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更新日:2024年1月30日

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平成23年度 黒岩知事との"対話の広場"地域版 横須賀三浦会場 開催結果

平成23年度 黒岩知事との"対話の広場"地域版 横須賀三浦会場 開催結果

黒岩知事との"対話の広場"(地域版) とは

“対話の広場”(地域版)は、知事が県内の各会場で県民の皆さんと直接意見交換をする場です。

対話の広場マグネット横須賀三浦の写真

横須賀三浦地域では、若者の社会参加を支援する「NPO法人アンガージュマン・よこすか」の滝田衛さん、三崎のまぐろ料理店「くろば亭」の山田芳央さんの事例発表も交え、皆さんで地域のマグネット(魅力)、明日のまちづくりについて話し合っていただきました。

概要

 
テーマ

マグネット横須賀三浦 ~地域の魅力をみんなで考えよう!~

日時 平成23年11月7日(月曜日)18時30分から20時30分
会場 鎌倉生涯学習センター
内容

1 知事のあいさつ

2 地域の事例発表

NPO法人アンガージュマン・よこすか理事長 滝田衛さん

有限会社くろば亭代表取締役 山田芳央さん

3 会場の皆さまとの意見交換

4 知事によるまとめ

参加者数 214名

知事のあいさつ

はじめに

知事あいさつ

神奈川県知事の黒岩祐治です。夜の貴重な時間にお越しいただきまして、本当にありがとうございます。今日は皆さんと率直にお話したいと思っております。
「対話の広場」は3種類ありますので、少しそのことをご説明します。

「黒岩知事との“対話の広場”Live神奈川」

一つ目は、県庁で随時開催する「黒岩知事との“対話の広場”Live神奈川」です。インターネットで生中継し、会場に足を運べない方も、ツイッターで意見を言うことができます。
各界の有識者から県政へのアイデアをもらう「知恵袋会議」というのがありますが、そこから出されたテーマについて、県民の皆さんと議論をします。

「“対話の広場”Live神奈川」の1回目のテーマは「自殺」でした。知恵袋会議の委員である柔道の山下泰裕さんから、「『いのち輝くマグネット神奈川』を目指すなら、全国で自殺者が3万人もいる問題に対し、県としても取り組む必要があるのではないか」という意見を頂きました。私もその通りだと思い、自殺をテーマに実施しました。

その時の「対話の広場」では、家族を自殺で亡くした遺族の想い、自身が自殺しようとしたことがある等、切実な声とともに、こんな話が出てきました。「こころの電話相談」の電話代が有料だというのです。最初は電話代ぐらい、たいしたことはないと思いましたが、そうではない。自殺を考えるほど追い込まれている人にとっては、これが高いハードルになることもあるというのです。

この話を聞き、「こころの電話相談」を無料にすることと、増設することを補正予算案にして、議会で認めてもらいました。このように、「対話の広場」で出された意見はできる限りすぐに反映していきたいと考えています。

「黒岩知事との“対話の広場”(地域版)

二つ目が、本日の「黒岩知事との“対話の広場”(地域版)」です。
私は「いのち輝くマグネット神奈川」を目指すと言いました。マグネットというのは磁石です。磁石のようにそれぞれの地域が引き付ける力を持ちたい、それが私の考える神奈川の将来の姿です。行ってみたい、住んでみたいと思われるような、憧れの地域をつくっていきたい。神奈川がそうなるためには、それぞれの地域がマグネットの力を持つということが大事だと思い、「対話の広場(地域版)」を実施しています。県内7地域を回ってきて、今日が最終回です。これまで各地域のマグネットの“タネ”をたくさん発見しました。これがうまく実り広がれば、マグネット力、魅力あふれる地域になると思います。

今日の会場の鎌倉市は世界遺産の登録を目指しており、世界のマグネットになっていこうというまちです。そして、横須賀市、逗子市、三浦市、葉山町がさらにバラエティーに富めば、マグネット横須賀三浦地域になっていくと思います。
今日は、お二人の方に事例発表をお願いしていますので、そのお話を聞いた後、皆様とともに議論していきたいと思います。

「緊急開催!黒岩知事との対話の広場~かながわスマートエネルギー構想の実現に向けて~」

三つ目の「対話の広場」は、「緊急開催!黒岩知事との対話の広場~かながわスマートエネルギー構想の実現に向けて~」です。
私は太陽光発電設備を4年間で200万戸分付けることを公約にして選挙を戦いました。そして、その後、議会に「かながわスマートエネルギー構想」を提示しました。県民の皆さんにその経緯などを説明し、ご質問にお答えするための対話の広場です。今、県内各地で開催しています。
本日は「対話の広場(地域版)」ですが、せっかくですので、「かながわスマートエネルギー構想」についても少し説明いたします。

「かながわスマートエネルギー構想」

(1)震災直後の神奈川の状況

選挙戦が始まった当時は東日本大震災の直後で、計画停電が行われていました。選挙演説のために鎌倉や箱根に行ったのですが、人がいないのです。その状況を見て、計画停電というのは大変な問題だと思いました。夏までこの状態が続けばどうなるか。神奈川は大変な経済的危機に陥っていると思いました。

(2)太陽光発電200万戸分設置の公約

電力不足はずっと続くのだから、新しいエネルギーを早く創らなければならないと思い、それには太陽光発電が良いと考えました。屋根にソーラーパネルを付けると、すぐに電気が生まれる。これを早くやろうということで、私のブレーンと相談して試算し、4年間で神奈川の世帯の半分ぐらいの200万戸分という数字を掲げて立候補し、当選させていただいた次第です。県では、新たなプロジェクトチームを立ち上げ、議会も補正予算案を一気に通してくれて、圧倒的なスピード感で取り組みました。

