更新日:2025年6月3日

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令和6年度外部評価課題

外部評価課題の一覧と評価結果を掲載しています。

外部評価課題一覧

課題名 研究概要 行政施策上の効果
河川を浮遊・流下するプラ スチックごみのAI(深層学 習)による判別・計測手法の 確立ならびに海岸漂着マイ クロプラスチック等の経年 変化(R 7~9)(国立環境研究所等との共同研究(国環研Ⅱ型)を含む) 県内河川を浮遊・流下するプラスチックごみについて、河川設置カメラ画像を活用した深層学習による判別・計測手法の確立を目指すとともに、海岸漂着マイクロプラスチック等の調査を継続し、経年変化を把握する。 河川を浮遊・流下するプラスチックごみ量を把握することにより、「SDGs未来都市神奈川」の重要な政策である「かながわプラごみゼロ宣言」や「神奈川県海岸漂着物対策地域計画」推進のための基礎資料となる。

環境DNAを用いた生物多様性保全に関する研究
(R7~ 9)
(共同研究を含む)

本研究では環境DNA技術を活用し、以下の複数の生物多様性保全に関する研究を展開する。
・環境DNAを用いた淡水生物群集の網羅的調査手法開発(国Ⅱ型研究)
・環境DNAによる底生動物相把握手法の開発
・河川・水路における自然浄化対策実施効果の生物学的評価手法開発
・環境DNAによる田んぼの生物相把握手法の開発
・環境DNAによる止水域生物網羅的検出手法の開発
・環境DNA調査結果の理解促進と活用のための生物調査アプリケーション利用に関する基礎的検討
・研究成果展開事業共創の場形成支援プログラム本格型(共創分野)ネイチャーポジティブ成長社会実現拠点
・陸海連環に基づく炭素及び生物多様性の包括的評価手法の開発

底生生物をはじめとする水生生物群は、古くから水質の指標として用いられた生物群であり、その生物相を調査することは水質の汚染状態を監視するうえで有効である。加えて、生物多様性の保全は近年重要性が高まってきており、環境DNA技術は保全に貢献できる基礎技術である。本研究では基礎的な検討や実用化等を通じて、県の生物多様性計画などに貢献することが期待される。
炭素および酸素に着目した
PM2.5粒子の詳細元素分析 (R7~ 8)
現在実施中の研究においてPM2.5粒子の詳細分析を行っているが、ろ紙の素材のため炭素を含んだ粒子等について元素組成が不明のままである。そこで、純銀製のろ紙を使用し、これまで 元素組成が不明であった粒子について詳細な元素分析を実施する。 本研究の実施により、PM2.5粒子の中でもとりわけ数が多いものの構成元素が不明な燃焼由来粒子や微生物類について、その詳細を明らかにすることで対策の必要性・緊急性が判断可能になるものと期待される。
神奈川県における光化学オ キシダント予測システムの開発(R5~7) 光化学オキシダント濃度の予測AIモデルを用いて、神奈川県における光化学スモッグの発生予測システムの構築を試みる。過去の気象データ及び大気汚染物質データをAIの学習データとして精査し、予測結果と各地域における光化学スモッグの実際の発生状況との検証を行う。 大気汚染監視業務における光化学オキシダント濃度の予測精度の向上を図ることにより、県民の健康な生活を確保しつつ、企業が適切な経済活動を行うための安全情報として活用する。

神奈川県内河川におけるベ ンゾトリアゾール系紫外  線吸収剤(BUVSs)の分析法検討及び環境実態把握
(R 7~ 9)

BUVSsは塗料・プラスチック製品を保護するための添加剤として使用されている物質であるが、難分解性や生物蓄積性が懸念されており、環境中に流出した人工芝やビニール袋などの廃プラスチック類から検出された事例も報告されている。特にBUVSsの一種であるUV-328については、日本国内においても化審法の第一種特定化学物質の指定が令和6年度中になされる予定であるため、BUVSsの県内実態状況把握を行うべく、分析法検討及び実態把握を行う。 神奈川県内河川のBUVSsによる汚染実態を把握することができる。また、環境科学センターで継続調査を実施しているマイクロプラスチック調査の結果を活用し、県内で河川への流出が確認された廃プラスチック類のBUVS汚染状況についても併せて把握することで、マイクロプラスチック削減対策の検討や啓発情報としても活用することができる。
天然記念物仙石原湿原を守 る‼-水質汚濁の原因究明と環境DNA生態系調査手法の開発による湿原保全体制の構築-(R6~R8) 史跡名勝天然記念物である仙石原湿原では、近年全窒素及び全燐の濃度が上昇し、富栄養化の傾向が確認されているが、現時点ではその原因が自然由来であるのか人為由来であるのかわかっていない。そこで、汚染源由来のトレーサー分析の手法を確立し、汚染原因と範囲を特定し、水質改善への道筋をつけるとともに、水生昆虫類等の環境DNA調査手法を開発して調査を行うこと で湿原生態系への影響を明らかにする。 トレーサー分析により仙石原湿原の富栄養化の原因を突き止め、改善のための対策を策定することができ、併せて実施する環境DNA調査により湿原の希少な生物群の調査・保全のための体制構築につなげることができる。
環境DNA技術を活用した流 域関係 者参画による河川生態系観測・保全体制構築に関する基礎研究(R7~ 9) 環境DNA調査技術を活用することで、金目川流域に関係する様々な主体が参画可能な河川生態系観測を実現し、その成果を関係者間で共有することで、将来にわたり持続可能な流域生態系の観測・保全体制構築のための課題を明らかにする。 河川生態系は地域特有の多様性として捉えるべきものである。地域に応 じた観測・保全体制を構築することにより、継続的に収集した科学的知見に基づいて、今後のあるべき金目川の姿の議論を進めていくことができる。
自動車騒音常時監視を計画的・効率的に継続するための課題解決(R6 ~8) 騒音規制法第18条の規定により、県内町村域の自動車騒音の状況を常時監視している。監視対象地域を計画的・効率的に監視するため、5年間の計画を立てて監視を行っているが、今後も本業務を計画的かつ効率的に進めていくための課題解決を図る。 環境基準達成状況の適切な把握が可能になるとともに、今後も効率的・計画的に常時監視業務が遂行できる。

外部評価結果とその対応(PDF:488KB)外部評価結果(数的評価)(PDF:303KB)

 

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