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更新日:2022年6月14日
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過去の知事記者会見の様子をテキスト版でご覧いただけます。
ただいまから、来る6月14日に議会へ提案する、「令和4年度6月補正予算案等」について説明します。
それでは、「令和4年度6月補正予算案等の概要」の1ページをご覧ください。
ローマ数字「Ⅰ」の「補正予算案について」です。
今回の6月補正予算案では、国の「コロナ禍における『原油価格・物価高騰等総合緊急対策』」に対応し、県民生活や県内経済への影響を緩和するための対策を講じるとともに、コロナ対策など当初予算編成後の状況の変化により、早急に補正を要するものについて、措置することとしました。
補正予算案の規模は、上段の表の計欄に記載のとおり、「一般会計」で251億6,700万円、「特別会計」で2億3,500万円、合計で254億200万円です。
また、一般会計の財源内訳ですが、中段の表の計欄に記載のとおり、「国庫支出金」が総額で244億5,800万円、「繰入金」が7億800万円、などとなっています。
なお、「国庫支出金」の内訳は、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金が129億1,000万円などとなっています。
2ページをお開きください。「2 補正予算案の内容」について、主なものを説明します。
まず、取組みごとの補正予算額についてです。
国の「コロナ禍における『原油価格・物価高騰等総合緊急対策』」への対応については、生活困窮者等への支援が153億290万円、中小企業・小規模事業者等への支援が63億7,999万円、ウクライナ避難民への支援が756万円となり、総額で216億9,045万円となっています。
また、新型コロナウイルス感染症対策については29億3,415万円、その他が5億4,294万円となっています。
続いて、取組みの内容を説明します。
「(1) 総合緊急対策対応分」についてです。
まず、「ア 生活困窮者等生活者支援」です。
生活困窮者支援につきましては、コロナ禍で顕在化した「見えない困窮」のニーズを把握し、具体的な支援を届ける取組みを当初予算に計上して進めていますが、こうした取組みを更に拡充して実施するものです。
まず、「(ア)生活困窮者等への支援」のうち、国の臨時交付金を活用する事業についてです。
主な内容ですが、「①子ども食堂の継続支援」として、材料費などの高騰により、活動が困難となっている子ども食堂を支援するため、食堂運営者への協力金を追加で措置するほか、「②子どもの学習・生活支援体制強化事業費補助」として、生活困窮世帯の子どもに対する学習支援や居場所づくりのため、オンライン環境の導入等を行う民間団体に対して、補助します。
また、「③生活困窮者支援団体応援事業費」、「④困難を抱える女性を支援する団体への支援」、「⑤ひきこもり等支援団体への支援」、3ページの「⑥高齢者団体等への支援」については、物価高騰等により活動が困難になっている支援団体の活動を支援するため、協力金を支給するものです。
次に、「⑦生活困窮者に対する就職準備金の支給」として生活困窮者自立支援金などを受給している方の就職を促進するため、就職した方に就職準備金を支給します。
次に、「⑧生活困窮者支援制度の普及啓発等」として、生活困窮者に支援情報を届けるため、ポータルサイトの構築や出前講座の実施など、生活困窮者の事情に応じた情報発信を行うほか、「⑨住居喪失者に対する支援」として、失業等で住まいを失った方の居場所を確保するため、ビジネスホテルの空室を借り上げ、住居喪失者の一時的な受入れを行います。
次に、「⑩障がい者への生活支援」として、経済的に不安を抱える障がい者の生活支援のため、障害者就業・生活支援センターの体制を強化します。
さらに、「⑪無料低額宿泊所改修費等の補助」として、女性・高齢者向け無料低額宿泊所の環境を改善するため、事業者が行うトイレの改修などに対して補助するほか、「⑫相談体制の強化」として、生活困窮者等の悩みに広く対応するための電話相談窓口や、SNS相談窓口を拡充します。
4ページをお開きください。
「生活困窮者等への支援」のうち、国の臨時交付金活用以外の事業についてです。
「①生活福祉資金貸付事業費補助」として、生活福祉資金の特例貸付けを行う県社会福祉協議会へ貸付原資等の補助などを行います。
次に、「(イ)物価高騰に伴う県民負担軽減」についてです。
まず、「①県内消費喚起対策事業費」として、消費者の負担を軽減するとともに、購買意欲を喚起し、県内事業者を支援するため、キャッシュレス決済時のポイント還元を拡充して実施するほか、「②商店街等プレミアム商品券支援事業費補助」を追加で措置します。
また、「③学校給食等物価高騰対応費」として、栄養バランスや量を保った学校給食等を維持するため、県立特別支援学校における給食費等の物価高騰分を負担します。
5ページをお開きください。
次に、「イ 中小企業・小規模事業者等への支援」についてですが、原油価格・物価高騰の影響を特に強く受けている事業者等を支援します。
まず、「(ア)農林畜産漁業者への支援」ですが、①から⑤のとおり、農業者やきのこ生産者の燃料や肥料等の負担増や、省エネ機器の導入などに対し、補助します。
次に、「⑥畜産農家の飼料や光熱費に対する補助等」として、畜産農家の飼料購入費や光熱費の負担増に対して補助するとともに、輸入飼料への依存から脱却するため、SDGsの取組みとしてエコフィードの活用に向け、食品関連事業者と畜産農家等とのマッチングを行います。
また、「⑧漁業者の燃料費等に対する補助」として、漁船の燃料費の負担増や、省エネ型エンジンの導入に対して、補助します。
6ページをお開きください。
「(イ)運輸・交通事業者への支援」では、「①貨物運送事業者への燃料価格高騰に対する支援」として、地域経済を支える重要な社会インフラである物流を維持するため、中小貨物運送事業者に対し、燃料費高騰分の一部を支援します。
また、①と同様に、「②地域公共交通事業者への燃料価格高騰に対する支援」として、地域公共交通サービスを維持するため、一般乗合バス事業者やタクシー事業者に対し、燃料費高騰分の一部を支援します。
次に、「(ウ)生活衛生関係営業者への支援」ですが、「公衆浴場営業者等への補助」として、原油価格・物価高騰の影響を大きく受けている公衆浴場事業者等が行う、省エネ機器等の導入に対して補助します。
また、「(エ)中小企業等の資金繰り支援等」では、「①信用保証事業費補助」として、物価高騰等に直面する事業者の資金調達コストを低減するため、「原油・原材料高騰等対策特別融資」について補助を拡充し、信用保証料をゼロにします。
7ページをお開きください。
中ほどに飛びまして、「(オ)省エネルギーの推進」についてです。「中小規模事業者の省エネルギー対策の促進」として、中小規模事業者の脱炭素化への取組みや、原油価格高騰への対応を支援するため、省エネ診断で提案された設備の導入に対する補助を、追加で措置します。