選挙戦の最中、私が太陽光発電と言っても皆さん分からなかったので、ソーラーパネルを持ち歩いて、「神奈川からエネルギー革命を起こそう」と言いました。それが今では、ソーラーパネルのCMも流れ、家電量販店には特設コーナーまであります。エネルギー革命は既に始まっています。

(3)中長期的なエネルギー政策

菅前総理大臣は、ソーラーパネルの1,000万戸分設置を国際的な公約にしました。また、政府は2030年までにエネルギーの全体の21パーセント以上を自然エネルギーにするという目標を発表しました。そのような中で、私もいろいろと学習しました。「200万戸分」というのは、立候補を決めてからの8日間で出した大づかみの数字で、精査して積み上げたものでなかったのは事実です。国の目標を受けて、県としても中長期のエネルギー政策を打ち出すことが必要だと思いました。2030年ではあまりに先だから、2020年で切った場合、どれぐらいのことができるのかと考えました。
計画停電が実施された当初は、電力不足を解消するには、エネルギーを創る「創エネ」、これが何よりも大事なことだと思っていました。

ところが、実は、創エネと同じぐらい効果があるのが「省エネ」。皆さんもこの夏、省エネに一生懸命取り組んでいただき、夏に計画停電が実施されずに済みました。
それとともにエネルギーをためる「蓄エネ」。日中ソーラーパネルで発電した電気をためることができれば、電気を夜に使うことができます。そうすれば、夜に発電したのと同じことになります。

(4)かながわスマートエネルギー構想

「かながわスマートエネルギー構想」は、2020年度に県内の消費電力量に対する「創エネ」「省エネ」「蓄エネ」の割合を合わせて20パーセント以上とすることを目指すものです。20パーセントの内訳は、省エネで4パーセント程度、これは、今年皆さんが夏に経験した省エネのレベルです。そして、創エネと蓄エネを合わせて16パーセント程度で、合計20パーセント。この数字というのは、政府の2030年度の目標を10年前倒しする政策ですから、大変高いハードルであることは間違いありません。でも、これを強力に推し進めていきたいと考えています。

「かながわスマートエネルギー構想」は三つの原則の下につくりました。
第一の原則は、原子力発電に過度に依存しないということです。私は選挙戦中「脱原発」と言いました。今ある原子力発電所を全部止めることは、すぐには無理ですので、「反原発」とは言っていません。しかし、原発に過度に依存しない体制づくりは急務です。「脱原発」は議論の段階を終えています。というのは、福島第一原子力発電所はもう使えませんし、定期点検のために停止中の原子力発電所の再稼働や新しい原子力発電所の建設も難しいと思います。だから、早く新しいエネルギー体系をつくっていく必要があります。

第二の原則は、環境に配慮するということです。原子力発電所が使えないからといって、火力発電所などでどんどんCO2を排出するのは避けなければなりません。

第三の原則は、エネルギーの地産地消を推進していくことです。これまでの私たちは、暑ければクーラーをつける生活を当たり前のものだと思っていました。しかし、この当たり前の生活は福島の皆さんにあれだけのリスクを負わせながら、享受していたということに気付いたわけです。自分たちで使うエネルギーは、なるべく自分たちで創っていくことが大事だと思います。

以上の三つの原則の下につくったかながわスマートエネルギー構想を、圧倒的スピード感を持ってどんどん進めていこうと思っています。

(5)神奈川からのエネルギー革命の推進

エネルギー革命は既に始まっています。革命とはどういうものか。例えば、携帯電話は最初、大きなショルダー型でした。それが、どんどん薄くなり、メールやインターネットができるようになりました。エネルギーにもこれと同じことが既に起きています。

究極の地産地消が実現すれば、太陽光発電や蓄電だけで、家庭で使用する電気を賄えるかもしれません。そのようなまちづくりも、既に始まっています。この流れをどんどん加速させていきたいと考えています。
私が新しい政策を発表したことを、新聞等では「公約を撤回した」と書いているところもありますが、撤回した気持ちは全くありません。さらに高い目標を持って、この神奈川からエネルギー革命を推し進めていくという志は全く変わってないということを皆様にお約束します。

(6)最後に

まだ納得できないという方は、お手元の用紙に質問をお書きください。頂いた質問は、可能な限りこの対話の広場の中でお答えします。もし時間がなくなりましたら、その分はホームページでお答えします。
本日の対話の広場は、マグネット横須賀三浦。お二人の事例発表をまずお願いしたいと思います。

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事例発表の概要

滝田 衛さん(NPO法人アンガージュマン・よこすか理事長)

滝田衛さん

私は、横須賀で生まれ育ち、結婚して逗子へ移り、現在は鎌倉に住んでいます。さらに葉山町の中学校で教頭を務めて退職をしたということで、三浦半島の魅力に添いながら生きてきたのかなと思っています。
横須賀の上町は文教地区ですが、江戸時代に栄えていた浦賀道沿いの町なので、昔から商店街が非常に元気な地域でした。その上町商店街で、私たちは様々な活動をしております。

私たちは「自分らしい生き方を手に入れる場所」をつくりたいと考えています。「自分らしい生き方」にこだわるのは、不登校やひきこもりの人たちが、この社会の中に存在しているという課題があるからです。では、ひきこもりや不登校の子どもたちが悪いのか。そうではないですね。彼らは、とてもナイーブで、感受性の強い、子どもや若者たちです。もしかしたら、皆様方の身近にもいらっしゃるのではないかと思います。

