第12号(平成27年9月17日発行)

神奈川県衛生研究所

神奈川県 手足口病情報(12)

手足口病は、口の中や手、足などに現れる水疱性の発疹が特徴の急性ウイルス性感染症で、主に夏に乳幼児を中心に流行します。神奈川県は第27週に定点当たり報告数が警報レベルの目安となる5を超え、第29週(7/13~7/19)にピークとなり、第37週(9/7~9/13)は定点当たり報告数が5.86となっています。引き続き今後の発生動向に注意しましょう。


手足口病の報告数は、小児科定点として定められた医療機関(神奈川県内215ヵ所)からの報告をもとに毎週集計しています。定点当たり報告数とは、その週の報告数を報告医療機関数で割った値であり、1定点医療機関当たりの手足口病の報告数をあらわしています。

  1. 神奈川県の年別・週別報告数状況
    第37週(9/7~9/13)の定点当たり報告数は5.86で、第36週(5.43)より、やや増加し、警報レベル(5)を超えています。また、例年の同時期と比較して報告数が多くなっています。
  2. 保健所別報告数状況
    手足口病の定点当たり報告数は、横須賀市(8.33)、厚木保健福祉事務所管内(7.91)、横浜市(6.68)、川崎市(6.42)、茅ヶ崎保健福祉事務所管内(5.86)、鎌倉保健福祉事務所管内(5.67)、小田原保健福祉事務所管内(5.17)、鎌倉保健福祉事務所三崎センター管内(5.00)で警報レベル(5)を超えています。
    第36週( 8/31-9/6) 第37週( 9/7-9/13)

    *C:センター

    警報について 警報レベルとは、大きな流行が発生または継続していることを示し、1週間の定点当たり報告数の値を用います。手足口病の警報レベルは、定点当たり報告数が5以上で始まり、2未満で終息します。
  3. 年齢別累積報告数状況
    年齢別累積報告状況では、5歳以下が約9割を占めています。
  4. 神奈川県衛生研究所における手足口病患者からの病原体検出状況(微生物部)
    手足口病の原因ウイルスはいろいろありますが、コクサッキーウイルスA16型が最も多く、2015年7月にはコクサッキーウイルスA6型が多く検出されています。コクサッキーウイルスA16型に感染後にコクサッキーウイルスA6型に感染するなど、複数回手足口病に罹ることもあり注意が必要です。

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