令和4年10月7日発行

神奈川県衛生研究所

神奈川県 新型コロナウイルス感染症情報(130)

2022年第39週(9月26日~10月2日)の報告数は15,867例と、前週の23,530例に比べて減少しています。(※患者情報の変更により、前週と数字が異なる場合があります)

感染症法施行規則の改正に基づき、令和4年9月26日から新型コロナウイルス感染症の発生届の対象が変更されました。届け出対象は下記の4類型となります。
①65歳以上の方
②入院を要する方(入院の必要性が生じる可能性があると医師が判断する場合も含む)
③妊娠している方
④重症化リスクがあり、かつ「新型コロナウイルス治療薬の投与」または「新たに酸素投与」が必要と医師が判断する方

発生届の対象外となった方や、抗原検査キットで陽性が判明した方は陽性者登録窓口に登録してください。詳細は神奈川県のWebページ(新型コロナ 全数届出の見直しについて)をご確認ください。
引き続き感染拡大防止のため、適切な場面でのマスク着用、手洗い、三密の回避等の基本的感染予防の徹底をお願いします。

【微生物部長から一言】
夏の間大きな流行となった新型コロナウイルス感染症の第7波ですが、9月に入るとはっきり収束の傾向となりました。10月第1週を見ると、日々の新規陽性者数は全国で40,000人を下回っており、8月半ばのピーク時の6分の1にまで減少しています。お盆や新学期といった、人の動きが大きくなる時期にも流行規模が大きくなることはなかったようです。

変異株の動向については本県域においても、検疫や近隣の東京都のデータと同様にほとんどがBA.5派生型となっています。BA.5や最近報道で話題になるBA.2.75系統の性質については感染力の増強や中和抗体への抵抗性の可能性が指摘されており、伝播が容易になっている可能性が考えられます。しかし現在のところBA.2.75の流行は世界的にはインドに限局しており、国内で目立った感染拡大の傾向はありません。県域においても数件の散発例が見られるのみであり、流行の趨勢(すうせい)を左右するには至っていません。

感染の広がりを抑えることは依然としてコロナ対策の要諦(ようてい)です。三密を避け、手洗い・会話時のマスク着用といった従来の行動維持を心がけるだけでも抑制効果は期待できます。三回目・四回目のワクチン接種は防御能・重症化阻止能を引き上げる効果が確認されており、オミクロン株(BA.1,BA.5)対応型の新規2価ワクチンも緊急承認され、効果の向上が期待されています。是非とも信頼できる公的情報源を見極め、冷静な御判断をお願いします。

県衛生研究所ではこれまでの検査法に加えて全ゲノム解読も実施しています。重症患者や定点医療機関モニタリングを推進して、オミクロン株や亜系統・新株の検知・解析に努めております。これからも県民の健康・安全の維持に貢献して参ります。

〇 新型コロナウイルス感染症患者の日別報告数と移動平均線(7days)*1
  (2022年8月11日~10月5日 神奈川県)

*1 移動平均(7days)は、6日前から当日までの7日間の報告数の平均値を示しています。
月曜日は、全体的に患者報告数が少ない傾向にあります。
これは、週末に医療機関が休業することなどの人為的な問題により、PCR検査数が減少するためです。
移動平均では、そうした影響を除外することができるため、全体の感染動向が分かり易くなります。
*2 令和4年9月26日より新型コロナウイルス感染症の発生届の届出対象が変更されたことに伴い、令和4年9月27日から「陽性者患者数」に代わり、「医療機関から報告された患者数」を掲載しています。移動平均についても「医療機関から報告された患者数」のデータを基に、記載しています。(初回の移動平均のデータは、令和4年10月3日となっています。)

〇 新型コロナウイルス感染症患者の日別報告数と移動平均線(1month)
  (2020年4月11日~2022年10月5日 神奈川県)

〇 移動平均(7days) 東京都との比較*2
  (2020年3月21日~2022年10月5日)

*1 令和4年9月26日より新型コロナウイルス感染症の発生届の届出対象が変更されたことに伴い、令和4年9月27日から「陽性患者数」に代わり、「医療機関から報告された患者数」を掲載しています。
*2 移動平均については、上図1monthのグラフは届出対象が変更される前の令和4年9月26日までのデータを、下図7daysのグラフは変更前と変更後の令和4年9月27日からのデータ(初回のデータは令和4年10月3日)を記載しています。

【神奈川県の新型コロナウイルス感染症】

※患者情報の変更により、前週と数字が異なる場合があります。

(1)新型コロナウイルス感染症の週別報告数

2022年9月26日より新型コロナウイルス感染症の発生届の届出対象が変更されたことに伴い、2022年39週より、「医療機関から報告された患者数」に基づき計算しています。

(2)新型コロナウイルス感染症の保健所別報告数

(3)新型コロナウイルス感染症の年齢別報告数

☆新型コロナウイルスとは
新型コロナウイルスは2019年11月頃に中国湖北省武漢市で発生し、世界中に感染が拡大しました。ウイルスはSARS-CoV-2と名付けられ、このウイルスによる疾患はCOVID-19と呼ばれます。国内では2020年1月に初めて感染者が確認されています。2021年2月13日に感染症法が一部改正され、「新型コロナウイルス感染症」は指定感染症から新型インフルエンザ等感染症に位置付けが変わりました。
現在日本国内で大流行しているオミクロン株の主症状はのどの痛みや咳、鼻水など上気道の症状が多く、従来株や他の変異株に比べて味覚・嗅覚異常や肺炎は少なくなっています。

新型コロナウイルス感染症の予防

新型コロナウイルスは、感染している人の咳やくしゃみに含まれるウイルスを直接吸い込んだり(飛沫感染)、ウイルスが付着した手で鼻、口を触れたりすることによって感染します(接触感染)。マスクの着用、石鹸を使った手洗い(できない場合にはアルコール消毒)、3密(密閉、密集、密接)を避ける、などの感染対策を徹底しましょう。
ウイルス除去には、家庭用洗剤(有効な界面活性剤を含むもの)、アルコール(70%以上)、塩素系漂白剤の希釈液(次亜塩素酸ナトリウム0.05%希釈液)、加熱(80℃で10分以上)が有効です。

新型コロナウイルス感染症を疑う症状があったら

新型コロナウイルス感染症専用ダイヤル
☎0570-056774(一部IP電話などつながらない場合は045-285-0536)
注意:保健所設置市(横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市・藤沢市・茅ヶ崎市・寒川町)にお住まいの方は、各市のコールセンターにお電話ください。

【新型コロナウイルス関連情報】

注:リンクは掲載当時のものです。リンクが切れた場合はリンク名のみ記載しています。

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国立感染症研究所