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更新日:2024年4月25日

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定例会見(2024年4月23日)結果概要

過去の知事記者会見の様子をテキスト版でご覧いただけます。

発表項目

「かながわ脱炭素チャレンジ中小企業認証制度」を創設します!併せて脱炭素化支援の受付を開始します!

 はじめに「かながわ脱炭素チャレンジ中小企業認証制度」の創設等についてです。
 県では、2050年脱炭素社会の実現に向けて「オールジャパン」「オール神奈川」で取り組んでいくため、企業や家庭などさまざまな主体の取組みを後押ししており、このたび、新たに「かながわ脱炭素チャレンジ中小企業認証制度」を創設することとしました。
 併せて、総額23億円を超える規模の補助金など、脱炭素化支援のメニューをパッケージで用意しています。今後、順次、受付を開始しますので、ぜひ積極的な活用をお願いします。
 まず、「1 中小企業の認証制度等」の(1)についてですが、2050年までの脱炭素化を宣言し、事業活動温暖化対策計画書を提出する中小企業等を、「脱炭素チャレンジャー」として認証し、各種補助額等の上乗せや県発注の公共工事等への入札参加資格認定時における加点などのインセンティブを付与します。
 また、県ホームページで認定事業者の取組をPRするほか、公式認証マークを企業のホームページや名刺等で使用できることとします。
 併せて、「(2)脱炭素スクール」を開催し、認証に必要な「計画書」の作成ノウハウや再エネ導入の実践的な手法等を学ぶ場を設けることで、認証に向けた取組みをサポートします。
 次に、「2 補助金などの支援」ですが、まず「(1)事業者向け支援」として「(2)中小企業への省エネルギー設備の導入補助」を3億円、「(3)自家消費型の再生可能エネルギーの導入補助」を約9億円などのメニューを用意しています。
 「(2)家庭・住宅向け支援」については、昨年度も好評であった初期投資費用がゼロになる、いわゆる「0円ソーラー」やスケールメリットにより費用の低減を図る「太陽光発電の共同購入」などを進めます。
 また、「(3)EV・FCVの導入支援」としては、「(1)事業用EVの導入補助」を約5億円、「(2)燃料電池自動車の導入補助」を1億5,000万円などを用意しています。
 受付開始時期や条件など補助金の詳細については、「かながわ脱炭素ポータル」で確認いただけます。ポータルでは、県の取組み以外に、国や県内市町村の補助メニューなどもまとめて確認することができますので、ぜひご覧ください。
 2050年脱炭素社会の実現に向けて、ぜひ、多くの皆様のご応募をお待ちしております。

NPO法人の組織基盤強化に向けて支援します!

 次に、「NPO法人の組織基盤強化に向けて支援します!」についてです。
 NPO法人の成長を後押しするため、既存の支援に加えて、設立から10年以内のNPO法人を対象に、「NPO活動基盤づくり補助金」を新たに創設し、このたび、募集を開始します。県では、これまで「かながわボランタリー活動推進基金21」による協働事業の実施や補助金による支援など、先進的な取組みを進めてきました。
 この取組みは、支援の対象として、先駆性・モデル性を重視しているため、実績や体力のあるNPO法人が採択されることが多く、活動年数が短く小規模なNPO法人にとっては、ハードルが高いなどの課題がありました。
 そこで、設立して間もないNPO法人の活動基盤を整え、成長を後押しすることを目的に、新たに「NPO活動基盤づくり補助金」を創設し、スタッフの育成や資金調達力の強化など、組織基盤の強化を目的とした事業に対し、30万円を上限に交付します。
 対象となるのは、特定非営利活動促進法の規定に基づき設立された、設立から10年以内のNPO法人です。
 募集期間は4月30日から5月31日までです。申請は、県のホームページ又は郵送で受け付けています。多くのNPO法人の皆様のご応募をお待ちしております。 

