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更新日:2025年4月30日

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定例会見(2025年4月25日)結果概要

過去の知事記者会見の様子をテキスト版でご覧いただけます。

発表項目

「無電柱化プロジェクト~富士山の見えるみち、災害に強いみち ~」を始動します!

 はじめに、「無電柱化プロジェクト~富士山の見えるみち、災害に強いみち~」の取組みについてです。
 県では、これまで、県管理道路の「無電柱化」について、災害対応力の強化、安全・円滑な交通確保、良好な景観形成の3つの観点から取組みを進めてきました。
 県や市町村が管理する道路は、約2万5千キロメートルありますが、県がこれまでに無電柱化を完了した道路は、約25キロメートルにとどまっており、道路の無電柱化には、大変な時間と費用がかかります。
 一方で、無電柱化に重点的に取り組んでいる緊急輸送道路の中でも、電柱や電線が邪魔をして、富士山がこのように見えにくくなっているところもあります。
 これが、無電柱化されることで、このように富士山がよく見えるようになります。
 富士山の見える風景は、観光の面でも大切な財産となりますので、こうした道路の無電柱化については、これまで以上に力を入れて取り組んでいくこととします。
 さらに、今後は、県が管理する道路だけではなく、市町村が管理する道路も対象として、この取組みを横展開していきます。
 このため、県は、新たに「神奈川県無電柱化推進会議」を設置し、この会議を通じて、県がしっかりとリーダーシップをとり、全ての市町村と共に、無電柱化に優先的に取り組む箇所を洗い出し、このプロジェクトを推進していきます。

令和6年度も殺処分ゼロ!(犬12年、猫11年)

 次に、「令和6年度も殺処分ゼロ」についてです。
 令和6年度も、神奈川県動物愛護センターに保護された犬と猫の殺処分がゼロになり、犬は平成25年度から12年間、猫は26年度から11年間、殺処分ゼロ継続となりました。
 県では、「かながわペットのいのち基金」を活用し、神奈川県獣医師会と連携して、動物愛護センターで保護している犬や猫の病気やケガの治療を行っています。
 また、人に馴れていない犬のしつけや訓練を実施し、対面やオンラインで譲渡会を開催するなど、譲渡につなげる取組みを進めてきました。
 この間、ボランティアや獣医師など保護動物に関わる皆さんのご尽力や、県民の方々の温かい想いにより、保護された多くの犬や猫を、新しい家族に迎えていただきました。
 改めて感謝申し上げます。
 一方で、多頭飼育崩壊等、飼い主の事情により、手放されて保護される犬や猫は後を絶ちません。
 ペットを飼っている県民の皆さんは、その動物が命を終える最期まで愛情と責任をもって、適切に飼っていただくようお願いします。
 県は、今後もボランティアの皆さんや関係機関と連携し、飼い主が責任を持って、適切に最期までペットを飼育するよう普及啓発を行うほか、動物愛護センターの犬や猫の収容数の減少、譲渡及び返還の推進に取り組んでまいります。
 なお、県では、動物愛護センターで保護した犬や猫のうち、回復の見込みがない病気やケガによる苦痛がある場合などには、苦痛からの解放のための安楽死処置をすることがありますが、殺処分ゼロ達成以降に行った事例はありませんでした。
 しかし、令和6年度に飼い主から引き取った犬2頭について、安楽死処置等の判断に関するガイドラインに則り、複数の獣医師の意見を伺ったうえで、初めて安楽死処置を実施しました。
 この2頭については、いずれも高齢で収容時から後ろ足のふらつきや全身性腫瘍などの病気があったため、神奈川県獣医師会の協力を得ながら、懸命に治療を行っていましたが、回復の見込みがたたず、衰弱が進んでしまったため、苦痛を長引かせることなく安楽死処置を行うことが適切であると判断しました。
 回復する見込みのない動物を苦痛から解放するために、動物福祉の観点から獣医師が行う安楽死処置は、譲渡可能な犬や猫を処分するいわゆる「殺処分」とは異なるものとしています。
 今後も動物福祉の観点を大事にしながら必要な措置を講じ、保護した動物の譲渡に努めてまいります。

太陽光発電の導入拡大に向けて取組を大幅に強化します!

