ホーム > 電子県庁・県政運営・県勢 > 県政情報 > 県全体の広報 > 記者会見 > 定例会見(2025年8月26日)結果概要

更新日:2025年8月28日

ここから本文です。

定例会見(2025年8月26日)結果概要

過去の知事記者会見の様子をテキスト版でご覧いただけます。

発表項目

 ロス ZERO かながわ大作戦!デジタル技術で食ロスが減る、笑顔が増える

 はじめに、「ロス ZEROかながわ大作戦!デジタル技術で食ロスが減る、笑顔が増える」についてです。
 このたび、県は、デジタル技術を活用して「食品ロスの削減」と「子どもたちの支援」の両立を目指す新たな取組み「ロスZEROかながわ大作戦!」を開始することとしました。 取組みの背景ですが、県内では、食べられるのに廃棄されている食品、いわゆる「食品ロス」が、年間に約36万トン発生しており、これは、県民1人が1日に、おにぎり約1個分を捨てていることに相当します。
 一方で、国の調査によると、日本の子どもの9人に1人が貧困状態にあるなど、社会状況や家庭環境等により食料支援を必要とする子どもが数多く存在します。
 こうした課題を解決するため、県は、コケナワホールディングス株式会社及び一般社団法人サイクルストックと協定を締結し、食品の製造過程などで発生する規格外品や余剰品などの食品ロスを、両社のデジタル技術を活用して、支援を必要とする子どもたちに届けることとしたものです。
 具体的には、食品会社などから提供された規格外品や余剰品などを両社が運営する「寄附物品マッチングプラットフォーム」に登録し、子ども食堂などの支援先がその登録されたものの中から必要なものを注文すると、それが配送されるというものです。
 極めてシンプルな仕組みではありますが、このプラットフォームを使うことで、支援先のニーズに応じた食品の提供ができるため、ニーズとのミスマッチによる支援の無駄、すなわち支援のロスが生じない仕組みとなっています。
 県では、この「ロスZEROかながわ大作戦!」を広く展開するため、子ども食堂などの支援先に対してこの取組みを案内していくほか、食品等を提供していただける企業・団体の参画を呼びかけていきたいと考えています。

苔縄代表取締役: コケナワホールディング株式会社代表取締役の苔縄です。私たちのグループが掲げる理念は「地球をワクワクさせる」というものにあります。災害時に支援を必要とする人が物資を受け取った瞬間の安堵や、子どもたちが一口のアイスクリームを頬張るときの笑顔、その瞬間こそが、まさに「地球をワクワクさせる出来事」だと考えています。本日発表させていただいた「サイクルストック」は、そうした瞬間を日常の中に広げていくための新しい仕組みであると信じています。これまで「デジタル大使館」として能登半島地震やウクライナ避難民支援に活用され、200を超える企業や団体、そして数万人に支援を届けてきました。しかし私たちは、日常の社会にも大きな矛盾があることを知っています。まだ食べられるのに捨てられる食品がある一方で、食事に困る子どもたちがいる。必要なのに届かない、余っているのに活かせていない。この状況を変えるために「サイクルストック」という仕組みに進化させます。これは単なる寄附の仕組みではなく、信頼を循環させる社会のインフラになっていくことを目指し、企業のもったいないを提供し、子どもたちの笑顔を増やしたいと考えています。この挑戦は神奈川県から始まり、全国へ、そして世界へと広げてまいりたいと考えています。引き続きよろしくお願いします。

水村代表理事: 一般社団法人サイクルストックの水村と申します。このたび「ロスZEROかながわ大作戦」がスタートできることを大変うれしく思います。この取組みの最大の意義は、余剰となった食品を廃棄物として処理するのではなく、社会を支える資源へと生まれ変わらせることにあります。これまで見過ごされてきたものに新しい価値を与え、支援が必要な子どもたちにつなげる、この仕組みができたこと自体が、大きな社会的転換点だと感じています。神奈川県は、人口が多く企業や商業も集まる一方で、農業や漁業など地域ごとの生産も盛んです。多様な資源が生まれるこの土地だからこそ、サイクルストックの仕組みが力を発揮し、食品を循環させるモデルケースとなれると確信しています。今回の取組みを通じて、企業にとっては食品ロスの削減が社会貢献に直結し、地域にとっては「支援の輪」が確実に広がっていきます。そしてその結果として、子どもたちの日常に安心と笑顔が増えていく未来を創り出せることを、心から誇りに思います。私たちは、神奈川でこの循環型モデルを確立していきたいと思っています。そのためにも、より多くの企業や団体の皆様にご参加いただき、皆様と共に「ロスZEROかながわ」を実現してまいりたいと思います。

