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更新日:2023年9月4日

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イチゴの定植前マルチング及びランナー切り離し同時定植について

 当所ではイチゴの省力的な栽培方法の開発に取り組んでいます。ここでは、イチゴ品種‘紅ほっぺ’を用いて高設栽培で試験した、定植前マルチング及びランナー切り離し同時定植に局所温度制御を組み合わせた栽培方法について紹介します。

イチゴの定植前マルチング及びランナー切り離し同時定植とは

一般的にイチゴ栽培におけるポリフィルムによるマルチングは、定植の約1か月後に行うため、植わっている苗を傷めないように気を遣う煩雑な作業です。定植前マルチングやランナー切り離し同時定植は、定植前に行うため作業性がよく、育苗期間の短縮化や定植時期の分散にもなります。しかしながら、未分化苗の定植や定植前にマルチングすることで培地温度が上昇すると花芽が分化しにくくなり、開花遅延による収穫時期の遅れが問題となります。一方、イチゴは局所温度制御により高温期にクラウン部のみ冷却することで、開花が促進されることが明らかになっています。そこで、定植前マルチング及びランナー切り離し同時定植と局所温度制御を組み合わせる栽培方法について検討したところ

慣行栽培(ランナー切り離し後、花芽分化を確認した苗を定植し、定植の約1か月後にマルチングする)と同等の収穫開始及び総収量を得られることが明らかになりました。

定植前マルチング及びランナー切り離し同時定植の方法

  • 育苗には72穴のセルトレイを用います。
  • 8月中旬にランナーを切り離し、事前にマルチングしたベットに定植します(図1、図2)。

図1定植時の苗

図1.定植時の苗

図2定植の様子

図2.定植の様子

  • 定植後、株元を冷却するためのPEパイプをイチゴのクラウンに触れるようにマルチをめくって設置します。PEパイプには定植後から10月まで18℃に調整した水を流し、クラウン部を冷却します。
  • 2020年度に行った実証試験では、収穫開始時期及び総収量は慣行栽培と同等となりました。

 

 

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