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更新日:2023年2月13日

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知事議会提案説明(提案説明 令和5年第1回定例会)〔2月提案〕

令和5年第1回定例会(提案説明)

 第1回県議会定例会の開会に当たり、提案しました令和5年度当初予算案並びにその他の諸議案について、その概要をご説明申し上げるとともに、併せて当面の県政に対する所信の一端を申し述べたいと思います。
 早いもので、知事としての3期目の任期も残り僅かとなりました。
 3期目の県政運営は、「コミュニティの再生・活性化による笑いあふれる100歳時代」を掲げてスタートしましたが、その後の新型コロナウイルスの出現により、状況は大きく変わりました。
 度重なる感染拡大の波は、県民生活や事業活動に深刻な影響を及ぼしました。県政運営においても、全庁一丸となってコロナ対応に取り組むため、多くの施策・事業について、中止や縮減等の見直しを余儀なくされました。
 一方、3年にわたるコロナとの闘いでは、40を超える神奈川モデルを生み出すなど、全国をリードする様々なコロナ対策を実行し、難局に立ち向かうことができました。これまでの3期12年に及ぶ県政運営において、ヘルスケア・ニューフロンティアなど先進的な政策を積み重ねてきたことが、この難局において大きな成果として結実したものと認識しています。
 そして今、コロナとの向き合い方は、「闘い」から「共存」へと大きな局面転換を迎えようとしています。感染の主流が重症化リスクの低いオミクロン株に置き換わったことを踏まえ、国は、今年5月から、感染症法上の位置付けを、「2類相当」から、季節性インフルエンザと同じ「5類」に変更することを決定しました。これに伴い、入院調整や検査体制、医療費の扱いなど様々な面で大きな変化が生じてきますが、新たな局面においても、引き続き医療機関や市町村などとしっかりと連携し、県民の皆様が不安を抱くことのないよう取り組んでいかなければならないと考えています。
 本日提案しました令和5年度当初予算案は、本年4月に知事選挙がありますので、義務的経費を中心とした骨格予算としていますが、そうした中にあっても、行政の停滞や県民生活への支障を招くことがないよう、「持続可能な神奈川」の実現に向けた予算として編成しました。
 具体的には、新型コロナウイルス感染症との共存を前提とした「持続可能な医療提供体制」を構築するため、必要な感染拡大防止対策や医療提供体制の維持に取り組んでいきます。
 また、脱炭素社会の実現に向けた取組や人口減少社会における次世代育成の取組などの喫緊の課題に対応するとともに、「神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例~ともに生きる社会を目指して~」に基づき、障がい者の地域生活移行を推進するなど、共生社会の実現を目指してまいります。
 こうした取組に加え、水防災戦略の推進や県立教育施設の整備といった、県民生活に直結する事業を着実に推進するとともに、老朽化した県有施設の整備を推進していきます。
 それでは、景気動向と県税収入の状況についてです。
 令和4年度の県税収入については、主力の法人二税について、上場企業の4年3月期決算が、円安に伴う輸出企業の収益増により最高益となったことから増収が見込まれ、また、地方消費税についても、個人消費の持ち直しや、原材料高・為替変動の影響に伴う輸入額の増加により増収が見込まれます。
 この県税収入に地方譲与税などを加えた4年度の税収全体では、当初予算額に比べ976億円の増収となる1兆5,102億円を見込み、これから市町村に支払う税交付金等を差し引いた実質ベースの税収は1兆1,986億円となる見通しです。
 次に、令和5年度の見通しですが、政府は、1月の月例経済報告において、景気は、このところ一部に弱さがみられるものの、緩やかに持ち直しているとしています。
 また、先行きについては、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクはあるものの、ウィズコロナの下で、各種政策の効果もあって、景気が持ち直していくことが期待されるとしています。
