と思いました。ストローと持続可能な地球はつながっているのだと思いました。そこでSDGs担当理事に「ストローで行くんだ!」と言っていたら、昨年夏にシロナガスクジラの赤ちゃんが打ち上がりました。鎌倉の海岸です。おなかを開けてみたらプラスチックごみが出てきました。「これだ!クジラだ!クジラで行け!」と言ったら、SDGs担当理事が「ストローじゃないのですか」と言うので「クジラに決まっているじゃないか」と一気にまとめ上げたのが「かながわプラごみゼロ宣言~クジラからのメッセージ~」です。クジラが涙を流しながら、我々に教えてくれたのだ。2030年までにリサイクルされない、廃棄されるプラごみをゼロにしよう、ということを今展開しているところです。今日のゲストの田島先生は、このクジラのおなかを開けた先生です。

p31vol26-6.JPG 「かながわプラごみゼロ宣言」に賛同する企業を集めたら116者が集まってくれました。ペットボトルは回収して、リサイクルすることができる。リサイクルすれば問題ないですが、そのまま海に流れるとごみになる。マイクロプラスチックはどんなに砕かれても消えません。

p31vol26-7.JPG また、いろいろなパートナーを作りました。「LIMEX(ライメックス)」という新素材を作っているTBM社というベンチャー企業です。LIMEXは、紙のようなものですが原料は石灰石です。普通の紙は原料が木でたくさん水を使いますが、これは水を使わなくてもできます。プラスチックがいけないのなら、それに代わる素材を作ろうという流れが加速しています。このような企業と連携を行っています。

p31vol26-8.JPG 「リサイクル」というのは聞いたことがあるでしょう。これはリサイクルではなく「アップサイクル」です。集めて回収して作り直したら、元のものよりもグレードの高いものができるアップサイクルというものを作り出します。一緒にやりましょうと企業に声をかけたら、こんなに集まりました。かながわアップサイクルコンソーシアムです。このようなことをどんどん進めていこうと思います。

p31vol26-9.JPG そして、「ビーチクリーン大作戦」です。京浜急行グループが行い、ごみをたくさん集めました。今度の土曜日に私も三浦海岸に行って参加します。

p31vol26-10.JPG 「マイエコ10宣言〈プラごみゼロ宣言バージョン〉」。自分が何すれば良いのか点検していこうということです。「マイバッグを持参し、レジ袋をもらわないようにしましょう」「マイボトル、マイ箸を持ち歩きましょう」「ごみの少なくなるものを選んで買おう」など、自分事としていろいろやりましょう、ということを進めています。

p31vol26-11.JPG また、神奈川県はSDGs最先端の自治体として選ばれたので、日本全体に声をかけてイベントをやりました。大臣や全国の自治体の長が横浜に集まり「SDGs全国フォーラム2019」を行いました。そこで「SDGs日本モデル」宣言というのを発信しました。これに賛同した自治体は、ここには135と書いていますが、現在は140を超えています。このようなことを神奈川県主導で行っています。

 p31vol26-12.JPGすると国連に認められて、この日曜日に私はニューヨークの国連本部で、神奈川県はこのようにSDGsに取り組んでいる、と発表しに行きます。だから今日お話するテーマは最先端の話です。議論に参加していただき、自分事としてとらえる時間にしていただきたいです。冒頭、私からは以上です。ありがとうございました。

司会

 黒岩知事、ありがとうございました。続きまして、ゲストにプレゼンテーションをしていただきます。

 お一人目は、国立科学博物館動物研究部研究主幹田島木綿子様です。田島様は、海棲(かいせい)哺乳類学、比較解剖学、獣医病理学を専門とし、研究活動を行っていらっしゃいます。海を生活圏としている海棲哺乳類が、生死を問わず自ら海岸に打ち上げられてしまう「ストランディング」という現象の謎を、病気という観点から解き明かすことに取り組まれていらっしゃいます。2018年8月に鎌倉市由比ガ浜に打ち上がった生後数か月のシロナガスクジラの解剖調査でも中心となって調査に取り組まれました。それでは田島様、よろしくお願いいたします。

田島木綿子氏(国立科学博物館動物研究部研究主幹)

 国立科学博物館動物研究部の田島です。実は昨日、東京湾で12mのクジラを調査してきました。日々我々は調査を基にいろいろなことをやっています。我々が行っているストランディング個体の調査から、どんなことを皆様にお伝えできるかということを紹介させていただきます。

