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更新日:2022年12月28日

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定例会見(2022年12月16日)結果概要

過去の知事記者会見の様子をテキスト版でご覧いただけます。

発表項目

ベトナムICT企業が県内に進出!

 はじめに、「ベトナムICT企業が県内に進出!」についてです。
 このたび、ベトナムのICT企業である、SSKPI COMMUNITY VALUEが、県内に日本法人エスエスケーピーアイ・ジャパン合同会社を設立し、本格営業を開始いたしましたので、お知らせします。
 エスエスケーピーアイ社は、2018年に創業した、ハノイに本社を置く企業で、人事管理オンラインサービスをはじめとしたクラウドサービスの開発・販売などを手掛けています。
 新型コロナウイルスの感染拡大を契機にリモートワークの定着が進む中、同社は、今後の日本市場における、社員の業務の進捗確認や業績管理などの人事管理オンラインサービス等の需要拡大を見込み、日本への進出を決めたとのことです。
 また、本県を進出先に選んだ理由としては、本県の手厚い支援制度として、外資系企業向けレンタルオフィスの提供や、外国企業立上げ支援補助金の交付などがあること、これまでの積極的な誘致活動により、既に多くのベトナムICT企業が県内に集積していることが決め手となったと聞いています。
 先月、私はベトナムを訪問し、この写真のとおりでありますけれども、「KANAGAWA FESTIVAL in HANOI 2022 経済プログラム」で講演するなど、多くのベトナム企業に対してトップセールスを行いました。その際、エスエスケーピーアイ社の方々と直接お会いすることができました。こちらがそのときの写真です。右から2番目の方が、社長のディン・ハ・ロン氏です。
 なお、ベトナム企業を県内に誘致した件数は、今回で13件目となります。