~フォトセッション~

知事: この件について、ご質問があればどうぞ。

質疑

「ロス ZERO かながわ大作戦!デジタル技術で食ロスが減る、笑顔が増える」について

記者: 協定を結んだのはいつで、こういう取組みをいつから具体的に始めるのかというところをまず教えてください。

知事: 協定はきょうで、これから始まります。

記者: 具体的に食品会社から食品の提供を受けて、子ども食堂に配布する、そういった取組みが始まるのはだいたいいつ頃というイメージでしょうか。 苔縄代表取締役: 準備が整い次第、当社グループと神奈川県庁と連携をして、対象の企業様へお声掛けを始めたいと思っております。そしてその後、対象となる利用者様に向けて、広く発信していくことによって運用を開始したいと考えております。

記者: コケナワホールディングスさんとサイクルストックさんの関係性というかどういう立場なのでしょうか。

苔縄代表取締役: コケナワホールディングスが防災グッズメーカーでございまして、私が代表を務めております。そして、その子会社として、サイクルストックが生まれまして、一般社団法人として運営を行っております。

記者: 実際に取組みをするのはサイクルストックさんということですか。

苔縄代表取締役: さようでございます。

記者: マッチングプラットフォームの特徴というのはどういうところにありますか。

苔縄代表取締役: 非常にシンプルでございますが、困っている方自身が、どういった状況なのか、どういったことに具体的に困っているのか、そういったもの、ニーズをまずデジタル技術を活用して把握することに特徴があります。そして、その情報を、支援を希望されている企業様や団体様に一定の範囲でお伝えをして、余剰するロス品などから、そういったものを提供できないかということ、比較的スムーズに行うことに特徴があるかと思います。

記者: 将来は全国でやりたいということでしたが、最初に神奈川で始める経緯というか、改めて、理由を教えてください。

苔縄代表取締役: 神奈川県庁、またこの地域は非常にこういった食品ロスの取組みに関心が高く、日頃から取り組みされていることも、聞いておりました。また、関わる中で、われわれの活動に対して強く関心を抱いていただいたのも、私どもが頑張ろうと思った理由でもあります。もう1つ、水村代表は神奈川の出身でございまして、特にこの地域で始めることにやりがいを感じております。

記者: 改めて、知事とそれぞれ、どういう効果を見込むかというところ、取組みの期待を教えてください。

知事: これはうちのCIO兼CDOをやってくれている江口さんに、食品ロスの問題をデジタルの力で何とか解決できないかと彼に問い合わせたところ、この2社を紹介してもらったとのことでした。2年ぐらい前ですか。こういう枠組みの中で支援をしたことがあったと聞きました。そして、例えば、おせち料理がコンビニでも売っていたりするけれども、最終的に売れなかったら大量に余ってしまう。そういったものをそのまま放っておくとゴミになってしまう。食品ロスにならざるを得ない。それを的確に必要とする人に届けられれば、ロスにならなくて済む。そういったことが、デジタルの持っている力であります。ですから、誰が必要としているのか。そしてここにどういったものが余っているのか、そういったことをなるべく時間のロスをなくして、つないでいって運ぶと、まさに循環型社会ができ上がってくるということです。そういった話があったので、ぜひ神奈川県でやりたい。子どもたちの中で、先程申し上げたように9人に1人が貧困という状態になっていて、そして、子ども食堂。私が知事に就任した頃は「子ども食堂」という言葉すらなかったのですけれど、そういった現実があるという中で、そこにしっかりと善意の輪をつくって、必要な余ったものをうまく届けていく流れをデジタルの力でつくることによって、温かい社会を皆さんでつくっていこう、そういう流れだと、大変私も期待をしているところです。