「神奈川県観光プロモーション動画が完成しました!」について

 次に、「神奈川県観光プロモーション動画が完成しました!」についてです。
 県では、旅行を検討されている方に「行ってみたい!」と感じていただけるよう、県内の7つのエリア毎に、魅力を伝える観光プロモーション動画を作成しました。
 この動画は、ドローンによるダイナミックな映像や、時間や季節の移り変わりを捉えた美しい映像を盛り込み、「行ってみたい!」と感じていただける工夫をしています。
 本日、その動画の一部をご覧いただきたいと思います。
 これは箱根エリアの動画の一部ですけれども、4K映像で非常に鮮明できれいな映像になっていると思います。
 多くの方に動画をご覧いただき、ゴールデンウィークは、ぜひ、神奈川で観光を楽しんでいただければと思います。
 動画は県公式観光サイト「観光かながわNOW」や県公式YouTubeチャンネル「かなチャンTV」で、本日から公開します。
 今後、この動画を県内市町村や観光協会にも提供するなど、本県の観光の魅力発信に広く活用していきます。

Zip Infrastructure 株式会社と「新たな交通サービスの実用化に向けた取組等に関する連携協定」を締結します

 次に、「Zip Infrastructure 株式会社と『新たな交通サービスの実用化に向けた取組等に関する連携協定』の締結」についてです。
 Zip Infrastructure 株式会社は、2018年7月に起業したベンチャー企業で、代表取締役の須知さんは、2019年2月に県が主催した「かながわ学生ビジネスプランコンテスト」で「自走式ロープウェイ」を提案し、知事賞を受賞しています。
 その後、秦野市内に実験線を建設し、起業から5年余りで走行試験に成功しており、公共交通としての導入を目指している会社です。
 開発中の自走式ロープウェイ「Zippar」は、後ろの画面にもありますように、カーブや分岐を自由に設置できるなど、既存のロープウェイとは異なる特徴を有し、都市型交通としての利用が期待されています。
 既存のロープウェイは、ロープにゴンドラが吊り下がっていて、ロープが動くことによって移動しますけれども、まっすぐしか移動ができなかった。この自走式ロープウェイは、カーブや分岐を自由に設置できて、都市型交通としての利用が期待されます。
 そこで、県と相互に連携し、その実用化に向けた取組みを進め、交通課題の解決を目的として、連携協定を締結することとしました。
 今後、「Zippar」の特徴を踏まえ、どういった場所に導入できるかなど、技術的な研究等を行っていきます。
 4月30日に須知代表取締役に出席いただき、協定締結式を行いますので、ぜひ、お越しください。

知事出席主要行事


 知事出席主要行事については、事前送付した資料のとおりです。特に私から付け加えることはありません。

発表項目以外

産業労働局長の死去について

 発表項目ではありませんが、一点、コメントします。産業労働局長の川島剛君が、昨日亡くなりました。
 前日まで、普段と変わらない様子でしたが「昨日の朝、起きてこないので声をかけに行ったところ、亡くなっていた」とご家族からご連絡をいただきました。
 川島君は、平成30年に知事室の政策推進担当課長、令和元年には人事課長、令和3年に組織人材部長を経て、昨年から産業労働局長として私を支えてくれました。
 急な話で、私自身もいまだに、現実を受け止めることができませんが、本当に残念でなりません。
 当面は、所管の副知事が事務取扱を行う予定で手続きを進めており、今後、改めて発表させていただきます。
 私からの発表は以上です。ご質問があればどうぞ。

質疑

「『かながわ脱炭素チャレンジ中小企業認証制度』を創設します!併せて脱炭素化支援の受付を開始します!」について

記者: 産業労働局長の件は大変残念に思います。哀悼の意を表したいと思います。脱炭素支援のことに関して、事務的なことから伺いたいと思いますが、23億円余りの補助金が出るということですが、これはすべて当初予算の中に入っているものでしょうか。補正をする必要があるものでしょうか。