2022年県政重大ニュース

 次に、「写真とともに振り返る『かながわ2022年県政重大ニュース』!」についてです。
 今年1年間の県政における重大な出来事10件を「かながわ2022年県政重大ニュース」として選定しました。この県政重大ニュースは、県民の皆さんに今年1年の神奈川県政を振り返っていただくことを目的に例年、実施してきましたが、新型コロナウイルス感染症の影響で、2020年、2021年は休止していましたので、3年ぶりの発表となります。
 今回は、県民の皆さんの投票により順位付けした形で発表していたこれまでの方法を変更し、順位付けはせず、私自らが、県が特に力を入れた取組みや県政にとって大きな出来事を選定し、より県民の皆さんがイメージ出来るよう、写真を添えて発表することにしました。
 それでは、さっそく「かながわ2022年県政重大ニュース」を発表します。
 まず、「『自主療養届出制度』が本県の医療ひっ迫回避に貢献!」です。まん延防止等重点措置期間にあった1月、セルフテストで陽性であれば医療機関を受診せず自宅で療養することができる「自主療養届出制度」を導入しました。「自主療養届出制度」は、第7波でさらに利用が進み、累計で21万人もの県民の方々にご利用いただいています。
 次に、「初の『電力需給ひっ迫警報』と『電力需給ひっ迫注意報』発令 県民・事業者の節電協力や揚水発電が電力の安定供給に貢献!」です。政府は3月に「電力需給ひっ迫警報」、6月に「電力需給ひっ迫注意報」を発令しました。県は、動画メッセージや1都8県テレビ会議の共同メッセージ等で節電の協力を呼び掛けました。東京電力の要請に基づき、公営企業として全国唯一の揚水発電所である城山発電所を稼働させ、電力の安定供給に大きく貢献しました。
 次に、「ウクライナから避難された方々への支援を実施!」です。ウクライナへの軍事侵攻の直後の3月、いち早く全庁横断的な支援体制を整えました。募金箱を県庁舎等に計228か所設しまして、募金額は12月14日現在、約686万円となっています。5月にチャリティーコンサートを開催。ウクライナやポーランド出身のソリストと、神奈川フィルハーモニー管弦楽団が演奏しまして、その時の寄付金総額は約1,744万円に上りました。チャリティーコンサートには、避難民の皆様や、ウクライナ、ポーランド両国の特命全権大使にもお越しいただきました。
 次に、「神奈川リハビリテーション病院に『筋電義手バンク』を設置!」です。神奈川リハビリテーション病院の「未来筋電義手センター」では、筋電義手を利用するための訓練等を実施しています。筋電義手とは、腕の筋肉が収縮する際に発生する微弱な電流に反応して、自分の意志で手を動かせる機能を有した義手です。より多くの方が訓練を行うために、筋電義手の確保が必要です。未来筋電義手センターでは「筋電義手バンク」を4月より設置しています。寄附総額は12月14日時点で約1,421万円となっています。
 次に、「大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK)を契機としたプロモーションを実施!」です。大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の放送を契機に、鎌倉時代「ゆかりの地」を掲載した周遊MAP・デジタルマップを作成しました。8月からは、スマートフォンで参加するスタンプラリー「いざ、神奈川!デジタルラリー」を開催。プロモーションが功を奏し、多くの方に神奈川県を周遊いただきました。鎌倉市に開設された「鎌倉殿の13人 大河ドラマ館」にも25万人を超える方々が訪れました。
 次に、「『ベトナムフェスタin神奈川2022』と『KANAGAWA FESTIVAL in HANOI 2022』を3年ぶりに開催!」です。9月、「ベトナムフェスタin神奈川2022」を開催しまして、来場客約18万人。「未来へつなぐ 神奈川-ベトナム」をテーマに、伝統芸能・水上人形劇やベトナムの歌や踊りのパフォーマンスなどが行われました。11月「KANAGAWA FESTIVAL in HANOI 2022」を開催。来場客は約8万人でありました。小田原ゆかりの風魔忍者やよさこいの演舞など、両地域のつながりや魅力を感じられるプログラムを実施しました。
 次に、「県立図書館の新しい本館がオープン!」です。9月、「価値を創造する図書館」として県立図書館の新しい本館が開館しました。多様な読書エリアやライブラリーショップなどを新たに設置しました。「Lib活」など新たな取組みを展開し、本を介して人と人が出会い学びあう、生涯学習の拠点として、県民の学びを支えていきます。
 次に、「神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例~ともに生きる社会を目指して~を制定!」です。10月、オール神奈川で当事者目線の障害福祉を進めていくための基本的な規範となる「神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例~ともに生きる社会を目指して~」を制定しました。条例の内容を広く県民全体で共有するため、障害当事者の皆さんが中心となって考え、議論しながら、条例のわかりやすい版「みんなで読める神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例~ともに生きる社会を目指して~」も作成しました。
 次に、「県内初開催!ねんりんピックかながわ2022」です。11月、高齢者を中心としたスポーツと文化、健康、福祉の総合的な祭典である「ねんりんピック」を開催しました。横浜アリーナで実施された総合開会式では全国から選手・監督等1万人を超える参加がありました。過去最多となる32種目のスポーツや文化の交流大会が各市町で開催。山下公園周辺では、「ねんりんピックかながわ2022スマイリングフェスタ」を開催し、地域や世代を超えた交流の輪が県内各地に広がりました。
 次に、「国際シンポジウムME-BYOサミット神奈川2022開催!」です。11月、未病コンセプトや未病改善の重要性を発信し、今後の展開について議論する「国際シンポジウムME-BYOサミット神奈川2022」を開催しました。
 以上が、かながわ2022年県政重大ニュース10件です。この県政重大ニュースに関連する写真等を、新庁舎1階のロビーにて、12月19日から28日の10日間、展示します。県庁にお越しの際は、ぜひご覧いただければと思います。
 

発表項目以外

今年の漢字一字

 私からの発表は以上ですが、日本漢字能力検定協会が、毎年その年の世相を象徴する漢字を発表しております。皆さんご承知のとおり、今年の漢字は12月12日に「戦」、いくさ、たたかう、と発表されました。
 恒例となっておりますが、私も、「今年の漢字」を披露したいと思います。
 「奪」う、だつ、であります。
 今年を振り返ってみて、一番大きく衝撃的な出来事だったのがウクライナです。ウクライナがロシアによる軍事侵攻によって、ウクライナの平和が奪われた。自由が奪われた。激しい略奪が起きた。その中でウクライナの奪還作戦も始まった。そういったことがありました。
 新型コロナウイルスについては、今年もそこから脱することはできませんでしたけれども、出口を抜けられず、われわれの日常生活が奪われました。
 イベントでは、サッカーワールドカップ、日本の選手の大活躍によって、まさに心を奪われました。サッカーそのものが、球を奪い合う、得点を奪い合う、そういう競技でありますけれども、素晴らしい大会に心を奪われた、記憶に新しいところであります。
 ねんりんピックのシルバーの皆さんの頑張りぶりに心を奪われました。
 ベトナムフェスタ、そしてKANAGAWA FESTIVAL in HANOI。すばらしいパフォーマンスに目を奪われ、心も奪われたといったことがありまして、今年を締めくくる一番ふさわしい言葉は、「奪」であります。

