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更新日:2025年4月8日
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過去の知事記者会見の様子をテキスト版でご覧いただけます。
はじめに、年度の始めということで若干の所感を申し述べたいと思います。私も4期目の折り返し地点になりました。残すところあと2年になります。しっかりとこの2年間で、これまでやってきたことを仕上げていきたいと思っています。「県民目線のデジタル行政でやさしい社会を実現」を掲げて4期目当選いたしましたけれども、この2年間、まさにその道を歩んできたことを実感しております。ありとあらゆるところでDXの革命的なものが進んでいくだろうという中で、防災からヘルスケアからさまざまな分野でDXを推進させてきました。「災害に強いかながわ」といったものも、これもDXの流れというのもありますし、そして崖が崩れやすいということもあり、3次元点群データなども活用しながら、その危険性というものを皆さんに見える化していく流れをつくっております。それから救急医療相談「♯7119」といったことによってさまざま対応する、それだけではなくて、ヘルスケア全体に医療DXを進めていくということを、これからもしっかり進めていきたいと思っております。そして、何といっても、大きな課題になっているのは「当事者目線の障害福祉推進条例」といったものはつくったわけですけども、それをしっかりと形にしていくという作業、まだまだ道半ばと言わざるを得ません。特に中井やまゆり園での虐待事案といったものなどは改善しようという流れ、しっかり改善に向かって進んではきましたけれども、医療不在という問題が出てきたということについて、先日ご報告もいただきましたけれども、その報告書をもとにしっかりとこの医療不在という流れを変えていくという大きな仕事が残っているというところであります。それとともに、その延長にあると思うのですけれども、新しい福祉を目指していくということのために地方独立行政法人神奈川県立福祉機構を令和8年4月の設立に向けた準備を進めているところです。福祉の世界に科学の目を入れていくという流れ。全くこれまでなかったような新しい福祉の時代をつくっていく。そのための人材の育成といったものをしっかりやっていって、神奈川から新たな福祉のステージを切り開いていきたいと考えているところであります。「災害に強いかながわ」という中では、今年度予算の中でも入れさせていただきましたけれども、災害用トイレカーの導入を始めとした避難所における生活環境の確保でありますとか住宅の耐震化の一層の充実など新たな地震防災戦略、こういったものを推進してまいりたいと考えております。あと2年間しっかりと仕上げてまいりますのでどうぞよろしくお願いしたいと思います。
次に、「2025年ミャンマー地震救援金の募集について」です。
先日、ミャンマー中部において大きな地震が発生し、甚大な被害をもたらしました。犠牲になられた方々に対し哀悼の意を表するとともに、被害に遭われた方々に、心からお見舞いを申し上げます。
今回の地震の発生を受け、被災者の方々を支援するため、本県でも救援金を募集することとしました。本日から、県庁本庁舎1階の正面玄関及び新庁舎1階のロビーの2か所に募金箱を設置します。県のホームページやSNSで県民の皆様へ広く周知してまいりますので、一人でも多くの方の募金をお願いいたします。なお、いただいた救援金は、日本赤十字社を通じて被災者の救援活動に役立てられます。ぜひ、ご協力をいただきたいと思います。
次に、「来たれ『神奈川がんばる企業2025』!」についてです。
県は、中小企業・小規模企業の社会的認知度や従業員のモチベーションの向上を図るため、独自の工夫等を実施し、成長している中小企業・小規模企業を認定し、県が積極的に情報を発信する「がんばる中小企業発信事業」を、平成29年度から実施しています。昨年度は、「神奈川がんばる企業」を20者認定し、その中から、ビジネスモデルの独創性などが特に優れた「神奈川がんばる企業エース」を8者認定しました。
認定を受けるメリットですが、こちらの「神奈川がんばる企業」のシンボルマークを使用できます。また、県がホームページ等を活用して情報発信をします。さらに「神奈川がんばる企業エース」に認定されれば、新聞等への掲載を通じて、より積極的に情報発信を行います。
これまでに認定した企業の皆様からは、さまざまな反響をいただいていますが、その中から2者をご紹介します。
まず、横浜市でデコレーショングッズ等の卸売業を営む株式会社ポピーです。デジタル技術の活用によって、実店舗で展開しているサービスをオンライン上に展開し、オンラインによるショールーム、コーディネート、レッスンと非対面ビジネスに新たな価値を提供したことにより「神奈川がんばる企業エース」に認定されました。その結果、「採用サイトのアクセス数が、前年度と比べて130%増加しました」という声をいただいています。