事業者脱炭素担当課長: ご指摘の通り、当初予算で計上しているものになります。

記者: その上で知事にお尋ねしたいと思いますけれども、補助の中で、15のメニューをお示しいただいていますけど、甲乙つけるものでもないと思いますが、神奈川県の特性とか、持っていらっしゃる課題から考えて、特にこういったことで、県民や中小企業の方には考えてもらいたいと思っていらっしゃることがあれば、ぜひお聞かせください。

知事: まず、事業者向けですが、中小企業への省エネルギー設備の導入補助について、ニーズの高まりを踏まえ、前年度から約1億2千万円増額し、3億円を用意しました。 また、自家消費型再生可能エネルギーの導入補助についても、約9億円と、大規模な予算を組んでいます。EV・FCVの導入支援については、EVバスやFCVの補助件数を拡充するなど、前年度から約3億円増額し、8億円超の規模としています。今回、新たに「EVレンタカー」を対象に加えましたが、これは、レンタカーを借りた方が電気自動車の良さを体感することで、 自家用車の購入へと繋げていくといった効果も期待しているものです。また、家庭・住宅向けについても、好評の「0円ソーラー」や「共同購入」により、太陽光発電の導入拡大を図るとともに、「ZEH」や住宅の省エネ化への補助により、環境負荷の軽減を図ることとしています。このように、多彩なメニューをパッケージで用意しましたので、ぜひ、ご活用いただければと思います。

「神奈川県観光プロモーション動画が完成しました!」について

記者: 観光プロモーション動画に関して、お尋ねしたいと思います。これは外国語のバージョンはあるのでしょうか。

知事: 現在は、まだありませんけれど、外国語バージョンも作ろうと思っています。

記者: その上で、知事のご所感をうかがいますけれども、まず、この動画の効果に期待されているところのコメントいただきたいと思っています。あと、ゴールデンウィーク、ぜひたくさんの方に来てほしいというのは当然だと思いますが、先日、藤沢、鎌倉で、オーバーツーリズムを懸念された協議会というのが開かれまして、現地で不安に思ってらっしゃる方も多いのではないかなと思います。そのバランスのとり方、県としてどのように考えてらっしゃるか教えていただけますか。

知事: 今、ごく一部を見ていただきましたけど、4K映像で、しかもドローンを飛ばしての映像、非常にスケール感があって、綺麗な映像、四季折々の、その時々の風情をうまくキャッチしたものが編集されていて、私も見ているだけでも、ちょっと行ってみたいと思うような動画ができたと思います。ですから、できるだけ多くの皆さんに見ていただいて、神奈川の魅力を再発見していただきたいと思っています。また、この時期に公開できたということは、やはりゴールデンウィーク間近ですから、「ゴールデンウィークどこに行こうかな」といった時に、こういう動画を見ながら、「ここ行ってみたいな」ということで、選択をしていただければと思います。それからオーバーツーリズムの問題です。インバウンドで、お客さんが戻ってこられたという状況の中で、テレビを見ていても、外国人の皆さんにインタビューして、「日本素晴らしい」と言ってくださるのはいいけれど、「安い」ということをおっしゃっているということを聞くと、複雑な思いがいたしますけれど、その中で、ご指摘のようなオーバーツーリズムという、お客様が少し来過ぎてしまって、そこで生活されている皆さんが、いろいろご苦労を感じられる、こういった問題が生じているところもあります。これに対しては、やはり、われわれは、分散型というか、周遊型というか、1ヶ所に集中するのではなくて、いろんなところに周っていっていただこうということを考えておりますので、最近で言えば、鎌倉殿の13人という、NHKの大河ドラマに合わせて、「鎌倉だけではないですよ。いろんなところにいろんな13人をめぐるところがありますよ」ということで周遊していただく、そこで、デジタルスタンプラリーなんかをやりながら、周っていく楽しさといったものも味わっていただく。そういったことによって、1ヶ所に集中するということを回避しながら、神奈川の魅力を幅広く楽しんでいただくという流れをこれからもしっかりと市町村と連携しながら進めていきたいと思っています。

