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更新日:2024年4月4日

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淡水魚類図鑑 カジカ

淡水魚類図鑑

カジカ(大型卵) Cottus pollux

レッドリスト 県カテゴリ:絶滅危惧2類(絶滅の危険が増大している種)

 カサゴ目カジカ科
kajika

分布 北海道を除く日本各地に分布します。
形態

神奈川県下では過去には小卵型も生息していたらしいのですが、現在は絶滅したと考えられています。大卵型のカジカは、丹沢山塊をはじめとする渓流域を中心に生息しますが、砂防ダムによる河川分断や取水による水量の減少等のため、各地でその生存が脅かされています。

 

両側回遊型 卵が小さい 胸びれ何条数13-16本
陸封型 卵が大きい 胸びれ何条数12-14本

 

生態 カジカは従来から海へ下る両側回遊魚の小卵型と、河川上流域で一生を過ごす大卵型に分けられていましたが、最近の研究では両者は別種であると言う結論が出ました。産卵期は3-5月で、石の下に産み付けられた卵を雄がふ化するまで守ります。
備考 本種は県レッドデータブックでは、絶滅危惧2類になりました。
今回は、渓流域をほとんど調査していないので、出現河川は相模川水系の相模湖・津久井湖周辺に限られている。この地域では、水量や河川形態等、類似した環境の支流が多く存在する。しかし、カジカが生息する川としない川が明確に分かれているので、本種が好む生息環境は、かなり限定されるものと推察されます。

“カジカ“と呼ばれるものは、魚と蛙がいます。同じ渓流の住人ですが、きれいな声で鳴くのは蛙のカジカ、カジカガエルの方です。魚のカジカは、川の底にじっとしている、頭が大きく不細工な顔をした魚です。同じような体型をしているので、ハゼ類とカジカを混同する人がいます。しかし、魚をひっくり返せば、一目瞭然、ハゼ類には腹鰭が変型した吸盤がありますが、カジカにはありません。
 カジカの住み家は、渓流域の石の下です。多い所では、拳大から頭大の石をそっと動かすと、その下から必ず1尾出てきます。石の周辺をなわばりとしているのです。水生昆虫や小魚等を食べています。泳ぎはあまり得意ではありませんが、餌を獲る時や危険を察知した時は、「ドン」とロケットのように瞬間移動します。大きなものでも10cm位で、小さな沢には小さなカジカ、大きな沢には大きなカジカがいます。昔はこの地域のどこの支流にもたくさんいたそうですが、最近は分布が縮小し、生息場所が限定されています。それでも、酒匂川の支流には比較的数が多く、カジカばかりがうじゃうじゃいて、他の魚が全くいない沢もあります。
このカジカ、タイプが2通りあります。丹沢に生息するものは大卵型と言って、一生を川で過ごします。大きな卵を少し産むので、この名があります。もう一方は小卵型と言って、川と海を行き来するタイプです。体も大きくなり、小さな卵をたくさん産み、ふ化した稚魚は川を下って海で育ちます。残念ながら、小卵型は神奈川県からすでに姿を消しています。最近の研究で両者は別種とされていますので、近々、新しい名前も与えられることでしょう。

生息場所

 

 

カジカの生息地、流れがある清流に多くいます。
やや大きめの石の陰にいます。

 

 

卵 

 

カジカの卵、直径4mmぐらいで、

半透明でした。 

 

 

石の側に隠れていることが多く、しっかり見ないと分かりません            体色が黒くなったカジカ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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