 こうしたことから、令和5年度当初予算では、企業収益の増益基調や消費活動の持ち直しなどが続くことを見通し、4年度当初予算に対し、主要税目である法人二税、個人県民税、地方消費税で増収を見込んでいます。
 この県税収入に、地方譲与税を加えた税収全体では、前年度当初予算額を983億円上回る1兆5,109億円を見込み、税交付金等を差し引いた実質ベースでは1兆1,904億円となる見通しです。
 なお、これ以外に、知事選挙後の肉付け予算に対応するための財源として、県税収入のうち50億円の計上を留保しています。
 次に、本県の財政状況についてです。
 令和5年度の当初予算編成は、350億円の財源不足からスタートしましたが、4年度の県税・地方譲与税の増等によって確保された財源を活用することなどにより、収支を均衡させることができました。
 一方、今後を見通しますと、世界的な物価高騰などにより、企業収益や個人消費が落ち込むリスクがあり、税収動向も不透明であることから、引き続き慎重な姿勢で財政運営に臨んでいかなければならないと考えています。
 こうした中にあっても、脱炭素社会の実現に向けた取組や、人口減少社会における次世代育成の取組、県有施設の老朽化対策といった重点的な課題に対して、中長期的な視点に立ち、対応していく必要があることから、基金への積み立てを行い、継続的に取組を進めてまいります。
 それでは、令和5年度当初予算案の主要な施策について、ご説明します。
 はじめに、「新型コロナウイルス感染症対策」についてです。
 まず、「感染拡大防止対策と医療提供体制の維持」についてですが、コロナとの共存を前提とした「持続可能な医療提供体制」を構築するための取組を進めていきます。
 具体的には、ワクチンの個別・職域接種を促進するとともに、医療機関が行う設備整備に対して補助することで、コロナ患者の受入を支援するほか、相談窓口を運営し、療養者等からの問合せに対応します。
 なお、国は、新型コロナの感染症法上の位置付けを「2類相当」から「5類」に変更することを決定していますが、現時点では経過措置等の内容が明らかになっていないため、現行の「2類相当」を前提に、これまでの実績に応じた事業費を計上しています。
 また、「福祉サービスの提供体制の維持」についてですが、介護施設等における人員不足や代替サービスの提供等に対して補助します。
 次に、「未病改善の取組及び地域医療体制の整備」についてです。
 まず「未病改善の取組」ですが、働く世代の女性の運動促進として、就業時間内に運動プログラムを提供する職場訪問事業や、商業施設でのウォーキング促進事業等を行います。
 また、こころの健康に係る電話相談を、引き続き24時間体制で実施します。
 次に、「地域医療体制の整備充実」については、医師の働き方改革を推進するため、勤務医の労働時間短縮に向けた取組を行うほか、高齢化の進展に伴い不足が見込まれる、回復期病床等への転換に対して、補助を拡充します。
 次に、「障がい・高齢福祉施策の推進」についてです。
 まず、「当事者目線の障がい福祉の実現」ですが、条例に基づく取組の実践として、障がいに対する理解を促進するとともに、地域生活移行を担う人材の養成や、地域生活移行に取り組む施設への支援を行います。
 また、意思決定支援の普及・定着に向けた取組を行うほか、中井やまゆり園利用者が外部で宿泊体験し、地域と交流する取組を新たに実施します。
 さらに、「かながわ医療的ケア児支援・情報センター」に地域相談窓口を設置し、相談体制を強化するほか、県立特別支援学校の整備に向けて設計等を行います。
 次に、「県内経済・産業の活性化」についてです。
 まず、「中小企業等の活性化と雇用環境の改善」ですが、新たな事業展開に取り組む中小企業を支援するため、ビジネスモデルの転換に対して補助するほか、中小企業制度融資により、緊急的な資金需要に対応するとともに、「稼ぐ力」の回復に向けて、資金繰りを引き続き支援します。
 また、「成長産業の創出・育成」については、県内中小企業のロボット産業への参入支援を強化するとともに、ロボットの社会実装の加速化に向けて、ワンストップ支援を行うことで、県内ロボット産業の更なる振興に取り組みます。
 さらに、「農林水産業の活性化」については、持続可能な農林水産業の構築に向け、スマート機器の導入等に必要な支援や飼料基盤の安定強化に取り組むほか、木造施設の建築に対して補助を行います。
 次に、「脱炭素社会の実現に向けた取組」についてです。