次に、「ウ ウクライナ避難民への支援」についてです。「翻訳・通訳による情報支援や日本語教育の提供」として、ウクライナ避難民の方々が言語に困らず、必要な支援を受けられるよう、ウクライナ語及びロシア語への翻訳・通訳による情報支援や日本語教育を実施します。
8ページをお開きください。
次に、「(2) 新型コロナウイルス感染症対策」についてです。
まず、「ア 医療提供体制の整備及び感染防止対策」ですが、「①感染症患者入院医療機関等設備整備費補助等」として、県が設置する臨時医療施設の土地が使用期限を迎えるため、施設の解体工事等を行うとともに、新たにコロナ病床を確保する医療機関に対して、
仮設病棟の整備等に係る費用を補助します。
また、「②抗原検査キットの高齢者施設等への配布」として、重症化リスクが高い高齢者への感染拡大を防止するため、高齢者施設や介護サービス事業所の従事者向けに、抗原検査キットを配布します。
次に、「イ かながわ新型コロナウイルス感染症医療・福祉応援基金活用事業」についてです。
まず、「①子ども関連施設感謝・応援事業費」として、感染拡大時においても開所するなどの社会的要請を受けた、保育所等に感謝の気持ちを伝えるため、県産品を贈呈するほか、「②潜在介護職員等復職支援事業費」、9ページの「③医療機関看護職員確保・育成支援事業費」として、業務負担が増加している医療・福祉従事者の負担を軽減するため、対象期間内に復職した介護職員や、復職した看護職員を受け入れた医療機関に対して奨励金を給付します。
次に、「(3) その他」についてです。
「新たな子育て家庭支援の基盤整備」では、①から③のとおり、子育て短期支援施設における専従職員の配置や、一時預かり事業における低所得世帯等に対する利用者負担軽減、児童相談所一時保護所等の定員超過解消などを行う市町村に対して、補助します。
また、①から③の事業を実施するため、国庫補助金を財源として、安心こども基金への積立を行います。
10ページをお開きください。
1つめの丸、「県営住宅整備事業費」についてです。PFI方式による、県営上溝団地等の建替えについて、総合評価一般競争入札により決定した、落札事業者からの提案を踏まえ、4年度に県が支払う必要のある金額を追加で措置します。
また、入札不調により3年度に契約に至らなかった、津久井警察署新築工事などについて、改めて債務負担行為を設定します。
以上が、6月補正予算案の概要となります。
11ページにお移りいただきまして、ローマ数字Ⅱの「条例案等について」です。
「1 提出予定議案の内訳」ですが、表に記載のとおり、条例の改正16件、工事請負契約の締結1件、動産の取得1件、指定管理者の指定4件、その他3件など、合計25件の提案を予定しています。
続いて、「2 主な条例案等」をご覧ください。今回の議案の中で、主なものを説明します。
【条例の改正】の、「神奈川県廃棄物の不適正処理の防止等に関する条例の一部を改正する条例」ですが、プラスチックに係る資源循環をより一層推進するため、県がプラスチックごみ対策を継続的に推進するための根拠規定や、事業者、県民の責務規定を追加するなど、所要の改正を行うものです。
次に、「神奈川県立の高等学校等の設置に関する条例の一部を改正する条例」ですが、県立高校改革実施計画Ⅱ期に基づく再編・統合による県立の高等学校の設置等を行うため、所要の改正を行うものです。
12ページをお開きください。
次に、【指定管理者の指定】についてです。大船フラワーセンター、芹が谷やまゆり園、津久井やまゆり園及び三浦しらとり園については、指定期間が令和4年度末をもって終了することから、公募により指定管理者の募集を行いました。この度、指定管理者評価委員会による厳正な審査結果を踏まえて、各施設の指定管理者を指定するものです。
なお、15ページ以降に詳細な内容を資料として添付しておりますので、そちらも後程ご覧ください。
その他の議案については、資料に記載のとおりです。
次に指定管理者候補の選定結果についてです。
先程の6月補正予算案等の発表でも少し触れましたが、大船フラワーセンターと障害者支援施設である芹が谷やまゆり園、津久井やまゆり園、三浦しらとり園の4施設について、指定管理者候補の選定結果についてお知らせします。
記者発表資料の「1 指定管理者候補」をご覧ください。
このたび、県は、外部有識者で構成される、外部評価委員会による評価結果を踏まえて、表に記載のとおり指定管理者候補を選定しました。
大船フラワーセンターと、津久井やまゆり園、三浦しらとり園については、現指定管理者の1団体から応募があり、当該団体を指定管理者候補としました。
芹が谷やまゆり園については、現指定管理者である「かながわ共同会」と、「同愛会白根学園のグループ」の2団体から応募があり、「同愛会・白根学園グループ」を最もふさわしい団体と判断し、指定管理者候補としました。
それでは、選定理由をご説明します。
まず、2団体から応募のあった、芹が谷やまゆり園の選定理由についてです。記者発表資料の別紙、3ページをお開きいただき、「(2) 神奈川県立障害福祉関係施設指定管理者評価委員会の評価点」をご覧ください。
各団体の合計点は、「同愛会・白根学園グループ」が70点、「かながわ共同会」が68点で、県が設定した最低基準点を上回っており、いずれの団体も、芹が谷やまゆり園の運営を任せるのにふさわしい水準の団体であると考えています。
その上で、「同愛会・白根学園グループ」が合計点で上回ったことから、県は、この評価を尊重し「同愛会・白根学園グループ」を指定管理者候補としました。
同グループは、意思決定支援のさらなる充実や、地域等とのネットワークを生かした地域生活移行等の実績があり、「当事者目線の障がい福祉」をより実現していただけるものと考えています。
次に、津久井やまゆり園についてです。別紙4ページをご覧ください。かながわ共同会からは、法人全体として、意思決定支援の必要性を認識した提案がされており、過去と比べて評価できるものと受け止めています。地域との積極的な関わり合いも指向し、長年の取組実績もあることから、引き続き、運営をお任せしたいと考えています。
最後に、三浦しらとり園についてです。別紙5ページをご覧ください。清和会からは、通過型施設として利用者の地域生活移行の推進を目指す姿勢が具体的に示された提案がされ、支援の見直しや改善を常に意識した支援体制を構築していることなどから、引き続き、運営をお任せしたいと考えています。
令和5年度からは、この3団体とともに「当事者目線の障がい福祉」の実現を、引き続き目指していきたいと考えています。
次に、「新型コロナウイルス対応に係る検証と国への提言の実施について」です。
県は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、2年以上にわたり、神奈川モデルによる医療提供体制整備をはじめ、全国に類を見ない先進的な対策に、積極的に取り組み、これまで6度にわたる感染急増の危機を乗り越えてきました。
そして、このたび、この2年間にわたる新型コロナへの対応を検証し、提言をとりまとめ、国に提出しましたので、お知らせします。
検証と提言の概要について、ご覧の「新型コロナ対応に係る検証と国への提言のポイント」でご説明します。
