更新日:2025年1月21日
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農薬の安全使用を図るため、遵守する事項を示した神奈川県農薬安全使用指導指針の一部を改正しました。
神奈川県農薬安全使用指導指針(20250115)(PDF:224KB)
神奈川県において農薬の安全かつ適正な使用を図るため、農薬使用者に対し、農薬取締法(昭和23年法律第82号)及び毒物及び劇物取締法(昭和25年法律第303号)等農薬関係法令のほか、本指導指針に基づき指導するものとする。
1 基本的留意事項について
(1) 病害虫の防除等に使用する農薬は、農薬取締法に基づき登録された農薬又は特定農薬(特定防除資材)を使用すること。
(2) 農薬の使用に当たっては、農薬の使用基準を遵守すること。
(3) 農薬容器及び包装に表示されている事項を遵守すること。
(4) 農薬取締法第18条第2項に基づき定められる販売禁止農薬は、農林水産省のホームページ等で提供される情報を必ず確認し、使用しないこと。
(5) 農薬の使用状況について、記帳するよう努めること。
(6) 住宅地における農薬使用に当たっては、農薬の飛散を防止するため、「住宅地等における農薬使用について(25消安第175号農林水産省消費・安全局長、環水大土発第1304261号環境省水・大気環境局長通知)」を遵守すること。
(7) 土壌消毒等被覆を要する農薬の使用に当たっては、使用方法等に定められた一定期間被覆すること。
(8) 水田での農薬使用に当たっては、散布後1週間程度止め水にし、掛け流し、落水しないこと。
(9) 最終有効年月を過ぎた農薬を使用しないよう努めること。
2 本県における安全・適正使用に関する留意事項について
(1) 農薬取締法に基づき指定された水質汚濁性農薬は使用しないこと。
(2) 登録の失効した農薬は使用しないこと。
(3) 毒物及び劇物取締法に基づき定められた毒物に該当する農薬は、使用を避け、毒性の低い農薬を優先的に使用すること。
(4) 防除等に当たっては、病害虫等の発生状況を勘案するとともに、耕種的防除法等を有効に組み合わせることにより極力農薬の使用量の抑制に努めること。
(5) 農薬散布が広範囲にわたる場合や土壌くん蒸剤を使用する場合は、周辺住民に対しての十分な配慮を行うこと。
(6) 農薬の河川や湖沼への流出により水生動物に影響が及んだり、周辺への飛散による被害が生ずることのないよう、地形や散布時の気象に十分配慮し、必要最小限の使用に努めること。
(7) 蜜蜂が飼われている地域及び蜜蜂を花粉交配用に利用しているイチゴやメロン、スイカ、ウメ等においては、開花時期には影響の少ない薬剤を選択し、蜜蜂の活動が最も盛んな時間帯(午前8時~12時まで)を避けて使用すること。
(8) 蜜蜂の危害防止のため、養蜂農家等から照会があった場合には、農薬使用に係る情報の提供に努めること。
(9) 蚕に対する危被害を防止するため、蚕に対する安全対策を遵守すること。
(10) その他特別の留意を要する農薬の使用に当たっては、留意事項を遵守すること。
(11) 農薬として使用することができない除草剤(農薬登録のない除草剤)は、農耕地で使用しないこと。
(12) 無人マルチローターによる農薬散布に当たっては、「神奈川県における無人マルチローターによる農薬の空中散布の実施について」に基づき実施すること。
3 住宅地等における農薬使用について
住宅地等(学校、保育所、病院、公園等の公共施設内の植物、街路樹並びに住宅地に近接する農地及び森林等)における病害虫防除に当たっては、農薬の飛散が周辺住民・子供等に健康被害を及ぼすことがないよう農薬の散布を行う土地・施設等の管理者、殺虫・殺菌・除草等の病害虫防除の責任者、農薬使用委託者及び農薬使用者等は次の事項を遵守すること。
(1) 近隣に影響が少ない天候の日や時間帯を選び、風向きやノズルの向きに注意し、農薬の飛散が少なくなるように散布すること。
(2) 事前に周辺住民に対して、農薬使用の目的、農薬散布の日時、農薬の種類等を記した書面や看板等により周知すること。
(3) 農薬を使用した年月日、場所、使用した農薬の種類又は名称、使用量又は希釈倍数について記帳すること。