 2030年度の温室効果ガス排出量について、2013年度比で、46%から50%削減に引き上げ、様々な主体の取組を後押しするとともに、県庁の率先実行に取り組みます。
 具体的には、中小企業の省エネ設備等の導入を支援するとともに、自家消費型再生可能エネルギー等の導入を支援するほか、県有施設への太陽光発電等の導入を推進します。
 なお、こうした取組を継続的に実施できるよう、「神奈川県気候変動対策基金」に資金を積み立て、脱炭素社会の実現に向けた施策を進めていきます。
 次に、「行ってみたい神奈川の魅力づくり」についてです。
 まず、「観光資源の発掘・磨き上げ」ですが、三浦半島魅力最大化プロジェクトや県西地域活性化プロジェクトを推進します。
 また、「受入環境の整備」として、マイクロツーリズムやDX整備など、新たな観光需要に対応する事業者に補助するほか、県立公園等のトイレの改修等に取り組みます。
 さらに、「国内外への戦略的プロモーション」については、外国人観光客の誘致促進に向け、サステナブルツーリズムなど多様なニーズに応じたプロモーションを実施します。
 このほか、マグネット・カルチャーの取組として、共生社会の実現や未病改善を後押しする「共生共創事業」、県営団地でのシニア合唱事業、日本大通りで発表の場を提供する「マグカル開放区」に加え、紅葉ケ丘の広場活性化に向けた文化イベントを実施します。
 また、「スポーツツーリズムの推進」として、サイクルツーリズムを中心とした、県内地域の活性化に取り組みます。
 次に、「安全で安心してくらせる神奈川の実現」についてです。
 まず、「地震災害対策等の推進」ですが、地震被害想定調査を実施するとともに、関東大震災100年を契機とした普及啓発を実施するほか、都市の安全性の向上を図るため、政令市内で実施される市街地再開発に対する補助を拡充します。
 また、「風水害対策の推進」については、水防災戦略を改定し、流域全体で水害を軽減させる「流域治水」への転換を図るとともに、災害対応力の充実の観点から、避難所のトイレ整備や携帯トイレの備蓄等について、大規模災害に備えたトイレプロジェクトとして重点的に取り組むなど、ソフト対策も強化します。
 さらに、「犯罪や事故などのない安全で安心なまちづくり」に向け、防犯カメラの設置支援について、市町村への補助内容を拡充して継続的に実施します。
 このほか、交通の安全を確保するため、信号機のLED化や、摩耗して見えにくくなっている道路標示の補修など、交通安全施設の整備を推進します。
 次に、「子ども・子育てへの支援」についてです。
 子どもが健やかに成長し、県民が安心して子どもを生み育てることができる社会を実現するため、子ども・子育て施策の充実に向けた取組を推進していきます。
 具体的には、まず、新たに「神奈川県子ども・子育て基金」を設置し、中長期的な視点に立った取組を進めます。なお、この基金を活用する事業については、国の対策を注視し、市町村とも調整しながら、今後の補正予算で計上する予定です。
 また、教育施設の老朽化対策に継続して取り組むことができるよう、財政基金への積み立てを行い、教育環境の整備を進めます。
 さらに、市町村が実施する小児医療費の助成制度に対する補助について、通院時の補助対象年齢を、現行の「6歳まで」から「12歳まで」に引き上げ、市町村と一体となって支援するほか、スクールカウンセラー等の配置を拡充し、困難を抱える子どもへの相談体制を強化します。
 次に、「県立高校改革等教育環境の整備の推進」についてです。
 まず、「県立教育施設整備の推進」ですが、「新まなびや計画」に基づき、耐震化、老朽化対策を進めます。
 また、「教員の働き方改革の推進」については、公立中学校における部活動について、段階的に地域移行を進めるほか、市町村立小・中学校等へスクール・サポート・スタッフの配置を継続して行います。
 以上の施策を中心に予算編成を行った結果、一般会計の予算総額は、2兆2,616億円となり、前年度当初予算との対比では96.5%となりました。
 これに、特別会計と企業会計を加えた全会計の予算規模の合計は4兆6,815億円となっており、5年連続で4兆円を超え、全会計合計では過去最大となっています。
 また、一般会計の財源としては、県税1兆3,325億円、地方交付税1,030億円、臨時財政対策債を含む県債1,278億円のほか、国庫支出金などを計上し、更に各種財源対策を講じながら、収支の均衡を図っています。
 以上が令和5年度当初予算案の説明です。
 次に、予算以外の案件についてご説明します。