 次に、「太陽光発電の導入拡大に向けて取組を大幅に強化します」についてです。
 県では、2050年脱炭素社会の実現に向けて、「オールジャパン、オール神奈川」で取り組んでいくため、事業者や家庭など、さまざまな主体の取組みを後押ししています。
 そこで、太陽光発電の導入拡大に向けて取組みを大幅に強化するなど、事業者や家庭における再エネ・省エネ等を支援する、「脱炭素化支援メニュー」をパッケージで用意しました。
 今後、順次、受付を開始しますので、ぜひ積極的な活用をお願いします。
 まず、「1 太陽光発電の導入拡大に向けた取組強化」の「(1)住宅用太陽光発電・蓄電池導入費補助金の新設」についてですが、太陽光発電と蓄電池のさらなる導入拡大を図るため、両方の設備を併せて導入する場合の支援として、新たに約3億4,000万円の予算を確保し、補助を開始します。
 次に、「 (2) 補助金額の増額」についてですが、「ア 家庭向け支援」として、初期費用の負担なく太陽光発電等を導入できる「ゼロ円ソーラー」の補助や、「イ 事業者向け支援」として、自家消費型の再生可能エネルギー発電設備等の導入に対する補助について、補助金額を増額します。
 次に、「(3)ペロブスカイト太陽電池など次世代型太陽電池の早期普及に向けた支援」についてです。
 ペロブスカイト太陽電池など次世代型太陽電池は、このように「薄くて、軽くて、曲げられる」という特長があり、これまで設置が困難だった場所にも、設置が可能となる新技術です。
 そこで、次世代型太陽電池の早期普及を図るため、多くの県民や事業者の皆さんに、実際に、見て、知っていただく「見える化」の取組みに対する支援として、新たに約6,600万円の補助を開始します。
 次に、「2 補助金などの支援パッケージ」ですが、今、申し上げた太陽光発電の導入拡大に向けた支援も含め、「事業者向け支援」、「家庭・住宅向け支援」、「EV・FCV導入支援」など、項目ごとにさまざまな補助メニューを用意しています。
 受付開始時期や条件など、補助金の詳細については、この「かながわ脱炭素ポータル」で確認いただけます。
 このポータルでは、県の取組み以外も国や県内市町村の補助メニューなど、まとめて確認することができますのでぜひご覧ください。
 2050年脱炭素社会の実現に向けて、より多くの皆様に県の「脱炭素化支援メニュー」を活用いただきたいと思いますので、ご応募をお待ちしております。

県庁版社内ベンチャー制度が始動しました!

 次に、「県庁版社内ベンチャー制度が始動しました」についてです。
 県庁版社内ベンチャー制度は、昨年5月に行った私と若手職員との議論の場で、「やる気のある職員がチャレンジする仕組みを作りたい」との提案を受けてスタートさせたものです。
 職員による政策の提案制度は従来からありましたが、職員が施策につながるアイデアを提案した後、所管課が引き継いで事業化を検討するという制度でした。
 そこで今回は、提案した職員自らが、実証から効果検証までやり抜くことができる制度にしました。
 さらに、民間人材からのフォローアップを受け、職員だけでは発想できなかった視点からのアドバイスをいただきながら、提案をブラッシュアップできるよう工夫しました。
 この制度の開始に先立ち、全庁の職員が利用するポータルサイトで私から職員の皆さんに直接メッセージを送り、提案を呼びかけました。
 1か月の募集期間で18件もの提案があり、その中から昨日、私が審査委員長となって審査会を実施し、今年度より実証を始める提案を8件採択しました。
 今後、実証・効果検証を行い、その結果を踏まえて、事業化を検討していくことになります。
 この制度により、職員の政策形成能力の向上を図り、さらには、社会的課題の解決につながっていくことを期待しています。