私は教員をやってきて、不登校の子どもたちや非行の若い人たちにも多く出会ってきました。自分の生き方と若い人たち、子どもたちの生き方は、本当にクロスしていると思います。
フランス語で社会参加という意味の「アンガージュマン」という名前を団体名として掲げ、2004年から活動をしています。京浜急行の横須賀中央駅から10分ほどのところにあります。

活動の幾つかをご紹介します。


2006年、「はるかぜ書店」を開店しました。NPOで本屋をやるというのはまずないのですが、本屋をやりたいという若い人たちが集まって来たのです。ひきこもり体験のある人たちが、販売資格を取得して、学習をして、本屋を始めました。
「フリースペース」は、子どもたちと若者たちの居場所です。福祉施設でも教育施設でもありません。学校・会社と家庭との中間にある場所です。そこで食事、遊び、学び、そういう様々なことをやります。

「学習サポート」は、自己肯定感を育む学びの場です。現在の学校教育は自己肯定感を育んでいないとよく言われます。今、子どもたちは学ぶことにおびえています。学びについては、いろいろと議論されていますが、私たちが問題にしているのは、自己肯定感を育む学びができているかどうかということなのです。私たちは一対一の学びを大事にしています。子どもたちが、集団の中で、学びが落ち着いてできないという現実があります。それが不登校の一つの要因でもあると私たちも思っています。

上町商店街では、ゴーヤのカーテンを設置しており、エコに対応した取組みを行って3年になります。私たちは、これを商店街から請け負って、若い人たちが設置を進め、環境対策の一つとして貢献をしています。


はるかぜ書店の店舗前で山形の物産や地元横須賀の農作物の販売も行っています。これは若い人たちが働く体験を積んでいく一つの手法です。ほかにも、商店街のイベントで、販売促進の抽選会等を請け負っています。

なぜ私たちが商店街で、そういう機会を与えられているのかというと、後継者不足で商店街には若い人がいないからです。私たちのところには子どもや若者たちが年間150人ぐらい集まって来ますから、この人たちが商店街の活性化の役割を担わせていただいているということです。

はるかぜ書店は、平成19年から「かながわボランタリー活動推進基金21」の助成を受けて営業してきましたが、助成は平成23年3月で終わりました。今、全国の書店はつぶれるところが多く、うちも利益があるわけではありませんが、継続して書店をやっています。地域に開かれた書店を目指して「読み聞かせ」もやっていますが、本の販売だけでは経営が難しいので、昨年からカフェを運営し、そこでレンタルボックスというものもやっています。これは、趣味のものなどを売りたい人がボックスを借りて、そこに物を置いて売っていただく。ボックスは有料でお貸ししていますが、売上金はそのまま持ち主にお渡ししています。

次に「就労支援事業」ですが、私たちは就労支援が大事だと考えています。これまで、若い人たちは学校を卒業したら、サラリーマンになることを目指していましたが、実はいろいろな生き方があるのです。何らかの形でひきこもっている人が、商店街で社会参加のきっかけをつかむことができると思います。若い人たちが商店街のマグネットに魅せられて、そこで育っていくということを私たちは見てきました。先日、若い商店主さんと横須賀市長との話し合いの場も設けさせていただきました。私たちは、若い人たちの社会参加の場を商店街でというふうに思っています。

私たちは、自分らしいアンガージュマン、社会参加を実現してほしいと思っています。不登校の子どもたちは全国で13万人。神奈川県は1万人弱で、全国トップです。さらに内閣府の調査では、ひきこもりは70万人となっています。子どもたち、若者たちが苦しんでいる状況で、私たち大人の生き方も問われています。商店街にも立派な生き方があるということを、私たちは商店主さんから教えられながら活動しています。

鎌倉にはすごい商店がいっぱいありますので、私たちのいる三浦半島にも発信していただいて、一緒に学ぼうと思っています。

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山田 芳央さん(有限会社くろば亭代表取締役)

三浦三崎のマグロの専門店 くろば亭です。
私は、「いかに魅力あるまちづくりで人々を引き寄せるか」をテーマに、マグロのまち三崎の取組みを説明します。そして、マグロのすべてを使い切るエコマグロの話をします。

皆さん、マグロは好きですか。私も大好きです。

マグロといえば、大とろ、中とろ、赤身、丼物では鉄火丼、ネギとろ丼、漬け丼とありますが、刺身はマグロ料理のごく一部で、実はまだまだほかにあります。

マグロ料理に決まりきった料理が多いのは、マグロの決まった部位だけを使っているからです。しかし、三崎の漁師は、昔からマグロの内臓や未利用の様々な部位を使った沖料理を作っていました。この伝統を生かせば、他のマグロのまちにはない三崎の魅力、マグネット力になるのではないかと思います。 

山田芳央さん


通常のマグロ料理では、22パーセント以上の未利用部位があります。これらが、どのような料理に適しているかお話します。

まず目玉。目玉はDHAがたっぷり含まれ、料理も簡単。豚の角煮は何時間も煮て作りますが、目玉は短時間煮るだけで、角煮のような軟らかい味と食感が得られます。
続いて心臓。鮮度の良いうちは刺身でおいしい。その他、串焼きなどいろいろできます。