(4) 近辺に化学物質に敏感な人が居住していることを把握している場合には、十分配慮すること。
(5) 周辺住民等から農薬の散布が原因と疑われる体調不良等の相談があった場合には、農薬中毒の症状に詳しい病院又は公益財団法人日本中毒情報センターの相談窓口等を紹介すること。
(6) 特に農地以外については、次の事項を遵守すること。
ア 病害虫の早期発見に努め、病害虫の発生や被害の有無に関わらず定期的に農薬を散布するのではなく、病害虫の発生状況に応じた適切な防除を行うこと。
イ 被害を受けた部分のせん定や捕殺等を優先的に行い、農薬使用の回数及び量を削減すること。
ウ やむを得ず農薬を使用する場合は、最小限の部位及び区域における農薬散布に留めること。
4 その他の農薬使用に伴う留意事項について
(1) 農薬は、農薬取締法第17条に基づき届出をしている販売者から購入すること。
(2) 農薬は、専用の保管場所で鍵をかけて保管すること。
(3) 農薬の誤飲による中毒事故の発生を防止するため、農薬やその希釈液等を飲食品の空容器等へ移し替えないこと。
(4) 農薬取締法で販売及び使用が禁止されている農薬や不用となった農薬、空容器及び空袋は、関係法令を遵守し、廃棄物処理業者に処理を委託する等、適切に処理すること。
(5) 近接作物への農薬の飛散を防止するため、植栽方法を考慮するとともに、防薬網や遮蔽植物など遮蔽物による飛散防止措置の導入を進めること。また、農薬散布に当たっては、ノズルの種類、風向きやノズルの方向、噴霧の圧力に注意すること。
(6) 適用作物名等農薬の登録内容を誤認して農薬を使用することがないように、使用に際しては農薬のラベルの記載内容を必ず確認すること。
(7) 農薬の調製、散布及び防除器具の洗浄を行うときは、農薬の容器に表示された使用上の注意事項等に従い、農薬用マスク、保護メガネ等の防護装備を着用すること。
(8) 農薬の使用前後には、防除器具を点検し、十分洗浄されていることを確認すること。
(9) 散布面積に対し、過不足の生じない薬液量を調製するとともに、全量を使い切ること。
(10) 散布に使用した器具及び容器を洗浄した水は、河川等に流さず、適正に処理すること。
5 その他特別の留意を要する農薬について
(1) メソミル剤(ランネート)
経口及び吸入毒性が大きいので、次のことに特に留意すること。
ア 散布には必ず、国家検定合格マスクを着用すること。
イ 施設内では絶対に使用しないこと。その他噴霧のこもりやすいところでは使用しないこと。
ウ 腰の高さ以上の散布はしないこと。
(2) クロルピクリン剤(クロールピクリン、ドジョウピクリン、ドロクロールなど)
劇物であり、常温でガス化しやすく、そのガスは人体の粘膜を強く刺激するとともに植物に対しても薬害を及ぼすので、次のことに留意すること。
ア 住宅密集地では絶対に使用しないこと。
イ 人家及び畜舎から十分(100m以上)離れていることを確認すること。ただし、育苗用土の消毒で全面をポリエチレンフィルムで被覆する場合、マルチ畦内処理を行う場合、または、0.03mm以上のポリエチレンフィルム若しくは難透過性の被覆資材で被覆する場合を除く。
ウ 処理後は必ずポリエチレンフィルム等で被覆すること。
エ 1回の処理面積は10a以下とし、大面積の処理は避けること。
オ 地表面にこぼした場合は、直ちに土をかけること。
カ 作業者は必ず土壌くん蒸用の防護マスクを着用すること。
(3) かぶれが生じることがある農薬
人によってかぶれが生じることがあるので次の農薬には十分留意すること。
表 かぶれが生じることがある農薬の例
種類 | 成分名 | 主な商品名 |
殺菌剤 | キャプタン | オーソサイド、オキシラン、アリエッティC等 |
マンネブ | エムダイファー、ラビライト | |
マンゼブ | ジマンダイセン、ペンコゼブ、テーク等 | |
キノキサリン系 | モレスタン | |
ジチアノン | デラン | |
TPN | ダコニール、ダコソイル、ブリザード等 | |
チウラム | キヒゲン、アンレス、ホーマイ等 | |
フルアジナム | フロンサイド | |
殺虫剤 | BPPS | オマイト |
このページの所管所属は環境農政局 農水産部農業振興課です。