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更新日:2021年11月25日

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知事議会提案説明(提案説明 令和3年第3回定例会)〔11月提案〕

 本日、提案しました令和3年度補正予算案並びにその他の諸議案について、その概要をご説明申し上げるとともに、併せて当面の県政に対する所信の一端を申し述べたいと思います。
 はじめに、「新型コロナウイルス感染症」についてです。
 本県の新規感染者数は、今年7月から8月にかけて感染爆発ともいうべき急激な増加を辿り、医療崩壊が現実のものとなるなど、これまでのコロナとの闘いの中で最大の危機を迎えました。その後、新規感染者数は大幅に減少し、医療提供体制も改善したことから、本県に発出されていた緊急事態宣言は9月30日に解除されました。以降、感染状況は落ち着き、医療提供体制への負荷も軽減された状況が続いています。
 長期間にわたり、外出自粛や時短営業等の要請にご協力いただいた県民、事業者の皆様に対し、改めて深く感謝いたします。しかし、新型コロナウイルスが消滅したわけではありません。県民の皆様には、引き続き基本的な感染防止対策の徹底をお願いいたします。
 さて、国では、今月12日に「次の感染拡大に向けた安心確保のための取組の全体像」を取りまとめました。この全体像では、今後の感染拡大に備え、「医療提供体制の強化」、「ワクチン接種の促進」、「治療薬の確保」を進めるとともに、「経済社会活動の継続を可能とする新たな日常の実現」を図ることとしています。これを受け、19日には、政府の基本的対処方針も全面改訂されました。
 県としては、こうした国の方針を踏まえ、次の感染拡大への備えとともに、日常生活を取り戻すための対策にしっかりと取り組んでまいります。
 まず、医療提供体制の強化についてです。県では、これまで感染規模に応じてフェーズを設定し、一つ一つの医療機関と丁寧に話を進め、個別に協定を締結して、必要な病床を確実に確保する仕組みを整備してきました。そして、今年夏の第5波の際には、それまでに築いてきた医療機関との信頼関係のもと、短期間で協定以上の病床の上積みに対応していただくことができました。
 今回、国からは、必要な病床確保を含めた「保健・医療提供体制確保計画」の策定が要請され、県としては、国の想定する感染状況を踏まえ、第5波のピーク時の2割増しの入院者数に対応できるよう、災害特別フェーズとして2,500床を確保することとしました。
 また、自宅療養者を医療の視点でサポートする「地域療養の神奈川モデル」については、昨日から座間市及び綾瀬市でも開始し、現在23市町村で実施しています。他の市町においても導入の検討を進めており、できるだけ早く全市町村で展開できるよう取り組んでいきます。
 一方、ワクチン接種については、医療従事者や市町村、企業の皆様などのご尽力により、今月7日には、12歳以上人口の8割が2回目の接種を完了し、「11月末に対象人口の8割が接種を終える」という国の目標を前倒しで達成することができました。
 こうした中、国では、2回目接種から概ね8か月以上経過した方を対象に、来月から3回目の追加接種を行う方針を打ち出しています。県としては、引き続き、接種の主体となる市町村を支援するとともに、県独自の集団接種会場を設置するなど、円滑なワクチン接種に向けてしっかりと取り組んでまいります。
 そして今、重症化防止の切り札として国内外で開発が進められているのが経口治療薬です。先月10日には、岸田内閣総理大臣とともに、製薬会社が進めている治験を視察しました。経口治療薬が一日も早く実用化され、県民の皆様に届くよう、できる限りの協力をしていきたいと考えています。
 このように3回目のワクチン接種が進み、治療薬も普及していけば、新規感染者数や重症化する患者数が抑制されますし、医療提供体制の強化と相まって、病床ひっ迫はこれまでよりも生じにくくなります。こうした状況変化を踏まえ、今後は、感染拡大を防止しながら行動制限を緩和し、日常生活や経済社会活動を継続できるように取り組んでいくことが必要です。
 そのための重要な取組がワクチン・検査パッケージです。これを活用することで、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の下でも飲食やイベント、移動における行動制限の緩和が可能となります。県としても、検査の無料化や適用店舗の登録など、ワクチン・検査パッケージを有効に活用できるよう取り組んでまいります。