次に内臓、卵。これはマリネ、ステーキなどもできます。
続いて胃袋。しこしこ、ぷりぷりの食感で、ゆであげてからミミガー、モツ煮などに使われます。
マグロは使う部分によっていろいろな栄養があります。目玉にはDHA、EPA、皮や筋にはコラーゲン、血合いにはタウリン。

今取り組んでいるのは、マグロのクリームコロッケ。朝市でテスト販売中で、結構人気があります。肉の代わりにマグロを使うのではなく、マグロだからうまいという商品づくり、そのための工夫が必要だと思います。じゃが芋にマグロを合わせるだけではなく、ホワイトソースやスパイスを入れて、肉に負けないマグロのコロッケを作っています。

そして血合いのカルビ。これはマグロでは最高の料理だと思います。血合いは、栄養的にも優れ、ビタミン、タウリンが多く含まれ、高たんぱく、低カロリーでヘルシー、仕込み方次第で牛肉よりうまい。ちなみに、ビンチョウマグロは鶏肉、カジキマグロは豚肉、本マグロは牛肉の食感になります。焼肉の本場韓国では、マグロのカルビは「チェゴミダー(韓国語で最高です!という意味)」と言われて、大人気です。

次は、消費者の依頼でインドネシアにマグロの端材の指導に行ったときの事例です。
工場は、HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)の管理の下で商品を作っています。インドネシアのバリ沖ではメバチマグロとキハダマグロが半々ぐらい取れ、フィレ、サク、ネギとろ等に加工して世界中に送っています。
そこでは筋身や骨などいろんな端材が出ます、筋身は練り物に使うとおいしいです。筋は、生のうちは堅いが、火を加えると軟らかくなり、冷めるとしこしこ感が出る。だから、筋を入れてつくねをつくると、肉と同じような食感でおいしくなり、うちの店では「うまか棒」という料理でやっています。筋身は、天ぷらに揚げたりもします。マグロの骨は火を加えると身から剥がれやすくなるので、骨つきのスペアリブとかを作っております。

インドネシアのバリで材料の残滓(ざんさい)のいろいろな部位の使い方と仕込み方の指導をしました。現地の食材とコラボレーションしていろいろな料理を作りました。代表的な料理は、バリカレー、これはスパイシーでフルーツをたっぷり使ったカレーライスです。

海外進出は10数年前からです。まちおこしのためにマグロ料理店が集まって作った、「みさきまぐろ倶楽部」が、これまでにハワイ、ホノルルを手始めに10カ国に行き、マグロ料理をいろいろ紹介してきました。

昨年は韓国に行き、ペ・ヨンジュンのおなじみの店で、マグロのディナーショーをするというので、マグロフルコース料理を一人で10時間作りました。皆さんすごい食欲でした。韓国をはじめ、今、世界中でマグロが非常に食べられています。

韓国のテレビで、日本のマグロの店・市場の紹介をよくやっています。その影響で、韓国からのツアー客が来るようになりました。今月も韓国のマグロ料理の番組に出演予定です。そこで日本の三浦三崎の魅力、マグネット力をアピールしてくるつもりです。 

現在、三浦三崎は、三浦ブランド各商品、みさきまぐろ倶楽部のとろまん、朝市組合のトロちまき、B-1グランプリに出ているまぐろラーメン、「みうら江戸前倶楽部」のダイコン焼酎などがあり、マグネットの力として活躍中です。

最後に、無駄の出ないエコネットマグロ、私の考えるマグネットについて紹介します。
三崎の場合、遠洋漁業の船から問屋に入り、そこで、マグロを切割(さいかつ)、フィレ、ブロック、柵切り、卵、胃袋など商品にして、約65パーセントが消費されます。でも、残りの35パーセントのうちの30パーセントは、まだまだ料理に使える素材です。

それらの素材を地域資源として、確かな管理の下、ロットを確保して、マグロのコロッケ、漬物、冷凍品、練り製品、佃煮など各部署の専門のところを作り、新商品を地場産業としていく。三浦ブランドの商品、ほかにはない、ほかの県では作れない商品です。

次に、新メニューの開発です。外食産業や専門店用の商品の開発を行います。
アンテナショップ、神奈川の物産展、スーパー、デパートや各種イベントにも参加して、全国に出店・販売していきます。また、テレビ、新聞、ラジオ、広告、ガイドマップ、インターネット等で宣伝します。このほか、三崎のマグロに関する本や、新メニューのレシピ本を出し、世界の国々に、新たなマグロのパーツ、珍味の紹介、料理の技術指導を行います。

マグロ製品や技術を輸出して、三崎マグロを世界にアピールしていけば、海外からの観光客も増え、三崎は発展していくと思います。また、観光グルメツアーとして、マグロの製造工場見学する体験ツアー、マグロの土産、マグロの食べ尽くしコースなどで集客します。

マグロは無限の食材だと思います。これからもいろいろな商品作りをして、いろんな料理を作って、どんどんアピールしていくつもりです。どうぞよろしくお願いします。

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 意見交換の概要

意見交換

<知事発言>ここからは、私がキャスター兼知事で進行していく。皆さんにはどんどん質問していただきたい。
まず,私から滝田さんに質問させていただくが、商店街を不登校の子どもたちのために開放して使うというのは、いいアイデアと思うが、不登校の子どもたちに何か変化が生じているか。

<事例発表者発言(滝田氏)> すごい変化がある。商店街ではいろいろな人との接点の中でドラマが連日のように起こる。不登校の子が変わっていておかしいということは全くなく、どこにでもいる子だ。