県庁本庁舎を一般公開します

 次に、発表項目ではありませんが、「県庁本庁舎の一般公開」についてコメントします。
 今回の県庁本庁舎の一般公開は、憲法記念日の5月3日(土曜日)、午前10時から午後4時までとなります。
 本庁舎内では、私が日頃執務している知事室のほか、竣工当時の姿を留め、現在は応接室として使用される旧貴賓室や、同じく大会議場として使用される旧議場、県の重要行事に使用される正庁などをご覧いただけます。
 今回の公開では、私も出席する「宇宙なんちゃら こてつくん」の神奈川県宇宙応援アンバサダー就任式のほか、新たに、JAXAが所有している小型月面着陸実証機「スリム」の2分の1スケールの模型などを展示するとともに、子ども向けフラワーアレンジメント教室や神奈川県弁護士会による無料法律相談、身近な発明品の展示や販売など、さまざまなイベントを実施します。
 また、昨年度に引き続き、屋外では GREEN×EXPO 2027のPRブースや、東京2025デフリンピック競技のミニ体験をご用意しているほか、キッチンカーの出店もあり、一日を通して楽しめます。
 近隣では、「ザ よこはまパレード」も開催されますので、そちらの観覧にお越しになられる方にもぜひ、立ち寄っていただきたいと思います。
 多くの皆様のご来場をお待ちしております。

知事出席主要行事

 知事出席主要行事については、事前送付した資料のとおりです。特に私から付け加えることはありません。
 私からの発表は以上です。皆さんからのご質問をどうぞ。

質疑

『「無電柱化プロジェクト ~ 富士山の見えるみち、災害に強いみち ~」を始動します!』について

記者: 無電柱化プロジェクトについて、5月20日に第1回の会議を開くということなんですけど、その後のスケジュールとか、例えば年度内にこういうことを決めたいということがあれば教えてください。

道路管理課長: 5月にまず会議を行いまして、年内に2回ほど会議を開催したいと考えております。その中で、市町村さんも含めてどういった場所を無電柱化していこうかということをまず洗い出しまして、できれば年度内に重点的に無電柱化を進めるところを取りまとめていきたいと考えております。

(「太陽光発電の導入拡大に向けて取組を大幅に強化します!」について)

記者: 次に太陽光発電の支援メニュー拡大について、その中のペロブスカイト太陽電池など次世代太陽光電池の見える化の補助についてですが、これの対象者はどういったものを想定して、もう少しどういう場面での利用を想定しているのかというイメージを教えていただきたいと思います。

脱炭素企画担当課長: 対象としましては、今はもう現時点で実証というのは、企業、自治体とやられてきているところで、今回、神奈川県としましては、単なる実証というのではなくて、県民の皆さん、企業の皆さんに見えるような場所に、こんなところにもペロブスカイトやカルコパイライトなどの次世代型太陽電池が付くのだというところを皆さんに見て知っていただけるような、実証を対象としております。設置いただける事業者につきましては、基本的には民間企業を想定しております。

知事: 先程も申し上げましたように、ペロブスカイトは、これまで設置が困難だったビルの壁面だとか、重さには耐えられなかった工場の屋根といったところにも設置が可能になるということですから、こういったことなら、うちでもやってみようかということで幅広く広がっていくということを期待したいと思います。

( 『「無電柱化プロジェクト ~ 富士山の見えるみち、災害に強いみち ~」を始動します!』について)

記者: 無電柱化プロジェクトですが、これまでも取り組んできたということですけれども、このタイミングで富士山が見えるようにということで、新たに会議体を設置して取り組むようになった契機とかきっかけみたいなものはあるのでしょうか。