水村代表理事: 今まで食品ロスとして廃棄されていた余剰品が、必要とされている方々にお届けできるように一生懸命頑張っていきたいと思っています。

記者: 余ったものを運ぶことや、余ったものといっても商品価値がまだ残っているとすると、お金のやりとりは発生するものなのかどうかというのを教えていただきたい。子ども食堂なり食品会社に金銭が発生するのかどうかというのを教えていただきたいのと、この仕組みを回すランニングコストみたいなものを教えていただきたいです。

苔縄代表取締役: まず一般利用者様の費用負担になりますが、受け取る方は送料の実費のみで受け取っていただくというものになっています。西濃運輸さんであったり、佐川急便さんであったり、ヤマト運輸さんと連携してお届けさせていただくのですけれど、一般的に開示されている送料のみでお届けをさせていただきます。商品代金はかかりません。また、この仕組みを使っていただく企業様に対しても、いわゆる利用料のようなものはいただきませんので、無料で余剰品を寄贈していただくという形で、運用をしてまいりたいと考えております。神奈川県庁さんと今般連携をさせていただくのですれども、自治体としてわれわれの仕組みを使う上で、ランニングコストが掛かるかというと、そこもありません。なので、そういったところでは、非常にノーリスクで運営しているという状況です。

記者: コケナワホールディングスさんとか一般社団法人サイクルストックさんの旨味というのは何かあるのでしょうか。

苔縄代表取締役: あります。運送会社様は、これまで余剰していたロス品をお届けするという物流網を構築できていませんでしたので、今般、われわれと組むことで、送料は運送会社様に享受していただく形になりますので、その送料の一部をわれわれに残していただいて、運営資金にさせていただく仕組みになっております。

記者: 大体で結構なのですけど、年間の取引目標みたいなもの。余剰品がどれだけ余るのかはなかなか予測できないかもしれませんけれども、先程年間36万トンは廃棄されているということだったので、その何割を目標にしているなどが、もしあれば教えてほしいです。

苔縄代表取締役: 現時点で目標を立てているかといえば、ないのですけれども、これまでの実績ですと、1つの余剰品がメーカーから提供されますと、およそ2,000~3,000世帯から、申し込みをいただく傾向にはありました。今後も同じような水準、または、もっと多くの必要とする方にお届けできるように。また、今まで月に1回や2回でしたけれども、今般の自治体との連携によって、毎週のように配布できるようになれば嬉しいと思っております。

発表項目

「ベトナムフェスタin 神奈川2025」イベントプログラム決定!