<知事発言> そうやって社会と触れ合う接点があると、コミュニケーションが取れるようになるか。

<事例発表者発言(滝田氏)> なる。学校では教師の期待に応えようと思って、自分を殺して演じている。
だから、子どもたちが自己肯定感を持てるように、商店街や地域が手助けできたらと思う。

<知事発言> 商店街の協力体制も大事だと思う。

<事例発表者発言(滝田氏)> 私たちが活動を始めようとしたときに、商店街の理事会に説明に行ったら、二つ返事でOKだった。通常私たちのような団体は、路地裏でやっているようなところが多いが、商店街の真ん中でやらせてもらえるというので驚いた。

<知事発言> 山田さんは、マグロでマグネット力をつけるというお話をされたが、これこそが私の考えるマグネットだ。三崎ならではの、マグロのマグネット力とはどのようなものか。

<事例発表者発言(山田氏)> 他の地域でやっている通常のマグロ漁だと、取ったらすぐに身の部分を料理するということになるが、三崎は独特で、世界中からその時期のおいしいマグロをマイナス60度の冷凍で持って来る。だから、マグロの身だけではなく、胃袋、心臓、白子、潜水板、胃液袋なども冷凍の状態で手に入る。通常は使わないがおいしい部位を材料にして、三崎特有の料理ができる。

<知事発言> マグロは日本中どこへ行っても食べられるが、わざわざ三崎に来たくなる、そこでなければ食べられない味がある。私もこの間行ったが、あの地域はものすごく潜在力があるのに、まだ生かしきれていないと感じた。

<事例発表者発言(山田氏)> みんながもっと団結して一本化すれば力が増すと思う。

<知事発言>お二人の事例発表を聞き、いろいろな考えがあると思った。参加者の皆さんのご意見をお伺いしたい。

<参加者発言1(鎌倉市・男性)>マグロのコロッケというのは初めて聞いたが、地元の学校給食に是非取り入れてほしい。マグロのコロッケがおいしかったという話題が、子どもたちから市内に広まっていくと思う。

<知事発言>マグロのコロッケというのは、ほかでやってないのか。

<事例発表者発言(山田氏)> 普通のコロッケは肉だが、何でマグロかいうと、三崎はマグロが有名だから。
マグロで肉に負けないコロッケを作るには工夫がいる。肉ならしこしこ感と油っけがあるが、マグロだと淡白でぱさぱさになる。そこでじゃが芋にホワイトソースをまぜ、臭みが気にならないようにスパイスを入れ、とろりとした味にする。マグロだからうまいというコロッケを作っている。

<知事発言> 単にマグロを肉の代りに使うのではなく、料理のこつがあるということ。給食では扱っていないのか。

<事例発表者発言(山田氏)> まだ朝市でテスト販売をしている段階である。

<知事発言>マグロのコロッケがまた新しい名物になるのではないか。

<参加者発言2(横須賀市・男性)>自分の子どもは養護学校に通っている。昨年度、国土交通省のモビリティサポートモデル事業に応募し、ユビキタス技術を使って養護学校の生徒の移動支援を行うという実証実験を行った。実際に自力通学を始められた生徒も出てきた。これを実用化していく場合、行政の後押しが必要であるが、県や市に話したが聞き入れてもらえない。
横須賀市はYRP(横須賀リサーチパーク)もあり、日本の通信技術の一つの中心地である。新しい技術を広めていくにあたって、県の協力・支援が得られたらと思う。

<知事発言> 会場の皆さんと情報を共有したいので、ユビキタス技術を使う移動支援について、分かりやすく説明してほしい。

<参加者発言2(横須賀市・男性)> 生徒たちにアクティブICタグを持たせ、通学路の途中に受信装置を幾つか置くことにより、生徒の移動情報が携帯電話やパソコンで把握でき、生徒がバス停に着いたときに何番のバスに乗りなさいというような表示が携帯に出る。コミュニケーションの苦手な生徒たちへの道案内や、子どもが学校に到着したという情報で親が安心できるとか、そういう技術である。

<知事発言> ユビキタス技術はいろいろな利用法がある。例えば、目が見えない人が観光地に行っても、全部音声で案内が出て一人で観光できるというのもある。

<参加者発言2(横須賀市・男性)> 東京都は、東京ユビキタス計画という形で、様々な広報をやっている。しかし、知的障害の人を対象にしたのは、昨年度横須賀で行ったのが初めてだ。

<知事発言> 県はあまり反応を示さなかったのか。

<参加者発言2(横須賀市・男性)> 私たちは、県に協議会に入ってほしいとお願いしたが、教育局は教育のカリキュラムを組むのがメインで、通学はサブの取組みなので、参加しづらいとのことだった。保健福祉局には、参加はしないが、協議会での結果を教えてほしいと言われた。また、県が協議会に参加するためには、庁内調整で時間がかかるので難しいとのことだった。

<知事発言> この問題は、何とかして取り組まないといけない。
先ほどの滝田さんの事例発表のように、人の力でサポートしていく方法もあるし、今の新しい技術でサポートしていくという方法もある。力を合わせ、ハンディをみんなで補っていく、そういう社会を目指したい。宿題とさせていただく。

<参加者発言3(横須賀市・男性)>石原東京都知事が、東京の水道水は世界一おいしいとPRをしていた。東京の水と水道事業の技術をビジネスにして、海外で展開していくそうだが、私は神奈川の水道水の方が、東京よりおいしいと思っている。是非神奈川の水道水こそ世界遺産だと、知事に古都鎌倉と一緒にPRをしていただき、同時に水道事業による県内雇用の拡充もお願いしたい。