まずは、検証についてです。検証は4つの柱で実施しています。ローマ数字Ⅰは、「国と知事の権限があいまい」で、知事が判断に迷う場面があったとの検証を踏まえ、それに対応する課題として「有事には国主導での一元的な対応が必須」と整理しました。
また、ローマ数字Ⅱでは、「現行の特措法の下で、行動制限措置に限界」があったことに対して、「実効性の高い措置を可能とする法制度の強化」が必要と整理しました。
ローマ数字Ⅲでは、医療機関や保健所の人員等が、平時を基準に最適化されているため「有事の保健医療提供体制が脆弱」だったことを踏まえ、「病床や保健医療人材、遠隔医療等の抜本的強化」が必要としました。
最後のローマ数字Ⅳは、膨大な発生届の処理や、個々の医療機関の状況等の情報収集、ワクチンの紙の接種券など「アナログ的事務負担が過重」だった実態を踏まえ、「効率的な危機対応を可能とする情報基盤の整備」が必要と整理しています。
次に、検証結果を踏まえた提言の概要です。まず、「有事には」のところですが、パンデミックを有事と捉え、有事のスイッチが入れば、総理の強いリーダーシップの下で、都道府県等が、実効性の高い医療の提供、行動制限措置などを一元的に展開する必要がある、とした上で、平時における対応として3点整理しています。
1つ目の「医療の感染症対応強化」では、指定医療機関に止まらず全ての医療機関での感染症管理基盤の強化が必要であることなど。
2つ目の「実働部隊強化」として、DMATをベースにした感染症等のプロフェッショナル部隊や、それを支えるロジスティック等のプロフェッショナル部隊の整備が必要であること。
3つ目の「情報基盤整備」では、医療機関・福祉施設・飲食店と迅速に簡便に情報の収集や発信ができる共通の登録情報基盤、いわゆるレジストリの整備の必要性などを指摘しています。
また、こうした有事を想定した平時における対策強化には増加コストが発生するため、その認識共有と制度化が必要と整理しています。
最後に、平時の対策や、平時から有事への切り替え、有事における対策を実効的に行うために、パンデミック有事の際は、「総理主導で、健康危機管理の司令塔機能の強化」「これらを法的に担保する基本法の制定」の2点を、全体を通じての提言の柱として整理しました。
以上が、検証と提言の概要です。詳細は、事前に配付している資料のとおりとなりますので、後程、ご覧いただければと思います。
国においても、現在、有識者会議で、これまでの対策の検証を進めており、間もなく提言がまとめられ、それを踏まえ、6月中にも政府が今後の対応方針をとりまとめると聞いています。
今回、県が提出した検証と提言についても、国においてしっかりと受け止めていただき、今後の方針に反映していただくことを期待したいと思います。
次に「『かながわPay』第2弾の実施について」です。
「かながわPay」は、コロナ禍や原油高、物価高騰などの影響により売上げが減少している県内産業を支援することを目的とし、消費者が県内の小売店・サービス事業者・飲食店等において、「かながわPay」を通じてQRコード決済サービスで代金を支払った際、決済額の最大20%の金額に相当するポイントを消費者に還元するキャンペーンです。
5月31日に終了しました「かながわPay」第1弾に引き続き、7月19日午前10時より「かながわPay」第2弾を開始します。
なお、ポイント付与期間は11月30日まで、ポイント利用期間は7月26日から令和5年1月31日までです。
キャンペーンの開始に先立ちまして、6月20日正午より加盟店募集を再開します。
第1弾では「かながわPay」アプリが100万ダウンロードを突破し、消費者の皆様からは、「かながわPayでお得に買い物ができた」、「かながわPayで新しいお店の発見ができた」といった声を多くいただいております。
また、加盟店の皆様からは、「売上げが上がった!」、「新規の顧客を開拓できた」との声をいただいておりますので、まだ加盟していない事業者の方は、この機会にぜひお申込みください。
机上に配付しておりますが、今回新たに、さまざまな仕様のステッカーとレジ周りに貼るスイングポップを作成しました。
加盟店の皆様には、この販売促進ツールをご活用いただき、かながわPayの加盟店であることを積極的にPRして、売上げを伸ばしていただければと思います。
加盟店申請の詳細につきましては、6月20日正午にオープンする、「かながわPay」ホームページでお知らせする予定です。
なお、7月19日からのキャンペーンは、50億円でスタートしますが、先程発表させていただいた補正予算を議会からお認めいただければ、昨今の原油高や物価高騰への対策として50億円を追加し、第1弾、70億円を上回る総額100億円の還元キャンペーンとする予定です。
消費者の皆様はお得に利用、加盟店の皆様は売上げアップと、「かながわPay」を通して、地域経済全体を活性化させてまいります。
次に、「コロナ禍で顕在化した課題の解決に取り組むベンチャーを支援し、イノベーションを創出します」についてです。
県では、令和元年11月に、「HATSU鎌倉」と「SHINみなとみらい」という2つの支援拠点を設置し、ベンチャー企業の創出と成長を支援する、「HATSU-SHIN」モデルを実施してきました。
このうち、「SHINみなとみらい」では、大企業とベンチャー企業の連携による、オープンイノベーションを促進し、新たなビジネスの創出を図るため、企業間のマッチングを行っています。
この取組みの一環として、本日から、コロナ禍で顕在化した課題の解決について、大企業と連携して取り組むベンチャー企業を募集しますので、お知らせします。
今回は、2つの方式でベンチャーを募集します。1つ目は、「大企業提示テーマ型」です。
これは、県内の大企業が示したテーマに対して、全国のベンチャーから、自社の技術やアイデアを活用した連携プロジェクトを募集するものです。
なお、テーマについては、事前に大企業から募集し、選定したものです。
各テーマの詳細は記者発表資料に記載したとおりです。
もう1つの方式は、今回、新たに導入する「ベンチャー発自由提案型」です。
こちらは、県内のベンチャーから、自社の技術やアイデアに基づいて、大企業等と連携して取り組みたい新サービスの開発プロジェクトを募集するものです。
今年度は、この2つの方式で、それぞれ6社ずつ、合計12社を採択します。
採択したベンチャーには、開発・実証に係る費用を支援するとともに、コンサルタントによる助言、実証実験のサポート、プロモーション活動などの支援を行い、プロジェクトの実現を後押しします。
応募条件や募集期間など、詳細は記者発表資料に記載したとおりです。
県では、大企業とベンチャー企業によるオープンイノベーションを実現することで、県経済の活性化と、社会課題の解決を図ってまいります。たくさんのご応募をお待ちしています。
次に、発表項目ではありませんが、「ウクライナ避難民支援プラットフォーム」についてです。机上に参考資料を配付しておりますので、ご覧ください。
「ウクライナ避難民支援プラットフォーム」は、本県の江口CIO兼CDOが協力し、ソフトウェア会社のSAPジャパン株式会社及びクアルトリクス合同会社が開発した、避難民が情報を登録し、その情報を支援団体等がリアルタイムに確認できるプラットフォームです。
