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更新日:2024年12月17日
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過去の知事記者会見の様子をテキスト版でご覧いただけます。
はじめに、発表項目ではありませんが、「第1回県立中井やまゆり園における医療・健康管理問題改革委員会」の開催についてコメントします。
中井やまゆり園の支援改善の取組みを進めている中で、医療の空白ともいうべきこれまで見えていなかった利用者のいのちに係る重大な問題があることが浮かび上がり、10月22日に「県立中井やまゆり園における医療・健康管理問題改革委員会」を設置しました。
第1回目となる委員会をあした10時30分から新庁舎5階第5会議室で開催します。委員の皆様には、知的障害者のいのちを守るために検証していただき、日常的な利用者の健康状態を把握するためのガイドライン等を今年度末を目途に作成していきます。
県としては、まずは、中井やまゆり園でいのちに関わる深刻な問題について事実を明らかにするなど、誰も見えてこなかったこの問題に果敢に切り込み解決へと進めてまいります。
委員会の冒頭、委員長、副委員長の選任までは取材いただけます。また、委員会終了後に委員会の議事についてレクチャーを予定していますので皆様お越しください。
次に、日本漢字能力検定協会が毎年その年の世相を象徴する漢字を発表しております。皆さんご承知のとおり、今年の漢字は12月12日に「金」と発表されました。
恒例となっておりますが、私も、「今年の漢字」を披露したいと思います。「揺」であります。
その心は、能戸半島地震での大「揺」れから始まった一年でありました。パリ・オリンピック・パラリンピック、神奈川選手団の活躍に心が「揺」さぶられる感動を覚え、横浜DeNAベイスターズ日本一で横浜の街はブルーに「揺」れました。一方、闇バイトの凶悪犯罪多発に多くの県民は動「揺」しました。日本政界も政治と金の問題で大「揺」れに「揺」れて、アメリカ大統領選挙は「揺」り戻しで「もしトラ」が現実のものになりました。「み~~んなDX」を目指してのデジタル革命は「揺」籃期に入ったと思われます。「揺」るぎない信念を持って、いのち輝く神奈川目指して走りぬけた一年でした。ということで、今年の漢字は「揺」になります。
知事出席主要行事については、事前送付した資料のとおりです。特に私から付け加えることはありません。
私からの発表は以上です。皆さんからのご質問をどうぞ。
記者: 今説明いただいたのですが、知事の漢字について、改めて一年を振り返ってどのような年だったのかお願いします。
知事: 「揺」れるという言葉が一番私にしっくりきた年でした。正月、元日に大きな地震があって、元日からこういうことが起きるのか、いつ神奈川県にも襲ってくるかもしれないという気を引き締めるような、そのようなスタートでありました。そのような中で、政界も大揺れに揺れた。選挙もありましたけど、選挙の結果で政界の姿も随分大きく変わりましたし、そして、アメリカの大統領選挙でも「もしトラ」といった言葉、途中は違うようになるのかなという気もしましたけれども、結局それが実現したということで、かなり世界的にも揺れた年だったということであります。揺れるというイメージは、感動で揺れるという、それは、オリンピックパラリンピックもそうですし、横浜DeNAベイスターズの日本一もあったし、そういった揺れるものもあったし、全体を通して一文字で表すとするとこの言葉がスッと浮かんでまいりました。
記者: やまゆり園についてですが、そもそもこの問題について、何がきっかけで浮かび上がってきたのか、お願いします。
知事: これは、そもそも中井やまゆり園で不適切な支援があったということで、外部からアドバイザー等に入っていただいて、そして、改革に果敢に挑戦していただいていました。そんな中で、だんだん変わってきたという感じもしていたわけです。今まで園から全く出さなかった利用者たちを、外に出てもらって、そして、作業所に行ってもらって作業をするとか、それから農家の方にご協力いただいて、農福連携のような形でやった中で、利用者の皆さんの中にも笑顔が出てきたということで、改善に向かっていると私は思っていました。ところが、外部のアドバイザーの皆さんが入って見た現実というのは、医療の空白という全く今までわれわれが注目していなかった問題でありました。ここに焦点を当てて見てみると、大変な事実が次々明らかになってきたということでありまして、この問題をなんとかしていかなければいけないということで、先程申し上げた医療・健康管理問題改革委員会を作って、医療の目で事実を全部洗い出していく。そして、そこでどうすればそれが改善されるかといったことについて、全力をあげて取り組んでいきたいと思っているところです。
