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更新日:2023年11月13日

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定例会見(2023年11月9日)結果概要

過去の知事記者会見の様子をテキスト版でご覧いただけます。

共同会見発表項目

神奈川県の糖尿病対策について

 

知事: ただいまから、本県の糖尿病対策に関する共同会見を行います。きたる11月14日は、「世界糖尿病デー」です。この日を中心に、11月12日から18日までの週は、「糖尿病週間」となっています。これに先立ち、これまで県が、県内の医療関係者と連携して取り組んできた糖尿病対策について、ご報告します。本日は、「神奈川県糖尿病対策推進会議」の会長でもいらっしゃる、県医師会の菊岡会長と、糖尿病専門医である県医師会の高井理事にお越しいただいています。それでは、スライドにより、まず私から説明します。はじめに、「世界糖尿病デーブルーライト県庁」についてです。神奈川県では、今年も、世界糖尿病デーである11月14日を含む、11月13日から16日にかけて、「県庁のブルーライトアップ」を実施します。多くの方に御覧いただき、糖尿病に対する理解を深めるきっかけとしていただければと思います。続いて、糖尿病に対する具体的な取組みについてです。糖尿病は、重症化すると、「糖尿病性腎症」などの、さまざまな合併症を発症し、人工透析が必要になる場合もあります。県は、県医師会をはじめとする医療関係者の皆様と連携して、平成29年に「かながわ糖尿病未病改善プログラム」を作成し、糖尿病の重症化による、人工透析への移行を防止する取組みを行ってきました。このプログラムは、まさに未病コンセプトに基づき、健康な状態から人工透析の手前の方まで、全てをカバーするものとなっています。このプログラムの特色として、重症化リスクが高いのに糖尿病の治療を途中で中断してしまった方や、まだ医療機関を受診していない方への、「受診勧奨」が挙げられます。具体的には、まず、県が、国民健康保険の健康診断結果や、医療機関の診療報酬データをもとに、リスクの高い対象者を抽出し、市町村にリストを提供します。市町村では、そのリストをもとに、地域の「かかりつけ医」や「糖尿病専門医」などと連携しながら、医療機関への受診を、丁寧に促していきます。そして、対象者の方は、地域の「かかりつけ医」で、それぞれの状態に合った、適切な医療が受けられます。こうしたことにより、透析移行ハイリスクの方を、早く確実に医療へつなげています。そうした取組みの成果が表れているのが、このグラフです。これは、人口10万人あたりの「糖尿病性腎症による新規透析導入患者数の推移」を示したグラフで、上の折れ線が「全国平均」、下の折れ線が「神奈川県」の推移となります。本県は、もともと全国平均を下回っていますが、「かながわ糖尿病未病改善プログラム」を開始した平成29年以降、大きく減っていることが分かります。具体的に、平成29年から令和3年までの減少率を比較すると、全国平均6パーセントに対し、県は13パーセントと、2倍以上の減少率となっています。なお、直近の令和3年のデータでは、糖尿病による「新規の透析導入患者数」は、人口10万人あたり9.6人となり、全国トップクラスの少なさ、人口300万人以上の都道府県の中では、最も少ない数となっています。では、ここからは、神奈川県医師会の菊岡会長と、高井理事に説明をお願いします。まずは菊岡会長、お願いいたします。

菊岡会長: スライドは、神奈川県医師会が連携する糖尿病への対策でございます。神奈川県医師会では、糖尿病の専門的医療機関である日本糖尿病学会、神奈川県糖尿病協会と、神奈川県内科医学会により、神奈川県糖尿病対策推進会議を組織して、糖尿病対策を検討するとともに、神奈川県行政をはじめ、医療関係団体により構成される神奈川県糖尿病対策連絡会を設置して、糖尿病に関する知識や対策の普及等、また関係する方々の連携強化に努めております。具体的には、糖尿病対策推進会議のご協力のもと、市民の皆様に向けて、糖尿病に関する記事の新聞掲載や市民公開講座を開催するなど、普及啓発を行っております。また、神奈川県のご協力のもと、地域と専門医師との連携強化を図るために、ワークショップを開催しています。このような情報共有や連携強化を図ってきたことが、この度の成果につながる効果があったと考えております。