 次に、「『ベトナムフェスタ in 神奈川2025』イベントプログラム決定!」についてです。「ベトナムフェスタin神奈川」は2015年から開催し、今回で9回目となります。
 今年は、9月13日(土曜日)、14日(日曜日)に開催します。会場は、日本大通り、県庁本庁舎、象の鼻パークです。今年の開催テーマは「まるごとベトナム」です。
 ベトナムの伝統芸能や有名アーティストによるパフォーマンス、ベトナムを学ぶ各種コンテンツなど、神奈川のベトフェスは体験できること・学べることがたくさんあるということで「まるごとベトナム」というテーマとしています。この機会に、ぜひベトナムをまるごと体験していただければと思います。
 今年の「ベトナムフェスタin神奈川」のアンバサダーは、昨年に続き、川嶋あいさんに就任いただきます。
 川嶋さんが作曲した日越友好ソング『絆』を、今年もフィナーレで一緒に歌う予定です。会場全体が一体感に包まれる、とても素晴らしい曲なので、今から私も非常に楽しみにしています。
 ベトナムからは、若者に人気のベトナム人シンガー「ホアン・ズン」さんが来日します。 ホアン・ズンさんは、日本の歌を日本語で披露しようと熱心に練習しているそうですので、日本人とベトナム人が一緒になって盛り上がるステージにしてくれると期待しています。
 また、スペシャルサポーターは、「kolme(コールミー)」さん、「Isaac(アイザック)」さん、「Thai Ngan(タイ・ガン)」さんの3組が務め、盛り上げていただきます。
 その他、主なプログラムを紹介します。
 今年も恒例のベトナムの伝統芸能「水上人形劇」を実施します。これは、ベトナム文化スポーツ観光省の協力によるものです。
 また、定番の人気のプログラムとなりました「ベトナム人留学生スピーチコンテスト」も実施します。ベトナム人留学生が一生懸命に学習してきた日本語を披露していただきます。
 さらに、今回初めての試みで、来場者の皆さんと一緒に踊る、「ベトナムフェスタオリジナルダンス」を実施します。
 そのほか、重りのついた羽を蹴り合う伝統的遊び「ダーカウ」や竹の棒に引っかからないようにステップする「竹ダンス」、また、ベトナム発祥の武術である「ボビナム」など、ベトナムの文化を楽しく知ることができるプログラムを実施します。
 昨今の暑さは非常に厳しいので、特に外のイベント開催では、暑さ対策も非常に重要です。
 そのため、今回のベトナムフェスタでは、来場者や運営スタッフへの暑さ・熱中症対策を今まで以上に行い、イベントを安全に開催したいと考えています。
 水上人形劇の観覧エリアに日よけシェードを設置し、日本大通りに、日よけパラソルを設置するほか、うちわの配布や扇風機の設置など十分な暑さ・熱中症対策に取り組みます。  
 「ベトナムフェスタ in 神奈川」のイベント詳細は、お配りしている資料のとおりです。多くの皆様のご来場をお待ちしています。
 なお、昨年から、神奈川県とベトナムの交流の様子や魅力等をベトナム語で発信するインターネット番組、「Kết nối Việt☆Kana(ケット・ノイ・ベトカナ)」を、YouTube 及びFacebookで配信しています。  
 日本語字幕付きで配信されており、ベトナムフェスタの情報も発信していますので、ぜひご視聴していただければと思います。

「黒岩祐治が行く!神奈川の現場」(知事現場訪問)宇宙機を設計・開発する有限会社オービタルエンジニアリングを知事が訪問します

 次に、知事現場訪問についてです。9月5日(金曜日)に、「黒岩祐治が行く!神奈川の現場」として、横浜市の有限会社オービタルエンジニアリングを訪問します。
 同社は、宇宙機用の機器の開発から設計・製造まで行っており、熱や耐放射線を考慮した製品を提供しています。
 当日は、厳しいミッションを成功させるための先進技術を提供している衛星製造の研究開発拠点を視察し、「神奈川の宇宙関連産業の振興を考える有識者会議」の委員でもある、同社の山口社長と意見交換などを行います。ぜひ、取材にお越しください。

知事出席主要行事

 知事出席主要行事については、事前に送付した資料のとおりですが、そのうち、1件コメントしておきます。
 9月3日(水曜日)に、「黒岩知事と当事者とのオンライン対話」を開催します。 
 これは、対話のテーマに関連した当事者や関係団体と私が、少人数で、オンラインで意見交換を行うことにより、当事者目線の施策形成につなげていくものです。
 今年度第2回となる今回のテーマは、「新県民ホールに期待すること」です。神奈川県を代表する文化施設である県民ホールを、県民の皆様とともに建替えていくため、新ホールについて、どのような施設になってほしいか意見交換を行います。
 今回の参加者は、県民ホールに出演経験のある若手バイオリニストやバレエダンサー、高校生などの出席を予定しております。  
 また、YouTubeでもライブ配信を行い、ご意見を募集します。ぜひ、取材にお越しください。
 私からの発表は以上です。みなさんからのご質問があればどうぞ。

質疑

「『ベトナムフェスタin神奈川2025』イベントプログラム決定!」について

記者: 9回目ということで、先程いろいろプログラムも新しい試みをご紹介いただきましたけど、特に今回これに注目してほしいというようなところがあれば改めて教えてください。