知事出席主要行事

 12月20日に本庁舎大会議場で開催される、第10回「いのちの授業」大賞表彰式に参加します。
 子どもたちに「いのちを大切にする心」をはぐくむことを目的に、「いのちの授業」感動作文を県内の各学校の児童・生徒から募集したところ、11,822作品の応募がありました。
 当日は、「いのちの授業大賞」の表彰とともに、10年間の軌跡をふり返り、実践校による取組みの発表をします。ぜひ取材にお越しください。
 次に、12月22日に、南足柄市及び小田原市の地域子育て支援拠点施設を、「黒岩祐治が行く!神奈川の現場」として訪問します。
 長引くコロナ禍で、外出や交流の機会が減少している中、子育て中の親子が身近な地域で集い、相談や情報交換などができる「地域子育て支援拠点」の役割が注目されています。 当日は、南足柄市及び小田原市の子育て支援の現場を視察するとともに、子育て支援員等と意見交換を行います。こちらも取材をよろしくお願いします。
 私からの発表は以上です。皆さんからのご質問をどうぞ。

質疑

知事が新型コロナウイルス感染症に感染したことについて

記者: 知事1週間ほど、コロナで療養したわけですけれども、症状であるとか、療養中の過ごし方だとか、改めて感染して、分かったこと等もあったかと思います。そのあたり、感じたことを教えてください。

知事: 不覚にも感染をしてしまいました。12月6日に出勤して本会議出席、このときは全く症状はなかったです。7日も本会議出席、症状はありませんでした。8日、家を出るときは別にどうもなかったのですけれど、県庁に来ると午前中、何となく熱があるかなと思って測ったら37度1分ありました。それで、抗原検査キットですぐに検査しましたけれども、陰性でありました。ただ念のためにもう1回やっておこうと思って、もう1回やったところ、また陰性でした。だから大丈夫だと思って午前中の公務はそのままこなしておりました。ただ正午ぐらいになって、少し熱が上がってきたのかなと思って測ったら37度5分ありまして、これはやはり37度5分を超えたので帰った方がいいだろうと思って、公務をキャンセルして公舎に帰りました。そして、横になっていたのですけれども、夕方になって、改めて抗原検査キットでセルフテストをしたところ、陽性が判明したということであります。そして、私の場合には65歳を超えていますので、自主療養はできません。医療機関に行って確定検査をする必要がありますので、翌日、病院に行って確定検査をしまして、まさに陽性となったところでありました。それから公舎に戻ってじっと療養していたわけですけれども、その日は、その日というのは確定検査があった日は金曜日です。38度8分まで熱が出ました。(補足「発熱があった日は12月8日(木曜日)です。」)そして咳も激しくて、喉が痛くて倦怠感が強いという、非常に苦しい思いを正直しました。食欲はありましたけれども、味が全くしなかったです。ただ、翌日起きて熱を測ると、もう平熱に戻っていました。それから後はずっと熱は上がらなかったです。ただ、のどの痛み、咳、鼻水、倦怠感はなかなか取れなかったです。自宅でじっとしながら、まさに療養しておりました。ただ、たまたま新しいコロナの薬が私の場合には使えるということがありました。パキロビットパック。他に私自身が飲んでいる薬と合わせてみても、使える薬だということで使いました。5日間、朝と夜と、どんなことがあっても飲み切ってくださいと言われて飲んだこの薬、これは明らかに効いているという感じがしました。先程言ったさまざまな症状ですけれど、日を追うごとに良くなっていきました。ただ、こういう中で、いろいろお約束をしていた公務も何とかこなさなければいけない。そのような中で、リモートワークを活用しながら、さまざまなことをやりました。さすがに金曜日は何もできませんでしたけれども、土曜日は前からお約束をしていた日本体育大学救命蘇生研究会。救急救命士ができて30年経ったということで、特別なシンポジウムをやるということで、私に特別講演が求められておりました。私自身も大変、楽しみにしていたところでありますけれども、現場に行けないということで、そうしたらリモートでも構わないということなので、自宅から講演を行いました。25分間の講演でした。シンポジウムでは喉が若干かすれはしましたけれども、何とかこなすことはできました。これも、自分がしゃべっているだけではなくて、シンポジウムですから、2時間半ぐらいですか、自宅で参加しておりました。それから午後は、今度はリビエラSDGsアクション実行委員会主催の「海のシンポジウム」といったものがありまして、冒頭の挨拶と、その後のさまざまなフォーラムに参加しておりました。これもリモートでやりましたけれども、3時間ぐらいあったのではないでしょうか。ですから高熱を発した次の日、平熱に戻ったという状況の中で、いろんな症状がまだ残っておりましたけれども、それぐらいのことをやっておりました。日曜日は、もともとテレビ番組の収録があったのですけれども、これは延期をさせていただきました。月曜日からはリモートワークで、相当やったのではないかと思います。知事室で面会とか、それからどこかで挨拶に行くという以外は、ほとんど打ち合わせは、もう月曜日からは、完全復活しておりました。それができるぐらいの体調ではあったということでもありましたけれども、そして、やっときのうで療養期間が明けて、きょうはすっきりした形でやってきましたけれども、私はご覧のとおり、若干の咳が残っています。時々やはり咳こむというのは、少しありますけれど、それ以外は全く症状がありません。ちなみに、今朝、久しぶりに朝起きて、走ってまいりましたけれど、いつもは5キロですけれど、きょうは4キロに一応抑えてきましたけれど、海から太陽があがる姿を見ながら、すがすがしい気持ちで、やってきたということであります。