本日、両社から、ウクライナ避難民に対して生活費等の支援を行っている日本財団がこのプラットフォームを採用すると発表がありました。
日本財団は、今後、支援を受ける避難民に滞在先や就労状況などの基礎的な情報や求めている支援内容等についてプラットフォームに登録してもらい、その状況を把握していくこととしています。
なお、現在、このシステムは構築段階であり、提供する個人情報の範囲等は今後検討するとされていますが、プラットフォームの情報は、ウクライナ大使館や避難民支援を行う自治体等にも無償で提供されるとのことです。
本県では、これまで避難民一人ひとりに定期的にヒアリングを行い、必要な支援を行ってきましたが、このプラットフォームを活用できるようになれば、避難民のニーズをリアルタイムに把握することができ、これまで以上に適時・適切に避難民に対する支援を行えることが期待できます。
本県としても、全国に先駆けてこうした新しい仕組みに参画することとしました。そして、引き続き避難民のニーズに合わせた、きめ細やかな支援に取り組んでまいります。
知事出席主要行事については、事前に送付した資料のとおりですが、そのうち、1件お知らせがあります。
6月29日に、横浜市神奈川区にあるかながわ県民センターに「黒岩祐治が行く!神奈川の現場」として訪問します。
かながわ県民センターの1・2階は、令和3年7月から改修工事を実施し、統一された明るいデザインにリニューアルされました。
当日は、改修後の施設活用の現場を視察するとともに、生活困窮者支援に取り組むNPO等と意見交換を行います。
ぜひ、取材にお越しください。
私からの発表は以上です。ご質問があればどうぞ。
記者: 予算についてお伺いします。改めてになりますが、来週の議会に提案するということで、提案に当たっての知事の思いとか、少しお話しいただければと思います。
知事: 今回の補正予算では、国の「コロナ禍における『原油価格・物価高騰等総合緊急対策』」に対応するとともに、当初予算編成後の状況の変化により、速やかに対応する必要がある事業について、予算措置を講じることとしました。
具体的には、まず、国の総合緊急対策に対応するものとして、「生活困窮者等生活者支援」、「中小企業・小規模事業者等への支援」、「ウクライナ避難民への支援」の3つの柱について、地方創生臨時交付金などを活用して支援策を講じます。
また、新型コロナウイルス感染症対策として、コロナ病床の確保や、高齢者施設等へ抗原検査キットを配布する予算を計上しました。
県としては、物価高騰の影響を大きく受ける県民の皆様の「いのち」と「暮らし」、そして、事業者の皆様の事業活動を守るため、社会経済活動を停滞させることのないよう、必要な対策に全力で取り組んでまいりたい、そのように考えています。
記者: 他に一点お伺いしたいのですが、「かながわPay」について、補正予算が通れば総額100億円というすごく大きな規模の取組みになると思うのですが、県民の皆さんにとってはすごくお得な話なので、広報に力を入れるのかなと勝手ながら想像したのですが、第一弾のときはどのような広報活動を行われていたのか、不勉強なのですが、今回、こうやって県民に発信していきたいと、この取組みについて、どのように県民に周知していきたいとお考えでしょうか。
知事: 「かながわPay」はスタートしたときはなかなか順調にいかなかった、伸び悩んだ時期がありました。そのような中で、何とかしてせっかく用意したので、これを多くの皆様に使っていただこうと、いろいろお声をお伺いしたところ、やはり加盟店が少ないという話がありました。加盟店を増やす取組みをやってまいりましたし、さまざまな媒体を通じて、呼びかけを行いました。そうしたところ、途中から急に認知が進んだのでしょう、グーンと伸びてきて、最終的には期限前に完売したということになりました。皆さんからのお声を聴いてみると、大変好評でありました。消費者の皆さんから大変喜ばれたということもあり、そして事業者の皆様からも売り上げが伸びたと言って非常に喜んでいただいたということがありました。まさに消費喚起策としては非常に有効な手段だということがありました。そして第二弾はその上に、つながるわけなので、認知度はスタートしたときから全く違うと思います。さらに皆さんに喜んで使っていただけると思いますが、今回、私もこの「かながわPay」を実際に使ってみるということを、どこかで皆さんにお示ししながら、そういった啓発活動をやっていきたいと思っています。
記者: コロナの国への提言についてですが、中身はいろいろな部署が対応したということが書かれていると思うのですが、知事自身が感じた、いろいろなもどかしさやジレンマを感じたと思うのですが、特にどういうときが印象に残っているということがありますか。
知事: コロナとの闘いは、まさに誰も経験したことのないものでありまして、手探り状態がずっと続いたわけであります。そして特別措置法というもので、われわれ対応したわけですが、特別措置法そのものが新型コロナウイルスに本当に合っていたのかという問題がずっとありました。そのような中で権限というものが、どこにどうあるのか、国と地方の関係というものに非常にわれわれ苦労したわけでありまして、国が主導でやっているのか、それとも地方主導でやっているのか、地方主導でやっていると言われているようで、われわれが例えばここで緊急事態宣言を出したいと思っても、国の方から待ってくれと言われたりであるとか、そのあたりどっちにどの権限があるのかと、なかなか判明しないところがあって、ある種非常にわれわれ戸惑うことがたくさんありました。ですから、平時と有事をきっちり切り分けることがまず大事だと強く思ったわけでありまして、有事のパンデミック、パンデミック有事といった概念、こういったものが必要だと思いました。今まで日本はそういうことはあまり経験したことがなかったのです。それはそういう事態もあまりなかった。パンデミック有事になったら、有事のスイッチを入れたら、まさにその司令塔機能、司令塔機能は何のことを言うかと、これはやはり、総理が前面に出てきて、そして対応するといったことです。われわれ、地方は平時の場合には地方分権、これをしっかりやっていく。でも、有事になったら、総理の強いリーダーシップのもとでわれわれ知事たちも、しっかりそれに基づいて、その現場現場で対応してくると。こういう形がふさわしいと思ったわけでありまして、そういったことを中心に提言をしたわけであります。それとともに具体に動く部隊。今回われわれダイヤモンドプリンセス号から対応が始まった中で、ずっと積み重ねてきた実績の中で、DMAT、これが対応してくれた。災害派遣医療チーム、これが対応した。結果的にはそれが非常によかったというふうに思います。これはたまたまそういう形で対応できたわけでありますけども、こういう実行部隊というのをどう整備するか、平時からです。DMATという組織も普段は普通の病院で働いていらっしゃるわけですけども、まさにDMATという呼びかけがあったときに、チームがバッと編成されて対応するという形になっているわけですから、こういったもの、感染症等にも対応できるように、普段からもっともっと充実していくといったこと、そしてそれの司令塔機能といったものをしっかり作っていくということ。こういったことが主要な課題ではないかと感じたところでありました。
