令和5年8月28日発行
神奈川県 RSウイルス感染症情報(13)33週
RSウイルス感染症は、RS(respiratory syncytial)ウイルスによる感染症です。主に乳幼児に多く、感冒様症状(発熱・咳・鼻汁等)から重症の細気管支炎・肺炎など、様々な呼吸器の症状を起こします。特に、生後6か月未満で感染すると、重症化のリスクが高いと言われています。高齢者施設で集団発生する場合もあり、二次性細菌性肺炎により重篤化する場合もあります。乳幼児が周囲にいる場合は、予防のためにマスクの着用や丁寧な手洗いを心がけましょう。近年は夏に発生報告数の増加がみられます。2021年に6~7月を中心とする大きな流行があり、神奈川県でも第28週に定点当たり報告数が、政令指定都市を除く県域で8.59に上りました。2023年は16週に全国で1を上回り、全県・県域では23週に1を上回りました。2023年のピークは27週(7月3日~7月9日)で全国3.38、全県2.78、政令指定都市を除く県域3.17でした。31週に全県で、32週に県域で1を下回りました。
RSウイルス感染症の報告数は、小児科定点として定められた医療機関(神奈川県内234ヵ所2023年3月24日時点)からの報告をもとに毎週集計しています。定点当たり報告数とは、その週の報告数を報告医療機関数で割った値であり、1定点医療機関当たりのRSウイルス感染症の報告数をあらわしています。
- 年別・週別報告数の状況
神奈川県における2023年のRSウイルス感染症の定点当たり報告数は、27週にピークに達しました。33週(8月14日~8月20日)は全国0.81、全県0.50、政令指定都市を除く県域1.07でした。県域は再び1を上回りました。
5週前 4週前 3週前 2週前 1週前 今週 28週 29週 30週 31週 32週 33週 7月10日
~7月16日7月17日
~7月23日7月24日
~7月30日7月31日
~8月6日8月7日
~8月13日8月14日
~8月20日全国 3.16 2.59 2.25 1.87 1.23 0.81 全県 2.41 1.84 1.65 0.91 0.59 0.50 県域 3.14 2.51 2.36 1.46 0.96 1.07 - 保健所別発生状況
33週(8月14日~8月20日)は厚木保健福祉事務所4.75、秦野センター0.83及び大和センター0.50で増加しました。三崎センター1.00で報告があったのは29週以来です。 - 全県の年齢・年齢群別の状況
年齢群別の定点当たり報告数は、6~11カ月・4歳及び5歳で増加しました。
<参考ホームページ>
- 疾患別情報 RSウイルス(神奈川県衛生研究所)
- RSウイルス感染症に関するQ&A(平成26年12月26日) (厚生労働省)
- RSウイルス感染症とは (国立感染症研究所)