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更新日:2025年3月19日
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過去の知事記者会見の様子をテキスト版でご覧いただけます。
はじめに、カスタマーハラスメント対策に関連して、2件発表します。
まず、「『STOP!カスハラ!!かながわ宣言』を行います!」についてです。
顧客や取引先等からの著しい迷惑行為であるカスタマーハラスメント、いわゆる「カスハラ」が大きな社会問題となっています。「カスハラ」は、働く人の人格や尊厳を傷つけるだけでなく、企業や社会にとっても大きな損失をもたらすことから、私たち一人ひとりが「やってはいけないこと」と認識し、根絶していかなくてはなりません。
そこで、すべての人が自らの行動を再確認し、「いのち輝く」社会が実現できるように、国や県、労働団体、事業主団体、事業者支援機関の政労使8団体共同で「STOP!カスハラ!!かながわ宣言」を取りまとめましたので、発表します。
「宣言の内容」ですが、3点で構成されており「カスタマーハラスメントをしない・させない社会の実現」、「互いの立場を尊重して、自らの意見や要求を適切な方法で相手に伝えることができる社会の実現」、そして、「安心・安全に働くことができる環境づくり」を目指します。なお、「宣言を行う団体等」は、記者発表資料に記載がありますが、今年1月に発出した、賃上げに向けた共同メッセージと同様に、今回も、団体の代表者等と意見交換を行い、宣言を作成しました。今後、共同宣言を行った8団体が連携し、県民や企業の皆様と一緒に、「STOP!カスハラ!!」の機運を醸成していきたいと考えています。
続いて、本県の職員向けのカスハラ対策である「県職員向けカスタマーハラスメント対策を開始します!」についてです。
県庁でも約4割の部署においてカスハラ被害が発生しており、看過できない状況です。そこで、県では、神奈川県庁カスタマーハラスメント対策基本方針を策定し、職員向けのカスハラ対策を本格的に進めていくほか、カスハラ防止の普及啓発に取り組んでいきます。具体的には、県の職員に対して、職員が身体の危険を感じるような行為を受けた場合、暴言や罵倒、支離滅裂な要求などを受けた場合、長時間又は繰り返し県では対応できないことを要求し続ける行為、などのカスハラ行為に対しては、組織が一丸となって毅然と対応していきます。特に悪質な場合には、弁護士と連携しながら法的措置も検討します。また、カスハラ防止の普及啓発にも取り組んでいくため、カスハラ防止ポスターを県の窓口や庁内に掲示していきます。
県では、引き続き、真摯な県民対応を基本としますが、こうした対策を進めることについて、皆様のご理解とご協力をお願いします。
次に、「ベトナムとの双方向の経済交流が加速」についてです。
本県とベトナムは、経済や文化、観光など幅広い分野で交流が深まっていますが、今回、県内中小企業のベトナムへの進出支援策である「神奈川インダストリアルパーク事業」を拡充するとともに、ベトナムから2社のIT企業の誘致に成功しましたのでお知らせします。
まず、「神奈川インダストリアルパーク事業」の拡充についてです。県では、平成26年度から現地の工業団地と連携し、県内中小企業が貸工場に入居する際に賃料の減免などの優遇措置が受けられる「神奈川インダストリアルパーク事業」を実施し、主に製造業の企業のベトナム進出を支援してきました。近年、企業の進出ニーズの高まりから、貸工場の空き区画が少なくなっているほか、成長するベトナム市場に着目して取引の拡大を目指すサービス業や小売業などの企業からは「営業拠点としてオフィスを開設する際にも支援してほしい」といった声をいただいているところです。
そこで、連携先の工業団地を現在の4カ所から6カ所に増やすとともに、新たに、現地のオフィス運営会社と連携し、県内中小企業がオフィスに入居する際の賃料減免等の優遇措置を設けることとしました。この支援メニューを活用し、医療・福祉施設向けのリネンサプライ事業などを手掛ける株式会社柴橋商会が、ハノイ市内のサービスオフィスに入居することとなりました。同社からは、繊維産業が盛んなベトナムにおいて、リネンサプライ用の商品を調達するとともに、双方向で人材サービス関連の事業を展開することも見据えて現地法人を設立することとした、と聞いています。ベトナムへの進出を検討している企業におかれては、ぜひこうした支援メニューを活用していただきたいと思います。