知事: それでは高井理事よろしくお願いします。

高井理事: スライドをお願いします。この糖尿病重症化リスクについて私がお話しするのは、糖尿病性腎症から人工透析に移るのを防ぎましょうという話をします。なぜ重症化予防、透析の予防が必要であるかというお話をします。透析の患者数は、未だ年々増加をしております。大体1年間6000人ぐらいの方が透析を導入されております。透析の疾患別では、やはり糖尿病が一番であります。40%前後あります。それをいかに減らすかというのが大きな問題ではないかと思います。血液透析は、年間大体450万から500万円ぐらいのお金がかかります。つまり、一人の人を1年間、透析を遅らすだけでも400万円前後の保険の支出が減るということが分かっております。大体年間1兆6000億円ぐらいが透析の費用として使われております。これがさらに進めば保険制度の破綻にもなりかねないということであります。透析の数は、実は日本が一番ではないですが、単位人口あたりでは日本が一番。総数ではどうも中国に抜かれたみたいですが、質・量とも世界一と言っていいと思います。この重症化予防のためにということで、患者さんを中心に、かかりつけ医、専門医、それから行政が絡んであと医師会が協力して、その枠組みでやっていきましょうと。この連携がないとうまくいきませんよということで、これは厚労省からのスライドですが、こういった形でやっています。糖尿病重症化予防のプログラム、下の方からいきます。行政・医師会、かかりつけ医・専門医。その協力、連携と、さらに枠組みを作ってそれぞれの立場を理解しながらやっていきましょうと。プログラムを推進するためには、行政の方にやはり予算をつけていただく。医師会はその事業を、その会員に周知説明、あるいは市民の方にも説明。専門医は、医療人的資源の提供と、アドバイスをしていくという形です。それがうまくいけば、患者さんは透析を受けずに、クオリティの高い生活を長く続けられます。行政の方は拠出金が減ることができ、かかりつけ医は、よりその患者さんを長く自分のところで診ていけるということで、悪いところは何もありません。糖尿病性腎症の重症化予防に関してはどういうことが必要であるかということを述べさせていただきます。1つは、血圧の厳密なコントロールであります。血圧を130以下、できれば125以下、最高血圧を125以下ぐらい。ARB、ACE阻害薬、これは血圧を下げるお薬の種類を言っているのですが、レニン・アンジオテンシン系を抑える薬、これを十分に使いましょう。言うまでもありませんが、血糖のコントロールをきちっとしましょう。10年前にSGLT2阻害薬というのが発売されて今使われるようになったのですが、これが糖尿病性腎症の進展をある程度抑制してくれるという効果がはっきりしています。最近では糖尿病でない方の腎臓の障害の進展も遅らせるということが分かっています。次に禁煙です。実は喫煙すると、糖尿病性腎症の率が増えます。悪化のスピードも上がるといわれています。それから脂質異常や高尿酸血症、こういったものをきちん是正することも糖尿病性腎症の進展をある程度緩めるといわれています。先程医師会長の方から説明がありましたが、糖尿病性腎症予防のためのワークショップ、これは県と市町村、郡市医師会の担当理事や会長、各地域での糖尿病の専門医が集まり、その地域での取組み、これからの予定を膝を交えて話して、これからどうしようかということを検討するワークショップをやる。それは非常に刺激があったと思います。それからあと県民に対しての糖尿病の啓発活動です。新聞に関しまして、昨年度はⅠ型の糖尿病と、スティグマアドボカシーの活動、これはいま、糖尿病学会で非常に進めております。それから、知事からの発表がありました、県庁でのライトアップ、それから例えば、大船観音とか長谷寺とか小田原城とかで、ブルーライトアップを行っています。それから、多職種連携での糖尿病対策、これは非常に重要であります。各地区で非常に勉強会たくさんやられております。特にコ・メディカルの方々、看護師、栄養士、臨床検査技師、薬剤師。そういった方が集まって、非常に熱心に勉強しています。この力は非常に強いと思います。日本糖尿病学会が認定しているCDEJ(糖尿病療養指導士)それから、神奈川でもローカルのCDEJ(糖尿病療養指導士)、500人ぐらいの方が活躍されています。そういった方々が、草の根的に患者さんに対して、いろいろサポートしていただいています。最後のスライドです。医師会の方でどういうことをやっているかというと、医師会の中の内科医学会の中で、糖尿病対策委員会があります。委員長は松葉先生、私も副委員長させていただいていますが、今まで眼科と内科の連携、糖尿病連携手帳の普及、神経障害の調査、尿中の微量のアルブミン、たんぱくの一種なのですが、それの測定が、糖尿病性腎症の発見にいちばん最初に役に立つ、それをいかに広めるか、それから、一般医科にインスリン導入の指導をしたりしています。新しいお薬でシタグリプチンとか、シタグリプチンとインスリンの併用効果、先程言いましたSGLT2阻害薬に対する臨床研究、そういったものを熱心に進めています。そういった総合的な効果が、今回、糖尿病性腎症重症化予防で、透析が減った要因になっているのではないかと思っています。

知事: 今回の成果は、県医師会をはじめとする「糖尿病対策推進会議」の皆様と県が連携し、当事者である患者の目線にたって、着実な取組みを継続的に行ってきた結果であると考えています。今、「糖尿病性腎症重症化予防」という言葉が出てきましたけれど、厚生労働省の通知などにおいて、「糖尿病性腎症重症化予防プログラム」という言葉が使われています。けれども、神奈川県は医師会とともに、健康な状態から人工透析導入の手前まで、「神奈川糖尿病未病改善プログラム」として、まさに未病の取組みを実施してきました。今後も、医療関係者の皆様や、市町村との協力関係を大切にしながら、県として、より一層の糖尿病対策を進めていきたいと考えています。私からの発表は、以上です。この件について、ご質問があればどうぞ。