次に、相模原市でEコマースによるパジャマ、ルームウェア販売を営む株式会社フレックスです。競合他社には真似できない高品質の素材を使ったパジャマにより、自社独自の付加価値を実現するとともに、EC販売におけるオーダーメイドシステムの構築により、きめ細やかなサービスを実施していることが評価され「神奈川がんばる企業エース」に認定されました。その結果、「今まで取引の無かった法人から、パジャマを導入したいというお問い合わせが増えています」という声をいただいています。
今年度は、本日4月8日から、7月31日まで認定企業を募集します。ぜひ、たくさんの企業からのご応募をお待ちしています。
知事出席主要行事については、事前送付した資料のとおりです。特に私から付け加えることはありません。
私からの発表は以上です。皆さんからのご質問をどうぞ。
記者: 知事冒頭、残り2年になったという所感をいただいたのですけれども、その中で当事者目線の障害福祉がまだ道半ばであるという、ご発言がありました。先ごろですけれど、また中井やまゆり園で虐待事案ということで、認定されたという事案がありました。なかなか根が深い問題だと思うのですけれども、改めて道半ばであるとともに、まだこうした事態が起きていることについて改めてお願いいたします。
知事: 本当におっしゃったとおり、根が深いと感じざるを得ないです。これだけわれわれが真剣に取り組んできて、議会の皆さんとも取り組んできて、そして、こういった虐待というものは、とにかくやってはいけないということを徹底的に改革を進めている中で、いまだにまたそういう事態が出てくるということです。意識改革というのはそう簡単ではないなということをつくづく感じるところです。ただやはり、そういう事態が起きたということがすぐに明らかになってきているということは、1つの大きな前進ではないかと思いたいです。中井やまゆり園だけの問題であるはずがないと思うのですけれども、他ではなかなかそういった実態が浮かび上がってこないという中で、どんどんこういう情報を外に出して、膿を出し続けて、改革に向かって進んでいくしかないと思って、粘り強く取り組んでいく必要があると改めて思う次第です。
記者: 残り2年の任期の中でお伺いしたいのですけれども、県民ホールです。先月末で、営業自体が終わって、長期休館に入って、これから新たなホールを造っていくという段階になるかと思いますが、改めて今までホールが果たしてきた役割、それから、今度造るホールをどういう方向性で造っていこうとお考えなのかその道筋の立て方含めてお願いいたします。
知事: 3月末をもって県民ホールは幕を閉じた。あの建物の県民ホールは幕を閉じたわけですけれども、そのプロセスを通じて、改めて思ったのは、いかにこの神奈川県民ホールというものが、皆様に愛されていたかということを痛感しました。お客様からもそうですし、出演者の皆様からも関係者の皆様からも大変高く評価いただいていたということを本当にしみじみと感じて、それはありがたいことだったと思います。これ見たらまだ使えるのではないかという声もあった。私もそういう思いを持ったわけではありますけども、しかし現実問題としては、ここ何年かを見ていますと、大規模な修繕といったものを何回も繰り返さざるを得ないということ、しかも、今のこの時代に合った形になっていない。つまり、バリアフリーにもなっていないということがあるという中で、こんな大修繕を何度も何度も繰り返していくよりも、ここでいっそのこと全面建て替えした方が良いだろうということで、建て替えという判断したわけであります。ただ、あの辺りは、横浜市の都市再開発のエリアにもなっているので、どんな形の新しいまちづくりをするのかという絵が描かれなければ、どこにどんな形で建て替えるのかということが決まらないということがあるので、そのためにある程度時間がかかるということが本当に残念でならないと思っています。しかし、皆様のあの熱い声、特にグランドフィナーレのときの皆さんのあの熱い声、そういうものを受け止めながら、少しでも早く建て替えられないかしっかり模索していきたいと思っています。そして最後の最後のグランドフィナーレのときに私も舞台から皆さんにお約束をしたのですけども、次の県民ホールは、みんなでつくっていきたいと思います。せっかくあれだけ愛された県民ホールを建て替えるときに、有名な建築家が来てドカーンと造っていくというスタイルではなくて、みんなで知恵を出し合って、「私ならこんな県民ホールにしていきたい」とか、「私の立場からはこんな県民ホールがほしい」とか、「こんなデザインが良いかな」とか、「こういう部屋があった方が良いかな」とか、もう何でも結構です。そういう声をたくさん吸い上げながら、そして、「私も言ったアイデアがあの辺に活きている」みたいなことを実感できるような、そんな県民ホール。それとともに、どういう演目ができるかという中ではやはり、これまで神奈川県民ホールが果たしてきたような規模感です。つまり、大きなオペラでありますとか、バレエとか、ミュージカルとか、割と大規模なものであっても、特に海外から来るようなオペラの舞台装置は非常に大きなものがあったりしますけども、そういったものにも対応できるということ、それから最先端のテクノロジーが駆使されたような施設にしたりとか。それから当然バリアフリーということ。そしてまた、「ともに生きる社会」というものが象徴されるようなホールを造っていきたいと思います。