記者: 発表事項とは関係ないのですけれども、リニア中央新幹線のことについていくつかお伺いします。静岡県の川勝知事が2日、リニア沿線九都府県でつくるリニア新幹線建設促進期成同盟会への参加を申し入れました。翌日の3日に開かれた同盟会の総会で会長の大村愛知県知事が、各県から意見を聞いて対応するというふうに発言して、現在は回答待ちの状況になっています。神奈川県として、静岡の申請を認めるか否かまたその理由についてお聞かせください。
知事: 静岡県の川勝知事から、期成同盟会の加盟を求める文書が提出され、リニアの整備促進、という基本姿勢が示されたことは承知していますけども、われわれ同盟会は、静岡工区の早期着手というのが最大の課題であって、決議しているものであります。最近川勝知事は、ルートに関することにも言及されていますけれども、現ルートでの早期整備について、どのようにお考えになっているのか、不明な点も多いので、まずはそうした点について、期成同盟会として確認する必要があるのではないかと考えています。
記者: 今の段階では県として認める認めないというのは言えないということでよろしいでしょうか。
知事: そうです。現在ルートは、リニアの工事をするに当たって、本県だけでなく沿線の各県においても、地域の方々に丁寧な説明を行ってご理解いただきながら取組みを進めてきたものであります。ルート変更というのは、こうした地域の方々と積み上げてきたものがすべて白紙に戻ってしまうため、どうしても避けるべきと考えています。今般、岸田総理にもリーダーシップを発揮していただいて、新たな有識者会議が設置されたということなので、しっかりと現在のルートで、早期着手が図れるといったことを期待しております。
記者: 続けてすいません。川勝知事は、リニア推進派を自称する一方で、環境への悪影響を理由に静岡工区の着工に反対し、それでリニアの開業が遅れている状況なのですけれども、川勝知事のスタンスについてはどうお考えですか。
知事: それは、地元のいろんなご意見もあるのでしょうけども、その課題について、JR東海の方も、われわれは真摯に対応されているというふうに見ています。さまざまな専門家の知見を合わせて、水の問題というものを、大変ご心配されているようでありますけども、そういったさまざまな専門家の皆さんの知見を踏まえたアイデアも出されて、お答えになっているといったこともありますので、両者の間でお互い納得できるような形で、早期着工に向けて進むことを願っているところであります。
記者: 関連して最後に1問だけお願いします。この神奈川県としての考え方については、いつまでに同盟会の方にご回答する予定なのでしょうか。
交通企画課長: 期限は示されておりませんが、近々お答えしたいと思っております。
記者: 芹が谷やまゆり園の指定管理者候補選定についてお伺いしたいと思います。指定管理者が変わるというのは、非常に大きな転換だと思います。2016年の事件の後、津久井やまゆり園を小規模分散化させて、さらに津久井やまゆり園をはじめとした県立施設の支援状態の検証も進められて、なおかつ改善も進められていると思います。今回の公募では、通過型施設ということを明確に示されたかと思います。そうした中で、評価委員会の評価を経て、今回の判断だったと思うのですが、運営法人を変えるというのは非常に重い判断だと思います。そのあたりをもう少しご説明いただけますでしょうか。
知事: 津久井やまゆり園事件、神奈川県でそういったものが起きてしまったといったこと、これは本当に残念でならない。それとともに、二度とこういうことを起こしてはいけない。その思い、その一心でずっとやってまいりました。どうしてあのような事件が起きてしまったのかといったところの根本から、われわれ振り返りながら、前へ前へ進んでまいりまして、今は、当事者目線の障がい福祉、それを実践することが非常に大事なことではないのかといったことで今、条例制定へ向けて進んでいるところであります。ただ、これだけの事件を起こした後、われわれは施設の建て替えでさまざまな紆余曲折もありましたけれども、ある程度の小規模分散型、地域生活移行という流れの中間的な施設としてのあり方、それが完成もしたわけでありますけれども、そのプロセスの中においても、いわゆる虐待と言われているようなことが、実は続いていたといったことも明らかになりました。そういった状況の中で、かながわ共同会に、指定管理をずっと続けてくださいというわけにはいかないだろうと思ったので、それを1回少しストップさせながら、さまざまな皆さんとの協議を経て、短縮をして、もう1回本当に、かながわ共同会が生まれ変わったかどうかというところ、それを期待しながら、見守っていたところでありました。その中で今回、外部の評価委員会の皆さんから、かながわ共同会の支援のあり方といったものについても、ある程度の評価をいただいており、評価点としては合格点にも来ています。それはすなわち、まさにかながわ共同会が本当に生まれ変わってきたのだといったことで、私は非常にそれを評価したいと思っています。ただ、津久井やまゆり園の方はさっきもご紹介したように、かながわ共同会が1者だけ手を挙げたのでそこに決まりましたけれども、もう一つの芹が谷やまゆり園の方は、対抗するところがあって、両方とも合格点にはあるけれども、総合的な判断として、もう一つの団体の方、同愛会・白根学園グループの方が、点が高かったといったことで、こちらが選ばれたということにはなりました。しかし、こういうプロセスを経て、支援のあり方そのものが、かなり改善されてきているといったことが目に見えているといったことは、非常に大きな、われわれ力を得たと思っていまして、これをまた一つの糧として、当事者目線の障がい福祉をしっかりと、前進、実現させていきたいと考えています。
記者: 共同会の支援が改善されてきたということで評価したいというお話がありましたが、それ以上に、同愛会と白根学園の方が、今後期待できるというご判断をしたということだと思われるのですが、そのあたり説明していただけますか。
知事: 外部評価委員会の皆さんがそういう評価をされたわけです。その前にわれわれとしては、今回配点の基準ですけれども、これはやはり、当事者目線の障がい福祉といったものを、これによって重点的な見方にしていきたいという思いを込めて配点基準を変えました。サービスの向上55点、管理経費の削減等20点、団体の業務遂行能力25点、これを原則としていたわけでありますけれども、これを、サービスの向上の方に10点プラスして、これを65点にして、管理経費の節減等を10点にしたといったことで、サービスの向上のところをより重点化するような配点基準にしたといったことの中で、外部評価委員会の皆さんが本当に真摯に検討してくださって、総合点としては、かなり接近はしているのですけども、サービスの向上といったところでは、実はかなり点数が開いていたことがあり、同愛会・白根学園グループのサービスといったものについて高い評価を与えられたといったことがあったので、外部評価委員会の結果をわれわれも尊重したといったことであります。