知事: 今年3月に策定した「新たな地震防災戦略」では、誰一人取り残さない防災を目指し、道路の防災対策強化や災害に強いまちづくりを重点施策に掲げ、道路の無電柱化を進めることとしました。県は、これまで市町村庁舎等の防災拠点周辺などにおいて、県が管理する緊急輸送道路の無電柱化に重点的に取り組んできましたが、市町村が管理する道路の無電柱化を進めることも重要です。こうしたことから、今回、市町村と連携し、無電柱化の取組みを加速させるため、プロジェクトとして始動することとしました。私は前から無電柱化というものに非常に関心を持っていて、特に防災という面もありますけども、景観といったもので電柱があって電線が垂れ下がっている。先程お写真を見せましたけども、あのことによって景観をずいぶん害しているというか、せっかくの美しい富士山の景色がそれによって見えなくなっているというところがたくさんある。それがすごく気になっていた。ただ、申し上げたように、無電柱化を全面的に進めるためには、大変な費用もかかる、時間もかかるということなので、防災とかそれから景観といったものを考えながら、市町村としっかりと相談しながら優先順位をしっかりつけて、やれるところはやっていこうということになったわけであります。

記者: 重ねてお伺いしますが、この無電柱化というのはたぶん神奈川だけではなくていろいろなところがやっていて、九都県市の首脳会議でも確か話題になっていたと思うのですが、先行している、県境を超えて、自治体と連携したりあるいはノウハウを共有したりとかそのあたりのお考えみたいなものがあったりしますでしょうか。

知事: 確かにこの間の九都県市首脳会議でこのことが話題になって、無電柱化を進めていこうということで、九都県市の一致した要望ともなりましたから、そういう形で国に対してもしっかり要望書になりますから、連携を進めていきたいと思っております。

「 県庁版社内ベンチャー制度が始動しました ! 」について

記者: 県庁内のベンチャー制度の関係ですが、いくつか採用されたということだと思いますが、知事が審査員長だということなのですけれども、どういう観点でこの事業が選ばれているのか、それと改めて、期待です。事業化に向けてということだと思いますが、そのあたりを教えてください。

知事: きのう、提案者の発表会があって、その審査に臨んだわけですけれども、非常に私も感銘を受けました。職員が自分の担当している仕事の人もいましたし、そうではない仕事の人もいましたけれども、こういうことやりたいんだという、すごく強い思いで、しかもそれをどうやったら現実的に政策として実現できるのかといったことの思いを見事な形で発表してくださって、そしてそのあとの質問に対しても、堂々と答えてくれた。中には新採用2年目の職員たちもいて、頼もしく思ったところです。印象に残ったところとしては、例えば、紙おむつのリサイクルといったことです。これ実は、前に職員とのガチトークをやっている中で、紙おむつのことを言った人がいたのです。私もよく覚えていましたけれど、保育園や幼稚園に行くときに紙おむつを持っていかなきゃいけない。そうすると、迎えのときに、汚れた紙おむつを持って帰らなきゃいけない。これは非常になんというか、精神的にはプレッシャーになるということで、そういう汚れたおむつを持ったまま、買い物に行くのに気が引けてしまうみたいなこともあって、だから、紙おむつをそのまま幼稚園や保育園に置いておいてもらって、手ぶらで行けるようにしたいという「手ぶらで保育」。そういう政策提案があって、実現をしたわけです。実はその同じ人がその後もずっと紙おむつの問題に取り組んでいて、紙おむつをリサイクルといった視点でいろいろ調べて、そうするといろんな企業もそういうことに取り組もうとして、そのリサイクル方法にも種類があると。それをどうやって採用していけばいいのかという具体な話もあって、そういった流れを神奈川から新たに独自に展開していくということは非常に意味があることだと思ったので、選ばれたということになりましたけども、他にも本当にさまざま、自分の強い思いを持って政策実現していこうといったベンチャーマインドというものは、神奈川県庁の若い人の間に根づいてきているということが非常に頼もしく思ったところでした。