共同会見質疑

記者: 知事に1点お伺いしたいことがあるのですけれど、これまでもいろんな説明の中で例えば、受診勧奨に対してナッジを活用したりですとか、いろんな取組みされていると聞いているのですけども、例えばいろんな取組みしている中で、どれが一番効果的だったかというところの、ここまで続けていらっしゃるのであれば次の展開ということで、どれが一番効果的であって、スクラップあるいは新しいのをやるとか、そういうさらなる改善が必要と思うのですが、そのためには、データが必要だと思います。先程、医療費の話もございましたけれども、例えばこれだけ全国平均よりも下がったことにより、幾らその医療費が神奈川県の場合は効果的に使えていたのかとか、そういったEBPM的観点で、この5年間ぐらいですか、検証して次につなげていくというような観点が必要ではないかと思うのですけれども、知事、先日もデータ統合連携基盤も立ち上げられて、かなりビッグデータも活用した行政を志向されていると思いますが、この糖尿病の重症化予防に関して、ビッグデータを活用したりですとか、先程のような効果検証、データでやっていくっていうようなお気持ちございますか。

知事: これはこれからの課題だと思います。今この現時点で、データを全部取ってきて、そしてこれはこうであったということを今発表できる状態ではありませんけれども、今発表したとおり、非常に良い結果が出ているわけであります。われわれはさまざまなことをやってまいりましたけども、一番の柱になっているのは、未病というコンセプトです。健康か病気かというわけじゃなくて、健康から病気の間はグラデーションで連続的につながっています。これが未病です。病気になってから直すのではなくて、このグラデーションのどこにいても少しでも健康にもっていきましょうという、こういうことをずっと言い続けてきたわけです。ですから糖尿病というのはまさにこの概念が一番ぴったり皆さんに浸透する話ではないかなと思います。糖尿病っていうのは白赤ではないですよね。糖尿病でない人がある日突然糖尿病になるという、そういうわけではなくて、やっぱり日常の生活の中で、徐々に徐々にその進行していくということ。これをなるべく早い段階で分かって、そしてその食生活であるとか運動習慣、社会参加そういったことによって、その進行を食い止めるとか改善に向かっていくとか、そういったことが大事だろうということを訴えかけてきて、それをまさに医師会の皆さん等々と、連携しながら取り組んできた。そのことが、こういった結果に表れているのかなと思っています。いろんな未病のことをアピールしてきました。これはコロナの前でしたけれども、そういう状況を続けていると、非常に危機的な状況になるぞという、ある種、怖い動画です。そういったものも出しながら、ある種、皆さんに危機意識を持ってもらうというようなこともいろいろやってまいりました。今この時点でそれがそれぞれどういったデータとして効果があったのかという検証はまだまだこれからです。そういったことは、しっかりこれからの課題として取り組んでいかなければならないと思っています。それとともに医療費との掛け合わせといったことの中で、いろんなデータがどう連携するかということはお見せできるとは思います。

記者: 何が効いていて、結果的にこのぐらいで効果が出ましたというのがはっきり出ると、政策パッケージとして、いわゆるその神奈川モデルとして全国に広げていくというようなことも視野に入ってくるのではないかと思いますが、そういった先行的にこの糖尿重症化予防神奈川モデルみたいの作っていく、そういったような構想はあるのでしょうか。

知事: 基本的にはそういうことを目指してやっています。未病コンセプトといったものをずっと打ち出しながら、例えば議会の皆さんからもその成果がよく分からないというようなご批判もありました。ですから、こういった結果がこう表れていますというのは、未病コンセプトをずっと打ち出してきて、それを医師会の皆様等々と連携しながらやってきたことがこのように表れているという、そういう成果の発表だと受け取っていただきたいと思います。こういったものが1つの神奈川モデルとして示せるならば、これを全国に展開していきたいと思っています。

記者: これまでの県の取組みをご説明いただきましたけども、今後、来年度こんな事業を計画しているとか、県としても、医師会としても、何か現段階で次こんな対策を強化しようと思ってますみたいなところがありましたらお聞かせいただけますでしょうか。

高井理事: ワークショップを1回やっていますが、非常に好評につき、来年度もやろうと思います。ワークショップは、各郡市の国民年金課に今なっているんですがほとんどは健康保健課の保健師さんとかが中心となっています。あと、郡市医師会の会長とか、担当理事と、それから専門医とが集まって、その地区で何ができるか、今何をやっているかというのを検討して、今後、さらに何をやり得るかというのを、検討して、健康課長と横浜市大の糖尿病の教授の前で発表させていただいています。非常に刺激的な会になっております。

知事: 県として特に新しく来年度からはこんなことやりますということが具体にあるわけではありませんが、これまでやってきたことを強力に推進していくということです。きょうの発表にもありましたが、多職種で連携していろんな形で、各地域で勉強会をやったりとか、乗り出していくということです。地域、地域に乗り出していって、そして、さまざまな方を巻き込んでいくといったことが医師会の皆さんとともに連携してできているということ、これが非常に大きな力になっている、こういうことをわれわれも確認できているわけですから、これに勇気を得て、さらに大きく展開していきたいと思っています。