記者: 芹が谷やまゆり園のことに関連して、同愛会・白根学園が今回、方針として示されましたけれども、知事としてその共同団体に期待すること、どのような運営に期待するか、お言葉いただけますでしょうか。
知事: 先程も申し上げましたように、津久井やまゆり園事件というのは原点でありまして、二度とああいうことを起こしてはいけない。そのような中で、いろいろずっと見てきた中で、相当根の深い問題だというのがわれわれの実感です。実際に今、中井やまゆり園という県立の直営施設の中でも、いまだに虐待のような不適切な支援が続いていたということが、どんどん明るみに出てきて、われわれもそれを直視しながら、すべての膿を出そうと言って、取り組んでいるところでありまして、そういった中で、全体が動き始めてきたといったことの中での、芹が谷やまゆり園がこれから新たな同愛会白根学園グループが、支援を担ってくださるといったことでありますので、まさにそこで、当事者目線の障がい福祉とはこういうものなのだと、地域移行に向けた中間的な地域移行型の施設はこういうものなのだと、いろいろな強度行動障害の皆さんも、このようにすれば、このようにいのち輝く活躍ができるようになるのだといった形を、ぜひ、モデルを見せてほしいと思っています。
記者: 今の関連なのですけれども、今回、こういった形での選定委員会での判断を尊重したということなのですけれども、知事としてこの結果というか、これまでの選考過程もご覧になってきたと思うのですけれども、どのように感じていらっしゃいますか。
知事: これは先程申し上げましたけれども、やはりわれわれ、かながわ共同会というのは、本当に生まれ変わってきているのかというのは、一番気がかりでありました。なかなか最初、われわれが、当事者目線の障がい福祉と言っている言葉、これが通じているのかということを感じたことも、多々ありました。われわれは利用者の皆さんのために頑張っているのです、というようなことを皆さん平気で口にされていたので、当事者目線という言葉がわかっているのかとずっと思っていました。そのような中で意思決定支援といったことも、もともとのきっかけになったわけでありますけれど、利用者の皆さんお一人お一人が、どういう気持ちを持ってらっしゃるのかといったことをちゃんと理解しようと努めるといったことの中における支援のあり方、そういったことも、本当にきちんとできているのかと、当初はまだまだ十分ではないという実感がすごくあったのですけれども、それがこれだけの時間を経て、外部の評価委員会の皆さんが、かながわ共同会もそれなりの合格点までたどり着いているといったことを評価してくださったといったことは大変大きな成果だったと思っています。
記者: 一方で、芹が谷についてはもう入所者の方がやはり長く、10年以上入られている方もいて、これで運営の方針が変わって、職員さんが代わられて、若干、心配な部分もあるかと思うのですが、そのあたりのことについてはどのようにお考えでしょうか。
知事: 基本的にこの支援員については新しい指定管理者が配置することとなります。今回の募集では、県は募集要項で、指定管理者が交代する場合の円滑な引継ぎ、これを求めておりまして、外部評価委員会からの法人間で十分な引継ぎを行い、その実現には県が責任を持つことを強く求められております。具体的な支援員の配置については、議会採決後、現指定管理者と新指定管理者の間で調整がなされるということと思います。県は利用者のことを第一に考えて、現指定管理者と指定管理者の間に入って、協議の場を設置するなど、円滑な移行ができるよう、しっかりと対応してまいりたいと考えています。
記者: 補正予算について伺うのですが、今回、かなり燃料費の高騰だとか、物価高騰だとか、相当盛り込んでいるのですけれども、神奈川県として一番工夫したところというか、重点的に力を入れた部分はどういうところでしょうか。
知事: 特にここだけを重点的にということではなくて、やはり今回、原油高、物価高騰、こういったものは、県民生活全体に非常に大きな影響を与えていると認識をしています。それは国の方もそういう認識をされたからこそ、あのような補正予算を作ってくださったと思うのですけれども、それに基づいて先程発表させていただいたように、ありとあらゆる分野に対して、気を配った形になっていると思っています。さまざまなところからのご意見、ご要望をわれわれしっかりと受け止めて、それに素早く対応する形で、今回の補正予算をまとめたといったことであります。これによってまだまだこれからご要望が出てくるかもしれませんけれども、それに対してもこれから機敏に対応していきたい、そう考えています。
記者: 特に生活困窮者ですとか女性の問題だとか、そのあたり県としてはてこ入れされていると思うのですが、そういったところに対しても手厚くやられたのですか。
知事: 県は、4年度当初予算においても、子どもや女性、孤独・孤立に陥っている方などコロナ禍で顕在化した生活困窮者を対象に支援策を講じました。その後、ウクライナ情勢を契機に物価高騰が急激に進んで、生活困窮者を取り巻く状況は一層厳しさを増しております。こうした状況を受けて、県では、既存の制度から漏れてしまう方を中心に、これまでの取組みを拡充いたします。具体的には、子ども食堂や子どもの学習支援、DV被害者等への支援を行う団体へ運営費等の支援を行うほか、生活に困窮された方などの悩みに広く対応するための電話相談や、SNS相談の拡充などを行ってまいります。
記者: 芹が谷やまゆり園の件で、先程引継ぎの話がございましたけれども、支援にあたる方の人ですとか、入所されている方との人間関係みたいのもあるでしょうから、それが変わるとなると、それなりのショックがあると思うのですけれども、引継ぎをする中で、現利用者の方が、共同会が運営している津久井やまゆり園に移りたいと、こういうようにおっしゃった場合には、そういう要望は受け入れられるようなものなのでしょうか。
知事: それはもう皆さんのご自由ですからわれわれは強制的にここにいていただくということを強制するような立場ではありません。支援者が変わることもあるかもしれない。指定管理者が変わることについて、ご不安を覚えられる方もいらっしゃるかもしれない。それはきちんとわれわれの方から、丁寧にお一人お一人に対応していきたいと考えています。
記者: 法人間の引継ぎと合わせて、利用者とそのご家族の方には、ご意向の確認と言いますか、ご説明と意向の確認を丁寧に行っていくような考え方でよろしいでしょうか。
知事: 指定管理者制度というのは、基本的にそういうことですから、どこかで期限があるわけで、変わることはあるわけです。指定管理者が変わることは、これまで経験したことはない、ということはないもともと変わることがあり得るという前提に行われている制度でありますから、引継ぎ時には皆さんが円滑に引継ぎされるようにわれわれも、できる限りのことをしていきたい、そう考えております。