<知事発言> 神奈川の水というのは重要な資源だ。神奈川は水が豊かな県で、水不足がなく、質がすごくいい。水の神奈川として売り出したいと思っている。

<参加者発言4(逗子市・男性)>逗子高校Z-SELEC部のサービスラーニングセンターという活動で、学習とボランティアを合わせた活動をしている。
活動例としては、障害者施設での園内喫茶の運営や400人の子どもたちが集まる「子どもフェスティバル」の企画等がある。
高校生は何でもできると感じるし、今後の横須賀三浦地区の魅力を磨くには、高校生の参加が不可欠だと考えている。私にとっての自分らしい生き方は、人の笑顔を見るために何かをすることだ。ほかの高校生も絶対に誰かのために生きたいと思っている。高校生が自分らしく生きることができる神奈川を目指したいが、自分は何をすればいいのか。

<知事発言> とてもいい話だ。障害者施設の喫茶ボランティアというのはいい。

<参加者発言4(逗子市・男性)> 障害者を遠ざけるのではなく、偏見をなくして、普通の人としてもっと身近に感じてもらえるようにしたい。まずは高校生がそういう現場を知るため、自分たちが施設で園内喫茶を運営して、障害者との共生の第一歩を踏み出したい。

<知事発言> 活動を始めたきっかけは何か。

<参加者発言4(逗子市・男性)> 7年前に、当時の顧問の先生が養護学校と関係があり、高校生も何かできるのではないかということで始めたと聞いている。

<知事発言> 滝田さん、こういう思いを持った高校生というのは、結構近くにいるかもしれない。

<事例発表者発言(滝田氏)> 中・高校生が、地域の人や、課題を持った人と関わる機会というのは、あまりないのが現実である。共生の取組みを広く知っていただいて、マグネットでつなげて、中・高校生、大学生が地域で貢献できる仕組みをつくっていきたい。

<知事発言>「対話の広場(地域版)」はこれまで6会場で実施したが、結構高校生が来て、意見を言ってくれる。先日も、高校生が企業と組んでお弁当を作ったり、商店街の空店舗を利用してお店を経営しているという話を聞いた。高校生は何でもできる。あなたも十分自分らしくやっていると思う。

<参加者発言4(逗子市・男性)> ボランティアは自己満足みたいで嫌だったが、いろいろな人が、自己満足でいいと言ってくれた。人の笑顔が見たいから、人のためにやりたいから、それだけの理由でいいと言ってくれた。しかし、やはり自分も何かを求められ、それに応えたいという思いがある。知事が、高校生に求めるものは何か。

<知事発言> まさにあなたのような高校生を求めている。自分で今できることがあればやる。そういう高校生は頼もしい。

<参加者発言4(逗子市・男性)> 被災地にも行きたかったが、高校生に何ができるのか。私は、将来、社会福祉士になるのが夢なので、その資格を取って本当に人が助けられるようになってから行きたいと思った。

<知事発言> その気持ちさえあれば、今でも十分助けられる。あなたが行って、おばあちゃんの手を握っただけで、おばあちゃんは元気になると思う。いろいろ考えるより、まず動いてみること。どんどん続けてほしい。

<参加者発言5(葉山町・女性)>かながわスマートエネルギー構想について、太陽光発電の200万戸設置を期待している。太陽光は蓄電が非常に難しいが、それが成功したら、普及も進むと思う。実際に今、どの程度まで進んでいるのか。

<知事発言> 太陽光発電のソーラーパネル設置は、だいたい5万戸分をちょっと越えたところ。今後一気に増えていくと思う。一戸建てにお住まいの方が設置するだけではなく、全体に広がっていく仕組みを考えている。
まず、「屋根貸し」という方法で、大きな建物の屋上を貸してもらってソーラーパネルを設置する。京浜臨海部の工場等の屋根を借りてソーラーパネルを敷いたら、ものすごい数になる。そして、集合住宅の方用に考えたのが「マイパネル構想」。屋根貸しで、県が大きな建物の屋根を借り、そこへソーラーパネルを付ける。そのうちの一部をマイパネルとして買っていただく。買った分の売電収入の一部が自分に戻ってくるという仕組みである。
また、今は国の補助金制度があるが、いつまでも続くわけではない。そこで考えたのが「市民ファンド」で、投資を募り、それを運用していくというもの。エネルギー革命とは、民間が動くことだ。民間のお金が回り、それが投資対象になれば、強力に前に進んでいく。だから、市民ファンドをなるべく早くつくろうとしている。また、太陽光発電だけではなく、風力発電等が可能なところには広めていこうと思っている。

<参加者発言5(葉山町・女性)> 葉山町にソーラーパネルの設置に適した日当たりの良い緑地がある。ソーラーパネルの設置費用の元をとるには20年ぐらいかかるということだが、三浦半島地域は潮風も強く、その前にパネルが傷んでしまう懸念がある。短期的に収益が上がるような方法はないか。

<知事発言> 今はメガソーラー設置の候補地を選定している最中である。緑地を全部メガソーラーで覆ってしまうことには、反対する方がいると思う。できるところから設置していく。
エネルギー革命と言ったが、もう既に革命は始まっている。例えば、ソーラーパネルの値段が一気に下がっており、自己負担分は、限りなくゼロに近づいてきている。
耐用年数の話もあったが、新しいパネルが開発され、技術も改良されている。携帯電話もあれだけ技術が進んできて安くなった。エネルギーにも同じことが起きており、私の立候補時と今では状況が全然違っている。究極的には自宅でのエネルギーの自給自足も夢ではない。