次に、ベトナム企業の誘致についてです。日本での事業拡大を図るベトナムのIT企業2社に対し、県はジェトロ等と連携し、法人設立に係る助言やレンタルオフィスの貸付などの支援を行い、県内で本格的な営業を開始することとなりました。コンピューターシステムの開発等を手掛けるSOLAZUジャパン合同会社のルアン代表と、スマートフォン向けソフトウェアの開発等を手掛ける合同会社MOHAジャパンの藤井代表とは、ベトナム現地での神奈川投資セミナーの際に面会し、本県でビジネスを行うメリットを私からもPRしてきましたので、県内への進出を決定していただいたことを、大変喜ばしく思います。
このように、本県とベトナムの双方向で経済交流が加速しており、県の支援によりベトナムに進出した県内中小企業は、これまで27社でしたが、「神奈川インダストリアルパーク事業」以外で支援した3社と今回の1社を加え、合計31社となりました。また、県内に誘致したベトナム企業は20社となります。これからも、経済をはじめとして、さまざまな分野でベトナムとの交流を加速させていきたいと思います。
次に、令和9年冬季国スポアイスホッケー競技会の開催要請についてです。
冬季国スポは、スキー、スケート、アイスホッケーの3つの競技がありますが、アイスホッケー競技について、公益財団法人日本スポーツ協会と文部科学省から本県に対して開催要請の連絡がありました。
開催要請の受領は、3月27日(木曜日)15時5分から本庁舎の正庁で行い、日本スポーツ協会会長と文部科学大臣からの開催要請書を私が直接受領します。要請書を受領しましたら、開催受諾に向け、速やかに関係機関と調整を進めてまいりますが、令和9年に冬季国スポが本県で開催されますと、平成30年の第73回大会アイスホッケー競技会以来、9年ぶりの開催となります。
次に、発表項目ではありませんが、GREEN×EXPO 2027 会場建設費の変更についてコメントします。
3月10日に国際園芸博覧会協会から同協会が整備する会場施設等の費用である会場建設費が従来の320億円から最大417億円に変更になることが公表され、これについて、国・横浜市・経済団体とあわせ、県に理解を求める、との要請がありました。
この会場建設費については、県がその15分の1を補助しており、変更に伴い、県の補助金も増額することになります。そこで、博覧会協会が公表した資料の内容を事務的にチェックしたところ、「物価上昇に伴う会場建設費の増額は、資材費及び労務費の上昇を適正に反映していること」、併せて、「博覧会協会としてもコスト抑制を図り、会場建設費の圧縮に努めていること」、また、「予備費の計上は今後の予測できない事態に対応するためには必要なものであり、金額は適正であること」を確認しました。
さらに、横浜市長が昨日の横浜市会において、「今回の協会の要請を受け入れることが妥当と考える」との判断を示したことも考慮し、県としても、横浜市と同様に、変更はやむを得ないものであり、要請を受け入れることが妥当と考えています。
引き続き、博覧会協会や横浜市と連携して、多くの方々が参加・来場する、魅力あふれるGREEN×EXPOとなるよう準備を進めてまいります。
次に、知事現場訪問についてです。
3月28日(金曜日)に、「黒岩祐治が行く!神奈川の現場」として大和市の株式会社Synspectiveを訪問します。同社は、小型のSAR衛星を開発・製造しており、これまでに衛星6機の軌道投入に成功しています。SAR衛星は、電波の一種であるマイクロ波を使って地表面を観測する衛星で、夜間や悪天候下でも高頻度でデータ取得が可能です。同社が製造するSAR衛星は、従来のものと比較してサイズが約10分の1と小型のため、低コスト化にも成功しています。
当日は、小型SAR衛星の量産現場を視察し、同社CEOと意見交換などを行います。ぜひ、取材にお越しください。
知事出席主要行事については、事前に送付した資料のとおりですが、そのうち、1件お知らせがあります。
3月27日(木曜日)に、新庁舎5階第5会議室で開催される「県立中井やまゆり園における医療・健康管理問題改革委員会」に出席します。この会議では、中井やまゆり園の支援改善が進む中で見えてきた知的障害者の「医療の空白」とも言える課題について議論していただいています。当日は、委員会でこれまでの議論を総括し、中間報告を取りまとめていただく予定ですので、取材にお越しください。
私からの発表は以上です。皆さんからのご質問をどうぞ。
記者: カスハラの関係で今回2件発表があったのですけれども、全国各地で条例制定に向けた動きもありますが、条例制定というのはお考えいかがでしょうか。
知事: カスタマーハラスメント対策を含めた改正法案が、現在、開会中の通常国会において審議される見込みと承知しています。県としては「カスハラは、してはいけない」というメッセージを神奈川県全体に迅速に発出するために、条例という形ではなく、「政・労・使」の枠組みを活用した共同宣言を行うこととしました。条例をつくるというのは非常に長いプロセスがかかりますけれども、今はスピード感が求められていると思いまして宣言の方にいたしました。
