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更新日:2024年1月24日

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農産物の上手な利用法(キウイフルーツジャム(セミプレザーブタイプ)/作り方)

「農産物の上手な利用法」のページでは、オープンラボで実験された農産加工実験や神奈川県農業技術センターの過去の研究成果を紹介しています。

作り方
大量生産の場合はこちらをご覧ください

 

(1)キウイフルーツを水洗する。

写真:キウイフルーツを水洗い

(2)キウイフルーツの軸と花落ちの両端を包丁で切り落とす。
(3)キウイフルーツを縦置きにし、包丁で皮をきれいに削ぎ落とす。

写真:キウイフルーツを縦に置く写真:皮を包丁で皮をきれいに削ぎ落とす

(4)キウイフルーツを湯気の上がった蒸し器に入れ、30分間蒸す。蒸しているときに出る液体は流さない。

写真:蒸し器に入れ、30分間蒸す

(5)蒸し上がったキウイフルーツを蒸したときに出た液体とともにフードプロセッサにかけ、果肉を粗く砕いたペーストを作る。

写真:フードプロセッサ写真:果肉を粗く砕いたペーストを作る

(6)ステンレス鍋に粗く砕いたキウイフルーツペーストを入れ、加熱する。
(7)果肉が沸騰したら、分量の砂糖を全部入れる。

写真:砂糖を全部入れる

(8)攪拌しながら加熱を続け、時々煮詰め具合いを確認する。

写真:攪拌しながら加熱写真:時々煮詰め具合いを確認

(9)良好な煮詰め具合になったら、殺菌したガラス瓶にジャムを入れる。

写真:殺菌したガラス瓶にジャムを入れる

(10)ふたを軽くして、脱気殺菌する。

写真:たを軽くして、脱気殺菌

(11)脱気殺菌が終了したら、ふたを堅く閉め、倒立放冷する。

写真:ふたを堅く閉め、倒立放冷

(12)倒立放冷が終了したら、流水で冷却する。

写真:流水で冷却

(13)ジャムが冷えたら、ビンの外側の汚れを完全に洗い落とし、水を拭き取る。
(14)製造に係わる情報を付けたラベルを貼り、冷暗所に保存する。

写真:ラベルを貼り、冷暗所に保存写真:食卓に


作り方のアドバイス

★キウイフルーツの皮むき

キウイフルーツの果皮には硬い毛が生えています。この毛がジャムに入ると食べたときにコソコソしてジャムの食感が非常に悪くなります。キウイフルーツの皮は良く洗ってから皮剥きを初めて下さい。
キウイフルーツにはタンパク質を分解する酵素(アクチニジン)を含んでいるので、素手で大量に処理すると、指先がツルツルになり、そのうち痛くなってきます。処理量が多いときはゴム手袋した方が良いでしょう。
キウイフルーツの皮を削ぎ取った時の歩留まりは65~70%くらいです。
冷凍保存したキウイフルーツを使う場合は半解凍状態にして、包丁で皮を削ぎ取って下さい。

★キウイフルーツ果肉ペーストの加熱

写真:ウイフルーツ果肉ペーストの加熱 焦がさないように鍋底や鍋のフチをヘラで擦るように攪拌して下さい。火が強いと鍋のフチに付いたキウイフルーツの果肉がこびりつき、焦げてきます。焦げそうになったら濡れ布巾で拭き取って下さい。でも、焦げるのが心配だからといって、弱火でトロトロと加熱すると、加熱時間が長くなり、ジャムの色が暗くなり、きれいに仕上がりません。焦がさないよう、可能な限り強い火で加熱して下さい。
表面に浮いてくる泡・アクはレードルなどですくい取ってください。

★砂糖の添加

キウイフルーツの果肉が沸騰したら、分量の砂糖を全部加えますが、一気にザッと加えると鍋底に砂糖がたまり、こびりつき、焦げる原因ともなります。沸騰したキウイフルーツペーストを攪拌しながら加え、砂糖が鍋底に溜まらないようにサーッと加えて下さい。
砂糖が入ると鍋底が焦げやすくなるので、焦がさないように鍋底をヘラで擦るように攪拌して下さい。鍋のフチに付いた果肉も焦げやすいので注意して下さい。
沸騰すると泡・アクが表面に浮くのでこまめにすくい取りましよう。

