更新日:2024年4月19日

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ウォークラリー

神奈川県青少年指導者養成協議会 自然体験活動 虎の巻

ウォークラリーは、まちや自然の中を歩きながら、地域の史跡や名跡、自然、文化を発見できる野外レクリエーションゲームです。歩く楽しさや、自分のまちを再発見する喜びを味わえます。

速さは競わずにコースタイムを設定して、その時間どおりに戻ってくれば満点とし、途中に設定されている課題(クイズ)の得点を合わせて競います。慌てずじっくり、ゆっくりとまち歩き(自然歩き)探険を楽しめます。

コース図をもとにグループでまちを探険しますが、通常の地図とは違い東西南北も不明で、コース図を見ただけではどこがゴールかわかりません。図をたどって歩いていくうちに、以前に来たことがあるところや知っている場所にたどりつくなど、思ってもみなかったところに出てくるという意外性もこのプログラムの魅力です。勝敗を競うためのスポーツではなく、歩くことを通してグループでコミュニケーションを図ることや体力と健康づくりを目的として行います。

進め方

ねらい

  1. グループで協力して正しいコースを探し、課題を解決することによって、お互いに信頼する心を養います。またゴールしたときの達成感を味わいます。
  2. 自然を観察したり、文化財や史跡などを見たりすることで、地域の再発見をします。
  3. まちや自然の中をグループで楽しく話しながら歩くことでコミュニケーションを図り、また体力と健康づくりを図ります。

対象及び人数

  1. 小学校高学年以上あるいは親子等
  2. 1グループ3~5人程度(人数が多すぎると仲間割れが起きたり、後ろの方からついていくだけの人が出たりする)

準備するもの(各グループ1セット)

  1. コマ地図(交差点や分岐点のみを示した地図)
  2. 課題用紙(解答欄含む)
  3. クリップボード
  4. 筆記用具
  5. ゼッケン(各グループ最低1枚)…通過点やゴールで確認しやすい。

時間設定(コースタイムを○分とする)

  1. 導入(ルール説明)…10分
  2. 実習(ゲーム)…○分+3分×(グループ数-1)+30分
    ※上記は各グループが3分間隔でスタートする場合の例。迷うグループが出ることも考え、30分余裕を見ている。
    コースタイムが60分、5グループであれば60分+3分×(5-1)+30分=102分
  3. ふりかえり…30分

ゲームのやり方

コマ地図を見ながらグループでコースを歩き、途中のチェックポイント(以下CP。課題を設定する箇所)で課題を解決し、コースタイム(基準となる時間)にできるだけ近い時間に帰ってくるようにします。
コースタイムは、普通に歩いて(走ったりしないで)、途中で課題を解く時間を入れた時間になっています。

ルール

  1. 交通ルールを守る。
  2. 前のグループの後をついていくことはしない。(前のグループが正しいかどうか分からない)
  3. 人に道を聞かず、自力でやり遂げる。(地元の人にコマ地図を見せても分からない)
  4. コマ地図や課題について、グループ全員で考える。
  5. 単独行動をしないで、グループ全員で行動する。
  6. 文化財を壊したり、草花を採集したりしてはならない。
    ※植物の実や花を持ち帰るという課題があった場合、最低限のものにする。
  7. ゴミは持ち帰る。
  8. 民家の庭および田んぼや畑、果樹園等の私有地に入らない。

コースの設定方法

コースの選定

所要時間は1~2時間程度がよいでしょう。場合によっては、弁当を持って1日かけて回る(5~6時間程度)ロングコースも面白いと思います。

景色が良く。変化に富んだコースがベストです。特に1日かけて回るコースなどは、多様な自然環境があると自然に関する課題を出しやすく、またハイキングのように歩けて飽きないでしょう。

参加者の安全確保のためには、スタッフの目が届くようなコースがよいでしょう。間違えやすく迷う可能性のあるところには、必要に応じてスタッフを配置します。

地図の入手

地域のできるだけ詳しい地図を入手します。市町村で1万分の1または2万5千分の1の地形図を発行、販売もしていますので、役所に問い合わせてみましょう。その他に、観光課などで出している観光用の地図なども役に立ちます。

地図上でコース選定

市町村のホームページや観光地図を参考にして、地域の史跡や名跡、自然、文化に関わる地点を洗い出し、地図上でそれらを通るような仮のコースを選定します。その際にはテーマ設定も考えます。例えば「身近な自然を再発見」「地域の歴史や文化を知る」などです。

実際にコースを歩く(実地踏査)

