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更新日:2026年9月7日
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令和8年第3回定例会(提案説明)
本日、提案しました令和8年度補正予算案並びにその他の諸議案について、その概要をご説明申し上げるとともに、併せて当面の県政に対する所信の一端を申し述べたいと思います。
はじめに、防災対策についてです。
令和8年熊本地震及び令和8年8月千葉豪雨では、多くの死傷者を出すなど甚大な被害となりました。お亡くなりになられた方々に対して謹んで哀悼の意を表するとともに、被害に遭われた多くの方々に心からお見舞いを申し上げます。
令和8年熊本地震に対して、本県では、被災地をいち早く支援するため、地震発生直後に災害対策支援チーム及び保健医療福祉支援本部を立ち上げ、全国知事会や市町村、民間企業・団体と連携して、様々な支援を行ってきました。
人的支援では、事務職員に加え、医師や看護師、保健師、栄養士など、幅広い分野の人員を派遣し、罹災証明書の発行や保健医療福祉活動の支援、加圧給水車を用いた応急給水活動などを行ってきました。
物的支援では、WOTA株式会社との協定に基づき、相模原市や鎌倉市、神奈川県トラック協会とも連携して、断水時でも使用できる水循環型のシャワーシステムを提供しました。この協定は、私が委員長を務める全国知事会危機管理防災特別委員会において、広域相互応援の重要性を呼びかけた結果、現在22道府県が締結しており、今回の熊本地震では、全国から100台以上が提供されました。
また、神奈川県内へ避難を希望される方には、公営住宅等の無償提供を行います。
今後も、被災者の皆様が一日も早く平穏な日常を取り戻すことができるよう、被災地のニーズを踏まえた支援に取り組んでまいります。
今回の地震は真夏に発生したことで、被災者の熱中症などによる災害関連死のリスクが高まっています。一方、被災地の避難所に指定されている公立学校等の体育館の冷房設備の整備が十分に進んでいないことが明らかになりました。近年の大規模災害では、発災直後の直接死よりも災害関連死の方が多いケースもあり、避難生活環境の改善は喫緊の課題となっています。
そこで、本県では、市町村から避難所指定されている県立高校の体育館について、災害時でも稼働可能な空調設備の整備を加速化しています。
また、県では、大規模な水害への対応力を強化するため、令和2年に「神奈川県水防災戦略」を策定し、ハード・ソフト両面から計画的、重点的に対策を進めてきました。さらに、近年の風水害の激甚化・頻発化に対応するため、今年3月に戦略を改定し、遊水地の整備や「かながわ防災パーソナルサポート」の機能充実など、「水害からの逃げ遅れゼロ」、「県民のいのちを守り、財産・生活等への被害を軽減」の2つの目標を掲げ、被害の最小化に向けた取組を進めています。
今回の豪雨では、内水氾濫が発生して行き場のなくなった雨水が、道路にたまったことにより、道路のアンダーパスなどでは、車両が水没し、人が亡くなるといった重大な事態が発生しました。
本県では、県管理道路のうち冠水のおそれのある17箇所のアンダーパスすべてに、冠水時に自動で通行止めを表示する情報板を設置しています。今回の千葉県での災害を受けて実施した緊急点検では、停電時に非常用電源に切り替わらないという不具合が1箇所で確認されましたので、速やかに対応しました。また、さらなる安全対策として、冠水時に車両が進入しないよう、アンダーパスの存在を示す注意看板の設置などを進めてまいります。
いつ起きてもおかしくない自然災害から「いのち」を守るためには、「自助」「共助」「公助」の連携が重要です。
県では、大規模災害医療支援訓練である「ビッグレスキューかながわ」を例年開催しており、13回目となる訓練を今月1日に実施しました。この訓練では、高市首相、あかま防災担当大臣、林総務大臣、小泉防衛大臣をはじめとする政府要人が出席される中、消防、警察、自衛隊、在日米陸海空軍、医療機関など100を超える関係機関が参加しました。