記者: 県民の意見を集める仕組み、どう吸い上げるのかっていうのが、何か青写真があったりするのでしょうか。
知事: 今それを検討しているところです。われわれ県民の皆さんの意見を聞くさまざま今までいろんなやり方をやってまいりました。それをどんなふうに組み合わせながら、どうやって意見を集約していくのか、それはこれから、今検討している最中なので、具体に決まったら、ご説明したいと思います。
記者: まだ気が早いだろうとおっしゃられるかもしれませんが、今みたいな課題を解決する上で、残り2年、全力投球した上で、5期目を目指すとかそういった考え方は、今の時点でどうでしょうか。
知事: 全くありません。この2年でしっかりと仕上げていきたい。全力を注ぎたいと思います。
記者: ミャンマーの地震救援金の募集ですが、これはもう募金箱は設置されているのでしょうか。
知事: きょうの午後に設置しています。
記者: アメリカのトランプ大統領が発表した関税措置への受け止めと、県内経済への影響を教えてください。
知事: 基幹の自動車産業を中心に、県内経済に深刻な影響を与えることは避けられないと認識しています。なお、商工会、商工会議所等の県内支援機関からも「幅広い業種への影響が想定されるが、特に、自動車産業について、県内には部品メーカーなど多数の関連企業が存在していることから、その経営が厳しくなることが予想される」との声が上がっています。県の対応ですが、4月4日に県金融課内に「米国関税措置等に伴う中小企業向け特別相談窓口」を設置し、米国の追加関税措置により影響を受ける中小企業の資金繰り等の相談を受け付けています。今後は、国の動きを注視しつつ、商工会、商工会議所等の県内支援機関からの要望や意見等を踏まえ、県として対策を検討してまいります。ちなみに4月8日12時現在で、相談件数は1件です。また、県信用保証協会の相談件数は2件、KIP設置の「よろず・ワンストップ相談窓口」の相談件数は0件です。今のところそうですが、きのう、きょうの株の動きを見ても、まだまだ、どうなるかというのは皆が固唾を飲んで見守っている、そういう状況が続いているという中でしばらくは様子見だと思いますが、相談窓口はしっかりとありますので、不安な方はぜひご相談いただきたいと思います。
記者: トランプさんの相互関税について改めてお伺いしますが、自動車で25%、その他でも24%と幅広い品目でかけるということですが、今までの常識では考えられないような政策だと思いますが、株も乱高下しているような状況です。知事はこのこと自体、どのように受け止めていらっしゃいますか。
知事: 「もしトラ」って言葉がありました。もしもトランプが復活したらどうなるかということで、大変みんな心配をしていました。その心配以上のことが起きているなという思いがします。1期目のトランプ大統領より、今のトランプ大統領の方が何というか、思う存分というかやりたい放題というか、そんな感じがして、とても危なっかしい状況だということを感じます。アメリカファーストということでも、本当にそのアメリカファーストでやってきたことが、アメリカ国民にとっても良いことなのかどうか、専門家の意見もいろいろ分かれているところでもありますけれど、非常に危ない道に踏み出しているのかと思います。そして、例えばこれが、報復関税をかけ合うような状態になってきたりすると、貿易戦争のような形が起きる。そして、世界中の経済が大混乱に陥る可能性だってある。かつての歴史を振り返ってみると、そういった経済的な世界的な大恐慌みたいなものが、戦争にまでつながったということもある。大変怖いことだと思います。石破総理もすぐに電話会談されたということで、日米で協議会をもってやっていくということで官僚の皆さんが飛んで行ったということが報道されていますけれど、何とかしてこの流れを止めなきゃいけないなと。私の立場からどうやったら止められるのかよく分かりませんけれど、とにかくありとあらゆる手を使って止める努力をしないと、本当に大変なことになると心配してなりません。
記者: まだ発動されるかどうかちょっと、というところもあると思うのですけれども、相談もまだそんなにきてないということでしたが、今後の事態の推移によっては、例えば県としても、何か予算的な措置をやっていくとか、そういったことも考えているのでしょうか。
知事: 今のところこの段階では県独自で何かやろうということは考えていません。やはり動向をしっかり見ながら、国がどう対応するのか、それを見ながら、しっかりわれわれも適宜適切に対応していきたいと考えています。