記者: 一方で中井については職員のハラスメントの問題もアンケートで出てきていると思います。県として、運営を行う側としてどのような思いでそういった問題一つ一つに向き合っていきたいかいかがでしょうか。
知事: ハラスメントに該当するかどうかについては、現在調査中であります。アドバイザーの皆さんというのは、福祉の領域の知識や経験が豊富な方でありまして、また、現場で園の利用者のいのちに直結する場面を何度も経験しておられます。福祉施設における医療の空白状態を解消するため、改革委員会の委員として、その知見を十分に活かしていただきたいと考えております。
記者: アンケートでは県が考えている独法への移行後に継続して勤務したいと考えている職員さんが現時点ではアンケートに回答した人の2割程度にとどまっているという状況がありました。まだ現時点の話だとは思いますけれど、職員がいなければ独法もスタートしていかないと思いますが、この現状の結果については、どのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。
知事: 独法というものがどういうものか、まだ具体的に皆さんイメージできるように説明をしていない段階です。ですから、今いきなり言われてもピンと来ない、だから行きたくないというリアクションになっている。それはやむを得ないと思います。ですから、これからしっかりと独立行政法人というのはこういう目的をもって、こういう形になっていくということをきちんと形づくってご説明して、そして、皆さんがそれだったらやってみようという気持ちになってくれるということを目指して頑張っていきたいと思っています。
記者: 独法移行を県は2026年4月に考えているということで、かなり時間的に迫ってきていると思います。これからいろんな関連議案等の提出があると思います。不適切な支援の問題であるとか、あるいは、アンケートで出て、これからやろうとしていることも含めて、独法移行の時期、県議会からも慎重に顕在化している問題を解決した上で、時期を定めず、時期ありきではなく独法移行を考えたらよいのではないかという意見もありましたけど、そのあたりはどのように受け止めていらっしゃるでしょうか。
知事: 現在、いのちに関わる深刻な問題などが指摘されている中井やまゆり園の改革に取り組んでいます。こうした改革を確実なものとするためには、科学的根拠に基づく先駆的な支援・研究の確立と、その支援を実践できる専門人材の育成が必要ですが、今まで通りの施設の延長線ではこの改革は難しいと考えています。そのため、令和8年4月に、県の新たな福祉施策を牽引するフロントランナーの役割を果たす地方独立行政法人の設立を目指してまいります。この流れを止めるわけにはいきません。われわれは切羽詰まった状態だと思っています。中井やまゆり園の医療の空白という問題に大きなメスを入れて、そして新たな福祉の在り方、まさに当事者目線の福祉のあり方を早く作っていきたいという思いで、令和8年4月の独立行政法人設立という目標に向かってしっかりと着実に進めていきたいと考えています。
記者: 今年の漢字について理由も含めてお話いただきましたが、今年1年のそういった理由も踏まえて来年をどういった年にしたいか教えてください。
知事: デジタル革命「み~~んなDX」といったことを今年の冒頭に掲げました。やはりそうだったと感じました。先程話した「揺」という字の中で、デジタル革命は揺籃期に入ってきたと申し上げました。だんだん広がってきたという感じです。来年はそれをさらに加速させていくということ。大体大きな方向性が見えてきたので、防災にしても、医療にしても、ヘルスケアにしても、子育てにしても、さまざまな問題に対してDXの流れをしっかり作っていきたい。行政のあり方そのものもDXの流れを加速させていきたい。そういった中で質的に大きく変革していく年にしていきたいと思っています。
記者: 知事がおっしゃられる「いのちに関わる重大な問題」というところ、あしたの委員会でも出てくると思うのですが、知事が把握している、いのちに係る重大な問題というところを教えてください。
知事: あした開く委員会の中で具体な話があると思います。私が聞いているところによると、普通家族で熱が出たという場合、その熱の具合を見て、これは解熱剤を飲んでもらったら大丈夫とか、これは危ないから早く救急車を呼んだ方がいいとか、病院に連れて行こうとか、さまざまなものがあると思います。ところが現場では一元的に同じような対応しかしていなかった。薬を飲ませることで終わっていたみたいな感じです。そういったことがたくさんあるのです。専門家の目で見ていただいた中で、この状態でよく病院へ連れて行かずに放置していたなということが、次々とわれわれの耳に入ってくる。そのあたりの具体の話はあしたの委員会で出てくると思いますので、それをご覧いただきたいと思います。