記者: 重ねてお伺いします。症状が出たときは苦しい思いをしたとおっしゃられました。改めて今回の経験を生かして、県のコロナ対策、当事者の立場も分かった上で、どうやって生かしていくのかお考えを教えてください。

知事: 私自身が相当気をつけていたつもりでありまして、マスク会食等もかなり徹底的にやっていたという状況の中で、そのような自分がかかるかという、相当びっくりしたところでもありました。それぐらい、このオミクロン株の感染力が強いのかと。そしてやはり、周りの人も調べてみたのですけれども、私と触れ合った前後の人、後はないでしょうけれど、誰も発症していないのです。だから、誰か発症した人と一緒になっていて、感染したということでもない。ですから、恐らく無症状の方から感染したのかもしれないという、それぐらいオミクロン株の感染力というのはすごいものだということを実感した次第でありました。ただ、私自身5回目のワクチン接種を、その前の金曜日に受けたばかりでありまして、ただ、このことが間違ったメッセージで伝わったら困るという気持ちはあります。ワクチン接種を私は一生懸命呼びかけているわけでありますけれども、「なんだ、ワクチン打ってもかかっているじゃないか」と思われてしまう。前からワクチンのことで私は申し上げてきましたけれど、ワクチンの予防効果というのは大きく二つあると。感染予防効果と言う感染を防ぐ効果、それと重症化を防ぐという効果ということでありますけども、残念ながら私、感染予防、これは完璧ではないということを前から申し上げておりましたけども、私自身がそうだったわけです。ただ、重症化予防、今お話をしたように、重症化は全くしてなかったということであります。ただ、これは難しいのが、私自身では比較検証できませんから、ワクチンを打ってなかったらどうだったのか、ワクチンを打ったらどうだったのか、比較検証できませんでした。なかなか自分では証明をすることはできませんでしたけれど、それほど重症化しないで済んだということは、やはりワクチンを打った効果があったのではないかと思います。それとともに、実際自分がなってみてから、AIコールであるとか、LINEのお知らせシステムとか、さまざまなフォローアップ体制、直接、保健所から電話がかかってきたのは1回だけでありましたけれど、人間の声でかかってきたのは1回だけでしたけれども、かなり徹底したフォロー体制ができているということは実感をいたしました。ただ、改めて思うのは、やはり軽症といえども先程申し上げたように、初日はかなり苦しかったということがあり、かからないに越したことはないと思いますので、基本的な感染予防対策、徹底的にやはり引き続きお願いしたいということは、教訓としてお話したいと思います。