当日の実践的な連携訓練を通じて、本県の防災機関が持つ一体感や高いポテンシャルを改めて確認するとともに、ドローンやロボットの活用方法を関係機関と共有することができ、災害対応力の強化に大きく寄与するものと大変心強く感じました。
今後も、地域防災力の向上や関係機関との連携強化に取り組み、災害時に多くの機関の総力を発揮できる、災害に強い神奈川の実現を目指してまいります。
次に、特別自治市構想についてです。
現在、第34次地方制度調査会で、特別自治市構想、いわゆる「特別市」について議論が本格化しており、専門的な議論を行う専門小委員会において、法制化に向けた審議が進んでいくことを懸念しています。
この構想について、全国知事会では今年3月、私が副リーダーを務める「大都市制度のあり方に関する検討プロジェクトチーム」を立ち上げ、政令市が所在する道府県の知事とともに、特別市制度の意義や課題について議論を重ねてきました。そして、7月には中間報告をとりまとめ、プロジェクトチーム参加道府県がその考え方をまとめました。この中間報告では、特別市制度について、「一層制による多くの弊害」や「国全体で都市部とそれ以外の地域の格差が拡大する」といった数多くの問題が指摘されました。そして、全国に15ある政令市所在道府県が全会一致で「これらの課題や懸念を明確に払拭することなく、特別市を法制化することには反対である」との意見を表明しました。
このように、すべての政令市所在道府県が一致して法制化反対でまとまったことは、特別市制度に重大な問題があることを示していると考えており、この中間報告については、すでに本県からも総務省に情報提供をしているところです。
県内においても、これまで3政令市を除く全30市町村や複数の団体から法制化反対に関する要望を受けていましたが、7月には商工会連合会、8月には建設業協会や高齢者福祉施設協議会などから法制化反対に関する要望が寄せられました。
さらに、秦野市、厚木市、座間市、南足柄市、葉山町、二宮町、松田町、開成町、清川村の各市町村議会では法制化反対を求める意見書が、鎌倉市議会では慎重な議論を求める意見書がそれぞれ可決されるなど、県内の市町村議会からも反対や懸念の声が上がっています。
こうした声は、特別市の実現に対する強い危機感の表れであり、県としても極めて重く受け止めています。
また、今月に入り、県内の3つの政令指定都市から「特別市に関する三市の考え方」が公表されました。その中では、これまで県や県内市町村等が指摘した特別市に関する課題や懸念に対する三市の考え方が述べられています。特に、財政面への影響については、県の収支が約130億円超過になる可能性があると主張していますが、県が三市の公表資料から分かる範囲で計算すると、約270億円不足することになりました。このように、三市の試算には疑問があることから、現在も本県が先に試算した約680億円の財源不足になるとの認識は変わっていません。それ以外の指摘も三市は従来の主張を繰り返しているだけで、具体的な解決策等は示されていませんでした。
このように、「三市の考え方」では、県及び県内市町村などの指摘する特別市制度に対する課題や懸念には答えていません。
こうした課題や懸念を明確に払拭することなく、先送りしたままで、特別市の法制化に向けた議論を進めるべきではないと考えます。
今後も、県は、全国知事会や特別市法制化反対を表明する県内市町村、団体等と連携し、国や他の地方6団体等にも働きかけ、特別市法制化の阻止に向けて全力で対応してまいります。
次に、「GREEN×EXPO 2027」についてです。
県では現在、来年3月の開幕に向けて、県出展エリア「Vibrant INOCHI Forest かながわ館」の建物や庭園の工事を進めるとともに、屋内での展示や催事の準備を進めており、その内容が日ごとに具体化しています。
例えば、農作物の水耕栽培と魚の養殖を掛け合わせた「アクアポニックス」という手法で、地域の障害福祉サービス事業所と連携して栽培・収穫・販売まで行う「ともいきファーム」を先月、県庁東庁舎屋上に開園しました。こうした農福連携の取組について、県出展の屋外庭園でも展示し、発信します。