地図上で選定した仮のコースを3人程度で実際に歩き、いろいろな角度からコースを見ます。

  • 所要時間を確認します。
  • 危険箇所がないかどうかなど、安全の確認をします。
  • トイレや休憩場所(お弁当を食べる場所)、雨天時の避難場所等の確認をします。トイレについては、公共施設等があれば、必要に応じて使用の許可を得ておきます。
  • 携帯電話の電波の状況も確認し、電波の入りにくい箇所を把握しておきます。
  • 複数回歩いて課題となるものを見つけ、CPをどこにするかを考えます。逆コースを歩くことで新たな発見ができます。CPはできるだけ多く設定し、あとで削るくらいがよいでしょう。
    ※グループ数が多い場合、半分は逆コースを歩く設定にすることもあります。
  • お寺の住職や畑仕事をしている人、商店の人など、地域の人とできるだけ話をして取材することで、課題設定に役立てます。場合によっては危険箇所も分かるかもしれません。

実地踏査後のコース図の修正

下見をしたメンバーでコース図に問題がないか検討し、修正を加えます。コマ地図を作成した後に再度コースを歩き、さらに細かい修正を加えます。

コマ地図の作り方

コマ地図の例(PDF:163KB)

現在地と道路について

コマ地図の記号●は、現在地(自分たちのいる場所)を表しています。→は進行方向を表し、歩道のある道路の場合は、歩道がある側(両側に歩道がある場合は、次の交差点で曲がる場合に道路を横断しなくてもよい側)に矢印をつけておくと分かりやすくなります。

記号について

基本的には地形図の記号を使い、必要に応じて記号を創作して使います。必ず凡例を掲載しましょう。

CPについて

コマ地図のCPには課題を設定します。

課題の設定方法

CPの設定

河川・湖(池)、巨樹(大きな木)、田畑、神社仏閣、石仏、石碑、庚申塔などをCPにすると課題づくりがしやすくなります。

課題づくり

テーマの例「身近な自然を再発見」

身近な自然を題材に課題を考えます。

例1.神社の境内などの大きなスギの木に洞(穴)が空いていた場合

課題:この木の穴はムササビが使っています。さて、この木の樹皮が赤くなっムササビの巣穴ているのは、なぜでしょうか?(正解はページ下部。以後も同様)

例2.1年中カルガモが生息している河川沿いの遊歩道があった場合

課題:カルガモは雌雄が同色で、同じ姿をしています。さて他のカモ類と区カルガモ別するための特徴があります。それは何でしょうか。
ヒント:くちばしの先を見てみましょう。

例3.9~10月、キンモクセイがコースの途中に咲いていた場合

課題:この季節甘い香りが漂ってきて、とてもいい気分になります。さてこのキンモクセイ樹木の花は何色でしょうか?

テーマの例「地域の歴史や文化を知る」

路傍の石仏や石碑などを題材に課題を考えます。

例4.コースの途中に地蔵菩薩があった場合

課題:人々に救いの手を差し伸べると言われている地蔵菩薩は、お地蔵さんと親お地蔵さんしみを持って呼ばれています。さてそのお顔の表情は次のうちどれでしょうか?
(1)おだやかな顔 (2)怒っている顔 (3)泣いている顔

例5.馬頭観世音と書いてある石碑があった場合

課題:この石碑の由来は次のうちどれでしょうか?馬頭観世音
(1)馬の労をねぎらった (2)馬の首が埋めてある (3)馬の牧場があった

例6.コースの途中に神社があった場合

課題:右の狛犬の足の下にあるのは何でしょうか。次のうちから選んでくださ右側の狛犬い。
(1)サッカーボール (2)ドラゴンボール (3)鞠(まり)

例7.コースの途中にお寺があった場合

課題:この観音様は何の花の上に立っているのでしょうか。次のうちから選んで観音様ください。
(1)バラ (2)ツバキ (3)ハス

テーマの例「テーマは何でもよい」

例8.俳句や川柳を詠ませる

課題:(眺めのよいところなどで)グループのメンバーで相談して俳句を詠んでください。

例1~例8の正解

例1.ムササビが毎日上り下りしているから

例2.カルガモ
※くちばしの先が黄色であり、これは他のカモ類にはない特徴なので、すぐにカルガモと分かります。コース周回中にカルガモを確認できなかった場合は、ゴールで写真を見せ、正解なら得点を加算します。

例3.オレンジ色

例4.(1)おだやかな顔

例5.(1)馬の労をねぎらった
※馬頭観世音は旧道の峠にあることが多いのですが、それには昔、馬に荷物を運ばせていた頃に、峠で一服して休ませたりしていたという背景があります。つまり、馬に対して労をねぎらうという意味を込めた石碑なのです。

例6.(3)鞠
※足元の鞠は、富、財産、あるいは吉兆の象徴で、獅子(狛犬)は、元々は王者の守護者でした。中国の図絵には、王者の権威を象徴するため、獅子も豪奢な鞠で遊ぶ様子が描かれているものがあります。

例7.(3)ハス
※蓮の花は汚れた水の中でも咲きます。観音様の掌には今にも咲きそうな蓮のつぼみがあり、悟りを約束されながら菩薩として働く観音様の姿を現しています。

 

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