記者: 提案はどのくらいあって、絞り込んだということになるのでしょうか。

知事: 18件です。

『「無電柱化プロジェクト ~ 富士山の見えるみち、災害に強いみち ~」を始動します!』について

記者: 無電柱化についてですが、東京都が2040年を完了目標に掲げていますが、県としては何か目標だったりとかはありますか。

知事: そのことも議論したのですが、なかなか今、目標を出せる状況ではないというとことで、まずはできるところから始めてみようということです。全部を完全に無電柱化というのは相当先が遠い話で費用も莫大にかかってくるということで、やれるところからやっていきながら、ある程度めどが見えてきた段階で、目標年次も示していけるのではないかと思います。

記者: 無電柱化ですが、さきほど県管理道路が2万5,000キロあって、25キロ、1000分の1という話だったのですが、緊急輸送道路だけに絞ると何分の1ぐらいになるのか、緊急輸送道路がどのくらいのキロ数あるのかの規模感が分からないので教えていただけますか。

道路管理課長: 先程の2万5,000キロという数字は県だけではなく市町村も入れた数字になります。県管理道路は約1000キロ、そのうち約700キロが緊急輸送道路となっております。

知事: 700キロのうちの25キロと考えていいですか。

道路管理課長: 700キロのうちの21キロが無電柱化を終わっているところになります。

記者: 県が令和4年3月に改定している無電柱化推進計画の終了年度が今年度末になっていたかと思うのですが、今回の市町村との協議を経て、この計画を新たに改定して、次の終了年度を決めて取り組むという理解でよいでしょうか。

道路管理課長: 県の無電柱化推進計画は確かに今年度末が終わりですが、今、国の方でも無電柱化計画を改定するということも聞いています。国の動きも見ながら、今回取りまとめたものも考えながら、改定の時期が来れば計画に反映していきたいと考えています。

記者: 緊急輸送道路の防災の観点の安全性というところで言ったら、歩道橋についても耐震化を進めるなり、老朽化したものは撤去するなりということが自治体によっては取り組んでいるところもありますが、これについては、歩道橋は今後の防災の観点でどのように進めていくのか教えてください。

道路管理課長: 今のところ、防災の観点で歩道橋を撤去していくというような考えはもっておりません。

記者: 耐震化も。

道路管理課長: 手元に資料がございませんので、後程回答させていただきます。
【補足】
「横断歩道橋の耐震対策については、令和3年度から階段部と歩道橋本体(上部構造及び下部構造)との接合部のボルトの外れ、腐食等の状況を順次点検し、その結果、大規模地震時に階段部材が外れる恐れがある場合は、修繕を行うなどの対策を行うこととしており、県が管理する横断歩道橋の全てで、点検、必要な対策が完了しています。今後も点検を実施し、必要に応じて対策を行ってまいります。」

記者: 鎌倉市とかは独自に無電柱化に取り組むと言っている自治体もあると思いますが、今回市町村との協議を進めていくということで、県が補助なりで支援していくという財政的なスキームを一緒に考えていくということは想定されているのでしょうか。

道路管理課長: 県からの補助は考えていないのですが、国の方で無電柱化推進計画を策定すると補助が出るので、無電柱化推進計画を策定していない市町村があれば、われわれが支援をして、補助金が取りやすく、確保できるように支援していきたいと考えています。

国の物価高への対策について

記者: 発表項目ではないのですが、物価高が長引いていて、与野党問わず、消費税を減税するような話や公約を打ち出そうという動きがあります。消費税減税となると地方税収にも影響してくる話だと思いますが、現状、こうした議論についてはどのようにお感じになっていらっしゃいますでしょうか。

知事: 物価高、原油高等々に対する危機意識が出ているということ。またトランプ関税というものに対して不安感があるということです。ですからそういうものに対してなんとかしないといけないという真剣な議論が国会の中で進み始めているということは歓迎したいと思います。その手法はいろいろあると思いますけれども、選挙を前にした中で、どうなっていくのかというのは、われわれとしてはしっかり注目して見ていきたいと思います。 