<参加者発言6(横須賀市・男性)>横須賀市は観光にものすごく力を入れているが、横須賀基地のある東京湾側が中心である。
衣笠山周辺は、古くは走水の弟橘媛(オトタチバナヒメ)の神話もあるが、桓武平氏の後裔といわれる三浦一族が、平安時代に活躍した聖地であり、史跡がいっぱいある。
現在、衣笠山公園と城址の間に県道を造っているが、予算が厳しく街路樹を植える予定はないそうだ。特に桜は手入れが大変とのことだった。私は、衣笠山周辺を横須賀市の歴史と桜の名所にしたいと思っており、是非とも今度の県道には桜を植えて、三浦一族の聖地のエントランスにしていただきたい。

<知事発言> 歴史、文化、伝統は、それぞれの土地にあり、それを際立たせるということが、その地域のマグネット力を増すということにつながると思う。
三浦一族の聖地というのも、そのポイントだけではなく、横須賀全体の歴史に人を引き付けるにはどうすればいいかということを、トータルで考えたい。
鎌倉だけではなく、実は横須賀も歴史という切り口で周遊するとおもしろい、というストーリーの中に、ここは桜が、ここはアジサイがあったらいいというような、大きなビジョンでとらえたい。
今ご指摘いただいたことはマグネットの“タネ”になる話だと思う。

<参加者発言7(逗子市・男性)> 松沢前知事のときに、逗子の商店街の電線類の地下埋設を要望し、平成18年度に認可され、翌年度着工したが、政権交代があり、平成23年度完成予定が遅れるとのことである。日本は電線類の埋設が大変遅れていると思う。私たちの商店街だけではなく、県内の商店街にこういう構想を広め推進していけば、非常に災害にも強く、景観もよくなる。知事としてのお考えはいかがか。

<知事発言> 工事が遅れている理由は何か。

<参加者発言7(逗子市・男性)> この工事は国と県との共同事業で、国が予算を県に下ろさないとできない。政権が自民党から民主党に代わったことで、現在2年遅れてしまい、更に1年遅れる可能性もあるということであり、当事者としては立腹している。

<知事発言> 先ほど商店街の事例発表をしていただいたが、私はマグネットの話をする時、商店街をすごく意識している。

知事になる前、講演会をする機会がよくあり、呼ばれることが多かったのが商工会で、商店街の方も多く来られた。地方に行くとシャッター通り商店街が多い。商店街の方が共通して言うのは、大型店ができて、商店街に人が来なくなり、超高齢化が進み、若い人はどんどん出ていってしまうということだった。

どうすればいいかと聞かれ、マグネット商店街を目指そうと言った。マグネット商店街とは、わざわざ行きたくなる商店街のことである。大型店ができたらそちらに行ってしまうのは仕方がないことであり、そういう時代になっているのにもかかわらず、今までと同じようにやっていては、売れるはずがない。
ではどうするか。地元の人ではなく、外の人が来る商店街をつくればいい。外の人がわざわざやって来る商店街といえば、地元らしい商店街だ。


滝田さん、山田さんのお二人に事例発表していただいたのは、私の中の一つのストーリー、ある種の共通点があるからだ。つまり、山田さんのお店のようにマグロにこだわったものが商店街全体にあれば、それだけでわざわざ行きたくなるのではないか。滝田さんのように、商店街を教育の場として使うというような新しいものがどんどん出てくると、それはいったいどんなところだろうと思い、行きたくなるのではないか。そういう商店街が地域再生の核になると思っている。

地域を再生するためには、ホールや記念館、博物館、美術館といったハコモノを造ろうという話が多い。しかし、ハコモノを造っても、造った当時は人が来るが、一回来たらもう来ない。

商店街に人を引き付けられれば、リピーターになる。そういったソフト力で商店街が活性化したら、地域の活性化につながってくる。
一つのアイデアとして、電線の地中化は景観的にもいいとは思うが、それだけでは不十分。商店街として、どれだけ地域らしさを出せるかということだと思う。
商店街を巡っていくような観光ツアーというのを考えている。是非核になってほしい。

<参加者発言8(横須賀市・男性)> 経済産業省などが、東京電力以外のPPS(特定規模電気事業者)から電気を買っているというのは結構知られているが、県立の学校や県の施設でも、PPS(特定規模電気事業者)から電気を買えば、電気代が安くなると思う。
太陽光発電の導入はすごく素敵なことだと思うが、その他にもガスコンバインドサイクル発電など効率のいい発電方法が多くあり、しかも地球温暖化への影響も少ないと思う。

<知事発言> 県庁庁舎も東京電力以外の電力事業者、PPSから電力を買っている。PPSについては、契約電力が50キロワット以上の需用家が自由に選択できる。


私が考えている再生可能エネルギーには、太陽光発電以外では、風力発電、小水力発電、バイオマス発電などがある。バイオマス発電とは、廃材のチップやコーヒーの絞りカスなどの廃棄物を集めてバイオ技術で電気にするものである。地熱発電は箱根の温泉地で有効だと考えたが、吸熱で温泉の温度が下がってしまうのでやめてほしいという意見があった。そのとき、温泉の湯を使った後の廃熱を利用して電気を創ることができるという逆のアイデアも出てきた。それぞれの地域に合った発電をやっていくことが大事だと思う。