記者: 基本的なところでお伺いしたいのですけども、神奈川県がハイリスク者リストを提供されているという話で、ハイリスク者リストは、どういう形で抽出されて、何人ぐらい提供しているのかというのを教えていただきますでしょうか。

知事: 過去4年間に、特定健診を受診し、糖尿病もしくは糖尿病性腎症の基準に該当しているが治療を開始していない、いわゆる未治療の方、また、同じく過去4年間に、医療機関で糖尿病もしくは糖尿病性腎症と判定された診療報酬データがあり現在治療を継続していない、いわゆる治療中断の方を、ハイリスクと判断しています。人数については、事務局分かりますか。

医療保険課長: まず令和4年度の対象者の方の人数でございますが、1944人となっております。以上です。

記者: 1944人の方を市町村に情報提供されて、実際に受診勧奨を行った方の人数とか、受診した方の人数というのを教えていただけないでしょうか。

医療保険課長: 令和4年度でございますが、実際に保健指導を実施した方が、そのうち、先程申し上げました1691人のうち1529人でございます。実際に対応した方の人数です。

記者: そのうち、受診勧奨されて実際に医療機関を受診された方というのは、分かりますか。

医療保険課長: 令和4年度はそのうちの、全体の約3割ぐらいの人数でございますが、502人でございます。

記者: 1944人市町村に情報提供して1592人に受診勧奨を市町村がして、592人が実際に受診したってそういうことでよろしいですか。

医療保険課長: おっしゃる通りです。

(正しくは、
医療保険課長: まず令和4年度の対象者の方の人数でございますが、1691人となっております。以上です。

記者: 1691人の方を情報提供されて、実際に受診勧奨を行った方の人数とか、受診した方の人数というのを教えていただけないでしょうか。

医療保険課長: 令和4年度でございますが、実際に保健指導を実施した方が、そのうち、先程申し上げました1691人のうち1529人でございます。実際に対応した方の人数です。

記者: そのうち、受診勧奨されて実際に医療機関を受診された方というのは、分かりますか。

医療保険課長: 令和4年度はそのうちの、全体の約3割ぐらいの人数でございますが、502人でございます。

記者: 1691人市町村に情報提供して1529人に受診勧奨を市町村がして、502人が実際に受診したってそういうことでよろしいですか。

医療保険課長: おっしゃる通りです。)

【補足】
 県より、県内33市町村に情報提供をしたのは、1944人ですが、そのうち本事業に参画した自治体は、令和4年度は20市町村で、20市町村の事業対象者は、1691人でした。

記者: もう1点は、医師会の方にお伺いしたいんですけども、この糖尿病性腎症重症化予防でいろいろ書かれているんですけれども、これは生活習慣を改めようっていうお話なのでしょうか。それとも、重症化する前にきちんと医療機関を受けようねっていうお話なのか、そのあたりもう少し実際に県民の方が糖尿にならないためにどうすればいいか、重症化しないためにどうすればいいかというところを教えていただけないでしょうか。

高井理事: 一つは、糖尿病性腎症というのは、比較的、今は急速に進展することは少ないです。診ていると、ゆっくり進行していくのですが、その時点で糖尿病性腎症の進展が見られれば、さっき上げた治療を見直すということが1つです。もちろん、未病から糖尿病になるのを防ぐ、それは母集団を少なくするということと、ある程度進行してきた人をいかに食い止めるかということは、少し土俵が違うと言いますか、話が違います。同じにはできないと思います。いわゆる未病というのはおそらく耐糖能障害とか境界型糖尿病という方が糖尿病になるということは、大体年間数パーセントぐらいが移ってくるといわれているのですが、それをいかに防ぐかということは非常にいろんな多岐にわたることが必要であると思います。もちろん、個人で例えば太らないようにしましょうとか、単純糖の摂取を少なくしようとか、それから、一応運動のこととか。そういういろいろな生活習慣のことを含めて大事だと思うのですが、それは個別化しないとできないことで、なかなか全体的に論じるのは難しい話です。ただ、糖尿病性腎症がある程度進展してくる場合は、今の内科医はきちんと対応してきていると思います。その結果がある程度は反映されているのではないかと思います。

記者: そうしましたら、生活習慣はもちろんありますが、そこもやりつつ、県民からすれば、病気になったら、治療を中断するのではなくてちゃんと病院に通い続けた方が良い、そういうことでしょうか。

高井理事: 治療中断の方に電話して受診につなげる、それが非常に大事なことだと思います。残念ながら治療を中断する方は割といらっしゃいます。それが現状だと思います。大概は悪くなって帰ってくることがほとんどです。ですから、行政がやっていただいていることは非常に大事なことなのですが、患者さんは、行政から言われる筋合はないとか、そういう対応される場合が実際は多いと聞いています。

知事: 多職種連携っていうことを先程申し上げました。これも例えば、保健師の皆さんがいろいろなところに出かけていって、皆さん集めて、普段どのような食生活をしているかを丁寧に聞き取ってそれを見ながら判断し、そして食の生活指導をやりながら全県的にも展開するということもある。いろんなことが相乗効果として表れているのかなと思っています。

