更新日:2023年4月18日

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黒岩知事就任あいさつ

就任あいさつ概要

日時:令和5年4月10日(月曜) 9時30分から9時50分

場所:県庁本庁舎 大会議場


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 おはようございます。おかげさまをもちまして、4期目の当選させていただきました。本来ならば満面の笑顔で、「皆さんまたやりましょう」とお話をする場だと思います。しかし、今回の選挙戦において、10数年前の私のプライベートのことで、皆さんに大変不快な思いをさせてしまいました。心からお詫びを申し上げたいと思います。

 しかし、非常に厳しい状況の中にありながらも、県民の皆様からご支持をいただきました。「もう1期やれ」という審判をいただいた。これもひとえに3期12年「いのち輝くマグネット神奈川」という旗を掲げ、県職員の皆さんと一体となってやってきた。そのことが認められた。そう思っています。今回問題とされたのは、私の全く個人的な問題です。その個人的な問題があっても、評価をいただいたということは、県職員の皆さんの仕事が高く評価された。私はそう受け止めています。そのことに誇りと感謝を感じています。

 県職員の皆さんとの12年間は本当に有意義なものであったと思います。そして随分県庁も変わったと私は思います。危機に対して、対応する素晴らしい力をつけたと自負しています。その象徴は、新型コロナウイルスとの闘いでありました。誰も経験したことがないコロナ。どう対応すべきなのかという中で、全庁一丸となって取り組む、全庁コロナ体制といったものをあっという間につくった。普通の県の行政組織ではありえないと思いますが、そういう体制を即座につくる。そして外部から優秀な人材も入れて、県職員と一体となった。そんなことは、これまであったでしょうか。県職員の皆さんは難しい公務員試験を通って、そして一生懸命現場でやってきて、公務員としての自覚、そういったものの上に、研鑽を重ねてこられた。それが普通のように外部からやってきた人材と交わって、一緒に仕事をする。そんな文化は今までなかったのではないでしょうか。しかしそれをやり遂げた。だからこそ、医療提供体制神奈川モデルをはじめとした40を超える神奈川モデルを発信し、そして国のコロナ対策をリードすることができた。これは大きな成果だと受け止めています。実際私が街へ出て、多くの県民の皆さんと触れ合いました。たくさんの方と写真を撮らせていただきました。そのときに県民の皆さんからは、ぽっと一言出てきます。「神奈川のコロナ対策素晴らしかったですね」。何人もの方が即座に言ってくれました。それはやはり、大きな、大きな成果になった。こう思っているところであります。ですから、今回のことで皆さん本当に不愉快な思い、たくさんされたと思います。県民の皆さんからの冷たい視線。それが私と一体となった形で、受け止めざるをえなかったのではないかと思います。その点について、心から反省したい、そう思います。それとともに、皆さん自身がそれでめげることなく前に進んでいってほしい。新しく生まれ変わる私と共に、生まれ変わろうとする私と共に、改めて一緒になって、進んでいってほしい。そして自分たちがこれまでやってきた仕事に自信と誇りを持ってください。私が肌で感じた県民の皆さんの気持ちは、神奈川県庁の職員はすごいぞ、間違いないものでありました。その誇りを失わず、前へ向き合っていく中で、これからどんな課題に向き合ってくるか。選挙戦の最中にもずっと、申し上げてまいりました。我々がコロナ対策でやってきたことは一体何なのか。皆さんに分かりやすいように私はこういう言い方をしました。医療提供体制神奈川モデルの一番のポイントは何か。軽症・無症状の人は病院ではなくて、自宅、宿泊療養施設で診たということです。そのことによって、日本の医療は崩壊することなく、コロナと闘うことができた。自宅・宿泊療養施設に行っていただいた患者さんを、われわれは見捨てたのですか。そうではない。パルスオキシメーターをお配りし、LINEコロナパーソナルサポート。そしてAIコール。オンライン診療。つまり、デジタルの力をもって、お一人お一人をつなげる。そして医療を届けたのです。これが、コロナを乗り越える大きな力になりました。デジタルにはそんな大きな力があるということをわれわれは実証したのです。今、デジタル革命が本格的に進んでまいります。そして、デジタルの大きな流れ、これをいち早くわれわれは取り入れ、全く新しい行政を神奈川から作り上げていくのです。これからも神奈川モデルはもっともっとたくさん出てきます。それをデジタル行政と言います。「デジタル、なにか難しいな。何か冷たいのではないか」。そのように感じる方もたくさんいらっしゃる。でも、デジタルは道具です。手段です。目的は何か。デジタルを使って、やさしい社会を作る。県民目線のデジタル行政。やさしい社会を作る。これがわれわれの目指す大きな方向性だ。こういうことを、街の中でも繰り返し、繰り返し、訴えてまいりました。こういう言い方をすると、何かピンと来る、そんな表情を浮かべていらっしゃる方がたくさんいました。このデジタルの力で一人一人が繋がる。