知事: ベトナムフェスタは9回目になるわけですけれど、コロナで2年間できなかったわけです。2015年から始めて随分重ねてきたという感じであります。そういった中で、ベトナムの存在感というものが、日本の中でどんどん大きくなってきているということで、今は他県でもこのようなベトナムフェスタ、ベトナムフェスティバルをやっているところが出てきています。それを見ると、われわれがやっていることとほとんど同じようなこともやっていらっしゃるところも多いのですけれど、一番違うところは「ベトナム人留学生スピーチコンテスト」。フェスティバルですから、いわゆるお祭りですが、歌ったり踊ったりとか、お店が出たりとかだけではなくて、ベトナムの留学生スピーチコンテスト、私は大変素晴らしいイベントだといつも思っています。彼らは日本語を勉強して、日本語で自分の思いを語るというコンテストです。これを聞いていると、ベトナムの若い人たちが夢を持って日本にやってきて、そして、文化の違いに悩みながらも、一生懸命頑張っている姿を率直な言葉で語ってくれる。そういう話を聞いていると本当に胸が熱くなるような思いがいたします。これはぜひ日本の若い人にも聞いてほしいという思いで、去年の作品も、県のホームページで見られるようにしているところでありますけれども、これは今回の新しい取組みではありませんけれども、他のベトナムフェスティバルが各地で広がってきている中でも、非常に特徴的なことだと思うところです。やはり、こういったことを継続してきていることの重みというものは、非常に大きいことだと思います。今回の新しい取組みとしては最後にお話をしました、みんなで踊るということですけども、ベトナムフェスタオリジナルダンス。これがどういった形になるか私も少し見当つきませんけれども、楽しみにしております。

記者: ベトナムとの交流、このフェスタも含めて今後こういう展開をしていきたいというようなところがあれば教えてください。

知事: これは文化交流イベントでありますけれども、実はベトナムフェスタだけではなく「KANAGAWA FESTIVAL in VIETNAM」といったものもやっています。今年の11月には私も行って、KANAGAWA FESTIVAL といったものを向こうでやってまいります。これももう、今年が7回目になりますか。こういったことを継続する中で、文化交流イベントが入り口なのですけれども、同時に企業の交流といったものも進めています。2015年、ベトナムフェスタが始まった当初は、ベトナムの企業で神奈川県に進出している企業はゼロだったのですけれども、今は21社になっています。神奈川の企業でベトナムに行きたいというところにも、われわれは積極的にその進出を支援していまして、今は32社が行っているところです。そういった交流が進んでいるということ、そしてまた、今回も来られると思いますけど、いろんな地方の政府の代表者、政府の関係者等もお見えになりますし、いつも私も政府の要人たちとも会談する機会もあるといった中で、文化交流を入りあ口としながら、経済、政治、さまざまな分野での交流を深めているということ。これは非常に大きな意義があること、しかもこれを続けてきているということがやはり、今の段階では、他の都道府県も皆ベトナムに注目を集めている中でも、圧倒的なポジションをわれわれは確保しようと。これをしっかりとこれからも続けていきたいと思います。

政策推進担当課長: 先程知事の方から「KANAGAWA FESTIVAL in VIETNAM」の回数を7回と申し上げましたけれども、正しくは6回ということでしたので、訂正させていただきます。

参議院議員について

記者: 先の参議院選挙で当選された参政党の初鹿野裕樹議員が、自身のXで、黒岩知事を訪問して、会談をされたと投稿されているのですけれども、もしよろしければどういった内容をお話しされたとか、印象とかを教えていただけますでしょうか。

知事: 当選したということのごあいさつでやってこられましたけれども、私も、あの方のことを全く知らなかったので、経歴を聞きました。「どういうことをされていたのですか」と聞くと、警視庁の柔道先生をされていたとおっしゃっていました。大学時代からずっと柔道を一生懸命やってきて、警視庁で教えていた。それから「かねてから政治に対して興味があったのですか」という話をしたならば、必ずしもそうではなかったけれども、さまざまなことの中で、何か自分ができることないか、そういった中で、挑戦しようという気持ちになって、出たという話をしていました。そういう話です。だから自己紹介というものを、私がどういう方ですかということを聞いたということです。それ以外は特にありませんでした。

