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更新日:2019年4月1日

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定例記者会見(2019年4月8日)結果概要

過去の知事記者会見の様子をテキスト版でご覧いただけます。

発表事項

3期目に当たって

  本日は、選挙後初の記者会見でありまして、私の実質的な3期目のスタートの会見となりますから、まず、私の方から、3期目に当たっての方針を申し上げたいと思います。
 まずは、この225万票を超える得票をいただいたといったこと。私たちが、今まで2期8年にわたってやってきたことを、県民の皆さまから一定の評価をいただいたとは、本当にありがたいことだと思っています。県庁職員と一体となって進めてきたことが、このように評価いただいたということは、勇気づけられますし、さらに強力に進めていきたいと思っています。
 もともと、前回いただいた219万票という高い目標を超えるということを、一つの目標にしていました。ただ、県議選が13選挙区でなく、投票率の低下ということが心配される中で、ある種厳しい戦いでありました。残念ながら投票率は前回より若干下がってしまいましたけれども、それでも前回の得票数というものを上回ることができた。自分の目標に掲げたことが、何とか達成できたということで、本当にありがたいと思います。
 しかし、ここで奢ることなく初心に戻って、気を引き締めて謙虚な姿勢で臨んでいきたいと考えているところであります。
 はじめに、総合計画についてお話をさせていただきます。「かながわグランドデザイン 第2期実施計画」の計画期間が昨年度末で終了しているため、まずは、新たな「実施計画」を策定していかなければならないと考えています。その中で、政策集に掲げた政策の具現化を図っていくために、政策集に掲げた施策については、原則として、全て総合計画に盛り込んでいきたいと考えています。
 また、現行の基本構想は2025年を目標年次として、政策の基本的方向などを示したものであります。私は、これまでの8年間「いのち輝くマグネット神奈川の実現」をめざして取り組んできました。今後も、この大きな方向性に、変わりはないと考えています。
 昨年度、総合計画の点検を、総合計画審議会や議会にもご審議をいただきながら行いましたが、その結果も基本構想の大きな方向性に沿って、引き続き、取組みを進める必要があるとされています。よって、基本構想は改定せず、具体的な取組みを示す実施計画のみを新たに策定したいと考えています。今の段階では、具体的な策定時期までは申し上げられませんが、4年前に策定した、第2期実施計画と同様に、できる限り計画の空白期間を設けず、策定していきたいと考えています。
 昨年度実施した政策全般の点検結果をベースにいたしますと、4年前と同様に早い段階、7月末ぐらいでありますけれども、そこのあたりで策定が可能と考えておりまして、これからすぐに政策局に指示を出します。議会にもできる限り早くお示しするとともに、この新たな実施計画は、今後、総合計画審議会に諮問し、ご審議をいただきます。そして、県民、議会の皆様などのご意見もいただきながら、スピード感を持って策定していきたいと考えています。
 次に、こうした政策を支える人事異動や組織再編についてです。これまで、退職等に伴う異動を4月1日に実施し、定期の人事異動は、知事選後に実施することとしていました。 そこで、定期の人事異動を、速やかに実施できるよう調整して、できれば、6月1日実施を目途に、実施したいと考えています。
 こうした定期の人事異動に併せて、選挙で掲げた政策に、スピード感をもって取り組む組織体制を作りたいと考えています。具体的には、「SDGsのさらなる推進のための体制強化」「スマートモビリティー社会、ドローン前提社会で未来社会創造を牽引」「CDОを設置して「ビッグデータ」を活用」などを考えているところです。
 次に、補正予算案の提案時期についてです。肉付け予算の編成については、これから関係部局と調整を始めていきます。提案の時期につきましては、現時点では未定ですが、6月補正予算で提案することも視野に入れながら、検討してまいります。こうした取組みにより、選挙で掲げた政策を着実に速やかに実行してまいりたいと考えています。