この前、三浦半島の三崎、城ヶ島に行ってきた。あの辺りは風が強いので、まだまだ風力発電を設置できる可能性があるのではないか。ただ、風力発電は音なども発生するので、どこでも設置できるものではない。

<参加者発言9(鎌倉市・男性)>鎌倉漁業協同組合の組合員として、漁業に従事している。鎌倉はしらすが名物で、しらす丼や、しらすコロッケもある。しかし、鎌倉には漁港がなく、これは全国的にも珍しい。そのため、砂浜から船を出し入れしているので危険だし、出漁も制限されている。そのような状況だが、若い漁師も増えており、女性の漁師もいて活動は盛んである。今、漁港を造る運動をしている。

鎌倉市も市民との対話のワークショップを実施し、今後市民からの理解も得られていくのではないかという状況である。漁港ができることによって、我々はマグネット力を持てると思う。
組合では障害者雇用や地産地消への取り組み、学校教育への関わり等いろいろと活動している。一次産業を鎌倉市で発展させるために、県としても協力をお願いしたい。

<知事発言> 鎌倉に漁港がないことは、私も最近知った。本日は鎌倉市長にもお越しいただいている。今のことも含めて、鎌倉にマグネットの力をつけるにはどうすればよいかお話いただきたい。

<鎌倉市長発言> 先ほど話があったように、市は、市民とのワークショップを進めている。漁港を造る計画は40年前からある話で、市民の理解を得ることが非常に大きなハードルになっていることも事実である。対話を重ねながら、皆さんそれぞれが幸せになれる漁港を造っていくという方向で進んでいる。
漁業協同組合では、しらすの沖漬けや、アンチョビなども障害者を雇用して作っており、新たな産業も生まれ、鎌倉も活発化している。行政も力を合わせて、新しいマグネットを生み出していきたい。

<知事発言> 世界遺産登録に向けての思いもお願いしたい。

<鎌倉市長発言> おかげさまで、正式に世界遺産登録への推薦が決まった。実は、市民の中でもまだまだ賛成、反対の両方の声がある。観光客誘致や商業活性化が本来の目的ではなく、鎌倉の豊かな自然や神社、仏閣を守り、子供・孫の世代につなげていくことが大事と考えている。鎌倉の歴史をしっかりと際立たせることに力を入れ、市民にご理解いただけるように取り組んでいきたい。

観光客を受け入れる体制づくりや、市民と観光客ともに、心から良いと思っていただけるような鎌倉にするための環境づくりを行っている。
鎌倉ならではというものはたくさんある。私たちもその一つひとつに磨きをかけていくことによって、多くの方々に楽しんでいただきたいと思っている。

<知事発言> 先週アメリカのメリーランド州とワシントンDCへ行き、観光業者の方を相手に、トップセールスで神奈川の観光をアピールしてきた。
鎌倉に対するアメリカの観光業者の反応はすごく良かった。鎌倉に行ったことがある人がいて、その人がみんなに向かって「鎌倉は素晴らしい」と一生懸命私の代わりにアピールしてくれた。

今鎌倉は、注目され、世界的な鎌倉になっていくチャンスだが、せっかく鎌倉に来た人が、鎌倉から箱根に行ってしまったら、三浦半島としては寂しい。観光客が三崎の方に来る、城ヶ島の方に来るという、こういう流れを是非つくりたいと思う。
山田さん、これからどんどんと引き付けましょう。

<事例発表者発言(山田氏)>みんなの力を発揮して、どんどん引き付ける力を磨き、みんなに分かってもらいたい。

<知事発言> 城ヶ島に行ったときは、この神奈川であんなに素晴らしい景観があるのかと驚き、感動した。
これはうまくやれば、マグネットの力がもっと出る。つまり、素材がある。それを磨き上げてマグネットの力にしていくことが必要だ。
滝田さん、最後に一言。

<事例発表者発言(滝田氏)> 山本コウタローさんの「岬めぐり」という歌は三浦半島のことを歌っているが、三浦半島が子どもや若者にとってやさしい、生きやすい地域になることが私たちの願いである。
エネルギーや商店街以外にもいろいろな課題があるが、次世代の若い人たちがこの地域社会を背負っていくのだから、私たちがそういう地域環境を是非つくっていきたい。知事にも是非お願いしたい。

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知事によるまとめ

知事によるまとめ

「対話の広場(地域版)」で県内7カ所を回り、マグネットの“タネ”は多くあると感じました。
それを育てていくための仕組みづくりが、我々県の仕事です。市町村の皆さんとともに呼吸をうまく合わせながら、マグネットの力を練り上げていくという作業をこれからやっていきたいと考えています。

そのためには何といっても、自分たちの地域のことを知る必要があります。地元の人が地元のことをあまり知らないということを県内各地に行って感じました。自分たちの魅力を自分たちが知るところから始まるので、この活動は続けていきたいと思います。

目指す方向は、マグネット神奈川、マグネット横須賀、マグネット鎌倉、マグネット逗子、マグネット三浦、マグネット葉山。
今後ともよろしくお願いしたいと思います。

最後に、エネルギーに関する質問についてお答えします。
まず、学校などへのソーラーパネル設置の費用についてですが、これは市民ファンドでの対応を考えています。
次に、天然ガス発電の推進についてですが、天然ガスは化石燃料なので輸入しなければならず、長期的にとなると問題も残ります。そのため、当面は積極的な利用は考えていません。
時間がなくなりましたので、残りの質問は、県のホームページでお答えします。

今日はありがとうございました。

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