令和2年7月17日発行

神奈川県衛生研究所

神奈川県 新型コロナウイルス感染症情報(17,18)

新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止するため、政府から3月25日に外出自粛要請が出され、4月7日の緊急事態宣言では、神奈川県を含む7都府県に緊急事態措置が実施されました。さらに、4月16日には緊急事態措置の対象が全国に拡大されましたが、感染者数の減少がみられたことから、政府は5月25日に緊急事態宣言を解除し、経済活動が再開されております。

神奈川県の感染者報告数は現在増加傾向です。7日移動平均線の傾きが上がってきていて、緊急事態宣言前と同程度の勾配になっており、今後も感染者数は増加していくことが予想されます。また、東京都の7日移動平均線と比較すると、東京都の患者数が増加すると神奈川県の感染者数も増加する関係にあることが分かります。そのため、連休中も県を跨いだ移動については、可能な限り控えて頂きます様よろしくお願いします

また、感染予防にマスクの着用は有効ですが、「鼻マスク」や「顎マスク」など着用が不十分な場合も散見されるため、マスクは正しく着用し、感染予防策の徹底をお願い致します。

〇 新型コロナウイルス感染症患者の日別報告数と移動平均線(7days)

移動平均(7days)は、6日前から当日までの7日間の報告数の平均値を示しています。
月曜日は、全体的に患者報告数が少ない傾向にあります。
これは、週末に医療機関が休業することなどの人為的な問題により、PCR検査数が減少するためです。
移動平均では、そうした影響を除外することができるため、全体の感染動向が分かり易くなります。

〇 移動平均(7days) 東京都との比較

国立感染症研究所は、4/20の「新型コロナウイルス感染症患者に対する積極的疫学調査実施要領」において、新型コロナウイルスの患者から感染したリスクのある“濃厚接触者”の定義を変更しました。接した時期を従来の、「発症日以降」から「発症2日前」に早めました。距離については「手で触れることの出来る距離」(目安として1メートル)で、必要な感染予防策なしで患者と15分以上の接触があった者としました。

感染対策には、咳エチケット(マスク着用など)と手洗いが重要です。また、発熱などの風邪症状がみられるときには学校や会社を休んで外出を控えるとともに、体温を測定して記録するように心がけましょう。

息苦しさや強いだるさ、高熱などの強い症状が出た場合にはすぐに最寄りの帰国者・接触者相談センター(保健所等)に相談してください。
また、発熱や咳などの比較的軽い症状が4日以上続く場合には必ず、最寄りの帰国者・接触者相談センター(保健所等)に相談してください。
※帰国者・接触者相談センターは令和2年11月1日をもって終了しました。感染症専用ダイヤル(保健所設置市にお住まいの方は、各市のコールセンター)にご相談ください。

【神奈川県の新型コロナウイルス感染症】

(1)新型コロナウイルス感染症の週別報告数

(2)新型コロナウイルス感染症の保健所別報告数

(3)新型コロナウイルス感染症の性別年齢群別報告数

(4)新型コロナウイルス感染症の年齢別報告数の推移

☆新型コロナウイルスとは
新型コロナウイルスは2019年11月頃に中国湖北省武漢市で発生したと考えられています。正式名称はSARS-CoV-2で、このウイルスによる疾患名がCOVID-19です。現在までのデータからは、感染者の約8割は軽症か無症候で、約2割が重症化し、その1/3から1/4程度に集中治療が必要となっています。COVID-19重症化の最も大きな因子は年齢で、50代以降急激に致死率が上昇します。また、いわゆる生活習慣病やがん、喫煙習慣等も重症化の因子となります。該当する方々は極力感染機会を減らしましょう。また、若く健康な方がCOVID-19で亡くなることはほとんどありませんが、軽症であるぶん周囲に感染を広げる可能性があり、注意が必要です。どなたも不要不急の外出や集会は控え、こまめな手洗いや咳があればマスクをするなどの衛生行動を意識して下さい。

新型コロナウイルス感染症の予防
新型コロナウイルスは、感染している人の咳やくしゃみに含まれるウイルスを直接吸い込んだり(飛沫感染)、ウイルスが付着した手で鼻、口を触れたりすることによって感染します(接触感染)。

風邪や季節性インフルエンザ対策と同様にお一人お一人の咳エチケットや手洗いなどの実施がとても重要です。風邪症状があれば、外出を控えていただき、やむを得ず外出される場合にはマスクを着用するなどの感染対策を行いましょう。

新型コロナウイルス感染症を疑う症状があったら
次の症状がある方はすぐに「帰国者・接触者相談センター」にご相談ください。

  • 息苦しさや強いだるさ、高熱などの強い症状がある場合
  • 高齢者など重症化しやすい人(※)で発熱や咳など比較的軽い風邪の症状がある場合
    (※)高齢者、糖尿病、心不全、呼吸器疾患(COPD等)等の基礎疾患がある方や透析を受けている方、免疫抑制剤や抗がん剤等を用いている方
  • 重症化しやすい人でなくても、発熱や咳などの比較的軽い風邪の症状が続く場合

また、発熱やせきなどの比較的軽いかぜの症状が4日以上続く場合は必ず相談してください。

新型コロナウイルス感染症専用ダイヤル
☎0570-056774(一部IP電話などつながらない場合は045-285-0536)
注意:保健所設置市(横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市・藤沢市・茅ヶ崎市・寒川町)にお住まいの方は、各市のコールセンターにお電話ください。

【参考リンク】