知事出席主要行事

 知事出席主要行事につきましては、事前送付した資料のとおりです。特に私から付け加えることはありません。

質疑

初登庁に係る知事の所感について

記者: 改めまして、3期目よろしくお願いします。ここで初登庁されて、改めて知事の椅子に座った感想をお願いします。

知事: 冒頭申し上げましたけれども、自分の目標を掲げた前回の219万票を上回りたいという、その目標を達成することが出来た。225万票をいただいたといったこと、本当にありがたいと思うとともに、その責任の重さといったものも強く感じているところであります。
 ただ、こういう時であればこそ、やはり謙虚にならなければいけないと改めて思います。何も100%の支持をいただいたわけではありませんので、得票率も、私の方で76%を超えているくらいのところですか。それ以外の人は十分に届いていないということでもありますから、そこのところは謙虚にしっかりと、丁寧に政策を進めていきたい。
 ただし、大胆に、ダイナミックには進めていきたいと思いますけれども、県民の皆さんへの丁寧な説明といったことを心掛けながら、着実に進めていきたいと思っているところであります。

県総合計画等について

記者: 冒頭で実施計画改定のお話もありました。今回の選挙戦で掲げていたメインで、笑顔あふれる100歳時代、コミュニティ再生というのがあります。それを、具体的な目標で知事の頭の中でお考えになっている具体策に落とし込んで、それをどういう目標にしていくかというイメージがありましたらお願いします。

知事: この超高齢社会の課題を乗り越えて、人生100歳時代にあっても、基本構想に掲げる「いのち輝くマグネット神奈川」、これを実現するためには、笑いがあふれる社会、それがしっかりとコミュニティに根差している社会、こういったものを作り上げていくことが必要だと考えています。
 そのため、私の政策集では、次の4年間で目指すべき目標として、「笑いあふれる100歳コミュニティの実現」といったものを掲げました。新しい実施計画では、コミュニティの再生による笑いあふれる100歳時代の実現に向けた取組みを計画に位置付けたいと考えています。そして、市町村等とも一層連携を図りつつ、着実に推進していくことで、その先にある「いのち輝くマグネットかながわ」の実現を目指してまいりたいと考えています。
 具体に何をするのかといったことであります。これは、まさに皆さんで知恵を出して、考えていきたいと思っています。県として、私として大きな方向性を示したわけであります。笑いがあふれるということを目指しましょう。コミュニティが充実するといったものを目指しましょう。この2つは多分連関していると思います。笑いがあふれてくればコミュニティが強くなり、コミュニティが強くなれば、笑いがあふれる。では、具体的にどうすればいいですかといったこと、これは県だけでできる話ではありません。市町村の皆さん、そして各自治会の皆さん、それからさまざまな団体の皆さん、こういった皆さんと一緒になって検討するような枠組みを作って、具体策、知恵をどんどん出していただきたいと考えています。
 こういったことを、どこにどう意識するかということを私は大事だと思っています。例えば、笑いで選挙の時に、いろいろ申し上げたのですけれども、一日中籠っている、誰とも話さないという人、腹から声を出して笑っているでしょうか。この間、中高年齢層61万人が、引きこもっていると、そういう衝撃的なデータも発表されました。この人たち、一日笑っているのでしょうか。笑いという言葉を一つのきっかけにして、その人たちをどうやったら笑いの渦の中に巻き込んでいけるかということを、実は、さまざまな方策はあると思います。それを県が決めて、こうやれ、ああやれというのではなくて、皆さんそれぞれのアイデアを出して、それの具体策を決めていってほしい。
 県としては、そういったさまざまな事例等を紹介して、素晴らしい事例が広がっていくという、そういう形で関与していきたい、リードしていきたいと考えています。

統一地方選挙前半戦の結果について

記者: 投票率の話なのですが、微減ということで40%を切りませんでしたが、やはり、なかなか上がらない現状というのは、何が原因でどうすれば上がっていくのかということについて、どういうお考えでしょうか。

