かながわなでしこファーマーズ

女性農業者が生き生き活動 「フレッシュセンターあしがら」レポート

女性農業者が生き生き活動
「フレッシュセンターあしがら」レポート

足柄上郡開成町にある「フレッシュセンターあしがら」は、女性農業者が経営に携わる直売所として毎朝新鮮な農産物や加工品などを販売しています。地産地消の拠点として、地域に欠かせない存在となっているセンターの魅力を紹介します。

女性メンバーが運営

フレッシュセンターあしがらを切り盛りするのは、JAかながわ西湘管内女性組合員メンバーです。直売を通して地産の農産物などを提供するだけでなく、「顔の見えるお付き合い」を大切にした運営で地域の方々との交流を深めています。

女性メンバーが運営

年の瀬も迫った12月下旬。開店時間の午前9時30分を過ぎると次々とお客さんが来店し、商品を買い求める姿が見られました。

女性メンバーが運営

柄上地区の女性農業者が生産した大根や白菜といった露地野菜をはじめ、キウイフルーツや柑橘類などの果物、梅干しやジャム、切り餅、赤飯といった手作りの品々が並びます。すべての商品には生産者の名前が添えられ、壁には顔写真も飾られています。

農業通して子どもの成長見守る

「『この人が作った野菜をまた食べたい』といって来てくれるリピーターの方もいらっしゃるんです。お客さんに喜んでもらえることが、一番のやりがいですね」と話すのは、センターの会長を務める和田文之さん。自分たちが手塩にかけて作った品物に対する反応を直に感じることができるのが、直売所の魅力といいます。

センターの会長を務める和田文之さん

第2部 みかんの発送に大忙し

営業日は平日の火・木曜と土・日曜ですが、毎年12月7日からは定休日なしで営業。お客さんが持ち込むみかんの発送がピークを迎えるためです。センターでは、地域住民の利便性向上につなげようと、15年ほど前から宅配のサービスを始めました。

第2部 みかんの発送に大忙し

足柄上地区の特産でもあるみかんは贈答用としても人気で、この時期は多い日で400件もの発送依頼が舞い込むそうです。「朝からてんてこ舞いよ」と笑いながら、次々と持ち込まれる段ボールに手際よく送り状を貼り付け、発送準備を進めていました。

足柄上地区の特産でもあるみかん

経済的な自立を目指し

「センターができるまでは、生産した農産物は自分たちで消費したり、近所におすそ分けしたりする程度でした」と和田会長は振り返ります。平成6年、女性部の有志がJAかながわ西湘の敷地内に常設直売所としてセンターを発足。自分たちが生産する農産物などを販売するようになりました。

販売する品物や価格は、部員が集まる月1回の全体会議で決定します。代金の9割が個人の口座に振り込まれる仕組みで、「しっかりと目標を掲げ、売上達成に向けて部員一丸となって頑張っています」と和田会長。部員一人一人が経済的な自立を目指し、農産物の生産や農業経営に携わることでセンターの活力を生み出しています。

足柄上地区の特産でもあるみかん

今では部員の二世が就農するなど、センターの運営を支える若い力も芽生えつつあるといいます。地域に根差した直売所は、女性農業者の活躍の場としても欠かせない存在となっているようです。

経済的な自立を目指し