第5号(平成27年11月5日発行)

神奈川県衛生研究所

神奈川県 RSウイルス感染症情報(5)

RSウイルス感染症は、RS(respiratory syncytial)ウイルスによる感染症です。主に乳幼児に多く、風邪のような感冒様症状から重症の細気管支炎・肺炎など、様々な呼吸器の症状を起こします。乳幼児が周囲にいる場合は、予防のためにマスクの着用や十分な手洗いを心がけましょう。例年、冬期に流行のピークがみられますので、今後の発生動向に注意しましょう。


RSウイルス感染症の報告数は、小児科定点として定められた医療機関(神奈川県内215ヵ所)からの報告をもとに毎週集計しています。定点当たり報告数とは、その週の報告数を報告医療機関数で割った値であり、1定点医療機関当たりのRSウイルス感染症の報告数をあらわしています。

  1. 年別・週別報告数の状況 
    2011年以降、全国的に7月頃から報告数の増加傾向がみられています。
    神奈川県における2015年の報告数は、8月頃から増加しています。第44週(10/26~11/1)の定点当たり報告数は1.07で、過去5年間のうち最も多い報告数となっています。
  2. 保健所別発生状況
    第44週(10/26~11/1)は、厚木保健福祉事務所管内、鎌倉保健福祉事務所管内、厚木保健福祉事務所大和センター管内、川崎市、小田原保健福祉事務所管内で報告数が多くみられています。
  3. 年齢群別累積報告数の状況
    年齢群別では、1歳未満で45%、2歳未満で78%、5歳未満で99%を占めています。
  4. 神奈川県衛生研究所における病原体検出状況(微生物部)
    2015年は、10月末現在までにRSウイルス感染症が疑われる患者検体からRSウイルスは検出されていません。2014年は、8件が検出されています。

<参考ホームページ>