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更新日:2024年3月26日

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先輩へのインタビュー(水産業)

「かながわの農林水産業」で働き始めた方のインタビューを掲載しています。

水産業 太田 憲行 さん

水産業をはじめたきっかけ

 地元の横浜市の出身で、子供の頃から魚や生き物、釣りも好きだったので子供の頃はバスプロに憧れていました。しかし、あくまで憧れであり高校卒業後は飲食店を中心に複数の仕事に就きましたが、やりがいを感じる仕事には出会えませんでした。30歳を目前に、地元の先輩に漁業者がいて「漁師にならないか?」と声をかけてもらい、体験乗船をして漁業者になることを決めました。
 小型底びき網漁業の漁師として独立する事を目指して平成25年4月より横浜市漁協本牧支所の落合さん(太光丸)に弟子入りしました。修行中に漁船を購入し、少しずつ漁具を揃えて独立に向け準備をしていきました。1年後には横浜市漁協の正組合員となり、さらに8カ月間の修行を経て、平成27年1月に念願の独立を果たしました。

水産業をはじめて分かった苦労

 漁協の決まりで4~10月は午前5時、11~3月は5時30分から1人で船に乗り込み出漁します。漁獲対象は、江戸前と言われる東京湾産のマアナゴ、タチウオ、マコガレイ、トリガイなどです。昼過ぎにから夕方に帰港して、漁協の出荷場に出荷した後、漁船と漁具の手入れと次の日の準備をして1日が終わります。休漁日は火曜日と土曜日の2日です。時化や休漁の日にも漁港に来て、漁船と漁具の手入れ等の出漁日にはできない仕事をしています。
 天候に左右され、また都合良く魚が獲れるわけでもありません。漁船や漁具が壊れてしまえば、直せなければ出漁できないし、漁具の性能が悪ければ仲間より魚の水揚げが少なくなってしまいます。そして1人で操業しているので、すべてが自分の責任となる過酷な仕事です。

水産業をはじめて良かったと思うこと

 しかし、大変な反面、自分の持つ漁業のスキルが水揚げに顕著にあらわれます。そのため漁具の仕立てや操船が上手くいき、魚が獲れ、仲間や先輩方に祝福してもらえた時の喜びは他の仕事には無い、お金には代え難いものがあります。
 また、海原を自らの漁船で走って仕事をすることは気持ちが高揚しますし、大都市横浜の海を守り、自然を相手とする漁業を営むことは、非常に価値のあることと感じています。
 そして、貴重な江戸前ブランドの魚を供給し、日本の食文化を守り発信することにも貢献していると感じています。

漁業を目指す人へのアドバイス

 漁業は職人仕事です。一朝一夕で覚えられる事は何一つありません。私の漁師の経歴は短かいですが、大ベテランよりも多く獲る時もあります。それも仕事を教えてくれた師匠のお陰です。仕事を教えてくれた先輩漁師は浜に沢山いますが、師匠無しでは今の自分はなかったでしょう。師弟関係は一生物です。この仕事も一生物です。皆さんも漁業を始めれば先輩漁師に教えてもらう事が多々あると思います。信用できる人を見つけ、信頼関係を築く事が自分のスキルを磨く事に絶対になります。初めから出来る人はいません。怖じけず漁業の世界に飛び込んでみてください。

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