そうした中、県政の基本理念である「いのち輝く Vibrant INOCHI」を全世界から訪れる来場者に向けて発信するための、オリジナルミュージカルについて、7月に私自身と制作陣等による制作発表会見を行い、ミュージカルのタイトルや主題歌、あらすじ等を発表したほか、主題歌に合わせて踊る動画の募集やキャストの募集など、県民の皆様に御参加いただける企画も開始しています。
あわせて、「GREEN×EXPO」は1,000万人以上の来場者を見込んでいますので、ミュージカルの上演回数を可能な限り増やし、できるだけ多くの方に御鑑賞いただける機会を提供していくことも重要です。
そのため、ライブ上演の回数を既存予算の中でできる限り増やす工夫をした結果、当初、会期中に49回の上演だったところ、80回まで上演回数を増やすことができました。
しかしながら、それでもなお、見込まれる来場者数と比べると、上演回数が十分ではないといった課題があります。
そうした中、GREEN×EXPO協会より、ミュージカルを上演する主催事場の県と協会の使用枠について見直しの要望があり、その結果、主催事場の建設にかかる県の負担金額の減が見込まれることとなりました。
そこで、負担金の減額の範囲内においてミュージカルの鑑賞機会を充実させるため、今回提案しました補正予算案において、ライブ上演の回数を増やすための事業費を計上しています。これにより、上演回数を130回程度まで増やすことができます。
また、機運醸成の取組としては、私自身が全国各地を訪問し、知事会議や地方メディアを通じて積極的なPR活動を行っています。県内でも、開催半年前となる9月を契機として、記念イベントを実施するほか、主要駅でのシティドレッシングなど、県内全域で来場促進につなげるPR活動を展開していく予定です。
さらに、子どもの体験支援として、学校の校外学習等での来場を支援する事業とともに、GREEN×EXPOに行きたいと思う子どもたちが、個人でも来場できるよう、「こども招待1日券」を配布する事業に取り組んでおり、個人向けの事業では、今月1日から申請受付を開始したところです。
一都三県で初の万博となる「GREEN×EXPO 2027」の開幕まで、いよいよ半年を切ります。県は、GREEN×EXPOの開幕に向けた準備をさらに進め、「みんなで盛り上げ、みんなで創り、みんなが参加できる万博」をオール神奈川で創り上げてまいります。
さて、ここで、本県の財政状況について、ご報告申し上げます。
まず、本年度の財政見通しです。
歳入の主力である県税と地方譲与税については、企業収益の増加による法人二税の増収や、円安などによる輸入額の増加に伴う地方消費税の増収が見込まれることから、現時点で当初予算に対して、税交付金等を差し引いた実質ベースで、約1,060億円の増収を見込んでいます。
一方、歳出面では、中東情勢の影響等への対応や、激甚化・頻発化している自然災害への対応など、年度後半に追加の財政需要が生じる可能性があり、慎重な財政運営を行っていかなければなりません。
次に、令和9年度の財政見通しです。
県税と地方譲与税については、個人所得や企業収益の増加に伴い、個人県民税及び法人二税の増収が見込まれ、また、物価上昇等により地方消費税も増収が見込まれることから、8年度当初予算に対し、実質ベースで約1,900億円の増収が期待できます。
こうした税収増等に伴い地方交付税は減額となるほか、8年度当初予算編成で活用した臨時的な財源も減額となりますが、歳入全体としては増額となる見通しです。
歳出面では、介護・医療・児童関係費や、教育施設の更新等の投資的経費に加え、賃上げ・物価高騰への対応に係る経費等が増額となる見込みです。
以上のことから、9年度は、現段階で概ね300億円の財源不足が見込まれています。
こうした中にあっても、9年度当初予算については、「新かながわグランドデザイン実施計画」の最終年度として、計画に掲げるプロジェクトを着実に推進させるため、デジタルの力を積極的に活用し、子ども・子育て支援の取組や県内経済・産業の活性化、共生社会実現への取組、安全で安心なまちづくりなど、喫緊の課題に的確かつスピード感を持って対応していかなければならないと考えています。