「Zip Infrastructure 株式会社と『新たな交通サービスの実用化に向けた取組等に関する連携協定』を締結します」について

記者: 川島局長の訃報、衷心よりお悔やみ申し上げます。Zip Infrastructure 株式会社との協定についてお伺いします。知事おっしゃったように神奈川発のベンチャーの取組みだと思いますけれども、ここに都市型交通としての利用が期待されるということが書いてありますけれども、改めて、どのようなシーンで、企画、実用化していけばいいなというような、知事の構想、思いがあれば教えてください。

知事: 自走式ロープウェイ、一言で聞いても、ピンとこないかもしれませんが、私自身が秦野市内の実験線に乗ったわけでありますけども、これは革命的なことなのだということを改めて実感をしました。先程、申し上げたように、従来型のロープウェイというのは、ロープにゴンドラが吊り下がっていて、ロープが動いているから、まっすぐ行きます。上がって行くことは出来ます。実は、曲がることができなかった。それが、自走式というのは、曲がることができる。そういうことになると、空中を使って、移動ができるという、公共交通機関としての新しい乗り物ということになり得るということです。しかも、道路を作って、例えば線路を引いて、列車を走らせることになったら、用地の確保から、時間から、お金から大変かかるわけですけれども、道路の上に走らせようと思ったら、そこに支柱を立てていって、ロープさえ渡しておけば、ゴンドラが動いていくということになる。今、実験線の中でやっておりましたけれども、次々、次々、このゴンドラが来るということになるのです。まさに、都市型の新たな交通機関になり得るということです。そうすると、空を動いているわけですから、交通渋滞がない、そして、費用が圧倒的に安いし、工期も圧倒的に早いということで、大変魅力的な公共交通機関になり得るということです。もうすでに、アジア各国の渋滞悩んでいるところがいっぱいありますから、そういうところからも関心が示されているという話を聞いておりますので、今からしっかりとZip社と組んで、神奈川のどこに、これを据え付ければいいかといったことを、一緒になって考えていきたいと思っています。

ライドシェアについて

記者: 地域交通の取組みということで、先日、三浦でライドシェアの取組みも始まりました。実証実験が始まりましたけれども、現時点の利用の状況であるとか、トラブルの有無とか、そういったものが入っていれば教えてください。

知事: 4月17日に開始して、4月21日までの5日間での利用実績ですけど、7件となっております。7件というのは非常に少ないなと思わざるを得ないです。まだ始まったばっかりではありますので、様子を見ないといけないと思いますけど、三浦市民の皆さん、それから三浦市を訪れる皆さんには、まだ十分に認知されていないかもしれませんけど、多くの方に利用していただくために、三浦市と一緒になって、しっかりと広報していきたいと思っています。

「『かながわ脱炭素チャレンジ中小企業認証制度』を創設します!併せて脱炭素化支援の受付を開始します!」について

記者: 脱炭素の中小向けの認証制度について、一つ質問いたします。神奈川県では大企業を含む脱炭素化の評価制度を、2025年度に導入予定かと思うのですが、今回の中小向けの認証制度、来年度以降の取組みにどうつなげていきたいか教えてください。

知事: 2050年脱炭素社会を実現するためには、県内事業者の99%を占める、中小企業の取組みを促進することが不可欠であり、県では、これまで省エネ設備の導入補助などの支援に取組んできました。しかし、中小企業の中には、CO2削減計画を策定して、取組を主体的に進めている企業もあれば、脱炭素化の必要性は認識しているものの、 具体的な取組みには至っていない企業もあるなど、その状況は、さまざまです。そこで、県内中小企業を対象に、CO2削減計画の策定を支援する「脱炭素スクール」の開催や、計画を策定した企業に対し、インセンティブを付与する「認証制度」を新たに創設することで、中小企業の取組みを後押しすることとしたものです。99%は中小企業ということは、逆に大企業はわずか1%ということでありまして、まずは、中小企業に幅広く進めていくという中で、大企業の皆さんにも、しっかりと取り組んでいただくということ、既に大企業の皆さんはいろんな形で取り組んでおられるということがありますので、まずは、ハードルの高い県内中小企業の認証制度を創設したということであります。