知事: そうですね、これは長期的に見るもので、かつての知事選挙を見たら69%です。1963年、それぐらいの投票率があったわけです。それが今は40%少しというところ。この落ち方というのは非常に大きなものです。これは、神奈川県だけの問題ではなく、日本全体の問題だと思っています。
 今回、特に神奈川県の場合には、全国11の知事選挙がありましたけれども、要するに注目選挙、メディアの皆さんに散々取り上げられるという選挙。それは、例えば、保守分裂の選挙。例えば、大阪都構想を巡っての知事と市長が逆転しての戦いとか、与野党一騎打ちの戦いとか。そういう戦いのモードとしてある種どうなるかという波乱要因、そういうものがある戦いは注目がされますけれども、神奈川県の場合には、私の対立候補は、共産党系の人が1人だけだったということもあり、いわゆる注目選挙区にはならなかったわけです。
 ですから、余計に関心が薄れていたのかなと。私はよく街を歩いていて、いろいろな人と話をしているときに、「もう、こんなことやらなくていいじゃないですか。もう、決まっているではないですか」なんてことを随分いろいろな人に言われましたけれども、「選挙というものは舐めてはいけないのです。とにかく、投票に足を運んでください。」ということを必死で訴えかけてきたところであります。
 そのような中で、今回、微減で済んだということは、なんとかギリギリ、ギリギリのところで、なんとか仕事ができたのかなというところです。しかし、この投票率の低さというのは、重大な、国民的、国家的な問題であると私は受け止めています。
 神奈川県の場合には、シチズンシップ教育とか、若い人から政治的な投票行動に向かうということの大切さということを学校の教育現場でも教育の中に盛り込んでいるわけです。こういったことをしっかりと引き続きやっていくということを、地道にやっていかなければならないと思っています。
 それと今回、ネット選挙も同時に展開したわけでありますけれども、SNSを使った情報発信。私の場合、道行く人と一緒にインスタグラムの枠を持って、「ワハハ」と笑っていただいて、その写真をどんどん拡散するという形で、SNSを使った非常に大きな展開、広がりがあったと思っています。
 こういったものを通じての、若い人を投票行動に巻き込むという方策というのは、まだまだあるのではないかと考えています。ですから、今回の結果を分析して、われわれなりに投票率をあげるための新たな時代のやり方というものを提案、提言していきたいと思っています。

記者: 構図というのは前回と一緒だったわけで、政策論争というのは、例えば主な争点というものが、なかなか見えづらかった選挙だなと私自身は感じているのですが、そのあたり、対立候補との議論の噛み合いとかも、もう少し生まれたらと思うのですが、そのあたりはどう受け止めていますか。

知事: 政策論争というのは、チャレンジャーが仕掛けてくるものだと基本的には思っています。私は、自分がやっている政策を前に進めたいという思いで訴えているわけです。
 ですから、私はこんなことを考えているのです。こんなことをやりたいのです。といった時に、そこはおかしいじゃないかという話があれば、それは、こういうふうに考えていますということで、そこで政策論争が起きると思うのですけれども、今回、対立候補からそういう形の論争を仕掛けられたという認識は、私の中で無かったわけです。私自身の考えをしっかりと皆さんにお話しをしてきたということだと思います。

記者: 立憲民主党の推薦を受けられませんでしたけれども、あちら側の態度次第なのかもしれませんが、知事としては、立憲民主党は、議会与党だというふうに考えられるのか、それとも野党なのか、今後の議会に関わる影響というのを、お考えをお聞かせください。

知事: 基本的に二元代表制においては、与党、野党という国政のような形での仕分けというのは、あまり通用しないような気が、私はしています。現実問題として2期8年やってきた中で、いわゆる与党だと私が思っている政党からも、かなり厳しく追及されることも多々ありました。二元代表制というものはそういうものだと。ある程度、議会全体が知事をチェックするというかたちですから、私の方から見たら全部野党にも見えるという、そういうことだと思います。
 ただ、どれだけ政策の大きな方向性が一致しているかどうか、厳しい議論やチェックがあって、ある程度、大きな方向性を、前を向いて進めていこうよと、ここが足りないのではないかという議論と、全然違うよという話と、また違うと思うのですけれども。県の立憲民主党の場合には、これまでお付き合いしている中では、非常に向いている方向性も同じだったと思いますし、事前にわれわれが推薦というものをお願いにいった時にも、非常に快く、全力で応援しますよということもいただいた。大きな方向性も一致していると認識していました。
 ところが、向こうの党のご事情だと思いますけれども、中央の方に話を持っていった時に違う話が出てきたようで、県の立憲民主党の方々は、間に挟まれたような形になって、動きがそこで止まってしまった。しかも、カジノ、IRを巡る立場の違いといったもの。立場といっても、われわれは別に賛成とも反対とも言っているわけではなくて、これは市町村が判断することだとずっと言ってきたわけでありますけれども、カジノ反対という政策で一致したというニュアンスで発表が行われたということがあって、それは違うということがあって、推薦を取り下げさせていただくという異例の事態になったわけです。結果的に、対立候補が出てくるのかと私も思っていたのですけれども、当初、対立候補を立てるという話もありましたから。しかし、最終的には対立候補が出てこなくて、皆さんそれぞれの自主的な対応に任せるということになりました。
 結果的に、選挙が始まってから立憲民主党の県議の皆さんが、私の集会等に来てくださって、いろいろさまざまな形で応援いただくということもありました。ですから、県の立憲民主党のこれまでの皆さん、今度、改選された皆さんは、また新たなスタートですから分かりませんけれども、これまでの皆さんは、基本的にまた同じ方向性を向いてくださっていると受け止めています。