記者: 県職員向けカスタマーハラスメント対策を開始すると、この資料にも約4割の部署においてカスハラ被害が発生しているとあるのですけれども、具体的にいつの事例で、どれぐらいの数字があって、具体的にどういった被害を受けていて、精神的な不調をきたした職員の方がいらっしゃるかなど含めて、状況を知りたいです。
総務局総務室長: 昨年7月ぐらいに実施しました庁内のアンケート調査によりまして、件数としては令和5年度の実績として、県庁全体で延べ1万245回。こちら延べ件数ですので、案件の数、つまり実件数としては、2,328件。こうした数のカスタマーハラスメントの例がございました。実際に療養休暇を取得するなど精神的にダメージを受けた職員の数でございますけれども、実際に職員が心療内科などの医療機関を受診するまでに至った事例、こちらが15所属でございました。
記者: 15所属というのは人ではなく。
総務局総務室長: 事実上15人で良いと思います。
記者: 国際園芸博覧会の関係で、県の負担割合が15分の1ということだったと思うのですけれど、増額負担要請に伴って、これまでの負担額は幾らで、それがどれぐらいに増えるのでしょうか。
国際園芸博覧会担当課長: これまで約21億円の負担であったのが、最大417億円で計算しますと、約28億円で約7億円の増となるというところでございます。
記者: 7億円の増ということで、今、新年度の予算案を審議されていると思うのですけれども、7億円増というのがその審議、予算案に何か影響するだとか、そういった部分はいかがですか。
国際園芸博覧会担当課長: 今回の増額ということについては、7年度予算には影響せずに、博覧会協会の方でも、令和8年度予算から反映させるということですので、県の予算としても8年度予算から影響があるというところでございます。
記者: カスハラ宣言の方で、これまでの県の取組みというと、ソフトバンクのAIシステムを使った実証実験があったと思うのですが、取組みが始まってから少し時間が経っていると思うので、現在の取組状況と、今回は宣言とポスターの掲出をするということですが、それ以外に何か今後予定している、県職員向けカスハラ対策の施策のご予定がありましたら教えてください。
知事: カスハラは電話のケースも大変多いことから、庁内の360台の電話に個別通話録音機を導入しました。この録音機は、着信時に通話を録音する旨のメッセージを流せるため、カスハラの抑止効果が期待できます。また、来年度からカスハラ専門の弁護士を選任し、相談だけでなく交渉そのものを依頼できる体制を整えます。さらに、カスハラ対応について、職員のよりどころとなるよう「神奈川県カスタマーハラスメント対策マニュアル」を今回初めて策定しましたので、このマニュアルにより、しっかりと対策を進めていきたいと考えています。
総務局総務室長: ソフトバンクのAIによる音声変換システムについてお答えします。現在、動作確認等の検証をまだ行っている最中でございます。今後その有効性を検討していきたいと考えています。
記者: 先程、全部つぶさに把握していないのですけれど、物価上昇に伴うものが適正に反映しているというようなことで受け入れるということだったと思うのですが、適正に反映していると判断した理由みたいなものがあるのかどうかということを教えていただけますでしょうか。
知事: 基本的に今、さまざまな物価が高騰しているという中で、さまざまな建設物もどんどん予算の見積もりから上がってきているということをいろいろ聞いております。だから、ある程度増えるのはやむを得ないという感じはあります。それが数字的に本当に適正かどうかというのは、部局の方でしっかりと精査したものでありまして、適正な変更だと認めざるを得ないと思っています。
国際園芸博覧会担当課長: 博覧会協会の方から提示のあった資料につきまして、例えば、物価の上昇率につきましては、出典の数字の基との整合性とか、またその算出方法について確認したというところがございます。
記者: 今回の増額というのは、物価の上昇とか建設資材費だとか労務費の上昇ということが主因になっていると思います。今回、予備費も積んでいるということではありますが、改めて、再度増額されるような懸念だとか、そういったものも否定できないような気もするのですが、そのあたりはどのようにお考えですか。
知事: 博覧会協会からは、「近年の物価上昇を考慮した積算を行っており、さらに、不測の事態に対応するための予備費も確保するため、再度の会場建設費の変更はないと考えている」と聞いています。県としては、博覧会協会において可能な限りコスト抑制に努めるとともに、会場建設費全体の適切な管理にしっかりと努めていただきたい、と考えています。