★煮詰め具合の確認

煮詰め具合いの確認は攪拌しているしゃもじにつくジャムの状態、スプーンですくい取った時の流れる状態、冷水を入れたコップに滴下したときのペーストの状態、冷えた皿・プレートに薄くつけて斜めにしたときの流れる状態など、いろいろな方法で煮詰め具合(ゲル化状況)が確認できます。
写真:煮詰め具合の確認 しゃもじについたペーストがサッと流れるなら煮詰め不足、モッタリとしてくればOK。スプーンに採った果肉をちょっと冷まして傾けたときサッと落ちずにポッタリとしているならOK。冷水にジャムを静かに滴下したとき、花火の様にパーッと散るなら煮詰め不足、果肉とゼリーが一体となってコップの底までミズクラゲの様にプヨプヨと沈んでいけばOK。皿・プレートにつけた場合、立てたら果肉からゼリーが分かれて、スーッと流れ出るような煮詰め不足、ちょっと流れてスッと止まればOK。その他、温度で濃縮度合を確認することができます。何度かジャムを作って、頃合を確認して下さい。

★ジャムビンとフタ

ジャムビンは広口の140~250ccのビンがお手頃。空きビンも利用できますが、ビンの口が欠けたり、ヒビのあるものは絶対に使わないで下さい。ジャムを入れてフタをしてもきちんと閉まらないため、長く保存することができません。また、加工中や保存中にビンが割れることもあります。ジャムを無駄にするばかりでなく、思わぬところでケガをすることにもなります。
フタは一度使ったものはパッキンが凹んで、緩くなるので、長く保存するためには、新しいフタを使って下さい。
ビンとフタはきれいに洗い、蒸気の上がった蒸し器に口を下向きにして入れ、内部に水が溜まらないようにして加熱して下さい。ビンとフタはジャムを詰めるまで蒸し器に入れて、熱くしておきましょう。

★ジャムのビン充填

ジャムは熱いうちに、熱いビンに詰めなければなりません。ジャムやビンの温度が低いと脱気殺菌の時間を長くしなければなりません。きれいで、おいしいジャムは手早く作って、手早くビンに詰め、殺菌するのが肝要です。
ジャムはビンの口の上端から6~8mmくらいまで入れて下さい。140ccのビンなら155g、200ccのビンなら215gくらい入ります。

★ビン充填の隠し技

ジャムビンの口を汚さないため片口レードル、片口、太口のロートなどを用いることは有効です。でも、たこ焼きに使う粉つぎや手付の片口コップは優れもの。粗く刻んだ果肉がビンに均等に入るように、柄の長いサジやスパチュウラで攪拌しながらビンに入れて下さい。

★脱気殺菌

脱気はジャムとフタの間に残る空気・酸素を減らすために行います。ビンの大きさ、ビンに入っているジャムの温度によって異なることは言うまでもありません。加熱によりビンの中に残った空気を膨張させ、希薄にした状態でフタをキュッと締め、減圧状態にします。軽くフタをしたジャムビンを蒸気の上がった蒸し器に入れ、ジャムの中心温度を90℃以上なるまで加熱します。140g~200gビンに熱いジャムを入れた場合では15~20分程度加熱します。

★倒立放冷

脱気殺菌が終了したら、フタをキュッと閉め、ビンを逆さにします。熱いジャムが下になったフタにもまんべんなく触れます。30分間、ビンを逆さにしておくことで、ビンの中に残っている耐熱性の微生物も生育することができなくなります。また、フタの締めかたが緩かったり、ビンの口に傷があったりして、すき間があると、ビンを逆さにしたときにジャムが吹き出してきます。このジャムの長期保存はあきらめて下さい。すぐに食べてしまいましょう。

★流水冷却

倒立放冷の終了したジャムに高温は不要です。ビンを水に浸けてジャムの温度を下げるとともに、ビンについた汚れを洗い流します。ジャムがわずかな温もりを持つ程度になったら、ビンの外側やフタが清浄かどうか、確認しながら水から取り出し、きれいな布巾でビンやフタの水気を拭き取って下さい。完全に冷えているより、少しの温もりがあった方がふき取れなかった水分が早く乾きます。

★ラベル

製造に係わる情報(ジャムの名前・材料の種類・材料の配合・作った年月日など)を付けたラベルを貼りましょう。

★保存

ジャムは冷暗所に保存して下さい。こうやって作ったジャムはフタを開けない限り、腐敗することはありません。しかし、温度の高いところ、明るいところに長くおくと、ジャムの糖、酸、ペクチン、色素などが化学反応をおこし、色が変わったり、柔らかくなったり、水分が分離してきます。また、香りも悪くなってきます。
どうしても長く保存したいときは冷凍保存して下さい。冷凍保存することで色素の変化がなく、作ったときの色調が長く保持できます。
ビンに詰めたままのジャムは長く保存できますが、フタを開けたジャムは糖分が多くても、少なくてもカビが生えたり、味や香りが悪くなり、長く保存することは難しくなります。フタを開けたジャムは冷蔵庫に入れて保管し、なるべく早く食べてしまいましょう。
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