第2号(平成28年9月15日発行)

神奈川県衛生研究所

神奈川県 麻しん情報(2)

平成28年8月より千葉県、関西地方を中心に麻しんの感染が拡がっています。
神奈川県では、第33週(8月15日~8月21日)に麻しん(検査診断例)の患者が1例発生しましたが、それ以降は麻しん(検査診断例)の報告はみられません(9月15日現在)。
麻しんは感染力が強く、合併症を起こして重症化することもあります。発熱、発疹の症状がみられる場合は、麻しんの可能性も考えて、もよりの医療機関に連絡の上、速やかに受診しましょう。ワクチンを接種していない方は主治医にご相談ください。
また、妊娠中に麻しんにかかると、流産や死産の原因となることが報告されています。妊娠中の方やその家族の方は、感染者の多い地域への外出は控えるなどして、感染を避けるようにしましょう。

☆麻しんとは
麻しんウイルスにより起こる急性の全身感染症です。感染後7~14日で発熱、咳、鼻水などの症状が現れ、2~3日熱が続いた後、39℃台の高熱と発疹が現れます。初めは風邪のような症状です。肺炎、中耳炎を合併しやすく、患者1000人に1人の割合で脳炎が発症すると言われています。麻しんウイルスの感染経路は空気感染、飛沫感染、接触感染で、感染力が非常に強く、免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症します。
麻しんは手洗い、マスクのみでは予防できず、麻しんワクチン(MRワクチンを含む)の接種が有効な予防法です。定期接種対象の方や麻しんの既往・ワクチン接種歴がない方には接種をお勧めします。また、麻しんの患者さんに接触後72時間以内に麻しんワクチンを接種すると発症予防に効果的であると考えられています。

【麻しん関連情報】

国立感染症研究所

厚生労働省