記者: 議会でもハラスメントの問題が出ていると思うのですけれども、ハラスメントの内容については調査されると思うのですけれど、外部アドバイザーの方と職員の間で、なかなかコミュニケーションがうまくとれていないということが生じているのかと思うのですけれど、そのあたり、県のマネジメントですとか、県としてできることを知事はどうお考えでしょうか。
知事: 先程申し上げたとおり、ハラスメントは調査を進めていきます。それを進めながら、いのちに係る深刻な問題が起きているという現状。ここをなんとかしなきゃいけないというのは喫緊の課題だと思います。最優先だと思っています。
記者: きのうの国会審議で県とpenaが作った「搾乳できます」のマークが国会審議で話題になりまして、担当大臣から子育てバリアフリーの一環として推進し広めていくとか、公共施設等でも広めていきたいと、やり取りがあったようです。もちろんpenaの意向もあっての話だと思いますけれども、その国会審議をご覧になっていたか分からないのですけれども、率直にもし感想があれば、県の施策が全国に広がる可能性もあるのかなと受け止めたのですがいかがでしょうか。
知事: 私も直接国会審議を見ていたわけではないのですけれども、今朝の報道で知りました。非常にありがたいことだと思いました。もともとは県議会での公明党からの質問で、この問題をわれわれが対応するというお約束してやったわけですけれども、同じ公明党の佐々木さやかさんから質問があって、それに対して政府のほうも前向きな発言をしてくれたということ。われわれは、まずは神奈川で始めて、そして全国に広がっていくことを願っていました。まさに搾乳のかながわモデルが発進し始めたというのは非常に歓迎したいと思います。
記者: いのちに関わる重要な問題とおっしゃっていますけれども、これまでの県議会の報告では、命を落としたとかそういう報告はなかったと思うのですが、命を落とした、ある意味ネグレクトに近い形で命を落とした事例があったのかどうか教えていただきたいというのと、あしたの会議でいろいろと報告されると思いますが、冒頭のみ公開されて、後は非公開ということですが、外部のアドバイザーからいろいろと指摘されるのは良いですが、県民への説明という意味では、どこまで明らかにしていくのかというのを教えていただけますでしょうか。
知事: いのちに関わる問題で、本当に亡くなった方がいたのかどうかということについては、委員会で具体的に出てくると思います。亡くなったということと、医療の空白だったということがどうつながるのか、今の段階で私も言える状況ではないですけど、専門家の方の話の中で出てくると思います。直接結びつくということであれば、それは殺人に近いことになってしまう。そんなことがあったという話は聞いてはいないですけれど、どのように因果関係がつながっているのかというあたりは、委員会の中で出てくる話だと思います。全て公開しないのかという話ですけれど、終わった内容はきちんとレクチャーさせていただきます。かなりデリケートな情報もあるわけです。実際の個人のプライバシーに関わるようなさまざまな医療情報等々、それが出されるということですので、そのあたりは申し訳ないですけれどクローズにさせていただきたい。その代わり終わった後は、きちんと皆様のご質問にお答えして、レクチャーさせていただきたいと考えています。
記者: そうすると、個人名はともかくとして、具体的なケースを紹介していただけると受け止めてよろしいのかどうか。車いすの方が何人かとか出ていたかと思うのですが、そういった件数も明示していただけるということでしょうか。
知事: あしたは第1回目で、あしたで全てが出るわけではないと思っています。私の認識では現地の調査が進行中でありますし、その中で今分かっている範囲の話が出てくると思っています。それは、プライバシーに関わるものは除いてできる限り忠実に皆様に説明するようにしていきたいと思っています。
記者: あしたの委員会の中でレクチャーするのは、委員の方がやってくれるのでしょうかそれとも県の当局がやってくれるのでしょうか。
障害サービス課長: 委員の方でやってくれることになっています。
記者: 愛名やまゆり園についてなのですが、第三者委員会の報告を受けての骨子案についてどこまで進んでいるのか、公開できるものはあるのか確認させてください。
障害サービス課長: 先日、常任委員会の報告資料には出したところですが、今のところは出せるところは委員会に出したものが全てです。
(以上)
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