記者: コロナ対応に係る検証と国への提言のところで、一点ご確認なのですけれども、先程のご質問の中で知事が思いとしてDMATが対応したというような話があって、実行部隊をどうするかというような問題意識をおっしゃっていただきましたけれども、総合すると、DMATは、災害派遣医療チームですから、感染症のパンデミックに合わせたDMATのような、DMATは何でも対応できるわけじゃなくて、災害医療に特化しているのが現状だと思うのですけれども、またその感染防護策ですとか感染症対策とややノウハウが違ったりすると思うんですけれども、感染症対応のDMATみたいな新しいものをつくるというような案を持ってらっしゃるということでしょうか。
知事: いえ、今回も基本的にそうだったのですけれども、DMATというものが、感染症にも対応するべく、今回、活躍してくださったわけです。今回は本当に急なことで、現場としては大変だったと思いますけれども、必死で対応してくださった。これからはそのDMATはやはり核としながら、そういう対応をする実行部隊、感染症にも対応できる実行部隊、これを拡充していくといったことを求めていきたいと思っています。
記者: 今日から外国人観光客の受入れが本格的に再開しました。県としてこのインバウンドに期待することですとか、この1、2年インバウンドがほぼゼロになった状況からどうやって取り戻していくか、知事の考えをお聞かせください
知事: コロナ禍で非常に苦しい思いをされた観光事業者の皆さんにとっては、やっとこの日が来たかということだというふうに思います。ただ、一方で、本当に外国人観光客が入ってくることによって、感染といったものがまた広がるのではないかという危惧をされている方も、いらっしゃると思います。特に日本人はマスクをかなりきちんとされていますけど、外国人の方で、例えば、その国の方ではもうかなりマスクがない生活が一般化しているという状況の中で、突然、日本で降りたときに、マスク、しかも、これからだんだん暑くなりますから。そういった中で、日本人と同じ基準でやってくださるかどうか。それがあまりやってくださらなくて、外国人だけがマスクをしないという状況になってくると、受け入れる側があまり好意的に受け入れなくなってしまうかもしれない。そうすると非常に、せっかくお客様が来られているのに、良い関係が出来上がらないというのはまずいことでありますから、だから、マスクということが基本だと思います。あとは、徹底的な消毒です。これは日本人と同じようなレベルでやはりやっていただくということが大事だと思います。そのために、今回、いきなり皆さん自由にダーッと入ってくるわけではなくて、それぞれ添乗員等が付いての入国だということでありますので、その添乗員の皆さんがそういうことを、お一人お一人徹底していただくといったことの中で、われわれ受入れ側も、皆さんが心地よい気持ちで迎え入れるという、そういう、ステップが踏み出せるといったことになってくることを期待したいと思います。
記者: もう1個別件で、少し古い話題になるんですけれども、県の今年1月1日時点の人口が923万1,177人ということで、1958年の調査開始以来初めて減少したと、先日発表がありました。県として人口が減少する局面に入ったのか、それとも、今回たまたまと言うとあれなのですけども、たまたま減ったのか、知事の所感、今後の見通し含めて、古い発表になるんですけれども、お考えありましたら、お願いします。
知事: 昨年10月1日時点の人口統計調査結果で、本県の総人口は1958年の統計開始以来初めて、対前年同月比で減少となりました。それ以降、直近の5月1日時点の調査まで、対前年同月比が8か月連続で減少していることから、本県は人口減少局面に入ったと受け止めております。少子高齢化は、もともと予測しておりましたが、少子化をめぐる背景としては「未婚化」、「晩婚化」、「出生率の低下」などが挙げられておりまして、これだけやればよいという施策はないのですが、県としては結婚から育児まで切れ目ない支援、安心して子育てができる環境の整備などに、引き続き取り組んでまいりたいと考えています。また、高齢化の進行に対しては、今後も神奈川の活力を維持するため、未病改善によって健康寿命を伸ばす取組みを進めてまいりたいと考えております。さらに、人口減少社会に対応していくためには、海外からの労働者は非常に大きな力になるものと期待しておりまして、コロナの感染状況や、国による入国制限の緩和などにも注視しながら、外国人材の育成・活躍支援などにも取り組んでいきたいと考えております。
記者: コロナの国への提言の件で1件伺いたいのですけれども、国の主導と都道府県の総合調整のもとですべての主体が統一的な対応をとることが必要だというふうにおっしゃっています。統一的な対応というのはすべての都道府県が同じ対応すべきという意味なのか。統一的な対応という言葉の意味を伺えますでしょうか。
知事: 有事というのは、普通、安全保障面の有事と考えます。安全保障面の有事のときはまさに総理がリーダーシップをとって、そして統一的にこうやるのだ、ああやるのだと方針を決めてやってらっしゃるというふうに思います。ただ、その大きな方針のもとに、それぞれ地域地域における状況もあると思います。それに合わせて知事がその大きな方針のもとで、地域に合わせた対応していくと、こういう考え方だと思っています。
記者: コロナの提言の関係で、1件教えてください。どこが権限を持つかという話では、政令指定都市の中で、希望する政令指定都市に権限を移譲してもいいのではないかという声があると承知しているんですけど、今回の提言の中で、有事には、総理の強いリーダーシップのもとで、都道府県等が一元的に展開とありますが、この「等」というのは、何をイメージしているのか。政令市への権限移譲の考えも併せて教えていただきますか。
知事: この「等」は特に政令市ということを意味するわけではなく、総理の強いリーダーシップのもとに、まずは都道府県があり、それで基礎自治体があります。この流れということです。これがそれぞれの県として広域的な対応という中で、それぞれの市町村が、それぞれに政令市を含めて、地域の特性に合わせて対応していくと、こういう流れをイメージしています。
記者: 政令市に今、県が担っているような権限を、希望する政令市に移譲するということは、この提言を見ると、そうすべきでないというふうに一応受けるのですけれども、その点はいかがですか。
知事: その点は特に触れてないです。それは、今それを、この課題の中で取り上げているテーマではないと思っています。今の、二層制、都道府県があって、政令市を含めて、基礎自治体があるという、この構図の中での話をしています。
記者: 特にそれは変える必要がないということなのですかね。
知事: この提言の中では変える必要がないと思っています。別の話だと思います。
記者: 関連してお伺いします。この提言を見ると、有事、それから平時というその切り分け、そこがかなり言及されていますけれども、この有事なのか平時なのか、どのような状況なのかということなのですけれど、なかなか切り分けることが難しいような状況にあるのではないかと思うのですけど、そのあたり、有事とは何で、平時とは何だ、というのを、全て読んでいないので申し訳ないですが、どんな認識なのでしょう。