 国内では年間300件のストランディングが起きています。決して少なくない数です。1日1頭どこかで死んでいると言ってよいくらい、日本の国内で起こっていることです。それを日本では水産庁の通達により、地方自治体が粗大ごみとして、やっかい者的に処理することとなっています。しかし、彼ら(海棲哺乳類)のことを知りたい、研究・調査したいという場合には、自ら打ち上がってきてしまう個体を、いろいろな調査・研究、又は博物館などの標本として活用できることから、20年以上、国内では、このような調査が展開されています。

 一方で、彼ら(海棲哺乳類)は海の中に住んでいますので、自ら海岸に打ち上がるということは、皆さんにとって疑問に思われることだと思います。なぜストランディングしてしまうのかという質問をいつも現場で受けます。世界的に起きている現象で、諸説ありますが、決してすべてのケースに当てはまるわけではありません。我々も調査していて、分からないことがたくさんあります。ですので、日々一個一個の個体を調査していくことが大事だと思っています。ストランディングの原因に迫ることを一つの目的として進めています。

 特に私は獣医大学を卒業し、病気を専門に研究してきましたので、ストランディングした原因が病気にかかって死んでしまったからなのかということからも、この「なぜ」に迫りたいと思い学生時代からやってきました。しかし決して病気だけではなく、いろいろな学問がありますので、そこから「なぜ」に迫り、それぞれの学問がコラボレーションしながら、彼ら(海棲哺乳類)がどのように生きどのように死んだのか、その解明に日々挑んでいる状態です。一つの個体、一つのストランディング調査、様々な部位から様々な研究が展開されています。年齢はいくつなのか、何を食べているのか、病気はあるのか、この種類はどういう種類なのか、どういう形なのか。

 彼ら(海棲哺乳類)は我々と同じほ乳類で、脊椎動物で、恒温動物でもあります。彼ら(海棲哺乳類)と私たちと共通部分はたくさんありますが、彼ら(海棲哺乳類)の住む環境は海で水の中です。我々人間は水中では生きていけません。彼ら(海棲哺乳類)が水の中という環境に適応した特殊性と、我々と同じほ乳類という一般性が、解剖学や形態学、又は分類、食べ物など、いろいろなところに潜められています。それにも着目しながら研究や博物館活動をしています。加えて、様々な研究を行います。寄生虫、お乳の成分、哺乳類なので母乳を飲んで育ちますが、そのお乳の成分すら分かっていない種類もあります。いつから子どもを産むのかも分かっていません。基礎生物学に関することですが、それらを解明するためにも、ストランディング個体はいろいろなことを我々に教えてくれます。その一部をご紹介します。今日はSDGsなので、共存や環境というキーワードにつながると思いますが、ストランディングの1つの原因として、我々人間の活動との関係性になってしまうのは、混獲、事故です。例えば、プロペラとの接触による裂傷で死んでしまうとか、尾びれが切られて発見されるとか、漁網に絡まった跡がしっかり残っているとかです。このような個体を調査すると、おなかの中にたくさんご飯が残っています。ということは、死ぬ直前までたくさん食べていたということですので、このような所見から我々は、混獲、事故かなと考えることもあります。

 ストランディング個体の原因として、小さな個体がたくさん死ぬということが、残念ながらあります。お母さんと一緒にいないと生きられない小さな子どもたちがたくさん死んでいるというのも、日本の現状の一つです。単独での生存は極めて困難ですが、なぜはぐれたのか分からないこともたくさんあります。もしかしたらその中に、ヒト社会の影響はあるのかという彼ら(海棲哺乳類)からのメッセージを我々は取り逃さないように、日々一個一個調査しています。

 私が専門としている病気ですが、実は動脈硬化症、人がかかる病気ですが、同じ哺乳類なので、クジラもそれで死ぬといったものを国内の症例で見たことがあります。

 一方、他の病気やストランディング個体ではないのですが、動物の中で絶滅危惧種という種類もいます。コククジラという種は、日本の周囲にはたった150頭しかいないと言われています。そうした個体も日本の周囲にストランディングし、それらを調査することで、いろいろ分かることがあります。また、タイヘイヨウアカボウモドキという非常に珍しい種ですが、この珍種が鹿児島県と函館に漂着したことがあります。その個体は世界中に7個しか頭の骨がなく、だれも見たことがない種類の一つでした。そのような個体調査をすると、いろいろなことが分かりますし、これを国内で初めて国立科学博物館がイラスト化しました。このように、実際の外貌がどのようなものか分からない種類も実は日本にいるということも、是非知ってください。こうしたものを、国立科学博物館はデータベース化して、一般の方も見られるようにしています。