記者: 知事選とは直接は関係ないのですけれども、相模原市長選では新人の本村さんが初当選しましたけれども、これについて受け止めをお願いします。

知事: 現職と新人3人が出るという大変な混戦と聞いておりましたので、もっともつれるのかなと思っていましたけれども、8時早々に当確が出て、少しびっくりしました。私自身、事情をそんなに深く聞いたわけでも、皆さんに取材をしたわけでもないので全然知りませんでしたけれども、こんなに早く結論が出たということでびっくりいたしました。
 本村新市長とは、私は前から懇意にさせていただいている間柄でありますので、良い形で相模原市と連携していけると思って、期待感を大変強く持っているところです。加山前市長は残念な結果に終わりました。しかし、これまで長きにわたって相模原市政を引っ張ってこられたそのご功績というのは心から敬意を表したいと思っています。

記者: 本村さんがあれだけ早く決まった要因については、知事はどのようにお考えですか。

知事: 私は自分で取材していないので、よく分からないです。相模原市に事前に行って、皆さんの集まりがあったのですけれども、ミニ集会もありましたけれども、そこで話を聞いても非常に皆さん複雑な立場というか、いろんな絡みがあって、誰をどうだとなかなか言えない非常に難しい構図があったということを聞いていたので、なんでこのように本村さんがわっと浮上したのか、この原因については、私はよく分かりません。本村さん自身、お人柄も良い方ですし、これまで県議も衆議院議員も大変な実績を重ねてこられた方ですから、そういったところが評価されたのかなと思っています。

記者: 先程の訓示の中でも、知事おっしゃっていらっしゃいましたけれども、県に質問が県民からきたときに、それは市町村の仕事ですと誤魔化して、ある種、たらい回しのようになるっていうことは良くないことで、血が通っていないような対応であるというようなお話があったのですけれども、その一方で、選挙戦を取材させてもらって思ったのですけれど、最初に相手の候補さんとか、あるいは質問の中で、学校給食どうするのだという話になった時に、知事は学校給食をやるのは市町村の判断であるということをおっしゃったと思うのですけれど、一方、有権者の中には県として主導的な役割を果たしてほしいと考えていらっしゃる方も、もちろんいらっしゃると思いまして、その中で市町村の判断だと、それは少し冷たいのではないかと考える方もいらっしゃると思うのですけれど、そのあたりについていかがですか。

知事: あれは県知事選挙の政策討論で、県知事としてやるべき仕事ということでお答えしようと思った時に、中学校給食と出てきたので、それは県知事選挙で討論する話ではないと思いますという意味で言いました。県としての中学校給食という問題は、権限がない話をしても、一般の方からすれば県知事がやると言ったから良いじゃないかとなるかもしれませんが、仕事は仕事ですから、そこのところは冷たいわけではなくて、仕事の質というものが違うのですよという話をしたまでです。

多選及び得票率について

記者: ちょっと気の早い話で恐縮ですが、4選目から一般的に多選と呼ばれるのですが、そこについて、3期目始まったばかりで気の早い話で恐縮ですが、多選についてどう考えるのかという点について教えていただきたいのと、2点目が、得票率でいうと若干下がっていると思うのですけれど、ある程度の批判票も相手候補にいった部分もあると思うのですけれど、そこについて、相手候補の主張の中でも耳を傾けるべきところがあったとすれば、どんなところが印象に残っていらっしゃるのか、そこの部分はちょっとダメじゃないかなど、もしあれば教えてください。