「NPO法人の組織基盤強化に向けて支援します!」について

記者: NPO法人をスタートしたばかりの法人の支援だと思うのですが、例えば、NPOではなくて、社団法人とかで、公益的な事業を担っているところもあって、将来的な公益社団法人化、公益化を目指して行っていながら、ただ、やはりノウハウ、資金不足によって結構、大変苦労されている社団法人もあるんですけれども、今回、NPO法人に限ったというところの理由と、そういった走り出した社団法人、公益的な事業をやっている社団法人についての支援は、何か考えてらっしゃることがあるのかお聞かせください。

NPO協働推進課長: NPO法人に限定した理由ですけれども、今回の補助金の狙いといたしましては、簡易な方法で申請ができるということで、もともとこの基金21の審査では、現地調査ですとかプレゼンテーションとか手続きが煩雑な部分がありまして、負担がかかっていました。それで、今回、公益性が確実に担保できるという意味で、NPO法人に限定したという経緯がございます。社団法人等への支援ということは、今後、そういう声があれば検討していくことになるのかなと考えております。

「神奈川県観光プロモーション動画が完成しました!」について

記者: 先程、知事も大型連休前にどこに行くか考える際に見てもらえばということでしたけれども、やはり県の観光サイトですとか、あるいは県の公式YouTubeチャンネルですと、あえて見に行こうと思わないと、なかなか見ることってないと思うのですが、そういう意味では、例えば、鉄道の動画広告ですとか、あるいはYouTubeとかの広告の枠を使うとか、そういった外のメディアに向けて、動画のハイライトな部分を載せていく、広告として出稿していくということも考えられると思うのですが、そういった活用方針はございますでしょうか。

知事: まずは、7箇所に分けた動画を作りました。これは、ある程度の長さがありますけれども、ご指摘のような車内の動画は、もう少し短いバージョンになると思います。これは、まずスタートさせてみながら、車内でどのような展開ができるかといったことも視野に入れながら検討していきたいと思います。

産業労働局長の死去について

記者: 取材させていただいて、我々みたいな立場でかなり厳しいことを紙面で書いたとしても、機嫌悪くされるどころか感謝される、指摘ありがとうというような、すごい懐の深い方であったと記憶しています。そのような中でも職員の不正ですとか、情報隠しとか、不義理とか、こういったものは絶対許さないという戦う人だった、改革の人だったと認識しています。そういう意味で、今後のさらなるご活躍が期待される中での訃報だったと思うのですが、そういった中での、知事の仕事の思い出ですとか、記憶に残っていらっしゃる部分、それから神奈川県政の今後への影響について、お聞かせ願えればと思います。