 そんな中、去年8月、クジラが鎌倉の海岸に打ち上がりました。我々は次の日に、鎌倉市、神奈川県、新江ノ島水族館、神奈川県立生命の星・地球博物館、地元のいろいろな方たちのご協力のおかげで調査することができました。これは発見当時、新江ノ島水族館の方が撮影したものです。胸びれと体の特徴からシロナガスクジラと断定しました。現場でできることがたくさんあり、陰茎があったのでオスだと分かりました。由比ヶ浜海岸は、8月6日の夏休み真っ盛りでにぎわっており、これ以上現場で調査することは難しいため、次の日に場所を変えてクジラを解剖すると、先ほど知事からも話があったように、胃の中から、直径3cmのプラスチックのごみが発見されました。これを神奈川県環境科学センターが調べたところ、ナイロンフィルムであったことが分かりました。このことは6月まで上野でやっていた哺乳類展でもお話しました。

 これは、かながわ美化財団の資料ですが、神奈川県の海岸だけがこのようになっているのではありません。分かりやすいので神奈川県の海岸の話をしましたが、このようなごみだらけの河川敷があったり、バーベキューの後には海のごみが残ったりしています。かながわ美化財団の話で、川からのごみが7割ということが最近分かりました。海のごみといっても海にあるだけではありません。皆さんの住んでいるところから海につながっていることを、改めて、私も含め皆さんで認識したいと思いスライドを出しました。

 最近、海外ではストランディング個体の体内から発見されるヒト社会由来のごみについてたくさん報道されています。日本の個体でもすでにクジラの胃の中からプラスチックやいろいろなごみが発見されています。近い将来、もっとひどい個体に出会うのではないかと危惧しています。マイクロプラスチックに我々は注目しており、今年から私たちの博物館でもこれに真剣に取り組むことになり、8月に向けて今準備をしています。これからも真剣に個体を調査しながら、マイクロプラスチックにも挑戦していきたいと思っています。

 これからも海岸に出かけていきます。もし彼ら(海棲哺乳類)のストランディング個体を見つけたらご連絡ください。ありがとうございました。

司会

 田島様、どうもありがとうございました。

 続きまして、川廷昌弘様のプレゼンテーションに移ります。

 川廷様は、1986年に株式会社博報堂に入社され、ドキュメンタリー番組「情熱大陸」の立ち上げに関わった後、地球温暖化防止国民運動「チーム・マイナス6%」のメディアコンテンツを担当し「クールビズ」の定着にも尽力されました。

 その後、SDGsのアイコンの日本語訳を、コピーライターと共に博報堂としてボランティアで手掛けられ、現在は、神奈川県SDGs推進担当顧問、鎌倉市SDGs推進アドバイザーなどとして、広告会社でのご経験を生かし、SDGsについて多くの人に分かりやすく伝えていくための活動をされています。

 それでは川廷様、よろしくお願いいたします。

川廷昌弘氏(神奈川県顧問、博報堂DYホールディングスCSR推進担当部長) 

 皆さん、こんにちは。ただ今御紹介いただきました川廷と申します。

 鵠沼海岸の台風一過の夕方の写真です。写真家としても活動しています。

 今日はSDGsの話をします。SDGsはみんながつながるツールだということをお話したいと思います。SDGsは国連で採択されたものです。一体何なのだろうということをお話します。

 国連で採択されたSDGsがこれです。見たことある人は?いますね。国連の採択文書。これが皆さんが注目されているSDGsが書かれた文書です。では、どれがSDGsかというと、これです。17ゴールは紙切れ一枚。国連の採択文書は基本的には紙切れなのです。ですから、ほとんどの人が見たことがない。これをどうやって世界中の人と共有するのかが大きな課題になっていたわけです。さらにこの国連のSDGsが書かれている文書のタイトルは「Transformingourworld:the2030AgendaforSustainableDevelopment」。先ほど知事も「持続可能な」という言葉が出ていましたけれども、それが採択文書のタイトルなのですが、その頭に書いてあるのは「Transformingourworld」“私たちの世界を変革する”。この「Transforming」という言葉を国連が使うのは、第二次世界大戦後とか世界恐慌とか人間社会が危機に瀕したときにしか使わないと言われているのです。それがSDGsが書かれている文書のタイトルになっている。絶対的な国連からのメッセージです。もう待ったなしだと。次世代の皆さんに、今日高校生の皆さんがたくさんいらっしゃいますけれど、皆さんに、我々大人たちが責任を持って社会を渡していくためには変革するしかないのだということを、国連が言ったのです。それが文書のタイトルです。絶対的なメッセージ。これをどうやって伝えようかということで、実は国連の広報部はいろいろ考えました。