記者: 知事が最後におっしゃった協会への要望というか、そういった思いみたいなものは既に県として協会側に伝えているのでしょうか。
知事: きょうも実は午前中、ちょうど2年前ということでの記者発表会がありました。東京都内に行って、横浜市長とともに記者発表会に臨んできたばかりなのですけれども、大阪・関西万博は増額というのがずっとあったという中で非常に皆さんの目も厳しくなっているということもありますので、何度も何度も上がっていくということになると非常に皆さんの不信感を募らせることになりますので、そのあたりはしっかり慎重にやってほしいということを申し上げておりまして、だからこそ、今回、予備費といった形で、さらに伸びることもある程度視野に入れながらの伸びしろといったものも入れていただいたと考えております。
記者: 先日、中井やまゆり園を利用されていたお子さんがいるお父様が千葉県長生村に転居した後に殺害してしまうという事件があって、結果的に、一審の判決では、78歳のお父さんに執行猶予付きの判決が出ました。これについては県も中間報告出していて、これから最終報告ということになると思いますが、知事として、今回のこの判決、また事件、どのように受け止めているのか教えてください。
知事: 改めて、被害にあわれた元利用者の方に心から哀悼の意を表します。今回、裁判を通じて、元利用者のご家族が、周囲に迷惑をかけないよう、介護負担を一身に背負っていたことが明らかになっており、園を含む関係機関が支援の手を差し伸べることができなかったことを、大変重く受け止めています。地域での生活に行き詰まりを感じていた元利用者のご家族から、何とか園に入所できないかという相談があった際に、ご家族の目線に立った支援ができていなかったのではないかと反省し、今後の支援のあり方を考えてまいります。県では、二度とこのような悲しい出来事が起きないよう、現在、関係機関とともに行っている検証を引き続き進めるとともに、障がい者やそのご家族が地域で安心して暮らせるよう、当事者目線という原点に立ち返って、全力で取り組んでまいります。
記者: 知事がおっしゃったように、県は地域生活移行を推進していくという流れの中で、それ自体は非常に進めていってもらいたいと思う一方で、施設を利用したいという中で、中井に限らず滞留しているような状況というのがあるようです。そのあたり、どのようにこれから変えていこうと思われているのか、こうした悲惨な事件が二度と起きないようにというのであれば、どのようなことを考えてらっしゃるのか教えてください。
知事: 今大きな転換点にあると思っています。施設中心の支援のあり方から地域生活移行へ大きく流れを変えていかなきゃいけないということだと思います。これはさまざまな専門家の皆さんに来ていただいている検討会の中でも、そういった大きな方向性が出ていて、それに沿ってわれわれも動いているところでありますけれども、しかし、これは一気にということがなかなかできないのです。地域生活移行といったときに、その地域でそれだけの受け皿があるのかどうかといったこと。利用者の皆さんが突然、地域に放り出されて、非常に困ってしまうということが起きてしまえば、これは本来の支援の放棄につながりかねませんから、そこは慎重にやっていかなきゃいけない。そのような中で、われわれとしてはその地域の受け皿をつくっていくと同時に、その地域生活移行を進めるという、そういうことを慎重にやっていく必要があると思っています。その中で、大きな方向性としては、そっちの方に向かっているということを、皆さんと共有しながら、1つ1つの事例に当たっていかなきゃいけないと考えております。その時、さっき申し上げましたけれど、基本はその当事者の目線に立つといったことをしっかりと考えなきゃいけないということだと思います。
記者: 地域生活移行の流れというのは当然理解した上で、今回の事例でいくと、すぐにはそうならない可能性もある中で、施設を活用したいと考えたときに、なかなかそこに入所できない。こうした悲劇みたいなことが起きてしまっているという1つの事例があるのだと思うのですけれど、そのあたりとの両立というか、地域生活移行を進める一方で、施設のあり方というのを改めてどのように考えているのか教えていただけますか。