 例えば、少子化対策。これも、大きな課題です。政府も次元の異なる対策を発表しました。われわれもさらに、さまざまな施策をやっていかなければいけない。その中で、県職員の皆さんとのガチトークと称した議論を積み重ねてきたことも、私にとっては非常に大きな力となりました。県職員の皆さんが自分たちで、少子化の問題、子育ての問題を当事者として一生懸命語り合い、課題を抽出し、そしてそれを私にぶつけてきてくれたガチトーク。私自身がそのミーティングに参加するたびに、目からうろこというようなことがたくさんありました。その中で感じたこと。少子化の流れに歯止めがかからない。それはいったいなぜなのか。それは皆さん一人一人が抱える不安ではないでしょうか。出産に対する不安、子育てに対する不安、そして金銭的な不安、キャリアと両立できるのか、そんな不安。さまざまな不安ばかりが頭の中に浮かんで、子どもを産んだら楽しいという未来を考える気持ちにもならない。それが大きな原因だとするならば、最大の少子化対策は、皆さんお一人お一人の不安を取り除くことだ。そのためにデジタルの力を使う。そんな思いで、この選挙戦、私はミニ集会もやりましたし、選挙戦で初めての挑戦でしたが、オンラインでのミーティング、様々な課題に分けてのオンラインミーティングといったものを10のテーマで行いました。延べ10時間。

 そんな中で、子育て世代の方と膝を交えて話すときに、こんな話が出てきました。「私はシングルマザーです。そして、その状況の中で、実家に帰って、子育てをしようと思いました。実は、実家は結構裕福なのです。私は親に頼りたくないから、自分でしっかり子どもを育てていこう。しかし、なかなか収入が少ないから、何とかしてもらおうと思って役所に行った。そうしたら、けんもほろろに断られた。全く相手にされなかった。「あんたの家は、お金持ちなのでしょ。見てもらえばいいじゃないですか」と言われた。その時、役所ってなんて冷たいのだと思った。役所から見放されたのだと思った」。こんな話がありました。子育て世代の皆さんとさまざま議論を重ねていると皆さんお一人お一人、さまざまな特別な課題を抱えていらっしゃる。でも行政というのはこれまで大体の平均値で対応策を作っている。そして県民目線から見えるかどうかの配慮があまり行き届いていなかった。「県の政策ではこれがあります。市の政策ではこれがあります。こんなNPOがあります」。1個1個の情報はあるけれども、県民目線からすれば、どこにどんな情報があるかよく分からない。ということで、「それはうちではありませんから、あっちじゃないですか」みたいな行政が今あるんだということを生々しく直接的な対話の中で感じました。こういったことを解決できるのは、やはりデジタルの力ではないでしょうか。一人一人個別の課題を相談したらそれに対して、チャッチャと応える。まさに私が言いましたけども、LINEコロナパーソナルサポート、これをアレンジして、LINE子育てパーソナルサポート、そんなものにしていきたい。そうすることによって、皆さんの思い、個別の思いを全部吸い上げる。全部吸い上げた中で、「これは新たな施策が必要だ」。「これは新たな条例が必要だ」。様々なことが浮かび上がったら直ちに実行し、一人一人の県民とデジタルの力で繋がった行政。これをやっていきたい。そう思っているところであります。