知事: そういう評価をくださることは、本当にありがたいことだと思います。彼は本当に素晴らしい県庁職員だったと思います。特に記憶に残っているのは、人事課長に任命したときです。おそらく県庁のこれまでの人事課長と全く違うタイプだったと思います。今、ご指摘のような改革の精神に溢れている、そういう人事課長。指名したときは本人もびっくりしていました。その時に「本当に私でいいのですか」と彼は言いました。そしたら、「ちょっと待ってください。ちょっと考えてきますから」と言って、しばらく時間が経ってからやってきました。その時に、20項目以上の変えたいことを書いてきました。「これ全部やっていいですか」と言われたので、「全部やってくれ」という話をしたわけであります。そして、その都度その都度、今ここまで進んでいますよという話をしてくれました。そういったことをやっているときに起きたのがコロナでありました。誰も経験したことがない厳しい闘いの中で、外部から人材も急遽投入。阿南先生、畑中君、江口君。こういう外部人材と中の人間が一緒になってやるというのはなかなか容易なことではなかった。しかし、そういった危機情勢の中で、彼はダイナミックなことをどんどんやってくれました。まず、畑中君の方から提案が、「700人ぐらいの規模のコロナ対策本部を作ってくれ。従来の仕事はもう全部止めさせてくれ。」という大変とんでもない、途方もない提案でありました。当時はまだコロナはこんなに長く続くと思っていない。ごくごく初期の段階で、しかも、県庁のことを何も分かっていない外部から来た若い畑中君の提案でもありました。しかし、畑中君の話を聞いていて、これはなかなか、危機対応においてはこういうことが大事なのだなと私は思って、そして、川島人事課長に言ったら「分かりました」と言って、まさに700人規模のコロナ対策本部を、あっという間に作りあげたといったこと。振り返ってみると、だからこそ、大変な状況の中で、コロナ医療提供体制神奈川モデルを始め、40以上の神奈川モデルを次々作りだすことができた。最大の功労者だと私は思っています。だからこそ、私がプロセスを本に書いた「それはダイヤモンド・プリンセス号から始まった!」という本の中で、さまざまな県庁職員が活躍してくれたのではありますが、あえて数人だけ名前を出して、そのことを記しました。その中の一人が川島君でありました。これだけの素晴らしい人材、産業労働局長としても、まさにおっしゃったように、改革魂あふれる職員として、本当に頑張ってくれました。これからのことをすごく期待をしていただけに、突然亡くなったと言われても、全然私自身、受け止められません。彼のそういった改革魂を、みんなで引き継いでいきたい。そう思っています。

「神奈川県観光プロモーション動画が完成しました!」について

記者: 観光プロモーション動画について、補足してお聞きしたいのですが、先程、知事は、外国語バージョンをつくるという話をされていました。神奈川県も、観光については、私も来たばかりで勉強中なのですが、コロナ前の3月に経済同友会が課題をまとめたものをつくっていらっしゃって、それをざっと見ると、インバウンドをどう取り込んでいくのかというのが今後の課題だと。ホテルの客室も増えている中で、今の国内の旅行者中心のあり方だと、客室の稼働率が落ちていくだろうというような推測がなされていたのを拝見しました。その上でなのですが、今回の動画の外国語バージョン、英語だけなのか、中国語も含めた多言語対応されるのかというのをまず1点。それと先程、質問の中でも、外のメディアも生かしながらというところで、外国人に向けて発信していくための戦略をどうやったら刺さっていくのかというところの戦略を、お持ちのものがございましたら、教えてください。

知事: 先程、見ていただいた動画、ご覧いただいたら分かるように、ナレーションは入っていないわけです。ですから外国語対応というのは、スーパーだけになります。当面、スーパーだと、英語だけでいいかと思っています。様子見しながら考えたいと思います。やはり、今この時代は、外国人の方も旅行するときに、サイトで調べてこられる方が非常に多いです。我々は、そういった外国人向けのサイトを持っておりますので、こういった動画もすぐにみられるようにしたいと思っております。

「Zip Infrastructure 株式会社と『新たな交通サービスの実用化に向けた取組等に関する連携協定』を締結します」について

記者: ロープウェイ、非常に夢のある乗り物で、空飛ぶ車なんか分からないものよりは、地に足がついた現実的な乗り物なのかなと思いますけども、この話を聞きながら、少し思い出したのが、私以前、九州の方へ赴任していて、当時、北九州にいたんですけど、同じ福岡県の福岡市の高島市長がロープウェイにすごくご執心で、何とか導入したいと公約にも掲げてやってらっしゃったのですが、市政アンケートをとってみて、2200人ぐらいに聞いたら、58%が必要ないというような回答もあって、結局、断念に追い込まれたというのが、5年前の2019年の話で、そこから5年の時を経て、こういう新しい技術も出てきて、また状況もいろいろ変わっているので、同じように括れないとは思うのですが、知事の構想の中では、時間軸として、これを実現化させるのは、どのくらいのスパンで実現に持っていきたいというお考えなのかと、その上で、福岡市の事例にあるように、市民ニーズというか、どの程度の需要があってみたいなところをどう見極めていかれるおつもりなのかを教えていただきたい、

