第15号(平成28年2月12日発行)

神奈川県衛生研究所

神奈川県 インフルエンザ情報(15)

第5週(2月1日~2月7日)は神奈川県の定点当たり報告数が48.95(前週31.64)と、警報レベル(30)を超えた前週からさらに増加し、過去10年間で最も高い値となっています。インフルエンザは、感染している人の咳やくしゃみに含まれるウイルスを直接吸い込んだり、ウイルスが付着した手で目・鼻・口を触れたりすることによって感染し、一般的な風邪より症状が重くなります。小児や高齢者の重症化や合併症を防ぐためには、インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンの接種が有効ですが、接種した方も油断は禁物です。急な発熱やくしゃみ・咳などの症状がある場合は、周囲に感染が広がらないようにマスクを着用し、くしゃみ・咳エチケットを心がけ、早めにかかりつけ医に相談しましょう。


インフルエンザは、県内346ヶ所のインフルエンザ定点の医療機関から毎週報告されています。定点当たり報告数とは、その週の報告数を報告医療機関数で割った値であり、1定点医療機関当たりのインフルエンザの報告数をあらわしています。

  1. 神奈川県のインフルエンザ報告数
    神奈川県の定点当たり報告数は、昨シーズン(2014/15シーズン)は第52週で、警報レベルの基準値となる30を超えました。今シーズン(2015/16シーズン)は、前シーズンより1か月ほど遅く、第4週で31.64と警報レベルの基準値となる30を超え、第5週は48.95とさらに増加しています。今後の発生動向に注意しましょう。
  2. 保健所別報告数
    第5週は定点当たり報告数が、厚木保健福祉事務所管内(75.24)、相模原市(57.39)、鎌倉保健福祉事務所管内(52.50)、厚木保健福祉事務所大和センター管内(51.91)、横浜市(49.47)、川崎市(48.78)、茅ヶ崎保健福祉事務所管内(47.82)、小田原保健福祉事務所管内(45.70)、平塚保健福祉事務所秦野センター管内(45.00)、平塚保健福祉事務所管内(41.64)、横須賀市(39.50)、鎌倉保健福祉事務所三崎センター管内(32.00)、藤沢市(30.71)で警報レベル(30)を超えています。
    また、小田原保健福祉事務所足柄上センター管内(14.60)で注意報レベル(10)を超えています。
     
    第4週(1/25~1/31)
     
    第5週(2/1~2/7)
           

    警報・注意報について インフルエンザの注意報レベルは当該保健所における定点当たり報告数が10以上の場合です。警報レベルは当該保健所における定点当たり報告数が30以上で始まり、10未満で終息します。

  3. 年齢群別の報告状況
    第5週の年齢群別の報告では、0~4歳が19%、5~9歳が40%、10~14歳が15%となり、14歳以下で74%を占めています。
  4. 神奈川県におけるインフルエンザウイルスの検出状況(2015年第36週~2016年第5週)
    AH1pdm09 108件、AH3型21件、B型(山形系統)11件、B型(ビクトリア系統)31件の報告がありました。

  5. 神奈川県衛生研究所におけるインフルエンザウイルスの検出状況(微生物部)  
    現在までにAH1pdm09 46件、AH3型 15件、B型16件が検出されています。

<全国のインフルエンザ情報>