更新日:2023年4月28日

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丹沢について

「丹沢について」のページです。

丹沢大山国定公園 県立丹沢大山自然公園

身近な大自然

丹沢は神奈川県北西部に位置し、富士山の東側、都心からは西に約50キロメートルの距離にあり、東端にある大山の姿は関東平野の各地から見ることができます。

丹沢地図

南北20キロメートル、東西40キロメートルの範囲には、神奈川県最高峰の蛭ヶ岳(1,673メートル)をはじめ、標高1,500メートル以上の山が9座あります。主尾根はなだらかですが、無数に派生した尾根、急斜面、深い渓谷、大小様々な滝、崩壊地をもつ複雑な地形を有しています。

丹沢標高ベスト10

  1. 蛭ヶ岳  (ひるがたけ/1,673メートル)
  2. 不動ノ峰 (ふどうのみね/1,614メートル)
  3. 鬼ヶ岩ノ頭(おにがいわのあたま/1,608メートル)
  4. 檜洞丸  (ひのきぼらまる/1,601メートル)
  5. 棚沢ノ頭 (たなさわのあたま/1,590メートル)
  6. 大室山  (おおむろやま/1,587メートル)
  7. 丹沢山  (たんざわやま(さん)/1,567メートル)
  8. 熊笹ノ峰 (くまざさのみね/1,523メートル)
  9. 竜ヶ馬場 (りゅうがばんば/1,504メートル)
  10. 同角ノ頭 (どうかくのあたま/1,491メートル)

※大山(おおやま)は1,252メートルです

 

 (写真6)三ノ塔からの景色    

 

 

 

 

自然をまもり、利用する公園

丹沢は自然公園法及び神奈川県立自然公園条例に基づき「丹沢大山国定公園」と「県立丹沢大山自然公園」に指定されています。

自然公園は、優れた風景地の保護と適正な利用の促進、生物多様性の確保を目的としており、運動場や遊具などを整備した都市公園とは異なります。

丹沢は面積の6割以上を私有地が占め、農林業や観光業も営まれています。
その一方、標高1,300メートル 以上の稜線部を中心とした約1,872ヘクタールは自然が良好な状態で残された区域として特別保護地区に指定され、動植物の捕獲・採取、植栽、たき火などのほか、落ち葉や石の採取すらも厳しく規制されています。

かながわの自然公園について(自然環境保全課のページ)

自然公園の概要や規制内容などを紹介しています。

 

日高付近

険しくも親しまれる丹沢

やせ尾根や鎖場のある険しい山でありながら、都心から交通の便が良い丹沢には、多くの登山者が訪れます。

山麓ハイキング、小屋泊まりの縦走、積雪期の本格的な登山、沢登りなど、丹沢は、登山の初心者から上級者まで、1年を通じて親しまれています。

犬越路写真:変化に富んだ沢沿いのコースです

登山中に目にする富士山や相模湾の遠望、眼下に広がる街の眺め、春のツツジや秋の紅葉など四季折々の自然には、何度も足を運びたくなる魅力があります。

塔ノ岳の夜明け山から見下ろす街シロヤシオ

丹沢は南の海からきた

丹沢は約1,700万年前、太平洋の海底火山として誕生し、フィリピン海プレートにのって北上して、約500万年前に本州に衝突しました。さらに約100万年前の伊豆半島の衝突により丹沢の隆起と侵食が起こり、その原形が作られました。

丹沢の各所で見つかる貝やサンゴ、オウムガイの化石は、太古の昔に海であったことの証拠です。

登山道で踏みしめている緑色凝灰岩、大理石、花崗岩などからも、丹沢の成り立ちがうかがえます。

古くから人が関わる山

「塔ノ岳」や「蛭ヶ岳」などの山名は、山岳宗教の修験の場であったことに由来しています。江戸時代には庶民の間で大山詣が盛んになりました。

丹沢東部は幕府の御料林となり、丹沢六木(ツガ、ケヤキ、モミ、スギ、カヤ、クリ)が禁伐とされ厳しく管理されました。しかし戦前には、豊富な森林資源はパルプや軍用材として切り出されました。