記者: 相談についてなんですがお話いただける限りで構わないので、どんな相談がきているのか教えてください。
金融課長: 今きている相談ですが、実際にアメリカに輸出を行っている企業で、まだ関税の影響がどうなるか分からないということで、まず資金繰りを備えたいということで、まだ1度もお金を借りたことがない企業ということで、どうやって実際お金を借りれば良いのかという、そういったところからのご相談でしたので、既存の県の制度融資のご案内をさせていただくとともに、日本政策金融公庫のセーフティネット貸付というものをご案内させていただきました。
記者: フルインクルーシブ教育について、海老名市と共同で進めていると思います。海老名の方で先月末に5年間の取組み計画を発表されたと思います。その内容について、知事が目指す教育現場の未来についてどう描いているか、改めてお伺いしたいです。
知事: われわれは「ともに生きる社会かながわ憲章」を議会と共に取りまとめて、ともに生きるという流れをつくっていく。これを教育現場でいうと、まさにインクルーシブ教育だと思います。私はこの間、津久井やまゆり園事件から一連の流れを書いた『嫌われた知事』というタイトルが少し刺激的ですけれども、ともに生きる社会をつくっていこうという流れの中のいろんな物語を書きました。私がもともとつけた原題は、出版社がつけたのは『嫌われた知事』というタイトルでしたけど、私がつけた原題は「ともいきはごちゃまぜから」というタイトルでした。先程、中井やまゆり園の虐待事案がいまだに続いているという話もありました。なぜそういうことがずっと起きているかといったときに私がさまざまに見てきた中で、例えば重度の障がい者の皆さんを大人になるまで会ったことがないという人、結構たくさんいるのではないかと。そうすると、どうやってコミュニケーションをとればいいか分からないということになって、構えてしまう。自分たちと違う人間みたいな捉え方をしてしまうことから、その壁が、その溝がどうしても乗り越えられないのではないか。ということは、小さいときから、そういう子たちもみんな一緒になってごちゃまぜで育つ環境があれば、自然に溶け込んでいく流れができていくのではないかと思ったわけです。フルインクルーシブ教育、それが本当に私は理想だと思っています。ただ現実問題としては、インクルーシブ教育の逆というものが、特別支援学校というものです。これは分離教育で、特別な支援をしようとするお子さんたちに集まっていただいてそこで特別に教育をすると。だから、障がい児の方を、社会から分離して、そこで教育していくということが分離教育。これ、国連の方からも、そういうことは良くないといわれているわけです。人権教育の考えの中で、そういうのはよくないという。日本も方針を出しているわけですけども実は現実問題としては、特に障がい児をお持ちの保護者の方から、特別支援学校を求める声がいまだにあります。その声をわれわれは無視するわけにいかないのでありまして、だからいまだに特別支援学校が、増えるという非常な矛盾にあるわけです。本来はやはり、特別支援学校をだんだん少なくしていってそしてインクルーシブ教育、そしてフルインクルーシブ教育を目指していくべきだと私は思うのですけれども、そういう社会をつくっていくには、相当な時間もかかるだろうと感じざるを得ないです。その中で、海老名市の方が、先進的にフルインクルーシブ教育に取り組んでいこうという中で、海老名市の教育委員会と神奈川県教育委員会が一緒になって目指していこうという方向性、これはしっかりと前に進めていきたいと、思う次第です。
記者: 現場では人手不足についてもすごく懸念されていると思います。支援が必要な子どもたちが増えれば人手もかなり必要になると思います。ただでさえ教育現場、人手が少ないという中でそこの課題についてはどう向き合っていこうと思っていますか。
知事: 人手不足というのはもうありとあらゆる業態でいわれていることであります。そのような中でインクルーシブ教育をやっていく中で、ある程度障がいをお持ちの方が、普通学級に入ってくるという状況の中では、誰かが、そのサポートするということも必要になってくるのではないかと思います。そのような中で、保護者が全部付き添ってというのは非常に負担も大きいわけですから、人手は当然必要になってくるわけです。だからそれを支えるだけの教員の数があるとかいったら、ただでさえ教員も不足しているという状況であるわけです。そうしたならば、例えばそういうサポートする人材といったものは、教師ではなくても良いのではないかといった中で、ある程度の研修なり受けていただいた方が、補助的に、そのお子さんのそばについているということ、そういった流れというものを、しっかりとつくっていくということが大事かと。圧倒的な勢いで進む超高齢社会で、元気な高齢者はたくさんいらっしゃるわけでありまして、皆さんの力というものをお借りしながら、労働力不足、人手不足といったものを教育現場においても補っていくということが大事だと思います。
(以上)
このページの所管所属は政策局 知事室です。