知事: 施設のあり方の中でわれわれが確認しているのは、終の棲家ではないということです。ですから、地域生活に移行していく間の1つのプロセス。その中で施設というものを利用していただくという流れです。これをしっかり作っていかないといけない。今までの施設というのは中井やまゆり園もそうでしたけれども、強度行動障害の人をずっと部屋に閉じ込めておいて、ずっとテレビで監視しているような、そういう支援も普通に行われてきたわけです。これは虐待認定されているわけですけれども。だからこういうことはやっちゃいけないということになって、だんだん変わりつつあるわけであります。つまり、部屋にずっと閉じ込めて、ずっと監視し続けて、刺激を遮断するという形をやっていたら、終の棲家になってしまいます。それはいけないのだと。だからその時に、地域生活移行といったときに、まさにその当事者の目線に立って、この人はどういう状況なのか。この人はご家族の状況はこうなっていると、この人の今までの歩んでこられた道はこういうことがあったのだということを一人一人きちんと丁寧に園の職員たちが分析し、分かった上で、この人たちにはどのような形で、地域生活移行に向かってやっていくのが良いのかということを、一人一人丁寧にご説明し、そして、作業に入っていくということが大事だと思います。
記者: 神奈川県民ホールがいよいよあと10日あまりで長期の休館に入ることになります。改めまして、県民ホールが果たしてきた役割についてどのように思われているのかと、その後、リニューアルすることになると思いますけれども、県民はどのようなものを期待して良いのか、このあたりを改めてお聞かせください。
知事: ありがとう県民ホールということでこの1か月、いろんなイベントやっております。私も幾つか足を運んでおりますけれども、改めて感じるのは、非常に神奈川県民ホールというのは、皆さんに愛されていたのだということを実感します。それは演じる方からの評判も非常に良かったし、お客様の評判も非常に良かったということです。ですから惜しむ声というのは非常にあります。ただ、老朽化しているのは現実問題としてありまして、今までも何度も改修しましたけれども、改修するたびに長期間休館せざるを得ない。やっと改修が終わって再開したと思ったらまた不具合が出てきて、また改修しなきゃいけない、この繰り返しでしたので、ここはもう思い切って、全面建て替えをするということに決めました。ただ、あそこは横浜市の再整備の計画と一致した場所なので、周辺を横浜市がどのように都市計画を作られるのかということによって、どこに、どのような形で作れば良いのかということがまだ見えていない状況です。非常にわれわれとしては内心忸怩たるものがあるのですけれども、なるべく早く横浜市の方には都市の計画を明らかにしていただいて、今と同じ場所で建て替えるのか、ちょっと移動したところに建て替えるのか、そういったことも含め、早く結論を出していきたいと思っています。そして、新しい県民ホールのイメージというのは、今まで神奈川県民ホールが果たしてきたような役割、つまり、海外からも招聘できるようなオペラとかバレエとか、それから大きなクラシックの演奏会とかもできる、ありとあらゆることができるような本格的な劇場であるとともに、今の神奈川県民ホールで時代遅れになっていたのは、バリアフリー化というのが非常に遅れていたのです。古い施設ですから。このバリアフリー化というものは徹底的にやっていく中で、それとともに今の舞台芸術っていうのは、さまざまな新たなテクノロジーが反映できるようになっている。照明から音響から、さまざまなCG効果から、いろんなそういった最先端のものがそこでできるような、神奈川県民ホールとして恥ずかしくないような世界に向けて恥ずかしくないような、そのようなホールをつくっていきたいと思っています。
記者: 先程担当から、被害の実数が報告されました。1万件を超えるものと15人の方が受診をされているということ。この県庁の現状について知事はどう受け止めるのかお願いします。
知事: カスハラは県庁職員にとって本当に大きな重荷になっていると思います。長時間電話で怒鳴り続けられることがあったりとか、実際に来られて本当に精神的な圧迫を受けるぐらい激しい抗議を受けたりとか。現に先程報告がありましたが、実際に心療内科に通わざるを得なくなった職員もいるということです。職員としてみれば、そうやって抗議をされることに対して、なかなか拒否をするということができない。もういい加減にして下さいと言うことができない、徹底的に付き合わないといけないという立場に置かれている状況の中で、こういった職員たちを救わないと、通常の多くの県民の皆さんのための業務ができない、差し障りがあるとなります。そこは、こういうカスハラ宣言という形にして、われわれは、そういったカスハラは止めてください、こういったことは非常に良くないことなのです、といったことをアピールするといったこと。これは県だけでやるわけではなくて、県は県として、カスハラに対するそういうメッセージを出しましたけれども、先程申し上げたように、政労使のこういう関係団体とも連携して、みんなでカスハラは許さないんだぞとアピールすることによって、こういうカスハラを無くしていく流れをつくっていきたいと思っております。