記者: 医師会の方にお伺いしたいのですが、基本的なことだと思うのですが、ハイリスクであっても治療をしなかったり、やめてしまったりということがあるということでした。糖尿病にかかってしまった場合にどのような生活の制限とか、支障が生じるのか、分かりやすい形で県民の方にメッセージをいただけるとありがたいです。 

高井理事: それはかなり個別化します。例えば糖尿病の合併症で眼の進行がかなりひどい方は、急激に血圧を上げるような運動はさせません。ですが、そういうことがなければ、運動に関しては一切の制限はない。糖尿病であるから何々してはいけない、ということはほとんどないと思います。個人的には単純糖をたくさん取るということは糖尿病を悪くする。それから一般的に肥満が進むとあとで血糖値が上がってくるということが分かっていると思いますが、そういったこと以外はかなり個別化することでして、一言でこれはだめですよいいですよ、とは言えないことの方が多いと思います。 

知事: 糖尿病が重症化した場合、先程もありましたが人工透析が必要になるといった場合、経済的な負担も大変であるという話がありましたけれども、われわれは医療費を削減することを第一の目標としてやっているわけではない。その人の目線に立って考えれば、人工透析をしなければいけない生活は大変なご負担になるわけで、精神的にも時間的にも肉体的にも、そうならないように元気に過ごしていただきたいという思いの中で、このまま行くとこうなりますよという啓発をしているとお考えいただきたいと思います。

記者: もう1点だけ教えてください。基本的に神奈川県は全国平均よりずっと低いようなのですが、これは何か要因とか考えられることがあるのでしょうか。 

高井理事: 比較的医療機関が整備されているということと、県民の意識の問題ですかね。あまり他のことは言えない。例えば炭水化物を大量に摂取する、例えばうどんとか摂取するところは糖尿病のリスクが増えたりすることは聞いています。ある程度減少に転じているのは、コ・メディカルを含む医師会の活動とか、先程言った郡市医師会や、各地区の行政との連携とかというのが、ある程度効いてくるのではないかと思っています。

知事: 先程のグラフを見ていただくと分かると思いますけれども、平成29年からこの「神奈川糖尿病未病改善プログラム」を開始してから、この減り方ですよね。これを見ていただくとやはり、こういったプログラムが効果を表しているのかなと思います。だから、やっぱり未病改善ということを徹底的に言い続けてきたことは、1つの成果になっていると考えていいのではないでしょうか。そのあたり、データをしっかり取りながら検証しなければならないという問題は残っています。

記者: 治療中断者や未治療者がいるということですけど、これは何か糖尿病ならではの理由や背景はあるのでしょうか。

高井理事: 糖尿病は、症状が出ないのです。空腹時血糖で300以上ぐらいにならないと、いわゆる喉が渇いたりとか、多飲とか、多尿、それが起きないのです。だるいとかも。大体空腹時血糖で150以上ぐらいになってくると、いろんな細小血管障害、いわゆる合併症のリスクというのは、徐々に上がってきます。ヘモグロビンA1cというのがその1つの目安なのですが、大体9%から10%が、6、7年続けば、目とか腎臓にその初期の変化は必ず出てくると言ってもいいと思います。逆に7以下で抑えられればゼロに近くなる。だから、症状は出ないのですが、やはり症状だけで判断されてしまうと、なかなか医療に結びつかない場合がある。こんな元気だからいいのではないかと患者さんは言うわけです。

記者: 生活する上での困りごとが発生しづらい病気っていうことですか。

高井理事: そうです。合併症が進めば、例えば網膜症がある程度進んでも全然症状でないことがあります。眼底出血が起きて、初めて目が見えなくなる。一時的に目が見えなくなっても、出血が引けばまた見えるようにはなるんですが、それまで全く気づきません。それから、先程の腎症に関しても、最初は微量のたんぱく、尿中のアルブミンっていうのが尿に出ます。それが何年も続いて次第にたんぱく量が増えてくると、いわゆるネフローゼ症候群とかいって、むくみが出たりして血圧が上がったり、その時点で患者さんが症状に気づく場合が多いと思います。さらに進めば当然、腎不全、尿毒症の症状になります。

定例会見発表項目

ベトナム企業3社が県内に進出!

