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初期公開日:2022年7月12日更新日:2024年3月27日

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エムポックス(サル痘)について

このページはエムポックスについて紹介しています。※令和5年5月26日に感染症法上の名称が「サル痘」から「エムポックス」に変更されました

1 概要

エムポックスは、ポックスウイルス科オルソポックスウイルス属のサル痘ウイルスによる感染症です。

1970年にヒト感染が発見されて以来、主にアフリカで流行しており、10か国程度が常在国となっています。

WHOによると、WHOに加盟している常在国を含む111の国と地域から、2022年5月以降の流行では、9万人以上の感染例が報告されています。(2023年10月29日時点)

2022年7月23日、WHOは感染の拡大が続いているとして、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」を宣言しましたが、世界的な感染の大幅な減少等により、2023年5月11日、PHEICの終了を宣言しました。

 

我が国では、2022年7月25日に初めて患者報告がされ、2024年3月1日公表時点で計241例の感染例が報告されています。

神奈川県では2024年3月6日時点で計19例の感染例が報告されています。

感染症法上の類型では、4類(動物等を介してヒトに感染し、国民の健康に影響を与える恐れがある感染症)に指定されています。

2 症状

主に、発熱、頭痛、リンパ節の腫れなどがみられ、発熱1~3日後に発疹が出現します。

リンパ節の腫れは顎下、頸部、鼠径部に見られ、発疹は顔面や四肢に多く出現します。

ただし、2022年5月以降の欧米を中心とした流行では、発熱やリンパ節の腫れがみられない場合や、発疹が局所(会陰部、肛門周囲や口腔など)に集中し全身性の発疹がみられないなど、従来の報告とは異なる症状の徴候も指摘されています。

 

通常、1~2週間の潜伏期間(※)後に発症しますが、多くは軽症で、2~4週間で自然軽快します。

(※)潜伏期間は通常6~13日(最大5~21日)です

3 感染経路

リスなどのげっ歯類の他、サルやウサギなどのウイルス保有動物との接触で感染します。

ヒトからヒトへの感染経路は、主に感染した人や動物の皮膚の病変・体液・血液に触れた場合(性的接触を含む)、患者と近くで対面し、長時間の飛沫にさらされた場合、患者が使用した寝具等に触れた場合等により感染し、現時点では、空気感染は確認されていません。

4 治療、予防法

対症療法が行われます。日本における特異的な治療薬はありません。

天然痘ワクチンが治療や予防に有効であることが示唆されています(我が国では1976年以降、天然痘ワクチンの接種は行われていません)。

なお、国立国際医療研究センターにおいて、治療薬の投与やワクチン接種に関して臨床研究を実施しています。

5 関連情報

上記のほか詳細な情報は、次のページをご覧ください。

 
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