高校授業料の無償化について

記者: 高校授業料の無償化についてお伺いしたいのですが、今年度から公立高校は実質無償化になって、来年度は私立も無償化ということになります。東京都との関係もあって、県民の関心度も高いところだと思いますが、この措置について、知事はどのように受け止められていますか。

知事: これはわれわれだけでなくて声をそろえて言ってきたことですけれども、本来ならば子どもの教育というものは住んでいる場所で差が出るということはおかしいということで、全国一律でやるべきだと。特にわれわれは東京都がどんどん高校無償化ということを先んじてやられたという中で、県を接している神奈川県の皆さんの中で非常にご不満があるということはよく分かった。しかし、それに対応するだけの地方財政の余力もない中で、そもそも教育は国全体でということをずっと国に対して要望し続けてきました。それが実現した形になっているということなので、これは大いに歓迎したいと思います。せっかくそういうことが踏み出されたので、そのもとになっていた偏在是正という問題もしっかり取り組んでほしいということは引き続き申し上げていきたいと思っています。

記者: その上でお伺いするのですが、無償化になると神奈川もそうかもしれないのですが、私立の方に受験生が偏在するとかそういう懸念も指摘されています。最近、政府とかが公立高校の単願制だと思うのですが、併願みたいなのも認める、いろんな多様な選択肢とか、公立高校受験生の確保だとかそういう狙いもあると思うのですが、ここの議論について、もし知事として思うところがあれば教えていただけますか。

知事: 高校無償化というのは求め続けてきたものですから、それが実現するという中で、そこからまた新たにいろんなものが出てくるかもしれないが、それは様子を見て、やっていかないとなかなか今の段階ではこうだとは言えないと思います。やはり基本は私学というものはそれぞれの学校の建学の精神というものがあって、それぞれ個性を出しながらやってきたという流れがあります。これからの県立高校というのはやはり一校一校がわれわれの県立学校はこんなふうにあるべきなんだという独自の姿を見せていくというか、それがやはり必要になってくると思っています。そのような中で、生徒さんが「あそこの県立高校はこんな形で面白いよね」とか、「あそこに行ったらこんなことができるよね」というようなことの中で選ばれるような、ある意味でいい競争がこの私学、公立の枠を超えて行われるということが一番いいと思っています。

記者: 私学、公立の話ですけれども、大阪は先んじて無償化をして、なかなか公立が苦戦をして、地域によっては廃校になるところも出てくるという状況になっていて、そこの公立高校の競争力を担保するにはどうするのかというのが1つ課題として今後出てくるだろうと思うんですけれども、そのときに私学はそれなりに無償化されても他の部分でお金を徴収できたりとか、寄付を募ることができたりとか、いろいろ財政的に余力を生み出すことも可能なところと伍していこうと思ったときに、県として教育予算というのをそれなりに確保、増額していかないとなかなかその将来的に大阪と同じような形になっていくのではないかなというところも懸念されるんですけれども、そのへんについてはどのような考えでしょうか。

知事: 神奈川県の県立高校で、かつて100校計画というのがあって、15の春を泣かせるなというようなことでキャンペーンが行われて、随分たくさんの県立高校が出来上がったということがあります。ところが今時代が変わってきて、少子高齢化になっていて、子どもたちの数が減っているという中で、この無償化の話とは別にして、今のままの高校、県立高校そのままでいいという状況ではもうなくなっているわけです。その中でやはりこの再編統合といったことの流れは今進んでいるわけでありまして、今回新たなそういう授業料無償化という流れが出てきた中でも、この再編統合の話というのは、どのように組み立てていくのかということをしっかりと流れを見ながら考えることが大事だと思っています。

(以上)

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このページの所管所属は政策局 知事室です。