それでは、ただいま提案しました補正予算案についてご説明申し上げます。
今回の補正予算案では、6月補正予算編成後の状況の変化を踏まえ、早急に対応する必要がある事業について、措置することとしました。
まず、麻しんの感染予防や、まん延防止に向けた取組として、定期接種前の0歳児やワクチンを接種できない妊婦の感染予防のため、その同居者等を対象に抗体検査を実施するとともに、市町村が行う予防接種事業に対して補助します。
また、知的障がい者の受診環境の整備に向けた取組として、医療・福祉関係者で構成する研究会を新たに設置し、知的障がい者が医療機関をより円滑に受診できる環境の整備等について検討するとともに、医療機関においてモデル事業を実施します。
次に、寒川町倉見地区における新幹線新駅の誘致に向けて、新駅による経済波及効果等を推計するとともに、新駅の構造や配置等の概略設計を実施します。
また、産業クラスターの形成・拡大や地場産業の付加価値向上等を推進する事業の財源とするため、地域未来基金への積み立てを行うほか、中東情勢の影響等を踏まえ、「原油・原材料高騰等対策特別融資」を受ける際の信用保証料について、現行、令和8年12月までとしている補助の拡充期間を、9年3月まで延長します。
さらに、GREEN×EXPO 2027における県出展のメインテーマである「“Vibrant INOCHI”一人ひとりの“いのちが輝く”」をより多くの来場者に伝えるため、県が出展するオリジナルミュージカルの上演回数増加に要する費用について、債務負担行為を設定します。
また、令和8年度中に設置予定のDV・ストーカー被害相談支援センターについて、安全確保をより一層図るために必要な工事費や相談環境の整備費を計上するほか、高相合同庁舎新築工事について、中東情勢の影響等による工期延長や、それに伴う総工事費の増額等に対応するため、既設定の継続費を変更します。
補正予算額は一般会計182億6,600余万円で、財源としましては、地方交付税や繰越金などを充当しています。
また、水道事業会計として、開発中の給水装置工事オンラインシステムについて、手数料等の納付手続きの簡便化など、利用者の利便性向上等を目的とした機能追加を行うため、所要の経費を追加計上するとともに、債務負担行為を設定します。
次に、予算以外の案件ですが、今回は条例の制定1件、条例の廃止1件、条例の改正4件、工事請負契約等の締結4件、動産の取得1件など、全体で15件のご審議をお願いしています。
まず、条例の制定ですが、神奈川県地域未来基金条例は、先ほどご説明しました産業クラスターの形成・拡大や地場産業の付加価値向上等を推進する事業に必要な経費を積み立てるため、神奈川県地域未来基金の設置、管理及び処分について、所要の定めをするものです。
次に、条例の廃止ですが、かながわ森林基金条例を廃止する条例は、かながわ森林基金の廃止に伴い、当該条例を廃止するものです。
次に、条例の改正ですが、主なものについてご説明します。
神奈川県犯罪のない安全・安心まちづくり推進条例の一部を改正する条例は、令和7年度に行った条例の見直しに伴い、特殊詐欺など特定の犯罪の多発等により犯罪防止特別宣言を行った場合に、防犯上の指針を定めることを可能とするなど、所要の改正を行うものです。
条例については、このほか3件の改正をお願いしています。
次に、条例以外の案件ですが、工事請負契約等の締結は、地球市民かながわプラザ空調設備改修工事請負契約など、4件をお願いするものであり、動産の取得は、交通指導取締り等の交通警察活動に使用するため、交通取締用四輪車を買い入れるものです。
このほか、令和7年度神奈川県公営企業決算及び神奈川県流域下水道事業決算の認定につきましては、監査委員の審査が終了しましたので、ご審議をお願いするものです。
以上をもちまして、私の説明を終わります。
細部につきましては、議事の進行に伴い、私もしくは副知事以下関係局長等からご説明させていただきたいと存じます。
よろしくご審議の上、ご議決くださいますようお願い申し上げます。
このページの所管所属は政策局 知事室です。