記者: 大和市の保育園内での虐待問題について2点お聞きします。大和市は、園から前園長の暴行や暴言についての詳細な報告書を受けたのですが、前園長がすぐ自主退職をしたことなどを理由に、どの子がどのような被害を受けているかなど調査せずに、また虐待かどうかの判断をせずに、対応を終わらせていました。結果、市も保護者に説明できていませんし、園も、私どもが報道するまで説明していませんでした。この件について、大和市は、県に共有するつもりがなかったようですが、これまで大和市の対応についてどう思われるか、これがまず1点です。2点目は、このあと市は改めて調査する方針で、県にも相談すると言っています。保護者はとにかく子ども第一の調査を望んでいるわけですが、県としてどう監督指導していくのか、お聞かせください。
知事: 不適切保育は、児童の人格に深い傷を残しかねない行為であり、断じて許されるものではありません。市は、園長が退職していたため、緊急性がないと判断し、監査を実施していなかったとのことですが、今回の事案は園児を逆さづりにするなど暴力的行為が認められており、市は園に対して監査を行い、事実関係を明らかにすべきだったと思います。大和市からはその後、3月中に臨時監査を実施すると連絡がありました。県は、既に、臨時監査に入る場合の実施方法、改善されたかどうかの確認方法などについて相談を受け、助言をしているところです。今後も、市に助言・支援していきたい、二度とこのようなことが起こらないようにしっかりと取り組んでいきたいと思います。
記者: 今回増額する補助ですけども、7億円が増額されるということで、今年度予算でもかなり苦しい予算になっていて、来年度も苦しいのだろうと思うのですけど、7億円増額して28億円払う効果についてですけれども、これまで以上に、21億円だったとき以上の効果って望むものでしょうか。
知事: こういったものは、開催すると決めたところから、ある種のいろんなリスクは可能性としては仕方ない部分もあると思うのです。そのときに、どうすべきなのかといったときには、大いに盛り上げていって、そして入場料収入もたくさんが上がるような、そういった流れにしていくと、経済効果も非常に大きかったということによって、こういったリスクの部分を乗り越えていくというのが一番正しい方法だと私は考えているところです。ですから、7億円も厳しい財政状況の中で、負担が増えるというのは、大変痛いことではありますけれども、それを上回るような、盛り上げ方、経済効果の上がるような流れをしっかりとやっていきたいと改めて肝に銘じるところであります。
記者: 先程増額を決めた1つの要素として「横浜市長が昨日の議会で妥当であると考えていることを示したことを考慮し」とおっしゃったと思うのですけど、1つの方向性というか一緒に手をあげた団体として、足並みを揃えてという理解でよろしいですか。
知事: 横浜市が「冗談じゃない」とおっしゃっている中で、県だけが「はい、分かりました」というようにはなかなかいかないです。だから、横浜市がどう判断されるかというときに基本的にわれわれの考えと同じだったといったことで、今申し上げたわけです。
記者: 先月あたりに行っていた下水道管の調査の関係で、全域の調査のところは、まだ終わる予定としては未定という話だったと思うのですけれど、現状いつごろに終わりそうとか、現状で何か問題など発生していないかをお伺いできればと思います。
知事: 緊急点検をまずやりました。その実施状況については、県管理のすべての下水管について、管が埋設されている道路の変状や下水の流下状況を目視で点検する調査は完了し、異常を認められませんでした。また、レーダーによる路面下の空洞調査についても、県管理のすべての下水管において現地での調査は完了し、現在、詳細なデータを分析中ですが、これまでの速報結果では、特段の異常は認められていません。それの後に今回、国から新たな要請というのがでてきたわけです。これまでの点検とは別に、今回、国からは、管径2m以上で平成6年度以前に設置された下水管について、テレビカメラによる調査を実施するよう要請がありました。これを受け、本県では、県が管理する下水管約174kmのうち、約61kmを対象に調査を実施してまいります。
記者: その要請があったのはいつごろで61キロの調査始めたのはいつから始められているかっていうところをお伺いできないでしょうか。
下水道課長: まず、要請がありましたのは、昨日の18日でございます。こちらの要請に基づく点検につきましては、国からの内示がございますので、それを活用するということでございますけれども、内示があり次第、速やかに手続きを進めて一日も早い着手を考えております。
(以上)
このページの所管所属は政策局 知事室です。