令和3年3月19日発行

神奈川県衛生研究所

神奈川県 新型コロナウイルス感染症情報(51)

神奈川県では1月8日より始まった緊急事態措置が再度延長になり3月21日まで続くことになりました。移動平均線は1月18日をピークに下がり傾向でしたが、2月18日以降はほぼ横ばいです。直近の第10週(3月8日~3月14日)の報告数は718例となり、前週(775例)より若干減少しています。また、日本国内での新型コロナウイルス変異株(英国、南アフリカ等)の患者発生が報告され、神奈川県でも2月以降に発生報告が続いています。

【微生物部長から一言】
変異株は従来型と比べて感染力が高く、今後流行の主流になることが危惧されます。英国株は感染者の致死率も従来と比べて60%程度上昇しているとの報告がありますが、現行のワクチンの効果は高いとされています。一方、南アフリカ・ブラジル株の病原性が変化している証拠は現状ありませんが、ワクチンの効果が落ちる可能性が指摘され、メーカーは既に対応を始めています。神奈川県は県域各所の陽性検体を定期的に収集してのモニタリングを開始しており、変異株の流行状況を把握してまいります。

〇 新型コロナウイルス感染症患者の日別報告数と移動平均線(7days)
(2021年1月21日~2021年3月17日 神奈川県)

移動平均(7days)は、6日前から当日までの7日間の報告数の平均値を示しています。
月曜日は、全体的に患者報告数が少ない傾向にあります。
これは、週末に医療機関が休業することなどの人為的な問題により、PCR検査数が減少するためです。
移動平均では、そうした影響を除外することができるため、全体の感染動向が分かり易くなります。

〇 新型コロナウイルス感染症患者の日別報告数と移動平均線(1month)
(2020年4月11日~2021年3月17日 神奈川県)

〇 移動平均(7days) 東京都との比較
(2020年3月21日~2021年3月17日)

【神奈川県の新型コロナウイルス感染症】

※患者情報の変更により、前週と数字が異なる場合があります。

(1)新型コロナウイルス感染症の週別報告数

(2)新型コロナウイルス感染症の保健所別報告数

(3)新型コロナウイルス感染症の年齢別報告数

☆新型コロナウイルスとは
新型コロナウイルスは2019年11月頃に中国湖北省武漢市で発生し、世界中に感染が拡大しました。ウイルスはSARS-CoV-2と名付けられ、このウイルスによる疾患はCOVID-19と呼ばれます。国内では2020年1月に初めて感染者が確認されています。2021年2月13日に感染症法が一部改正され、「新型コロナウイルス感染症」は指定感染症から新型インフルエンザ等感染症に位置付けが変わりました。
症状は発熱、咳、倦怠感のほか、下痢、味覚障害、嗅覚障害などがあります。無症状や軽症例が多い一方、高齢者や持病のある方では肺炎や血栓症を起こして重症化し、死亡する場合もあります。

新型コロナウイルス感染症の予防

新型コロナウイルスは、感染している人の咳やくしゃみに含まれるウイルスを直接吸い込んだり(飛沫感染)、ウイルスが付着した手で鼻、口を触れたりすることによって感染します(接触感染)。マスクの着用、石鹸を使った手洗い(できない場合にはアルコール消毒)、3密(密閉、密集、密接)を避ける、などの感染対策を徹底しましょう。
ウイルス除去には、家庭用洗剤(有効な界面活性剤を含むもの)、アルコール(70%以上)、塩素系漂白剤の希釈液(次亜塩素酸ナトリウム0.05%希釈液)、加熱(80℃で10分以上)が有効です。

新型コロナウイルス感染症を疑う症状があったら

発熱等診療予約センター
☎0570-048914(一部IP電話などつながらない場合は045-285-1015)
※ 発熱、咳、咽頭痛のいずれかの症状があり、かかりつけ医での受診ができない方が対象。

※2021年4月1日から発熱等診療予約センターの機能を感染症専用ダイヤルに移行しました。

新型コロナウイルス感染症専用ダイヤル
☎0570-056774(一部IP電話などつながらない場合は045-285-0536)

【参考リンク】