記者: 初鹿野議員からの申し出でですか。

知事: もちろんそうです。

昨年の県内観光客数について

記者: 先日、県の方から、去年の観光客数が過去最高を更新したという発表がありました。この点についてコメントをいただけますでしょうか。

知事: コロナで、外国からのお客さんが全然いらっしゃらない。国内の旅行者も全くいないという中で、非常に厳しい状態がありました。それでコロナが収束して、少しずつ戻ってきたという中で、今お話があったように、海外からのお客さんが過去最高になったということは非常にありがたいことだと思います。背景として、円安といったこともあるということは、必ずしも手放しで喜べる状態ではないのかと思います。われわれはかつて、海外にどんどん出かけていったときに、ショッピングをどんどんやっていた。それは円が高かったからです。だから海外に行ったら、安く買い物ができるという思いがあって、どんどん行って、どんどん買い物をしていました。それは今全く逆の状態になっているのかと思うと、少し寂しい気もしないでもないです。ただ、せっかく外国から来られるお客様ですから、ぜひこの機会に神奈川の魅力をたっぷり味わっていただきたいと思います。ただ、それと同時にかなりたくさんの方が来てくださっている中で、オーバーツーリズムという問題も生じている場所もあります。神奈川県の場合は特にそうですけども、住宅地に外国の方が訪れることがたくさんあるわけでありまして、うまく共存していかないと、せっかく外国から来ているお客様が迷惑な存在になってくる。こうなるとお互いにとってよくないので、そこはお互いがそれぞれの地域で、しっかりと知恵を絞りながら、お互いがうまくいくような形、これをしっかりとこれからもやっていってもらいたいと思います。

オーバーツーリズム対策について

記者: お話の中にあった通り、対策に苦労されている自治体もあります。その中で、県としてこういったことをこれからやっていきたいとか、そういった展望など今考えていらっしゃることはありますか。

知事: これは今、急に考えたわけではなくて、周遊型観光がオーバーツーリズムに対して県としてやれる大きな仕事かと思っています。ある1ヶ所に集中してしまうのです。でも、集中しても、実はもっと他にもたくさん魅力的なところがありますよと、どこに何があるのかといったことをしっかりと情報として発信すること。この時代ですから、デジタルの力で、ここに来られた方が、これだったらここも面白い、こっちも面白いと言って回って行って、それをうまく回って行ってもらうために、デジタルスタンプラリーみたいなことをして、スタンプをつないでいったら、そこで特典があるという。そういう形で、広域的に誘導していくということをこれまでやってきましたけれども、これからもしっかりそういう形で、広域行政を預かる県としては、そういう形での周遊型観光といったものにつなげていきたい、広げていきたいと思っています。

特別市について

記者: きょうこの後、相模原で特別市に関する意見交換会が、相模原と横浜と川崎のそれぞれの市長、議長などが集まって意見交換が行われます。現時点での特別市に対するお考えを改めてお聞かせいただけますでしょうか。

知事: われわれが普段から言っていることは、県民目線の行政を進めることが大事だということです。ですから特別市の議論も、県民目線、市民目線で考えていただくことはとても大事だと思います。つまり特別市というのは県から独立をするということですから、それぞれの地域の住民の方々が県から独立をしたいと強く思われるのだったならば、それは現実に向かっていく大きなエネルギーになるでしょうけれど、本当にそうなのかなといったところ、私自身は疑問に思っています。その議論をすることについて、議論してはいけないなんてことは私が言う筋合いのものでもありませんから、私の考え方はそういうことです。ただ独立をするということ、これが特別市だということだけは、県民の皆さんにしっかりと理解してほしいということで、そういうパンフレットを作ったところでありますけれども、あとはどういう議論がなされたかということを注視していきたいと思っています。

宿泊税について

記者: 人が多く訪れる中で、全国的に宿泊税を導入しようという動きが出てきています。神奈川の方でも、来年は湯河原町、さらに箱根町も検討しているということですが、この動きについて、どのように考えているのか。また、神奈川県として、宿泊税を導入する考えというのは現時点であるのかどうか、そのあたり教えてください。

知事: これはそれぞれの地域の問題だと思っています。神奈川県全体で見るとやはり地域によって、観光客がたくさん訪れるところもあるし、そうでもないところもありますから、県が一律で宿泊税というのは、神奈川県の場合にはあまりふさわしくないかなと思っています。ですからそれぞれの市町村で、宿泊税をとるという動きがあるのは、私達が否定することでも何でもないということです。県として取り組むということは考えていません。