知事: 県内で、線路の延伸とか、もっと地元の公共交通機関を充実させてほしいという声はあるわけです。しかし、なかなか線路を引いて電車を走らせるというのは簡単なことではなくて、しかも、民間事業者がやってらっしゃることですから、採算性がどうかといった問題、いつも壁にぶつかってきたわけです。その中で、先程申し上げたように、非常に安くて、そして工期を短くできる。こういった全くこれまでなかった新しい公共交通システムですから、それはきちんと、住民の皆さんにご説明すれば多分、大歓迎されるのではないかなと思っています。しかし、誤解されないように、きちんと整理、説明していくということがまず大前提です。私の気持ちとしては、できる限り早く実用化させたいと思います。いろいろ話を聞いてみると、全く新しい公共交通システムになるので、国土交通省等々の安全面での審査等と手続きがいろいろあるということなので、それをないがしろにして、前に進めることもできないので、そこはなるべく早く、しっかりと手続きを進めてほしいということは、我々からも、国にしっかり要望していきたいと思っています。

記者: 重ねてなのですが、なるべく早くというのは、ご自身の今任期中という意味合いなのか、そこらへんはどう解釈すればいいか。

知事: 自分の任期と比べては考えておりません。

「『かながわ脱炭素チャレンジ中小企業認証制度』を創設します!併せて脱炭素化支援の受付を開始します!」について

記者: まず、川島局長の訃報にお悔やみ申し上げます。脱炭素チャレンジの話なのですが、県の方では、ビジネスアクセラレーターとかで、災害時に、EVを使ってその給電救援アプリで、どこにEVがあるのか確認するような、そういう実証実験をやられたりとか、能登半島地震を受けた対策で、公用車にPHVを導入するような予算も計上されていますけれども、そういったこれまでの県がやっているEV関連の取組みと、さらに、今回のこの認証制度をつなげて、よりその中小企業の方がEV導入しやすいような関係をつくるとか、そういったお考えはありますでしょうか。

知事: 脱炭素2050年というのは、そう簡単な目標じゃないと思います。もともと、そういう面については、私も13年前に知事になったときから、太陽光発電を推進させるんだというところから始まり、まさにずっとそういう問題について言ってきたわけですけれども、2050年という目標がある中では、もっともっと加速させなくてはいけないといった危機感があります。今のまま、何となくのんべんだらりとやっていては、とてもその実現は難しいように感じていますので、ありとあらゆることをやっていきたいという思いの中で、今回のことを打ち出したと受け止めいただければと思います。

「Zip Infrastructure 株式会社と『新たな交通サービスの実用化に向けた取組等に関する連携協定』を締結します」について

記者: Zip Infrastructureの件でお尋ねしたいのですが、協定を結ばれるということなのですが、この会社は、今年、本社を秦野市から福島県の方に移転されていると思います。神奈川県としては、その将来性ある企業が県外に出ていくことは、損失だと思うのですが、このあたり知事のお考えを伺っていいでしょうか。

知事: 須知社長は、私もゆっくりお話をしたこともありますが、やはり、神奈川で自分が学生時代のビジネスコンテストで知事賞があった、そして、神奈川でそれをスタートアップさせた。神奈川愛がすごく溢れている人なのです。ただ、今は福島へという話になったのはなぜかというと、被災地の復興支援といったことで、国の事業としてやるという話が舞い込んできたということで、福島に行くということであるのですが、神奈川の拠点というものは、しっかり残しておきたいという思いがあったので、しっかり神奈川で進めようということを、お互い皆の前で確認し合おうよということで今回、協定もちゃんと結ぶということになったわけです。

