更新日:2021年3月15日

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令和2年度調査研究課題の概要

1プロジェクト研究

調査研究課題名 概要 行政施策上の効果
相模湾沿岸域におけるマイクロプラスチック汚染の実態解明 相模湾の海浜におけるマイクロプラスチックの漂着状況、マイクロプラスチックに吸着する化学物質等による汚染の調査を行い、マイクロプラスチック汚染の実態を明らかにする。 相模湾沿岸域におけるマイクロプラスチック汚染の実態を明らかにすることで、削減対策の検討や啓発情報として活用する。
神奈川県におけるPM2.5中のタンパク質の実態把握 約3割を占めるPM2.5の不明成分を明らかにするため、PM2.5中に含まれるタンパク質の定量を行い、地域的な差異や季節変動についても実態を把握する。 自然由来が多いと推定されるタンパク質の成分調査を行うことにより、PM2.5成分中で人為起源成分とは異なり、削減対策が困難な成分の寄与割合を明らかにする。

2地域課題研究

調査研究課題名 概要 行政施策上の効果
環境DNAを用いた丹沢山地におけるサンショウウオの分布調査手法の開発 環境DNAを用いたサンショウウオ類調査手法を確立し、その手法を用いて丹沢山地の広域的調査を実施するとともに、その生息分布状況から生息適地モデル(MAXENT等)により解析を行う。 水源環境保全事業で行っているサンショウウオ類の捕獲調査をより効率的に実施することが可能になるとともに、事業の評価精度が向上する。

3共同研究

調査研究課題名 概要
シミュレーションを用いた光化学オキシダントの挙動把握と発生源の影響評価 光化学オキシダントを対象として、シミュレーションモデルを活用して立体的な汚染気塊の挙動の把握や窒素酸化物など原因物質の濃度変化が光化学オキシダントの生成に及ぼす影響を明らかにする。
神奈川県におけるリン酸エステル系難燃剤の汚染実態 近年、リン酸エステル系難燃剤の利用が拡大しているが、これらの中には化学物質過敏症の原因と考えられるものや、発がん性が疑われるものがある。リン酸エステル系の難燃剤はヘキサブロモシクロドデカンの規制により最近注目され始めたものであり、環境実態調査などはこれまで行われていないため、県内の河川水及び底質の環境実態把握に他自治体の環境研究所、国立環境研究所などと共同で取り組む。
ブナ林再生に向けた総合的なリスク評価に関する研究 丹沢山地における大気・気象モニタリングにより、大気環境のブナへのリスクを把握するとともに、ブナの葉の遺伝子発現解析により、ブナ衰退の主因や状況を把握できる手法を検索し、丹沢山地においてブナが受けているストレスを把握するため、自然環境保全センターや国立環境研究所などと共同で取り組む。
ミトコンドリアDNA領域に着目した環境DNAによる底生生物相把握手法の開発 生物から放出された細胞片等に含まれるDNAを分析することにより生物の存在を把握する手法である環境DNA調査について、河川に生息する水生昆虫等の底生動物を網羅的に調査する手法を開発するため、県内に生息する底生動物のミトコンドリアDNAデータベースの整備を民間事業者と共同で取り組む。
環境DNAを用いた県内生物多様性調査手法の確立 生物から放出された細胞片等に含まれるDNAを分析することにより生物の存在を把握する手法である環境DNA調査により、県内河川等における魚類相の多様性を評価するとともに希少種や外来種の生息状況の情報を保護や駆除に活用するため、内水面試験場と共同で取り組む。
自然災害分野の適応策検討のための潜在的ニーズ調査手法の確立 気温の上昇や大雨の頻度増加等、気候変動による被害の回避又は低減等を図る「適応策」について、県民に必要性を理解してもらい、自分事として取り組むきっかけとするため、まず自然災害分野をターゲットとした気候変動適応に係る潜在的なニーズを可視化する手法を確立する。
生活環境下における環境振動の評価に関する基礎的検討 道路交通振動及び鉄道振動を対象に、主観評価実験の手法により、水平方向と鉛直方向の振動の同時暴露による振動感覚を検討し、その適切な評価量を見出す。さらに、騒音・振動の同時暴露による複合評価に関しても、実験的な検討に加え、既往の社会調査により得られたデータの再分析により、各暴露量からの寄与の定量化を試みる。なお、本研究は科研費基盤研究(B)及び(C)への協力の一環として実施する。
厚木基地周辺地域における航空機騒音暴露人口の推計 厚木基地周辺地域における航空機騒音を対象に、実測と予測モデルから得られる騒音値に基づき騒音マップを作成する。この騒音マップから、地域内の住民に暴露される航空機騒音の大きさを把握し、航空機騒音の暴露人口の推計を試みる。
低周波音による圧迫感・振動感の知覚に関する主観評価実験 低周波音による心理影響として特徴づけられている「圧迫感、振動感」に関して、主観評価実験により、人体のどの部分で知覚されているかを明らかにするとともに、その知覚評価と物理量との関係、さらに低周波音の不快感との関係についても、あらためて整理する。
火山活動評価のための火山ガス連続観測手法の確立 これまでの研究成果により、火山ガス観測が箱根山の活動度評価に有効であることが明らかとなったことから、火山活動が活発化した場合でも継続監視を可能にするため、噴気孔から放出される火山ガスの組成変化をガスセンサーにより連続観測(自動化)する手法について検討する。
気候変動による暑熱・健康等への影響に関する研究 国立環境研究所及び地域気候変動適応センターと共同して、熱中症を防止するための判断基準となる暑さ指数(WBGT)の測定と、熱中症救急搬送者等のデータ収集を行い、両者を活用した熱中症リスクの分析手法を検討する。

 

4受託研究

調査研究課題名 概要
神奈川県内事業所における化学物質排出量と取扱量との関連性に関する研究 神奈川県域における化学物質届出データ(排出量・取扱量)を収集・解析し、排出量と取扱量との関係(排出率=排出量/取扱量)を明らかにする。

 

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