 SDGsそのものは、今決まったものではないです。1972年に国連が人間環境会議を初めて開催しました。それから、開発会議や防災会議など、人間社会が持続可能な、いつまでも幸せに暮らせる社会を作っていくための議論をしました。そして企業も教育も、いろいろな形で持続可能性を追究したのですが、みんなバラバラでした。気候変動の問題、生物に対する問題、開発の目標、それぞれが大事なテーマだからとコミットメントして、約束を守ろうという形で進めているのですが、どうですか今。温暖化が進んでいます。貧困も格差も広がっています。なかなか良くならない。そのためには、エネルギーを大きく一つにしなければいけないということで、国連で40年50年議論してきたことを、大きく一つに束ねて、みんなで共有するゴールを作ろうということで作ったのが、正にSDGsなのです。

 これが採択されたときの写真です。国連の本部にプロジェクションマッピングで映像を投影したのです。お金もかかるし、時間もかかる。このアイコンは国連広報部が英国のボランティアの団体と一緒に、映画監督やデザイナーと組んで作ったものなのです。それを見た時に、これは大変だと思いました。僕も広告会社の人間ですから、本来ならこういうことを仕掛ける側の人間なのですけれども、残念ながら日本人は“井の中の蛙、大海を知らず”で、こういうことが行われることすらも知りませんでした。でも、これには海外の企業も協賛しているのです。ユニリーバとか、お金を出したのです。企業も一般の人もデザイナーも、こういった国連が決めることに参画することができた、そういうものだったのです。つまり、主体的に、自分たちから積極的に、国連の採択に関わることができたのがSDGsだということが、これを見た時に分かりました。そして世界中に、あの採択文書ではなくて、このカラフルなアイコンで、全世界・全人類に対して、みんなで共有する大きなゴールを作りましたよ、これでやっていきましょう、と呼び掛けたのです。

 国連の公用語に日本語は入っていません。公用語は6か国語。英語とか、フランス語とか、アジアで言えば中国語も国連の公用語なので、これらの公用語には、国連の本部が全部翻訳して発行するわけです。このアイコンも6か国の言葉で作られることは、見た瞬間に分かりました。ヤバイ、日本語がない、日本ではこれを共有できなくなる、大変だと思って、国連の広報センター、日本の国連の窓口の根本所長という女性の方に相談して、日本語版を作りましょうと、こちら側から提案させてもらい作ったのが、今皆さんが見ている日本語のアイコンです。

 全部説明すると長くなってしまいますが、このアイコンを作るコンセプトは、「自分事」です。人ごとではない。貧困や飢餓もどこか遠い国の問題ではなく、我々も何か関わりがあるのではないか、ということに気付いてほしい。例えば、12番などは、「つくる責任つかう責任」と書いてありますが、英語を直訳すると「責任ある消費と生産」と書いてあります。どうですか、「責任ある消費と生産」。スーパーにお子さんとお買い物に行って、スーパーに「SDGs頑張っています。目標12番『責任ある消費と生産』」と書いてあったら、読んでピンときますか。これが「つくる責任つかう責任」になっているのです。つくる責任はだれの責任?つかう責任はだれの責任?いつからつかう責任は発生するの?そういう議論、そんな親子の会話もできるのではないかということで、できるだけお茶の間で使っているような言葉にしたいと思い、このコピーを作りました。だから11番、神奈川県にとっても大事ですが、「住み続けられるまちづくりを」。「住み続けられる」としました。「持続可能」という言葉は使わなかったのです。「持続可能」を説明できますか。難しいですよね。「住み続けられるまちづくり」にしましょう。そういう形で、できるだけ分かりやすい言葉で17ゴールすべてを考えました。2016年3月に発表してから3年以上経って、その期間、特にこの日本語では駄目だとクレームは来ていませんので、何とか合格点をもらっているのではないかと思い、皆さんと一緒にSDGsの取組を進めています。

 簡単にSDGsを説明すると、一つは国連の未来の約束に関する決議の総括です。40年、50年、いろいろな議論をしてきました。貧困をなくそう、飢餓をなくそう、気候変動を何とかしようと議論してきたものを、SDGsとして一つに大きくまとめたものであるということ。そして、国連が初めてカラフルなアイコンを作ってコミュニケーションしたコミュニケーションツールであること。みんなと共有するための、みんなとつながるためのツールとして、初めて作ったのです。