 それでは、発表項目に入ります。はじめに、「ベトナム企業3社が県内に進出!」についてです。このたび、ベトナムのICT企業3社が、県内に日本法人を設立し、本格営業を開始いたしましたので、お知らせします。Goline Global Japanテクノロジー合同会社は、ハノイに本社を置く企業で、コンピュータシステムの設計・開発などを手掛けています。株式会社BnKジャパンは、ホーチミンに本社を置く企業で、コンピュータシステム及びソフトウェアの設計・開発などを手掛けています。株式会社エス・ワイ・パートナーズジャパンは、ハノイに本社を置く企業で、システム開発や販売、ITコンサルティングなどを手掛けています。これまで、県では多くのベトナム企業を、県内に誘致してきました。昨年も、私はベトナムを訪問し、「KANAGAWA FESTIVAL in HANOI 2022 経済プログラム」で講演するなど、多くの企業に対してトップセールスを行いました。その際、日本への進出を検討している Goline Global Japanテクノロジー合同会社と、株式会社BnKジャパンの方々と直接お会いし、県がしっかり支援を行っていく旨、私からお伝えしたことが、本県を選んだ決め手になったと聞いています。この写真が、Goline Global Japanテクノロジー合同会社と面会した際のものです。この写真が、株式会社BnKジャパンです。今回、各社が県内への進出を決定いただいたことを、大変喜ばしく思います。 なお、ベトナム企業を県内に誘致した件数は、今回で17件目となりました。

知事のベトナム社会主義共和国訪問について

 そんなベトナムに再び行ってまいります。ベトナム社会主義共和国訪問についてです。11月16日木曜日から19日日曜日にかけて、ベトナムのハノイ市及びダナン市において「KANAGAWA FESTIVAL 2023」を開催します。イベントに参加するため、私自身もベトナムを訪問します。主な予定ですが、まず16日木曜日には、ダナン市において実施する「KANAGAWA FESTIVAL in DANANG 2023」に参加します。「KANAGAWA FESTIVAL in DANANG 2023」は、ベトナムの大学生等を対象に、神奈川への留学や就労についての関心を喚起するため、本県への留学や就労に関するセミナーや本県の魅力を発信するイベントを開催します。次に、17日金曜日ですが、ハノイ市において、ベトナム保健省関係者と面談し、ヘルスケア・ニューフロンティア政策など県の取組みを紹介し、意見交換を行います。また、同日、「KANAGAWA FESTIVAL in HANOI 2023」 のうち、「経済プログラム」を実施します。神奈川投資セミナーを開催して、ベトナム企業の県内誘致を図ります。また、参加企業等のネットワーキングを目的としたビジネス交流会を開催します。こうしたイベントを通じて、ご参加いただくベトナム企業に対してトップセールスを行い、更なる県内への誘致につなげたいと思います。18日土曜日、19日日曜日には、「文化交流プログラム」を実施します。ハノイ市の戦没者記念像前広場において、本県のプロモーションイベントを開催し、ベトナムの方々に対し、本県の認知度向上、本県との交流拡大を図ります。今回は、イベントのアンバサダーである「川嶋あい」さんにもご参加いただき、9月の「ベトナムフェスタin神奈川」で初披露していただいた日越友好ソング「絆」を歌っていただくなど、ステージを盛り上げていただきます。このほか、詳細は調整中ですが、ベトナム現地において、ベトナム政府要人・関係者との面会を行う予定です。今年は日越外交関係樹立50周年という節目の年でもありますので、今回のベトナム訪問により、これまでの交流で培ってきた神奈川県とベトナムの絆をより一層深めてまいります。

医療的ケアが必要な子どもなどを対象とした映画観賞会「ともいきシネマ」を実施します

 次に、「医療的ケアが必要な子どもなどを対象とした映画鑑賞会『ともいきシネマ』を実施します」についてです。医療的ケアが必要なお子様と、そのご家族は、人工呼吸器や痰の吸引音が映画を観賞しているほかの観客の迷惑になることを気にしてしまい、映画館で映画を観ることをあきらめてしまうことがあるそうです。「子どもたちは、映画館で映画を観たいという夢がある」ということを、私は、先の知事選挙の時に実施した、当事者の皆さんとのオンライン対話集会で、直接、お伺いしました。そこで、県では、医療的ケアが必要なお子様や重症心身障害のあるお子様、そのご家族、ご友人が、みんなで映画を楽しめる、映画鑑賞会「ともいきシネマ」を、12月27日水曜日に「あーすぷらざ」で実施します。この企画は、医療的ケア児にかかわる当事者団体の方々から、当日の運営方法や募集チラシの作成にご協力いただいたほか、企業からの協賛をいただき実現するものです。参加費は無料。本日から12月1日金曜日まで募集を受け付けています。座席数に限りはありますが、ぜひ、ご応募ください。県としては、今回の実施を機に、この「ともいきシネマ」がさらに広がっていくよう、県内の映画館や企業、民間団体と連携した取組みを検討していきます。

知事出席主要行事

 知事出席主要行事については、事前に送付した資料のとおりですが、そのうち、1件コメントしておきます。11月10日金曜日に、「黒岩知事と当事者とのオンライン対話」を開催します。これは、対話のテーマに関連した当事者や関係団体等と私が、少人数で、オンラインで意見交換を行うことにより、当事者目線の施策形成につなげていくものです。第4回となる今回のテーマは、「子育て支援」です。子育て世帯の抱える不安、さまざまな場面での困りごとや、子育て世帯に対する情報発信・行政手続きのデジタル化についても意見交換を行います。また、YouTubeでもライブ配信を行い、ご意見を募集します。ぜひ、取材にお越しください。私からの発表は以上です。ご質問があればどうぞ。