観光客の増加に向けた施策について

記者: 去年、コロナ禍でだいぶ下がった観光客数が戻ってきた、若干更新したというところだと思うのですけれども。改めてまだこれから伸びる余地が神奈川県の中であると考えているのか。そのために、何が必要なのか。先程、周遊の必要性もおっしゃっていましたけれど、やはり横浜、川崎とか鎌倉とか、その辺に集中、箱根とか、強いコンテンツがあるのだと思うのですけれどそれ以外の底上げも含めて、どういった形でお考えになっているのかというところを教えていただけますでしょうか。

知事: 振り返ってみると知事になって15年になりますけど、ずっと観光という面については、ある種思いを持ってやってきたということだと思います。当初は、神奈川県の中の大きな観光地はどこだろう。横浜、鎌倉、箱根はすぐに浮かんできたけれども、次はというときに、これだという決め手がなかなか思い浮かばなかったという当時でしたけれども、それだったら新たな観光の核を作ろうということで、観光の核づくり事業というものをやってきました。それぞれの地域がコンペで、核に選ばれるということをやってきた中で、3つの地域が選ばれました。城ケ島・三崎、大磯、大山。そしてそこに集中的に予算を投下しながら、磨き上げてきたわけであります。そういった中で途中にオリンピック・パラリンピックといったものもあった中で、1,000通りの観光ツアーを作ろうということを言って、今まで観光地と思われなかったところも発掘して、磨き上げていく。そういう拠点をたくさん作るということでやってきました。そういうものをつなぎ合わせていこうという作業をずっとやってきて、今は、新たな観光の核を点ではなくて面にしていこうという動きをしています。ですから、三浦、城ヶ島・三崎は三浦半島全体だとか、大山の周辺全部を含めた山なみというくくりなのか。大磯だったら大きな広い意味での湘南とか、そういう面で広げていこうというようなことをずっとやっておりますので、そういった中で、かなり魅力的なところがどんどん出てきていると思いますから、1カ所に集中する今まで通りの、観光といったらあそこだと集中するのではなくて、メニューをたくさん用意してありますから、情報をしっかりと皆さんにお届けしながら、回って行っていただく。神奈川県を丸ごと楽しんでいただく。そういう流れを作っていきたいと思っています。

特別市について

記者: 過去の報道とかを見ますと、知事は財源不足が生じることや、県としての総合調整機能に支障が生じるということで、特別自治市という構想について反対のような見解を披露されていますけれども、その見解は現在でも変わらないということなのか、確認させてください。

知事: 県から政令市が独立した場合には、県の財政状況がめちゃくちゃになります。とても、3政令市以外のところに回せるお金というのは圧倒的に少なくなります。それは大変なことだと私は思います。やはりわれわれは3政令市を含めて、県全体として連携・協調しながらやっていくことを、ずっとやってきたわけであります。それが自分たちのエリアの税金は全部自分たちだけで使うのだということを強烈に言われると、そこだけは良いかもしれないけれども、全体からすれば、全体を預かるわれわれからすれば、大きなマイナスなことは間違いないです。ですからわれわれは、それは困るという立場ではありますけれども、先程申し上げたように、住民の皆さんが、絶対独立したいということで思われるのであれば、県として、それは違うだろうということはなかなか言えないだろうと思っています。ただし、考え方は全く変わっていません。

国連機能の一部誘致について

記者: 先日、TICADで山中市長と国連のグテーレス事務総長が会談して、山中市長から、国連機能の一部誘致について話したという話がありました。東京都もそういった方針を示しているかと思うのですけれども、県として、知事の考え、国連機能の一部誘致についてお聞かせください。

知事: この話は、県として検討したこともないし、横浜市さんと話をしたこともないです。そういうお考えなのかというのを私も報道を見ていて、そうなのかと思ったぐらいであります。その後に横浜市さんと一緒に話をしているわけでもないので、その真意はよく分かりませんけれども、東京都も手を挙げてらっしゃるわけですから、どういった形になるのか、私は今のところ論ずる材料を持ってないというのが正直なところです。

(以上)

このページに関するお問い合わせ先

このページの所管所属は政策局 知事室です。