 我々にとっては環境を守ること、社会の格差を考えること、経済を発展させていくこと、これらはバラバラではなく、みんな何らかの関連性があるのだということです。環境保全をしようと思っても国からの助成金だけで守り切れますか。地域の経済活動、企業の活動とも連携していかないと守っていけないのではないですか、ということだったり、すべてがつながり合う問題として考えていける初めてのチャンスを得たというものではないかと思うのです。

 そして、そのSDGsがいよいよ学習指導要領に入ってきます。来年4月からもう小学校には入ります。そして中学校、高校。義務教育の中でSDGsは標準装備です。これからの子どもたちにとっては、SDGsは当たり前の学習になっていくのです。今ここにいらっしゃる高校生の皆さんの中にも、既にSDGsを勉強している人もいるかもしれません。でも、もう当たり前に授業でやっていくことになるのです。大人たちにとっては「SDGs知っている?」というレベルではなくなります。子どもたちはみんな学校で勉強していきます。知っていて当たり前です。国連が決めた世界の共通のゴールを、だれもが勉強して、理解して、自分たちが自分事として、人ごとではなくて、一緒にやっていきましょう、一緒に問題を考えていきましょう、環境を守るだけではない、社会格差を考えるだけではない、経済発展もすべて一緒になって考えていく、そんな社会づくりをしていこうということが当たり前になっていくのです。それがSDGsです。ただ、SDGsをどんどん使っていこうということではありますが、SDGsが目的ではないです。貧困や格差をなくし、環境を守っていくことが目的ですから、では、SDGsとは何なのか、ということだと思うのです。

 まずは、自分が向き合っている課題、環境問題ですか、社会格差ですか、皆さんが関心のある問題は何でしょう。それにSDGsを上手にひも付け、タグ付け、1から17のゴールのどれに皆さんは関心があるのでしょうか。そういうことを自分たちの取組にひも付けていきましょう。でも今やっていることだけではなくて、SDGsは2030年までの目標です。2030年、皆さんはどんな社会にしたいのですか。どんな自分でありたいのですか。そのようなことを考えながらゴールを考えていきましょう。

 では、なぜわざわざSDGsを使うのかと言うと、どこのだれとでも共有できる、SDGsはコミュニケーションツールだからです。みんなとつながり合える、みんなと理解し合える、そういうものを、やっと国連が作ってくれたのですから、上手に使っていこうではないですか。そうなのです。SDGsをみんながどう使いこなしていくかが問われているのです。SDGsを目的としてやるのではなく、みんながやろうとしている課題解決に対して、SDGsを上手に使って、上手に使いこなして、いろいろな人を巻き込んでいくのです。企業や、自治体や、個人や、いろいろな人たちを巻き込んで、2030年の大きなゴールに向かって、がんばっていきましょう、上手に使いましょう、ということが、正にSDGsだと思います。

 そして神奈川県の顧問としては、神奈川県が正にSDGsの自治体のトップです。今、神奈川県では5つの自治体がSDGs未来都市に選ばれていますが、一つの都道府県で5つの自治体が選ばれているところは他にないのです。多いところで言えば、岡山県ですとか、北海道ですとか、選ばれても3つくらいです。5つも自治体が選ばれているのは都道府県では神奈川県だけ。その神奈川県が、日本国内で、このSDGsをいかに使いこなすか、皆さんと一緒にいかに共有していくのかが問われているのだと思います。今日のプラスチックごみの問題も、正にSDGsの例えば12番や、14番などの、そういうゴールに値するものだと思います。そのような話を皆さんとできたら良いなと思っています。ありがとうございました。

司会

エコ10 川廷様、どうもありがとうございました。これより意見交換となりますが、その前に舞台転換を行います。皆様、そのままでお待ちください。皆様のお手元にはマイエコ10宣言、プラごみゼロ宣言バージョンの用紙がございます。お2人のプレゼンテーションを聞いて、皆様自身にできること、できそうな項目を10個選び、今日から実践してみてください。それでは、皆様との意見交換に移ります。黒岩知事にマイクをお預けします。どうぞよろしくお願いいたします。

知事

 ここからは、皆さんと直接的なやりとりになります。ここからどう進行するかは皆さん次第です。今、聞いていて、ここをもっと聞きたいということや、私は実はこんな風に考えている、こんなことを私はやっている、というアピールでも何でも結構です。さっそく参りたいと思います。どうぞ。高校生の手が挙がりましたね。

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