定例会見質疑

「医療的ケアが必要な子どもなどを対象とした映画鑑賞会『ともいきシネマ』を実施し ます!」について

記者: ともいきシネマの件なのですけれども、先程知事選の最中に、当事者とのオンライン対話で、ニーズというか必要性について、気づいたということですけれども、県としてこのようなコンセプトというか内容で映画の上映会を開くのはまず初めてなのかということと、あと最後に言及いただいた映画館や民間団体と連携した取組みというのはもう少し具体的に例えばその映画館で、今回あーすぷらざですけども映画館でどういうことやるのかそういうことを各地でやっていくのか、どういったところをねらっていらっしゃるのか、教えてください。

知事: 医療的ケアが必要な方などを対象にした映画館での映画鑑賞の取組みは、全国的には、東京の武蔵村山で活動しているNPO法人LINOが毎月定期的に実施している例があります。ただ今回神奈川県は、都道府県として主催として実施するということでありますから、こういった例は、現時点では他にはないと聞いています。なお、今回、実施に当たり、NPO法人LINOには、お話を伺ったり、現地を視察させていただくなど、ご協力をいただいております。今回は、まずは県がモデル的に実施しようということで、医療的ケア児等にかかわる当事者団体の方々と連携して、映画館と同じように大きなスクリーンと音響設備のある県の施設を活用して、実施します。県としては、「ともいきシネマ」が、将来的に、映画館や企業、民間団体の方々などにより、県内各地に広がっていくことを目指しています。そこで今回の実施を、映画館や企業、民間団体の方々と連携した取組みにつなげていくため、当日は、映画館や企業の方々にも声をかけ、会場にお越しいただきたいと考えています。ですから映画館の中でも、きょうはともいきシネマの日と決めて、そういうことを実施するといったことになってくると、広がってくるのかなと思っています。

記者: 上映する映画のタイトルを拝見したのですが、作品の内容を選ぶに当たってのポイントですとか、どういった経緯で作品が選ばれたのか教えてください。

知事: 実際に医療的ケア児の皆さん、そして医療的ケア児を支えていらっしゃる親御さんと相談して何がいいのかなっていったことの中で決めていったと聞いています。

共生推進本部室長: 知事の話に加え、なるべくより新しい作品を見たいということで、そういう観点からもこの映画「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」を選びました。

「SHINみなとみらい」について

記者: シェアオフィスをしているWeWorkが経営破綻したと報じられておりますが、神奈川県としてはみなとみらいにベンチャー企業と大企業を結びつけるビジネス支援拠点を設置されていると思うのですが、今回の件を受けて「SHINみなとみらい」に関する影響と今後の方針で何か決まっていることがあれば教えてください。

知事: WeWorkが経営破綻という話を聞いてびっくりし、まず真っ先に「SHINみなとみらい」というベンチャー支援拠点が横浜のWeWorkにあるので大丈夫かと心配だったのですが、WeWork日本法人は、日本で運営する40拠点の営業を続けると発表されておりますので、今すぐに何か影響はないのではないかとは思っています。

ライドシェアについて

記者: 先日、三浦市でのライドシェア解禁に向けた検討会議が行われましたが、日にちが経って改めて進捗状況についてお願いします。

知事: まだ今ここで発表できるような具体的な進捗ということはありませんが、着々と皆さんの合意を得るような努力が進んでいると聞いております。

神奈川県営水道事業審議会からの答申について

記者: 県営水道の料金のことでお伺いいたします。きのう、県営水道事業審議会で、水道料金25%値上げが必要という答申結果が出されたかと思います。今の物価高騰の中で25%値上げっていうと、やっぱりこう一般の県民市民にとってはかなり大きな影響あるのかなと思うのですけども、知事としてはこの妥当性っていうのはいかがお考えでしょうか。

知事: 確かに、答申では25%アップという改定率が示されたわけでありますけども、大規模災害への備え等を着実に行い、県民の皆様に、安定的に水道水をお届けするためには、戦略的な管路整備等を急ぐ必要があり、今般の料金値上げは避けて通れないものと考えています。県民の皆様にご負担をお掛けすることになりますが、ぜひご理解をいただきたいと思います。すでに、企業庁において、答申を踏まえた料金改定案の検討に着手していますが、私からも、県民生活に与える影響を見定め、高齢者を含む単身世帯などへの配慮について、検討を指示しています。丁寧に皆様にご説明していきたいと思っています。

都道府県魅力度ランキングの結果について

記者: 先月、ブランド総合研究所が発表した都道府県魅力度ランキングで、神奈川県は7位だったのですけれども、去年も6位で、大体これぐらいのランキングを推移していて、上位は、北海道沖縄京都で固定されているような、こういう状況が続いているのですけども、知事としては今のこの神奈川県の魅力の発信状況だとか、今後の取組みとか、今の状況についての受けとめなどをお願いします。