近年の丹沢

昭和30年、丹沢は国体山岳競技の会場となり、登山道や山小屋が整備され、これをきっかけに多くの登山者が訪れるようになりました。また、都心に近いが故に人間活動の影響を強く受け、近年はブナの立ち枯れやシカの食圧による植生劣化などの環境問題もおきています。

ブナの立ち枯れブナの立ち枯れ2シカによるウラジロモミの樹皮食い写真提供:永田幸志

神奈川県は総合的な調査を実施し、自然再生に向けたさまざまな取り組みを進めています。


 丹沢の自然

丹沢を特徴づける多様な環境

低山ではスギ、クヌギ、コナラなど人が里山として利用してきた林、標高約800メートル 以上ではブナやウラジロモミの自然林など、標高によって植生の移り変わりが見られます。
斜面は急峻で、沢沿いにはイワシャジンやイワタバコ、尾根の岩場にはコイワザクラなどが見られるのも特徴的です。
また、崩壊地が多く、特に大正時代に起きた関東大震災は激しい斜面崩壊をひきおこし、現在も崩落が続いている場所があります。

このように、丹沢は標高がそれほど高くなくても多様な立地環境を有するため、ツキノワグマやニホンカモシカなどの
大型哺乳類も分布し、沢沿いではヒダサンショウウオやナガレタゴガエルなどの希少な両生類の生息も確認されています。

また、相模川や酒匂川など主要な河川の水源であり、約900万人もの神奈川県民を支える水がめでもあります。

(写真2)ブナの続く登山道

丹沢の植物

植生は、標高800メートル以下ではシイやカシなどの暖温帯自然林が形成されています。それより上ではブナが優占した冷温帯自然林となっています。低標高域では、スギやヒノキの植林の割合が高く、かつて薪炭林として利用された二次林も多く残ります。山腹の急斜面や尾根筋には、モミやツガの原生林が発達している場所もあります。

複雑な地形に適応した多様な植物が生育しています。維管束植物は1,673種(絶滅種46種・準絶滅危惧種以上182種・外来種210種)で(※1)、その中には丹沢の固有種サガミジョウロウホトトギスや丹沢を基準山地とするイワシャジンなどが生育しています。

丹沢の動物

多様な環境には多様な生き物が生息し、豊かな動物相を作り上げています。哺乳類45種(絶滅種3種・外来種7種含む)で、日本列島に生息する哺乳類(外来種含めて134種)の約3分の1(本土固有種19種のうち14種)を占めます。ツキノワグマやニホンカモシカなど、大型の哺乳類が生息しています。
鳥類は247種が確認され、山地性の鳥の重要な棲みかになっています。

その他、魚類12種、両生類12種、爬虫類11種、昆虫類7,527種が確認されています。(※1)

(※1)出展:丹沢大山総合調査学術報告書2007 丹沢大山動植物目録

丹沢データあれこれ

  • 丹沢大山国定公園の面積: 27,572ヘクタール
  • 県立丹沢大山自然公園を合わせた面積: 38,927ヘクタール
  • 特別保護地区の面積: 1,872ヘクタール
  • 国定公園指定年月日: 1965年3月25日指定
  • 標高1500メートル以上の山の数: 9座
  • 年間の登山者数: 26-31万人(2007年 丹沢大山総合調査学術報告書)
  • 最も古い地層: 約1,700万年前(塔ヶ岳亜層群)
  • 丹沢にある一等三角点: 丹沢山
  • ニホンジカの推計生息数: 3,000-5,500頭(2011年度 神奈川県自然環境保全課)
  • 最も大きな樹木: 山北町の箒杉(推定樹齢約2000年、樹高45メートル、胸高周囲12メートル)
  • 最も高い滝: 西沢本棚沢の涸棚(120メートル)
  • 丹沢と名のつく生物: タンザワイケマ、タンザワウマノスズクサ、タンザワヒゴタイ、タンザワナガゴミムシなど

【参考】

 令和3年度丹沢大山山域における登山者数実測調査結果(PDF:1,951KB)

 令和4年度丹沢大山山域における登山者数実測調査結果(PDF:2,660KB)

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