ただ今ご紹介いただきました、公安委員会委員長の笹野でございます。臨時警察署長会議の開催に当たり、一言ご挨拶申し上げます。
まず、はじめに、本件事案により、亡くなられた被害者の方のご冥福を心からお祈りするとともに、ご遺族の方々に謹んで哀悼の意を表します。
今回の事案に関しまして、検証プロジェクトチームを中心に、5月9日から始まった検証作業において、公安委員会では、定期的に検証状況等について、報告を受け、各委員から意見を申し上げてきたところであります。
今回の事案は、警察官個々の問題とともに警察の組織的な問題が複合的にかかわっているものと認識しております。
「相談等を受けていた女性が殺害されてしまった」という事実、そして、今回の検証結果を受けて、改めて、皆さんご自身はもちろん、所属の、全ての警察官一人一人が、『自分事』としてこれを重く受け止め、その内容をしっかりと理解し、それぞれの持ち場で「感度」を上げて業務を遂行していただきたいと思います。
皆さんが、県下各所属において昼夜を問わず陣頭指揮を執り、部下職員とともに第一線の治安を保持するために苦労していただいていることは、私ども公安委員会といたしましても重々承知しております。
その上で、皆さんには、今回の事案のように、本来発揮すべき機能が発揮できなかった「不適切な対応」というのは、どの部門においても起こりうる、という危機感を、皆さんを含め、各所属全員でしっかりと共有していただきたいと思うところであります。
具体的に取り組む課題に関しては、本部長をはじめ各部長からこの後、ご指示があろうかと思います。公安委員会からは、1点だけお願いしたいことがあります。それは、再発防止策の中で、「何がどのように変わった」のか、「何が徹底された」のかということを、警察官一人ひとりがしっかりと確認しながら、各々の業務を適正に遂行してほしい、なすべきことをしっかりとやってほしいということです。くれぐれも、忘れないでください。大切なのはこれからなのであります。
先日、第9回アフリカ開発会議が無事終了したばかりですが、他方、増加する特殊詐欺への対策や高止まり状態の交通死亡事故への抑止対策など、各種対策を、今後も切れ目なく推進していかなければなりません。
県警察には、部門を超えて危機意識を共有し、組織一丸となった警察活動を展開していただきたいと思います。
我々公安委員会も、引き続き、県民の目線に立った提言を行うとともに、県警察の機能が十分発揮できるよう、これからも力を尽くしてまいりたいと考えております。
改めて申し上げるまでもありませんが、県警察の活動は、県民の皆さんの信頼の上に成り立っています。今後、県民の信頼に応えられる警察であり続けられるよう、皆さんにおかれましては、これから伝えられる再発防止策等に関し、可能な限りのあらゆる機会、手段を使って、すべての警察官に徹底していただくよう、改めてお願いをいたしまして、私からの訓辞とさせていただきます。
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