知事: もともと「いのち輝くマグネット神奈川」と、ずっと言ってきましたけど、マグネット神奈川、マグネットというのは引きつける力ということで、行ってみたいな住んでみたいなと思うその力がもっとあふれる地域にしていきたいという中で、全国で魅力度というと7位というのは、私としては少々不満であります。もっともっとポテンシャルがあると思っているところです。ですから、こういったことに満足しないで、もっと神奈川の魅力は発揮できるはずだといったことで、しっかりとマグネット力を高める努力を全県的に進めていきたいと思っています。

神奈川県の分娩環境について

記者: 県で取り組まれる分娩環境、赤ちゃんを産む環境についてお尋ねしたいと思います。と言いますのも、秦野市で、宿願だった産婦人科医のクリニックができて、来週見学会が開かれるというタイミングなので伺いたいと思っているのですが、特に相模川以西あたりの地域は、子どもを産める環境があまり整っていないということが慢性的な課題になっておりまして、そういった中で、自治体、市町村が頑張っているわけなのですけども、県として、そういう状況をどのようにいま捉えていらっしゃるのかということですとか、どういうふうに県内の赤ちゃんを産む環境があるべきなのか、それに対していまの県の状況はどのように捉えるのかお聞かせいただけますでしょうか。

知事: 産科を取り巻く環境は、必ずしも十分な体制ではないということは認識しております。そんな中で、これから新しい体制に変わっていかなければならないと思っています。それは拠点化です。産科医療において何を優先するのかということの中で、やはり医療の安全性、産科医療の安全性ということは、やはり最優先されるべき課題だと私は思っています。安全性そしてそのクオリティ、質です。そういった中で拠点化するほうが実は安全安心につながるということ。数少ない医療資源を拠点に集めるということです。そうすると、当事者の皆さんからすれば、それぞれのお住いのところから少し遠くなる人が出てくると思います。ですから、近くて満足という発想を変えていただかないといけないのかなと。集約によって安全性が高まっているのであれば、そういった中で若干距離が長くなって、時間が長くなってという方が出てこられるかもしれないけれども、そのあたりは安全性を重視した方策だということでぜひご理解いただきたいと思います。 

記者: 今お話しいただいたことを踏まえて、秦野市で今回クリニックができたということは、県の拠点としての捉え方としては否ということもないでしょうが、どういった風に捉えられているかお話しいただけますか。 

知事: 秦野日赤医療センターで産科医がいなくなったといったことでいわゆるお産が出来なくなったという状況がありました。ただ、今までも広域で産科を見るということはやってきましたので、そのことによって、実際に産めなくなるという状況にはなってはいませんでした。ただ、距離が遠くなったというご不便をおかけしていた中で、拠点は拠点としては大事だが、近くにもほしいという声があったので、今回こういうことになった。地元の皆さんの声を受けて、なんとか出来上がった。それはどっちかということではなくて、こっちがあって、それを補うためにも、近くにあるクリニックがあってもいい。こういった形でなんとか地元の皆さんの要望にお応えすることができたと考えています。

愛名やまゆり園職員による利用者への暴力事案について

記者: 先日、愛名やまゆり園で職員が利用者への暴行ということがありました。既に知事からコメントはいただいておりますけれども、少し時間が空いて、指定管理者側から何か取組みだとか報告だとかありましたら教えていただきたいと思います。 

知事: この件、被害にあわれた利用者と、そのご家族に深くお詫び申し上げたいと思います。虐待は絶対にあってはならない行為であり、県は「当事者目線の障害福祉推進条例」を制定し、今はその具現化を全力を挙げて目指しているところです。そんな中で起きた事件であり、大変重く受け止めています。中井やまゆり園、厚木精華園と虐待事案が明らかになったことに加えまして、今回、愛名やまゆり園の事案では、職員が逮捕されるという事態に発展したことは、県への信頼を揺るがす由々しき問題だと考えております。県としては、警察の捜査に全面的に協力するとともに、指定管理者であるかながわ共同会と、原因究明を徹底して行い、同じことが二度と繰り返されないよう、再発防止に全力で取り組んでまいりたいと思っています。今週月曜日に、県庁本庁職員が緊急で現地に立ち入りまして、見守りカメラの映像確認や、幹部職員へのヒアリング、書類調査などを実施いたしました。また、本日これから緊急施設長会議を開催し、愛名やまゆり園だけでなく、他の県立施設にも徹底的に再発防止を指示いたします。利用者への人権侵害虐待は絶対あってはなりません。暴力行為が明らかになった愛名やまゆり園の利用者やご家族が安心して生活できるよう、指定管理者や園任せにすることなく、県本庁も一緒になって、再発防止策を検討し、対策を徹底して、二度と同じことが繰り返されないよう、虐待防止に取り組んでまいります。なお、詳細な事案の内容などは引き続き調査を進めていますので、まとまった時点で公表いたします。それ以外で特別、かながわ共同会から何かあったという話はありません。

記者: 施設長会議というのはきょう、この県庁で行われるのでしょうか。

障害サービス課副課長: この後に、県庁において、zoom等を利用しまして、3時から開催する予定になっております。

記者: その内容に関しては、会議終わってからお問い合わせすれば、教えていただけますでしょうか。

障害サービス課副課長: お話した内容についての概要等は説明できると思います。

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