知事: 多選ということについてみれば、自分でやりたいとは全然思っていませんけれども、今とにかく考えているのが3期目をいただいたわけですから、全力投球する、それ以外に何もないです。多選について、いろいろ議論になることはよくありますが、それを全部お話させていただきましたけれども、それを含めて有権者の皆さんが判断されることではないでしょうか。
 今回の選挙を通じても全国の知事でも5期目という方もいらっしゃるわけですから。かつて、神奈川県庁でも5期務められた知事がいらっしゃいました。時代が違うのかもしれませんし、地域の事情によっても違うのかもしれませんけれども。その5期を選ばれた知事がいらっしゃるわけですから、それを含めて県民の皆さんが判断される、それが選挙ではないでしょうか。多選が良くないのだというご意見がある、だからダメだという判断を示すのか。それでもやはり、この人にやってほしいと判断を示すのか、それが選挙だと思います。
 例えば、多選禁止法というような「できない」というルールがあれば別ですけれども、そうではないところであるならば、選挙で決を採り決めるものだと思います。
 それと得票率ですが、得票率が若干下がったことですが、それは、私にとってはまだちゃんと分析しないとよく分からないところがあります。私自身、さっき言ったように相手の政策を見て、それをこちらから論争を仕掛けるという、そういうことは全く考えていませんでしたから、自分のやろうとしている政策のことをしっかりと訴えるということに終始していました。
 それがどういう形で若干の得票率の低下があったのか分かりませんけれども、結果としては、私が目標としていたのは得票数、数を上げることでしたから、全体の投票率が下がった中で、得票数を増やすことができたというのは自分としては安堵しているところです。

県議会議員選挙の結果について

記者:今回の県議選の結果の受け止めについて伺いたいのですけれども、今後、議会と付き合っていく上で、知事はどのように受け止めたのか教えてください。

知事: 実際の県議の皆さんがお集まりになって議会が始まってみないとよく分かりません。新人の方もいらっしゃるわけですし、それぞれの党がどのような形になってくるのかということを見極めないと分からないと思いますけれども、基本的には、私の立つ位置というのは今までとあまり変わりません。
 私の大きな方向性、先程申し上げましたように、今までやってきた大きな方向性は変えないと申し上げました。その中で、たぶんそんなに大きな問題として対立するというよりも、切磋琢磨しながら一致した大きな方向性に向かって進んでいけるのかなと、現時点では期待しているところです。

IRについて

記者: 知事選とは直接関係ないのですけれども、選挙期間中に、先程もちょっとお話出ていましたけれども、カジノを含む大型リゾート、IRの整備法の施行令が閣議決定されまして、改めて、IRについて知事のスタンスと長所や短所、思うところがあればお聞かせください。

知事: 知事の立場としては、あれから言っているとおりのことです。県というのは広域行政を担う立場でありますから、IRをつくるときには、市町村をまたがってつくるという話だったなら、また別かもしれませんが、ある一つの市町村の中につくるという話であるならば、基礎自治体、市町村がご判断なさることだと思っています。
 県が広域的な行政の立場から、これやるべきだと言って、現場はNOと言ったらできないわけです。逆もあるでしょう。ですから、市町村のご判断が中心であって、県はそのご判断、賛成でも反対でもそれはご支援をしていきたいという立場に変わりありません。

記者: 施行令では、巨大なホテルとか展示場の併設が義務になっているのですけれども、インバウンドを目指す上で、非常に大きな利点でもあるという声もありますけれども、その点、知事のお考えはありますか。

知事: 確かに、横浜のパシフィコ横浜、大きな展示場がありますけれども、ただ、世界的な大きな展示場のレベルからすれば、非常に狭い、小さいということは聞きますよね。それを大きくするためにIR、カジノみたいなものが絶対必要なのかどうかっていうのは、私はよく分かりません。それだけの土地がどうあるのかもよく分からないです。カジノがなければできないというものなのかどうなのか、そこのところよく分からないところがあります。

統一地方選挙前半戦の結果について

記者: 今回の統一地方選、他の都道府県の選挙で、知事が今回の結果を見て、興味を持たれたところですとか、受け止めをちょっと伺いたいのですけれども。

知事: 大阪都構想の知事と市長が入れ替わって選挙するといったことに対して、大阪の皆さんがあれだけ評価されたということは、少し意外な感じがしました。あれは、よその人間がとやかく言う話じゃない、大阪の中の話ですから、とやかく言うことじゃないけれども、少し意外な気がしました。
 当初、選挙をそういう道具に使っているのではないかみたいな批判もあったし、あの話はもうすでに終わった話なのかなって実は思っておりましたから、そういうことによって大阪市民が拒絶反応を示すのかなと思っていましたけども、そうじゃなくて逆に応援するふうなかたちになってきたということというのは、意外な感じがしましたけれども、じゃあこれがその後どうなるのかというところ、まさにこちらから遠くから眺めているという感じです。