知事: それはまさに、今回もずっといろいろな対応をしてきましたけど、緊急事態宣言というのを出したこともありました。ああいうのは一つの有事という判断でしょう。つまり、感染状況がどうなってくるのかというのを、今回はいろいろそうでしたけれど、専門家の皆さんの知見を踏まえながら、これはやはり従来の形の延長線上では、大変なことになるといった中で、これは有事だという判断。これは、それぞれの地方がバラバラで有事を判断するという問題ではなくて、それは専門家集団の中で、総理が自ら決断をされると。有事だと言っていただいたときに、そういうのが始まるという、そういう流れを考えています。
記者: 首相が一時的に判断するということをおっしゃったのですけれども、知事として今この状況、感染者が減ってきていますが、まだ高止まりしている、けど病床のひっ迫はなくなってきている、こういった状況は有事なのでしょうか、平時なのでしょうか。
知事: いや、この提言は、私が判断するということではなくて、総理が一元的に判断するといったことが必要だといったことを求めているわけであります。総理が、例えばその時に有事だと言ってから、有事はいつまでも続くわけではなくて、出口もきっとあるでしょうから、それも含めて判断をしてほしいと思います。言うなれば、今の現状というのは、何の規制も行われていませんから、緊急事態宣言等のときに有事と言ったのであれば、今は有事と言うところが、一つ出口が出ているのだろうとは思いますけど。それも、総理が判断されることだというふうに求めているわけであります。
記者: 事務的なことになりますが、山際大臣と後藤大臣に、きょう、どういった形で提出して、何か反応はあったのでしょうか。
知事: これは、面会も実はしたかったのですけど、今、大変国会もお忙しくて、そして選挙も間近ということもあって、なかなか日程が取れない状況でありまして、しかも政府の方でも、総括といったものをやろうという作業が進んでいるということなので、あまり面会を優先させて時を逸するよりも、やはり早い段階の方がいいだろうといったことで、事務方を通じて、これは求めております。ただ、この後私自身が大臣にお電話をして、こういった提言をしましたといったことをお話したいと思っています。
記者: インバウンドに絡めて、今後、県に観光客の誘致や、県の方でインバウンド支援する仕掛けみたいなものは今考えていますでしょうか。
知事: 外国人観光客を特別に誘致するためのインセンティブといったものは特には考えていません。これは、国の方で今、枠をどれだけ広げてくるかという流れがありますから、その枠の中に沿って、われわれとしては、神奈川県の方にたくさん来ていただきたいといったことで、今までずっとそういう準備をしてきましたから、外国人観光客の皆さんを招くために、Tokyo Day Tripとかさまざまな良い策を作ってきましたから、それが今度機能することであると思います。
記者: 知事自身はどうでしょうか。感染拡大の懸念とか、外国人観光客の再開でお考えをお持ちでしょうか。
知事: 外国人の皆さんが入ってくることは大歓迎でありますから、それが感染拡大につながらないように皆さん注意していただいて、だんだん開放に向かっていくということを期待したいと思います。
記者: 先般の政府からの節電要請について少しお尋ねしたいのですけれども、7年ぶりということなのですが、県民生活への影響とか、県内経済への影響とか、あるいは県として何かこれについて対応するとか、そういうのがあれば教えてください。
知事: 今回夏の節電には、かなり真剣にわれわれ向き合っていかねばならないなと感じています。その中で、先日も1都3県で共同メッセージも出したわけでありますけども、これは1都3県、あるいは関東で連携しながら、皆さんに呼びかけていくといったことをしていく必要があるのだろうと思っております。
記者: 提言から離れて、最近のコロナの感染状況も改めてお伺いしたい。最近は前週比を下回る日が続いていますが、レベル分類を下げるとか、今の感染状況の評価と、また何か対応考えられることがあれば、教えていただけるでしょうか。
知事: 県内のコロナ感染状況等は、6月8日時点において県内の感染者数は851人で、1,000人前後、最近は1,000人を下回る日が続いているということです。また入院患者数は同じ6月8日時点において190人。第6波のピークを記録した2月24日の1,810人から、引き続き順調に減少しております。病床確保フェーズについては、令和4年4月21日に3から2に引き下げたところです。現在の確保病床は1,300床となっているわけで、1,300床あって、入院されているのは190人となっているのが現状です。さらなる病床確保フェーズの引下げ等については、医療機関や専門家の意見を踏まえながら検討を進めていきたいと考えています。
記者: いつごろまでに判断したりとか何かありますでしょうか。
知事: 今状況を見ながら、専門家の皆様も連携しながら検討していると思いますので、それをしっかり連動していきたいと思っています。
記者: 新型コロナの検証と提言なのですけれども、読ませていただいて、どういうイメージを描いていらっしゃるのかという観点の伺いなのですけれども、一つ目は、まん延防止等重点措置と緊急事態宣言があって、両方とも同じような内容で分かりづらかったということが書いてあると思うのですが、これはすなわち、9月のときのまん延防止等重点措置は、重点措置はエリアを都道府県がやられるものだったと思うのですけれども、分かりにくかったということで、まん延防止等重点措置というものはなくし、そしてこの地域が緊急事態宣言なのだということを、国がリーダーシップを持って判断をして、そのもとで都道府県が県内全体の地域情勢に合わせて、統一的にした対策をとっていくと、こういうような流れが望ましいというイメージで作られているのでしょうか。
知事: 事態が推移する中で、しかも体験したことない中を進む中で、さまざま知恵を絞りながらやってきたわけです。だから、今回、まだ完全に収まってはいないのですけれども、全部収まった上で改めてもう1回整理して、どういった行動制限をかけていくのかと。われわれも行動制限一つにしても、これまでお願いをしても、要請ベースばかりでなかなか実効性が担保できなかったという問題も実はありました。そのときに、やはりいざ有事のときには、そういった行動制限というのはどうあるべきなのかといったこともやはり、根本的に組み立て直していく必要があるということです。今の緊急事態宣言やまん延防止等重点措置だったら、一つこれを経験したこととして踏まえながら、どういう体制で作っていくのが一番いいのかといったことを根本的にやはり考えてほしいということです。
記者: 東京都が都民割を今日から始めたのですけれども、かながわ旅割を対象に都民の人を入るか入らないかみたいな話は聞いておりますでしょうか。
知事: これは入らないのではないでしょうか。
政策推進担当課長: 担当課がおりませんので、後程ご回答させていただきます。
【補足】
「東京都が本日から再開した『都内観光促進事業』(もっとTokyo)は東京都民の都内旅行を対象としたものと承知しております。かながわ旅割につきましては、都知事の同意が得られた場合に都民を対象とすることができますが、現時点で同意は得られておらず、今後同意の意向がある旨も聞いておりません。」
(以上)
このページの所管所属は政策局 知事室です。