研究内容の紹介(畜産技術センター)

掲載日:2021年1月4日

県民が求める食の提供~マーケティング調査手法を用いた県内消費者の畜産物ニーズに関する研究~

企画研究部企画研究課 引地宏二

担当者写真(引地)

研究を始めた経緯

現在の農畜産物流通は、市場や小売店を経由して生産者から消費者の手に届くことが多く、生産者と消費者の距離が離れています。そのため、生産者がこだわりをもって美味しい畜産物を生産しても、消費者がどのように評価するのか、どのように改良するとより高い評価を得られるのかがわかりません。
そこで、マーケティング調査手法を使い、畜産物に対する県内消費者のニーズをとらえることができなかと考え、本研究を始めました。
本研究を通して、消費者の畜産物ニーズを把握して生産者に伝えることで、消費者のニーズに合わせた商品の改良が行われ、消費者が求める畜産物を提供できるシステムをつくることを目標としています。

畜産技術1

直売所でのアンケート調査

 

畜産技術2

豚肉の食味調査

 

研究の内容

畜産物ニーズを把握するため「消費者の購買行動分析」、「県産畜産物ブランド分析」、「畜産物の嗜好分析」の3点からアプローチして解析しています。
「消費者の購買行動分析」では、対象とする畜産物をよく利用する消費者を集めて井戸端会議(グループインタビュー)により、対象畜産物に対する“イメージ”、“購買方法”、“消費方法”、“不満点”について話し合いの中から出てきた本音からニーズを引出します。
「県産畜産物ブランド分析」では、インターネットを利用したアンケート調査で県産ブランド畜産物の“認知度”、“利用頻度”、“畜産物の嗜好”、“食に対する意識”等について設問し、回答結果を因子分析、クラスター解析等の統計手法を使って消費者をタイプ分けして、県産ブランドを求めている消費者のタイプを明確にします。
「畜産物の嗜好分析」では、消費者が試食して嗜好を評価する“消費者型官能評価”とその畜産物の“成分分析結果”を組合せて、美味しいという主観的な評価と成分分析値という客観的評価との関係性について研究を行っています。
これまでの成果は生産者に紹介し、ブランド作り、生産物の評価手法として活用していただいています。

グラフ1

年代、性別で地鶏に求めるおいしさが違います

 

畜産技術5

消費者型官能評価により豚肉の嗜好が明確になります

 

今後の展開

今後は、「消費者とのコミュニケーション手法」について研究していきたいと考えています。例えば、売り場にあるポスター、パンフレット、POP等の情報を消費者は購買時にどのように利用しているのか。また、お肉を選ぶ時の決めては、パックのお肉の脂身の量なのか、赤身の色なのか、他になにを見て購買すると決めているのか。これらの行動は、年代、性別によって違いがあるのかなど、消費者の思考を「見える化」するための調査手法を検討しています。
この研究を通して消費者が求めている情報をよりわかりやすく伝えることで、消費者と生産者の情報交換がよりスムーズに行えると考えています。

 

研究職員のプロフィール(研究歴、受賞歴等)担当者プロフィール写真(引地)

  • 平成8年から採卵鶏の暑熱対策に関する試験を行っている。
  • 平成21年から畜産物のニーズ把握を社会科学的な手法で研究している。