 さて、これまで新型コロナウイルスと闘ってくる中で、現行の法制度では対応が難しい場面にも幾度となく遭遇しました。私は、感染状況が落ち着いている今だからこそ、これまでの対応を検証し、新たな感染症の脅威に備えた法整備や体制づくりを検討すべきと考えています。
 具体的には、新たな感染症によるパンデミックを有事、すなわち国家的危機と捉え、有事のスイッチを入れた以降は、一元的で迅速な意思決定と権限行使を可能とするような新たな法律を整備すること、そして、その運用を統一的に行うための司令塔機能を強化することなどであり、既に、そうした内容を雑誌に寄稿し、全国知事会の対策本部でも主張してきました。
 折しも、国では、先に取りまとめた「次の感染拡大に向けた安心確保のための取組の全体像」において、今後の更なる対応として、「感染症有事に備える取組について、より実効性ある対策を講ずることができるような法的措置」や、「行政のあり方も含めた司令塔機能の強化」を検討する考えを示しています。国においては、ぜひ、こうした法整備や体制づくりについて、速やかに検討に着手していただきたいと思います。
 次に、「経済社会対策」についてです。
 本県では、コロナ禍における事業者支援として、休業や時短営業等の要請に応じた事業者に対する協力金や、国の月次支援金への上乗せ、ビジネスモデル転換への補助など、様々な支援策を実施してきました。今後は、日常生活や経済社会活動の再開に向けて、新たな対策に取り組んでいくことが重要です。
 その一環として、本県では、「かながわPay」アプリを通じたキャッシュレス決済に対してポイントを付与する事業や、商店街団体等がプレミアム商品券を発行する取組を支援する事業など、地域の消費を喚起する事業を既に開始しています。また、観光需要を喚起するため、県民限定で県内旅行の割引を行う「かながわ県民割」について、12月1日から販売を開始します。
 そして、来年1月からは、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の放映が予定されています。日本銀行横浜支店の試算では、約260億円の経済効果があるとされており、これを契機として、大河ドラマに関連する観光資源をPRし、県内の観光振興につなげるなど、地域経済の活性化を図っていきます。
 また、今月19日には、第2次岸田内閣の下、新たな経済対策として、4つの柱からなる「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」が取りまとめられました。第一は「新型コロナウイルス感染症の拡大防止」、第二は「ウィズコロナ下での社会経済活動の再開と次なる危機への備え」、第三は「未来社会を切り拓く新しい資本主義の起動」、そして第四は「防災・減災、国土強靭化の推進など安全・安心の確保」です。今後、国では、これらの施策を実行するための補正予算の編成を予定しています。
 こうした国の動きも踏まえ、県としても、経済社会活動を停滞させることなく、コロナと共生できる新しい社会を創り上げるため、新たな経済対策について検討を進めてまいります。
 次に、「当事者目線の障がい福祉」についてです。
 県では、津久井やまゆり園の再生を進める中で、利用者の方々がそれぞれの望む暮らしを実現できるよう、意思決定支援の取組に力を入れてきました。そして、こうした取組を通じて、本人の望みや願いを第一に考え、本人の可能性を最大限に引き出すためには、障がい当事者の目線に立った支援や施策が重要であることを改めて認識しました。当事者の望み、願いとは何か、その実現には何が必要か、それらを理解し、実践するため、私自身、障がい福祉の現場を視察し、当事者の皆さんとの対話を重ねています。
 また、当事者目線という考え方によって、20年後の神奈川県の障がい福祉の長期的なビジョンを策定するため、「当事者目線の障がい福祉に係る将来展望検討委員会」においても議論を進めており、この10月には、将来のビジョンを含む中間報告が示されました。
 そのような中、芹が谷やまゆり園が今月16日に開所式を迎えました。津久井と芹が谷、この2つのやまゆり園の開所を新しい障がい福祉のスタートと位置付け、開所式当日に、「当事者目線の障がい福祉実現宣言~あなたの心の声に耳を傾け、お互いの心が輝くことを目指します~」をメッセージとして発しました。
 このメッセージは、障がい福祉のあり方を、「支援者目線」から「当事者目線」へと大転換を図るものであり、当事者の皆さんの幸せが、支援者や周りの仲間の喜びにつながる「当事者目線の障がい福祉の実現」に向けて、取り組んでまいります。