記者: 県としても、協定を進める、連携を進める上で、本社は向こうに移ったとしても、全くそこは問題ないということでしょうか。

知事: 本当はずっと居てほしかったのですが、被災地復興という大きな仕事を国がしっかり予算をつけてやるということだったので、それは残念だけれども、見送るしかないなと。ただ、そうは言っても離れてしまうわけじゃなくて、こういった事業をしっかりとやっていくという具体的な歩みを始めようということです。

国民スポーツ大会について

記者: きょう、テレビ出演があったかと思いますけれども、前回の会見で知事は、財政負担など課題は多いけれども、多くの選手が目標としている国スポが、持続可能な形で継続できるように、広報とかブランド力の強化なんかの施策も含めてやっていくべきだという話だったと思いますけれども、これは知事会か何かにそういった意見を出されているということでいいのでしょうか。

知事: 全国知事会で、まだそういった議論を行っているとは受けとめていないです。アンケートはあって、議論はこれからでしょうね。だからテレビの番組で、そういう議論が行われたということだと思います。

記者: 重ねてお伺いしますけれども、この存廃をめぐっては、いろいろな首長さんがコメントされているのですが、やはり、なかなかその開催地の負担が重いということで、このままのあり方での存続はなかなか難しいのではないかというのが、大勢ではないかと見ていますけれども、知事も、当然このままのあり方で、継続ということではなくて、持続可能性のところをもう少し伺いたいなと思って質問してるのですが、そのあたり少しお伺いできますか。

知事: きょう、朝のMXテレビで、私のインタビューが流されて、中継では平井知事が出ていたのですが、少し見ていましたが、私が一番言いたかったところは全然放送されていなくて、何かテレビ的なものはそうなるのかなと、出身者だから思いますけども、対立構造を見せたいという感じになっていて、平井さんは、今のままでは冗談じゃないと言っているが、私はやるべきだろうと言っているような構図に見えていましたけれども、実は、私が一番言いたかったのは、財政負担が大変だという意見もあるのだったら、新たな形を考えましょう。知恵を出そうと言ったのは、そういう意味で言ったのです。知恵を出そうという、その知恵の中身も、実際にインタビューではしゃべっていたのですが、そこは全然使われていなかったので、あたかも対立しているように見えたかもしれませんけれども、持続可能な新たな方向を作り出すために、一緒に知恵を出して考えていきましょうということを言いました。これまでも、一つの県で開催と言っても、一部の競技を神奈川県でやっていたということもあるわけです。ですから、例えば、県を跨ってやることもあるだろうし、いくつかの県が一緒になって運営していくということもあるだろうし、さまざまな形があるのではないか。今まである種、これもインタビューで言ったのですが、当たり前のような光景があって、少しマンネリ化した部分があったのではないか。それならば、一回一回の大会がもっともっと魅力的になるような、いろいろな仕掛けを考えていくという中で、もっと魅力溢れる大会にしたときには、今よりも目立って、そしてもっと人が集まってきて、もっと楽しくなるという形になると、経済効果も生まれるでしょうし、いい循環をめぐっていくのではないかなと思ったので、今のまま、伝統だから、そのまま続けたほうがいいということは全く思っていないし、言ってもいないです。インタビューの編集の仕方によって、そう聞こえてしまうという恐ろしさを、改めて感じました。

海上タクシーについて

記者: 新たな交通サービスということで、先月の末に湘南江の島桟橋が開港しました。海上タクシーの運行を始められたかと思うのですが、こちらの現状の利用状況と、こちらもやはり、告知というか来訪者に知っていただくことが一つ課題なのかなと思うのですが、現状、走らせてみて、見えてきた課題みたいなものについて教えてください。

交通政策課課長代理: 詳細な数字は把握していないのですけれども、先日の大磯市のときに、1度運行し、湘南港と葉山港を結ぶ航路については、複数回、利用されていると聞いております。あとPRですけれども、これから、動画ですとかそういったものでのPRを考えていきたいと思っているところでございます。

 

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