神奈川県農業技術センターでは、神奈川県と厚木市の専業農家、野路稔氏で共同開発したネギ‘湘南一本’の省力的な栽培体系として、短葉鞘化栽培体系の開発に取り組んでいます。短葉鞘化栽培体系とは、ネギの軟白部分が通常の根深ネギより短く、全長が40cmのコンパクトなネギを栽培する体系です(写真1)。
短葉鞘化栽培体系は通常の根深ネギ栽培体系と比べ、定植作業が省力化されること、栽培期間が短縮されることが特徴です(図1)。
定植作業は、根深ネギ栽培体系では溝に定植しますが、短葉鞘化栽培体系では平らな畝に定植するため溝掘の手間が省け、省力化されます。
栽培期間は、根深ネギ栽培体系では通常3月下旬に播種し、12月以降に収穫となりますが、短葉鞘化栽培体系では、3月下旬に播種すると、年次変動があるが、8月末から10月中旬収穫となり栽培期間が短縮されます。そのため、続けてコマツナ、ホウレンソウ、あるいはタマネギ、キャベツなどが作付けできるので畑の利用効率が向上します。
’湘南一本’のネギ短葉鞘栽培は収穫適期体系が約1ヶ月と通常の根深ネギ栽培より短く、収穫・調製作業が集中します。このため、この時期に投入できる労働時間に合わせて栽培面積を決定する必要があります。