記者:北海道では33歳の知事が誕生しましたけれども、そのあたりの受け止めはどうでしょうか。

知事: 私はあの人直接は良く知りませんけども、確か、もと都の職員ですよね。都の職員で、夕張が破綻したというのであえて自分で飛び込んでいったわけですよね。そして成果をあげられたということで、ある種リスクを負ってでも、そういって飛び込んでいって、非常につらい中でも頑張ったといったところ、そういったところが評価されたかなと思います。そういう意味で、あの結果を、そんなふうに出るのだということを、ちょっと私、どっちがどっちだと想像していなかったですけれども、あのような形で若い知事誕生になったというのは、素晴らしいことだと思います。

ラグビーワールドカップ2019と東京オリンピック・パラリンピック2020大会について

記者: 改めて、任期中にワールドカップと五輪をむかえることになりますが、どう取り組んでいくかということと、その活力を神奈川県にどう活かしていくか、県に活かしていくかというところについて伺いたいと思います。

知事: いよいよラグビーワールドカップもう今年です。今年の秋ですから。東京オリパラもこれも来年、神奈川もしっかりと開催地になっています。この両方の開催においてみると、私自身、直接相当努力したという自分の中では自負があります。勝ち取ったという自負があります。だからこそ、絶対に成功させたいということを思っています。
 実はこの3期目に立候補するといったときに、3つのその動機をまず申し上げましたけども、一番最初に、この体力・気力充実していることをあげて、もう一つは、やり残したことがあるということを申し上げて、そして3つめにラグビーワールドカップ、オリンピック・パラリンピックを見届けたいという話もいたしました。だから大成功に向けてしっかりやっていきたいと思います。
 その大会そのものを、安全・安心の形でしっかりやるということと同時に、そこで来てくださった観客の皆さん、試合以外の時にもこの神奈川の観光という中で、しっかりとお楽しみいただきたいと、そういう準備をずっと進めてきましたから、それがうまくつながるような形にぜひ持っていきたい。それによって今頭の中にあるのは、ラグビーワールドカップとオリンピック終わった後のことを含めて、そういう流れの中で新たな観光の拠点としての神奈川というものの魅力をさらに高めることができれば、その次なるステージというものが開けてくるのかなと期待をしているところです。

記者: 今のご発言で、前後するのですが、現状の観光での課題みたいなところは、どんなところを感じられているのでしょうか。

知事: データが物語っていると思いますけど、神奈川県は宿泊される人の数がまだまだ少ない。例えば、横浜なんかは、宿泊するホテルの数が少なかったです、部屋数が。今はもうわれわれの目に見える形で部屋数がどんどん増えているなというのは確認できるわけですから、こういったことによって宿泊する人の数が増えると、その人たちを起点にして、さらに神奈川県の中に観光にもっと行っていただけるのではないかなと、そういう流れをぜひ作っていきたいと思います。

スーパーシティ構想について

記者: 知事の政策なんかにも絡んでくるかなと思うのですけども、スーパーシティ構想の件が、条例制定で国の規制を緩和するという部分が、憲法との規定で整合性が取れないというような話で調整が遅れています。今国会での提出の先行きが不透明になってきている中で、知事の政策への影響であったり、所感をお聞かせください。

知事: スーパーシティ構想は、ぜひ神奈川県も実現したいと強く思っています。一部そういうような報道があったことは、確認はしていますけれど、その情報がどういうことなのかということに対して、直接私自身確認はしていません。もともと特区というのは、普通の法律じゃできないことをやるというのが特区です。
 だからそこのところは、法律があるからできないっていうのは、特区そのものを否定していることになりますから、その辺の調整は国の方でしっかりやっていただきたいと思います。われわれは、その時に備えて、万全の体制で準備していきたいと思っています。

記者: 公約への影響っていうのは、政策の未来創造の取組みに一部入っていると思うのですが。

知事: 未来創造っていうのはこれだけじゃないですから。ただ、国のそういうスーパーシティ構想がスタートしなければ、それは話が始まらないですから。もしそうなったとしても、それは私が責任を負うべき話ではないとは思いますが、ぜひ実現してほしいと思います。

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