現在の新型コロナウイルスの感染状況について

記者: コロナの感染状況ですが、県内新規感染者が、ここ数日1万人を超えている状況で、死者も十数人いる状況です。足元の感染状況をどう見てらっしゃるのかということと、県のレベル分類の見直しとか、そのあたりの検討状況をお教えください。

知事: 12月15日時点で県内の新規感染者数は1万1,040人。前週比で2,627人増となりまして、感染拡大傾向が続いているということであります。なお、入院患者数は12月15日点では1,715人でありまして、病床利用率は、フェーズ4における計画上の確保病床数2,200に対しては、入院者数全体で77.95%と、高めではありますけれども、ひっ迫という状況にはまだ至ってはいません。また重症患者数は、12月15日時点では53人でありまして、病床利用率は確保病床数210床に対して25.24%と、十分余裕があると考えております。今年の冬は季節性インフルエンザとの同時流行の可能性も指摘されておりまして、感染状況の動向を注視していくとともに、県民の皆様に対し、オミクロン株対応ワクチンの年内接種や、各ご家庭での抗原検査キット、解熱鎮痛剤の常備、基本的感染対策の徹底等、改めてしっかりと呼び掛けていきたいと考えています

新型コロナウイルスの2類相当から5類への変更について

記者: コロナ対策についての関連なのですけれども、今の話になりますけれども、出口戦略について、今、コロナでも2類相当から5類への感染症法上への枠組みを変更しようという議論が始まっておりますけれども、この第8波が終わったタイミングで本格的な議論に入ってくるかもしれませんけれども、知事としての受けとめをお伺いできますでしょうか。

知事: 神奈川県も、要するにコロナをいつまでもいつまでも特別扱いするわけではなくて、通常医療の中で見ていく流れを作っていくべきだと、前からかなり主張しておりました。ですから、自宅療養届出制度というのをつくったり、抗原検査キットでセルフチェックという流れをつくったりとかやってきた。そういうのも基本的には一般医療の中で受け入れていこうという大きな流れでありまして、そのような中で、やはりこれは一つの形として見えるのが、感染症法上の2類相当という分類からインフルエンザのような形の5類というところに、位置付けられるかどうかということだと思います。今、状況としては、かなりそこに接近していると思います。ただ、これは国民の皆さんのご理解が必要であります。インフルエンザとコロナを比べてみたときに、かなり医療提供体制の中でも近づいてきてはいますけれども、一番大きく違うのは、私自身も今回もそうでしたけれども病院に行って確定検査して薬をもらいましたけれど、無料でした。しかし、インフルエンザはそうはいきません。インフルエンザになったら、例えばインフルエンザのワクチンを打つだけでもお金がかかるし、治療だったときに当然のことながらお金がかかる。普通の病気ですからそうなる。ではコロナも、完全に5類となった場合には、そういうふうになります。ただ今までずっと3年間、無料ということでやってきたものが、しかもまだ感染が収まってないという状況の中で、いきなり全部有料ということになったときに、どういう皆さんの反応が起きるかといったこともあると思います。ですから、そのあたり、いつごろまでにどうするのかという一つのビジョンを示していただいて、その流れというものを示していただいた上で、5類相当のような形に持ってくのが適当ではないか。いきなり明日から有料ですということではなくて、だんだんそちらに持っていくような流れを示していくべき時期に来ているのではないかと思います。ただ、それは専門家の知見というもの、裏打ちが必要だとは思います。

記者: 5類相当という枠組みが必要になってくるのではないかとのお話がありましたけれども、知事の考えとしては、どれくらいの期間をもって5類にしていくイメージを持たれているか、ありましたら教えてください。

知事: 私自身がいつ頃という期間を明示する立場にはないとは思いますけども、いろんな方法があると思います。例えば、ワクチンの無料だけはしばらくは置いておいてとか、治療費だけはある程度かかるけれども、ワクチンは時差を設けるとか。さまざまな知恵はあるのではないかとは思いますけれど、これは国の方でお決めになることと思います。

