第5号(平成26年8月22日発行)

神奈川県衛生研究所

神奈川県 ヘルパンギーナ情報(5)

ヘルパンギーナは高い熱、のどの奥の水ぶくれ様の発疹などが特徴のウイルス感染症です。手足口病と同様に毎年夏に流行し、乳幼児への感染が多く見られます。咳やくしゃみに含まれるウイルスを吸い込むことによって感染する飛まつ感染や、破れた水ぶくれの中や便に排泄されたウイルスが、手を介して口や鼻、目の粘膜から感染する経口・接触感染があります。感染予防のため、トイレやオムツ交換の後、外から帰った後、食事の前などの手洗いやうがいをしっかりと行うことが大切です。


ヘルパンギーナの報告数は、小児科定点として定められた医療機関(神奈川県内213ヵ所)からの報告をもとに毎週集計しています。定点当たり報告数とは、その週の報告数を報告医療機関数で割った値であり、1定点医療機関当たりのヘルパンギーナの報告数をあらわしています。

  1. 神奈川県の年別・週別報告数状況 
    2014年第33週(8/11~8/17)の定点当たり報告数は2.54でした。
    第29週(7/14~7/20)に定点当たり報告数が8.00となり、警報レベル(6.00)を超えましたが、その後減少傾向を認めています。
  2. 保健所別報告数状況
    第33週の定点当たり報告数で警報レベルを超えている地域はありません。
     

    第32週(8/4-8/10)

     
    第33週(8/11-8/17)
    警報について 警報レベルとは、大きな流行が発生または継続していることを示し、1週間の定点当たり報告数の値を用います。ヘルパンギーナの警報レベルは、定点当たり報告数が6以上で始まり、2未満で終息します。
  3. 年齢別累積報告数状況
    年齢別累積報告状況では、5歳以下が約88%を占めています。
     
    (参考)神奈川県の年別定点当たり報告数の推移
    ○神奈川県衛生研究所における手足口病患者からのウイルス検出状況(微生物部)
      2013年は、コクサッキ―ウイルスA6型が検出ウイルスの約半数を占めました。
    2014年は、コクサッキーウイルスA4型の検出が多くなっています。

    ヘルパンギーナ患者からのウイルス検出状況(2013年1~12月)
    ヘルパンギーナ患者からのウイルス検出状況(2014年1~7月末現在)

<参考リンク>