 それと、県民の皆さんに分かりやすかった話を一つ。それは道路の白線の話です。「道路の白線が消えて見えにくい」。そういう不満の声がたくさん上がってきていました。ところが、私も聞いてびっくりしたのですが、道路の白線というのは線の種類によって担当する役所や部署が違う。横断歩道と黄色い線は警察、道路の端に引いてある線は県。車線を分ける線は市町村。そして、例えば「ここの線が消えている」と文句を言いに行ったら、「それはうちの線じゃありません」みたいなことが本当にあったかどうか分かりませんが、要するにそういうことであります。これをデジタルの力で一気に解決できるようになりました。それは、県内全部の道路をデータ化する。白線がどこに、どんな線が引かれているか、全部データ化する。そして、カメラを搭載した車が走り、AIが自動判定する。毎日毎日どこの白線がどんな状態か把握でき、県民の皆さんから不安の声が上がってくる前に、全部白線を綺麗にしていく。そんなこともできるのですよ、やりますよ。やらないと自動運転システムの時代には対応できないのです、神奈川からモデルを作っていきます。そんなことを訴えてまいりました。これは県民に対する約束です。ですから、このデジタルを使った新しい行政、しっかりと皆さんとともに作り上げていきたい。そう思っております。

 それとともに、7年前に起きた津久井やまゆり園事件。コミュニケーションを取れない人間は生きている意味がない。そんなとんでもない暴論で19人の貴重な命を奪っていった津久井やまゆり園事件。二度とあんなことを起こしてはいけないと思いながらやってきた中で、今も障害者福祉施設の現場では、虐待と言わざるをえないものが続いている。県直営の中井やまゆり園ですら、耳を疑うような虐待の事実が次々と明らかになった。そういった中で、「当事者目線の障害福祉推進条例」といったものを、県議会の皆さんとともに作り上げたわけであります。私が今回4期目に立候補するにあたって、その作り上げた条例を本当の形にしていく。それが大きな使命の一つだと考えています。まずは、中井やまゆり園における虐待。今、全力を挙げて改善に向けて進んでいるところです。本当に改善に向かって進んでいるわけです。中井やまゆり園で私も見ましたけれども、24時間、部屋に閉じ込められている女性がいました。部屋の外の窓から覗いて、「ここに、その人がいるのですよ」と言われて覗いたのですけれども、「いないじゃないですか」と言ったら、「いや、この下にいるのです」。ドアの下にへばりついている。体全体が硬直して、そして出たいのでしょう、扉のところにうずくまっている女性がいました。その部屋には、何にもありませんでした。家具も何にもない部屋。動物園の檻の中よりもひどい状態でした。人権なんて意識が全くないような状況になっていました。その彼女が、当事者目線の障害福祉、我々が全力を挙げている中で、今はそんな状況ではなくて、他の子の車椅子を押してあげてニコニコしながら働いている姿は、「やっとここまで変わってきたんだ。このまま変わっていけばいい。しかし、今ここで手を抜いたら元に戻ってしまう」。私は障がい当事者の皆さんから、「あなたがいなければ、元に戻ってしまう。だから私たちを見捨てないでくれ」と言われたことは、4期目を決断する最大の原因ともなりました。こうやって4期目に当選させていただいた以上、このことは絶対的なお約束です。皆さんとともに、まずは中井やまゆり園。これを本当に当事者目線の障害福祉が実践できる場に大きく変革させる。そのことによって、モデルを示す。そして将来、あの津久井やまゆり園事件という悲惨な事件を経験した神奈川から、「当事者目線の障害福祉が当たり前になったんだ」。そう言われるように、皆さんと力を合わせて全力総意でやってまいりたい。そう思う次第です。改めて、この選挙戦において、私の昔のプライベートなことで、皆さんにご迷惑をおかけしたこと、心からお詫びします。今回はマイナスからのスタートです。初心に戻るどころか、マイナスからのスタートです。私が失った、県民の皆さん、そして県職員の皆さんからの信頼。仕事によって取り戻していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。県民目線でしっかりとともにやっていきましょう。本日はありがとうございました。

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