「写真とともに振り返る『かながわ2022年県政重大ニュース』!について

記者: きょうの発表で一つ伺いたいのですけれども、重大ニュースの件ですが、コロナ前は、県民の投票によって決めていたと思うのですけれども、今回、知事が自ら決められたということの経緯、理由と、あと今回選ばれた10個の中で、知事として最も印象深いものがあれば理由とともにお伺いできればと思います。

知事: 県政重大ニュースの取組みというのは、県民の皆様に今年一年の県政の出来事を振り返っていただくことで、県政への関心、理解を高めていただくということを目的として実施しております。これまでは選定に当たり投票にご協力いただきまして、結果を記者発表することで、県政を振り返っていただきました。投票は例年5,000人を超える方からいただいていましたけれども、県の人口からすれば、なかなか伸びないという感じが正直ありました。そういう少ない投票の中ですと、組織票ではないかと指摘されるような年もありまして、やはり少し問題視する声もありました。そこで、今回からは県民投票によるランキングは行わないで、私自ら選定を行ってさまざまな方法で、県政重大ニュースを積極的に発信するといったことにした次第であります。そのための工夫としまして、県政重大ニュースが広く県民の皆様の目に触れて、関心を持ってもらえるように、文字だけではなくて写真を添えて、紹介することにいたしました。県政重大ニュースの広報としては、写真付きでホームページで紹介するほか、パネル展示、それから、かなチャンTVの教えて黒岩さん、あとツイッター、フェイスブックなどでも周知を行っていく、そんなことを考えております。私自身が選んだ中で、順位は付けてないわけですけれど、それぞれ、さまざまに思いのある政策ではありましたけれども、やはり自分が一番印象的なのは「当事者目線の障害福祉推進条例~ともに生きる社会を目指して~」、これが県議会において全会一致で成立したと、しかも、その「わかりやすい版」というものが一緒にできたといったこと、これは、特筆すべきことだったのかなと思っています。

新型コロナウイルス感染症による医療ひっ迫について

記者: 先程、幹事社のコロナの質問に関連してなのですけれども、先程知事のお答えの中でまだ医療はひっ迫していないというようなお答えがございましたけれども、私ごとで申し訳ないのですけれど、知事と同じぐらいの期間に、うちの子どもも丁度、発症しまして、かかりつけの医者に診てもらおうと思って、ちょうど発熱診療等医療機関に登録していたものですから、連絡したら診療を拒否されたわけです。理由はよく分からなかったのですけれども、診てくれないと、実は付け加えた言葉の中で、医療機関から悪化したら救急車を呼んでくれと言われて、まぁ仕様がないということで初診で診てくれるところを探したのですけれども、これもなかなか無く、なおかつ県のホームページで公開されている発熱診療等医療機関に電話しても、うちはもうやっていないとか、情報が古いと言われるところが多くて、要するに県のデータベースが古いというような事態に直面して、かなり苦労しました。これが、神奈川県が言っている神奈川モデルなのかと少し愕然としたのですけれども、現状、知事として、外来を含めた医療機関の医療体制について、どのように評価されているでしょうか。

知事: 今、お話があったようなできごと、少し私も把握をしておりませんけれども、現場、どうですか現状、そういうことがあるのですか。データが古いのですか。

医療危機対策本部室企画担当課長: 私どもも、その情報を初めて聞かせていただいたので、早急に確認させていただきたいと思います。

知事: そういったことがないようにということで、体制を整えているわけでありますけれども、個別の中でそういうことを体験されたということは重大に考えて、調べて対応したいと思います。

小児医療費の助成拡充に係る議会答弁について

記者: 少し前の話なのですけれども、この間の知事、議会の代表質問の中で、小児医療費の助成について拡充するという答弁がございました。この中で確か自民党の質問だったと思うのですが、かなり珍しいと思ったのが、その中で立憲民主党と公明党の名前も出されて、いろんな政党、会派から要望があったのでというようなおっしゃり方をされていたのですが、1点、私の中で気になったのが、小児医療費の助成拡大については確か共産党がずっと前から言っていたような気がするのですけれども、あえて2つの、自民党と、立憲民主党と公明党を出されて、他の会派の名前を出されなかった何か理由はあるんでしょうか。

