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神奈川県微生物検査情報

神奈川県衛生研究所

第278号

平成28年2月16日発行
病原体検出は平成27年12月分


表1 病原体検出状況(保健所等別)―平成27年12月


<検出状況>

  • 12月の病原体検出数は合計125件、細菌は65件、ウイルス・リケッチアは60件であった。
  • 感染症および食中毒発生に伴う行政検査等では、細菌が32件、ウイルスが35件検出された。
  • 病原体定点等の医療機関からの検査では、小児科定点から細菌が30件、ウイルスが24件、インフルエンザ定点からウイルスが1件、基幹定点から細菌が1件、その他の医療機関から細菌が2件検出された。
  • 保健所管内別の病原体検出状況は表1のとおりである。

表2 病原細菌検出状況(臨床診断別)―平成27年12月

  • A群溶血性レンサ球菌咽頭炎患者22検体中18検体から、A群溶血レンサ球菌が分離培養によって検出された。血清型は、T1が5検体、T3が1検体、T4が6検体、T6、T12およびTB3264が各々2検体であった。
  • 感染性胃腸炎患者19検体中7検体から、その他の大腸菌(血清型 O1(astA+)、O6 、O15(afa+)、O25、O153、O167、OUT(eae+, EPEC)各1検体ずつ)が、1検体からカンピロバクター ジェジュニが検出された。
  • マイコプラズマ肺炎患者7検体中7検体から、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ ニューモニエ)がPCRによって検出された。そのうち6検体は分離培養でも検出され、1検体は判定不可(雑菌増殖)であった。
  • レジオネラ症患者3検体中2検体から、レジオネラ ニューモフィラが分離培養によって検出された。血清型は、いずれも血清群1であった。
  • その他の感染症では、30検体すべてからバンコマイシン耐性エンテロコッカス フェシウムが検出された。この事例は、市中医療機関において入院患者にバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)の保菌者が見つかったことから全棟検査を実施したもので、11月に12検体、12月に30検体の入院患者等からバンコマイシン耐性エンテロコッカス フェシウムが検出された。

表3 病原細菌検出状況(月別)―平成27年12月

 


表4 ウイルス・リケッチア検出状況(臨床診断別)―平成27年12月

  • RSウイルス感染症疑い患者4例中3例からRSウイルスが検出された。
  • 咽頭結膜熱患者5例からアデノウイルスが検出された。その内訳は、アデノウイルス2型が1例、アデノウイルス3型が3例、アデノウイルス5型が1例であった。
  • 感染性胃腸炎患者8例中3例からノロウイルスが検出された。また、集団感染性胃腸炎の発生は保育施設で1事例あり、4検体中すべてからノロウイルスが検出された。
  • 手足口病患者5例中1例からコクサッキーウイルスA6型とコクサッキーウイルスB5型が同時検出された。
  • インフルエンザ様患者23例中16例からインフルエンザウイルスが検出された。その内訳は、インフルエンザウイルスAH1pdm09が12例、インフルエンザウイルスAH3型が3例、インフルエンザウイルスB型が1例であった。
  • その他、水痘患者1例から水痘帯状疱疹ウイルスが検出された。
  • 食中毒様事例では、関連調査26検体について検査を実施したところ、10検体からウイルスが検出された。その内訳はロタウイルスが1検体、ノロウイルスが6検体、サポウイルスが1検体、ノロウイルスとサポウイルスの同時検出が2検体であった。また、食中毒が1事例あり、32検体について検査を実施したところ14検体からノロウイルスが検出された。

表5 ウイルス・リケッチア検出状況(月別)-平成27年12月

表6 食品・環境由来の病原細菌検出状況―平成27年12月


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