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更新日:2025年8月14日

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淡水魚類図鑑 ミズウミチョウザメ

淡水魚類図鑑 ミズウミチョウザメ

ミズウミチョウザメ Acipenser fulvecens

チョウザメ目チョウザメ科

ミズウミチョウザメ

 

分布

本州の北部以北
国外では、サハリン、沿海州、朝鮮半島などの沿岸

形態

体は長細い形をしている。吻(口先)が長く伸びているのが特徴、背びれは体の後方にある。長いひげが多数ある。
鱗(うろこ)の形が蝶々の羽のように見えます。
非常に大きくなり、2から3mになります。

生態

海または湖に生息し、産卵のために川に遡上する、産卵数は80万から240万粒になります。
稚魚は底生昆虫や小型魚類を食べ、海(湖)へ下ります。

備考

卵巣を塩漬けにしたキャビアが有名、他に食肉として利用されます。

チョウザメ類は2-3億年前に出現し、世界中に分布していましたが、現在ではアジア大陸北部、ヨーロッパ、北米などの北半球にしか見られません。現存する種数は27種前後といわれています。
 チョウザメとは言っても、いわゆるサメの仲間(軟骨魚類)ではなく、一般の魚と同じ仲間(硬骨魚類)に分類され、自然界ではプランクトンや無脊椎動物、小魚などを食べるおとなしい魚です。この魚の卵を塩漬けにしたキャビアは、世界三大珍味として珍重されています。

チョウザメがいなくなる?
 チョウザメ類には海洋と淡水域で生活するものがいますが、どちらも産卵は河川や湖でおこないます。最近では、河川の汚染やダムの建造などにより、子孫を残すことが難しくなったうえ、密漁などの乱獲のため、世界的に個体数が減少しています。「1996年レッドデータ・ブック」によると、27種のうち25種が絶滅の危機に瀕しているとされており、その保護対策が望まれています。現在、日本で捕獲されることは極めて稀です。
 近年、日本国内でもチョウザメの養殖が注目を集めており、主としてベステル(Bester)という種類の養殖が試みられています。ベステルは、養殖用に人工的に交雑されたチョウザメの一種です。大きく育つオオチョウザメの雄と、肉が美味しく養殖しやすいコチョウザメの雌の子供です。日本では、「チョウザメ=キャビア」と見られがちで、身が食べられることはあまり知られていませんが、中国やヨーロッパ諸国ではキャビア同様珍重されています。この魚は、身を食べるために作り出され、成長が早く、身が美味しいのが特徴です。 

ミズウミチョウザメ等の画像です

 

ミズウミチョウザメ ミズウミチョウザメ。チョウザメ類の口には歯が無く、4本のヒゲをもちます
うろこ 鱗(うろこ)の形が蝶々の羽のように見えることがチョウザメ(蝶鮫)の名の由来です
ミズウミチョウザメ シロチョウザメ
ミズウミチョウザメ 試験場の池では、シロチョウザメがコイと一緒に泳いでいます。

 

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