知事: 私の中で特にその意識はありませんでした。他の会派の方も質問された記憶があって、その党の名前を申し上げたといったことでありましたけれども、共産党をあえて外したという記憶は私の中にはないです。

新型コロナウイルス感染症による医療ひっ迫について

記者: 引き続きコロナに関してなんですけれども、知事はキットで陽性が確認されて、翌日に発熱外来の方、受けることができたということなのですけれども、今、SNSなんかを見ていても、結構、県内やはり発熱外来、電話もつながらない、ネットもつながらないみたいな感じで、受診が何日もできないとか、もう諦めたという声が、神奈川県内結構あっちこっちで上がっているのですけれども、こういった現状についてはどのようにお考えか、また今後、年末年始に向けての対策についてお考えを伺えますでしょうか。

知事: そういった現状を把握していますか。

医療危機対策企画担当課長: まだ、発熱外来の方がひっ迫しているという話は、すみません、ちょっと私どもの方には入ってきていなかったのですけれども、少しずつ患者さんが増えてきているという認識は持っております。

知事: いろいろ、個別のそういうお話を受けて、やはりしっかりとわれわれも調べて、対応すべきところは対応していきたいと考えています。

知事が新型コロナウイルス感染症に感染したことについて

記者: ネットの書き込みとかを見ていると、知事が翌日に診察を受けられたということに対して、われわれは受けられないのに、知事だから受けられるのではないか、そういうご指摘をされているようなものもあったのですけれども、知事ご自身はご予約とか、どういった形で取られたのでしょうか。

知事: これは、秘書に取ってもらいました。

記者: 特に混雑しているというような状況はなかったですか。

知事: 私は結果を聞いて、そして向かったわけでありましたので、そのプロセスは知りません。

記者: 恐らく感染して、そのときって多分すごく具合が悪いので、その中で、すぐに受診できないという苦しさみたいなのは今回感じられたのではと思うのですが、そのあたりはいかがでしょうか。できなかったとしたら。

知事: 自分の感覚としては、わざわざ確定診断に行かなくても、このままじっとしていてもいいのかなと実は思っていました。38度8分の熱は出ていましたけれども、熱が出たからこそ逆に、じっとしていたいなというぐらいだったところでありまして、ただ、65歳以上は、医療確定診断をしてくださいということをわれわれもお願いをしているので、やはり行かなければいけないと思って、その予約が取れたということで、行ったということでありました。

オンライン診療について

記者: オンラインの診療については、いま2時の発表で、また今週末から川崎の方で始められると聞いたのですけれども、このあたりとか、体制を拡充みたいなところは考えていらっしゃるということでよろしいでしょうか。

知事: コロナに限らず、すべての診療科においてオンライン診療を行っている医療機関は、厚労省ホームページによれば県内に約1,000機関あります。あとコロナ等を診療する発熱診療等医療機関で、オンライン診療を行うと申請された医療機関は、2,200件のうち約400機関となっています。県では11月16日から新たにオンライン診療を始めた医療機関に対し、機器等の整備に対する補助を行っておりまして、現在までに新たに16医療機関より補助申請が来ております。引き続き、オンライン診療の拡大を図っていきたいと考えています。

リトルベビーハンドブックについて

記者: 先週の木曜日、リトルベビーハンドブックの原稿が提出されたかと思うのですけれども、改めて知事の受け止めをよろしくお願いします。

知事: リトルベビーハンドブックというご提案があって、そして、では作ろうということになって、その内容を検討していただいて、報告書がまとまって、それを私が実際にお受け取りするということを実は楽しみにしていたのです。それがまさにその日の午後に私自身がコロナで、その場に立ち会えなかったと。非常に残念に思っているところです。これが素晴らしいと思うのは、ペナというグループをやっていらっしゃる皆さんが、ご自分が小さい赤ちゃんを産んだという体験の中で、そのときに、従来の母子手帳では、それだけ小さい体重で産まれた赤ちゃんの、書く欄がないと。それが非常にやはり精神的プレッシャーになったといったことです。そういう思いを他のお母さんにさせたくないということで、リトルベビーハンドブックというアイデアがでて、その活動をしっかりやってくださっているわけですけれども、ただそのお母さんご本人は、もうすでに、小さく産まれた赤ちゃんも大きくなられているので、その問題に今、直面しているわけではもうすでにないわけです。でも、そういった自分の思いを皆にさせないようにということで、そういうお母さんたちが集まって活動されているということに対して、心から敬意を表したいと思います。そういう皆さんにわれわれが寄り添って、その思いを実現するためにお力添えをしたい。そんな中で、専門家の皆さんも入った形で検討会をやってきていただいたといったことであります。ですから今は、完成したリトルベビーハンドブック、それを大変楽しみに待っているところです。

