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令和4年度新規就農者育成研修(女性農業体験コース)〜2月16日レポート

令和4年度新規就農者育成研修(女性農業体験コース)〜2月16日レポート

参加者
農業に関心があり、将来神奈川県で就農を検討中の方

農業に関心を持ち、将来神奈川県で就農を検討中の方に、実際に農業を体験してもらうことでその魅力を感じてもらう「新規就農者育成研修」が2月、かながわ農業アカデミー(海老名市)で開かれました。

農業初心者に手取り足取り

頬を切る風に、冬の終わりと春の訪れを感じる2月16日。海老名市と綾瀬市の市境にあるかながわ農業アカデミーは快晴に恵まれる絶好の農業日和となりました。3日間の講習の中日となるこの日は、スイートコーンのハウス栽培やホウレンソウの露地栽培、農業機械の研修が行われ、研修には相模原市での就農を検討中の方や町田市から訪れた方など、女性6名の幅広い年齢層が参加しました。

農業初心者に手取り足取り

ハウス栽培と露地栽培

作業着と長靴、軍手を身にまとった参加者はまず、ハウスでのスイートコーンの種まきに取り組みました。講師からの作業手順の説明を受け、さっそく作業開始。ハウスの中に入った参加者は、「中はこんなに温かいのね」と驚いた様子でした。
農作物の発芽には、温度や水分が重要ですが、ハウス栽培は、この温度と湿度を一定に保つよう管理しやすいことが特長に挙げられます。参加者は20㎡ほどの畑に灌水チューブを設置し、その上から農業用ビニールマルチで覆って種まき用の孔を開けて種まきにいそしんでいました。コツを掴んだ参加者が、悪戦苦闘する参加者に「こうやった方がスムーズに入れられるよ」と声を掛け合い、にぎやかな様子で作業は進行しました。

ハウス栽培と露地栽培

次は、露地でのホウレンソウの種まきに挑戦。露地栽培は外気温や雨などの天候に大きく左右されるため、ハウス栽培以上の注意が必要となります。
種まきの助けとなるのが、「手押し式種まき機」です。種がセットされた種まき機を手押しで進めると、前輪の回転に合わせて種まき機の機構が動き、自動的に種が植えられる仕組みです。一見手押しをするだけの簡単な作業に見えますが、前輪の回転ばかりに気を取られると、後輪で土を踏み固める「鎮圧」部分が浮いてしまい、なかなか一筋縄ではいかない様子。仕上げに、保温のためのべたがけ資材とビニールトンネルを設置し、午前中の作業は終了です。スイートコーンもホウレンソウも、収穫は5月ごろ。作業をやり終えた参加者たちは、どこか誇らしげな表情を浮かべていました。

ハウス栽培と露地栽培

片付けまでが農業

作業を終えると、使用したクワを丁寧に洗っていた様子が印象的でした。講師の方によると、「使ったら、きちんと洗って元の場所に戻しておく。次の作業の時に使いやすく普段から気を付けておくことが、農業では大切」とのこと。家庭菜園とはまた違う、農業を行っていくうえで実は重要な視点を学んでいました。

片付けまでが農業

いざ、刈払機と歩行型トラクター

午後は、ほ場で農業機械の実習です。「農業で一番大切なのは草刈りです。その作業負担の助けとなるのが、刈払機などの農業器具ですが、使い方を誤ると重大な自己につながる可能性もあります」と注意を促します。参加者の中に緊張した空気が流れる中、いざ実践。 自分の身長よりも長い刈払機を腰にセットし、ハンドルを持って草を刈っていきます。「PTAの草刈りで使っているところは見たことがあるけど、こんなに振動が来るなんて」「簡単そうに刈っていたけど、きれいに刈り取るには丁寧な作業が必要だった」と新たな発見を得ていました。

いざ、刈払機と歩行型トラクター

この日はさらにステップを進め、「歩行型トラクター」(管理機)も体験しました。自動車のマニュアル運転のようにレバー操作が必要となる運転に、最初は戸惑いを見せていた参加者も、徐々にコツを掴んでいった様子。講師の「トラクターの動きに逆らわず、一緒に歩いていく」を忠実に守り、ほ場の土を掻き起こして、整地をしていました。 参加者たちは「もう一度やってみてもいいですか?」「実際の農作業の一端にも触れることができ、勉強になりました」と感想を口々に述べていました。

いざ、刈払機と歩行型トラクター