 この宣言の目指す姿や将来展望検討委員会で検討中の将来のビジョンを実現するためには、本人の思いを踏まえた、その人らしい生活を支える当事者目線のサービス基盤の整備や人材育成とともに、施策を確実に実施するための普遍的な仕組みづくりが重要です。誰もがその人らしく、地域において仲間や友だちとのつながりの中で暮らせる社会、どんな障がいがあっても、支え合い、愛と思いやりにあふれ、みんなのいのちが輝く、「ともに生きる社会」を実現すべく全力を尽くしてまいります。
 それでは、この度提案しました補正予算案についてご説明申し上げます。
 今回の補正予算案では、新型コロナウイルス感染症への対応など、早急に対応する必要がある事業について、措置することとしました。
 まず、新型コロナウイルスワクチン接種体制の強化として、今後開始される医療従事者に対する3回目となる追加接種等を支援し、県内の医療提供体制を維持するため、県独自の集団接種会場を設置・運営します。
 また、介護・障害福祉サービス等の提供体制を維持するため、福祉施設におけるマスクや消毒液の購入など、感染拡大防止対策に要する経費を補助します。
 さらに、鉄道事業者等と連携して誘客を行う「国内観光プロモーション推進事業費」及び地域の消費を喚起する「商店街等プレミアム商品券支援事業費補助」について、新型コロナウイルス感染症の影響等により、年度内に支出が終わらない見込みであることから、来年度も継続して実施するため、繰越明許費を設定します。
 次に、新型コロナウイルス感染症対策以外についてです。
 本年の7月及び8月の大雨による被害を受けた農林施設の復旧工事を行うとともに、令和元年10月の台風19号による被害を受けた林道施設の復旧工事について、国から事業費の増額が認められたことから、追加で措置します。
 また、建設事業等の年間事業量のより一層の平準化に向けて、令和4年度当初予算への計上を予定している建設事業等の一部を前倒しして年度内に発注するため、「当該年度の支出がゼロの県費債務負担行為」いわゆる「ゼロ県債」を過去最大の額で設定します。
 補正予算額は一般会計14億2,200余万円で、財源につきましては、国庫支出金や県債等を充当し、収支の均衡を図っています。
 次に、予算以外の案件ですが、今回は条例の制定1件、条例の改正14件、工事請負契約の締結4件、和解1件など、全体で23件のご審議をお願いしています。
 まず、条例の制定ですが、神奈川県営水道事業審議会の設置等に関する条例は、県営水道事業の安定経営と円滑な事業推進に関する事項について調査審議する新たな検討体制を構築するため、地方公営企業法第14条の規定に基づき、神奈川県営水道事業審議会の設置に関し、所要の定めをするものです。
 次に、条例の改正ですが、主なものについてご説明します。
 職員の給与及び通勤に要する費用の弁償に関する条例等の一部を改正する条例は、去る10月14日に人事委員会から勧告を受けました職員の給与改定につきまして、関係職員団体との協議が整いましたので、職員の期末手当の支給割合について、所要の改正を行うものです。
 また、県議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例並びに、知事及び副知事の給与等に関する条例等の一部を改正する条例は、県議会議員及び知事等の期末手当の支給割合について、所要の改正を行うものです。
 神奈川県奨学金貸付条例の一部を改正する条例は、新型コロナウイルス感染症の影響等により、奨学生やその保護者が経済的影響を受けるなど、奨学金を取り巻く環境が変化していることを踏まえ、高等学校奨学金の貸付月額の上限額を増額するため、所要の改正を行うものです。
 条例の改正については、このほか地方税法第37条の2第1項第4号に掲げる寄附金を受け入れる特定非営利活動法人等を定める条例の一部を改正する条例など、10件の改正をお願いしています。
 次に、条例以外の案件ですが、工事請負契約の締結については、神奈川県防災行政通信網再整備事業工事請負契約など4件をお願いするものです。
 和解については、中井やまゆり園利用者のパンによる窒息事故に係る和解について提案するものですが、安心・安全に暮らす場である県立の障害者支援施設において、このような事故が起きた事実を重く受け止め、改めて、お詫び申し上げるとともに、心よりお見舞い申し上げます。
 このほか、訴訟の提起など3件を提案しています。
 以上をもちまして、私の説明を終わります。
 細部につきましては、議事の進行に伴い、私もしくは副知事以下関係局長等からご説明させていただきたいと存じます。
 よろしくご審議のうえ、ご議決くださいますようお願い申し上げます。

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