抗原検査キットの常備について

記者: 知事のコロナの感染のことで、ちょっと細かくて恐縮ですけれども伺わせさせてください。知事は検査キットで3回目の検査で陽性が出たっていうことだと思うのですけれど、県の呼び掛けとしては、抗原検査キットを1人2つ以上常備してくださいという呼び掛けとなっていると思うのですけれど、やはり測るタイミングとか、検査するタイミングとかでも、やはり誤差があるというところですが、実際に体験してみて感じられたこと、そうなると3つ以上、常備しておいた方がいいのかなと思ってしまうのですけれども、実際、ご自身で体験してみて、そのあたり思うところはありますでしょうか。

知事: それは、たくさんあればそれに越したことはないと思いますけれど、お金もかかりますから。ただ、まさに自分が言ってきたことがそのとおりなのだと実感したのは、熱がそんなに高くないときには、正しく反応しなかったわけです。でも、熱が37度5分を超えた段階で、症状が出たときには非常にその精密さが上がりますよという言い方をずっとしていました。まさにそれだったわけです。県庁にもあって、家に帰って、家にも常備してあったので、それで家で調べたのですけれども。だから、家に2個しかなかったら、立て続けに最初2個はやらなかったという、もっと時間を空けてからやったということだと思います。だから、症状が出てから、熱が上がってから調べると、確度が高まるといったことは、自らの体験を持って言えたことでもありました。

記者: まだキットが高いとか、あまり個人が何回も買って、何回もやるっていうのは難しい部分もあるのかなと思うのですけれど、県としてこれまでやはり価格の引き下げというのは、そこの重要性というのは、改めて感じたのでしょうか。

知事: 確かにそうですけれど、先程申し上げたように、今、通常医療に近づけていこうというプロセスです。インフルエンザの反応を示すためといったときに、やはり医療機関に行って、それなりにお金を払って、そして確定されるということになります。そういったことからするならば、ご自宅にいながらわざわざ出かけていかなくて、ご自分で分かるといったこと、それは相当有力な手段だと思います。それとPCR検査も、実はもっと大変でしたから、それに比べれば非常に簡易な形で分かるということですから。確かに、値段というのをどう捉えるかという発想だと思いますけれども、価格は高いと言えば高い。でも、それだけの大きな効果があるということからするならば、それは非常に重要なものであるだろうといったことでご理解いただきたいと思います。われわれもその値段をもっともっと下げるようなことのアプローチは、これからも引き続き国に対してやっていきたいと思います。

植松死刑囚の控訴審取下げについて

記者: 県立津久井やまゆり園の障害者施設の殺傷事件の関係で、植松死刑囚が、控訴取下げが無効だと主張していたことが、最高裁で取下げが有効だと、そういう決定が一応判断が出ました。改めてこの事件に対して、受け止めと、死刑囚に対してどう受け止めて欲しいかというものがあれば教えていただけますでしょうか。

知事: 植松死刑囚側が行った植松死刑囚の控訴取下げが無効であるとの申し立てに対して、最高裁は控訴取下げは有効であると判断したものでありまして、これは司法による適正な判断が下されたものと、受け止めております。また今回の件とは別に植松死刑囚側は、横浜地裁に裁判のやり直しを求める再審請求、これも行っております。このことについても、引き続き地裁の判断を見守ってまいりたいと思っています。しかし、県としては、植松死刑囚に対して、津久井やまゆり園の利用者19人の尊い命を奪った事実にしっかりと向き合って、罪を償ってもらいたい。その思いに変わりはありません。

(以上)

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