 令和5年度関係としまして、条例の廃止1件、条例の改正18件、建設事業等に対する市町負担金など、全体で22件を提案しています。
 まず、条例の廃止ですが、神奈川県国民健康保険広域化等支援基金条例を廃止する条例は、国民健康保険広域化等支援基金の解散に伴い、条例を廃止するものです。
 次に、条例の改正ですが、主なものについてご説明します。
 神奈川県職員定数条例の一部を改正する条例ほか定数関連2条例は、県職員、市町村立学校職員、地方警察職員の定数について、それぞれ改正するものです。
 条例については、このほか地方税法第37条の2第1項第4号に掲げる寄附金を受け入れる特定非営利活動法人等を定める条例の一部を改正する条例など、15件の改正をお願いしています。
 次に、条例以外の案件ですが、建設事業等に対する市町負担金や、かながわ男女共同参画推進プランの変更など、3件を提案しています。
 次に、令和4年度関係の諸議案です。
 まず、一般会計補正予算案ですが、歳入面では、県税・地方譲与税の増収等を計上し、これにより確保した財源を令和5年度に活用することとしました。
 また、歳出面では、公共事業の内示減などに伴う減額を行うほか、脱炭素社会の実現や、人口減少社会における次世代育成、県有施設の老朽化対策といった重点的な課題に対して、継続して取り組むことができるよう、基金への積み立てを行うなど、所要の措置を講じることとしています。
 その結果、一般会計補正予算額は、541億円の増額となっており、財源面では、県税・地方譲与税等の増額と、国庫支出金や繰入金の減額などを調整し、収支の均衡を図っています。
 また、特別会計・企業会計についても、所要の措置を講じたところです。
 続いて、今回併せて提案しました令和4年度2月補正予算(その2)については、国の補正予算第2号が12月2日に成立したこと等を受け、補正予算措置を講じるものです。
 まず、消費喚起策として、かながわPay第3弾を実施し、消費者の負担を軽減するとともに、県内事業者を支援します。
 なお、かながわPayについては、これまで実施している中で、子育て中の方々から、多くの好評の声をいただいています。
 そこで、第3弾の実施にあたっては、子育て中の方々にこれまで以上に利用していただけるよう、広報の充実にも取り組みます。
 次に、現在実施している全国旅行支援「いざ、神奈川!第2弾」について、国庫支出金の追加交付に合わせて予算を措置します。
 また、霊感商法を含む消費者トラブルの未然防止と救済を図るため、相談窓口の周知強化等を行います。
 さらに、恋カナ!プロジェクト事業として、結婚に向けた機運醸成を図るため、県や市町村が主催するイベント等と連携し、効果的な取組を進めます。
 このほか、国の「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」に対応し、県の「水防災戦略」の更なる推進等を図るため、公共事業を追加で実施します。
 以上が主な内容ですが、2月補正予算(その2)の規模は、一般会計で165億2,500余万円となっており、財源としては国庫支出金や県債等を計上し、収支の均衡を図っています。
 また、企業会計についても、追加の公共事業を実施するため、所要の措置を講じたところです。
 次に、予算案以外の案件につきましては、条例の制定1件、条例の改正8件、工事請負契約の締結5件、建設事業等に対する市町負担金など、全体で18件を提案しています。
 まず、条例の制定ですが、神奈川県子ども・子育て基金条例は、先ほどご説明しました子ども・子育て施策の推進に必要な資金を積み立てるため、基金の設置、管理及び処分に関し、所要の定めをするものです。
 次に、条例の改正については、神奈川県手数料条例の一部を改正する条例など、8件の改正をお願いしています。
 次に、条例以外の案件ですが、工事請負契約の締結については、県営いちょう下和田団地公営住宅新築工事請負契約など5件をお願いするものです。
 このほか、建設事業等に対する市町負担金など4件を提案しています。
 以上をもちまして、私の説明を終わります。
 細部につきましては、議事の進行に伴い、私もしくは副知事以下関係局長等からご説明させていただきたいと存じます。
 よろしくご審議の上、ご議決くださいますようお願い申し上げます。

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