ヒント
1
女性を雇わないといけない理由がわかりません。
A
人材不足が問題視されている中、女性の活躍は大正解。仕事から離れている子育て中の女性は優秀な人材の宝庫です。
2
力仕事は女性には難しいですよね?
A
力仕事といっても、重たい作業は機械がやります。男性の仕事というイメージがある中で、女性に積極的に大型機械の資格取得を後押ししている企業があります。
紹介事例(2018年)

子育て中の女性を積極採用
費用全面負担で資格取得を後押し

株式会社まるだい運輸倉庫画像
女性社員とのコミュニケーションを大切にしている関根さん(左)。積極的に現場に足を運ぶことで、個々の悩みや各部門が抱える問題点のあぶり出しができるようになるといいます。

 男性の職場というイメージが強い物流業界ですが、株式会社まるだい運輸倉庫(小田原市)では女性の積極採用を経営戦略の一つに掲げています。女性ならではの視点を職場に取り入れて業務改善や組織の活性化を目指す同社は、子育て世代の主婦層をターゲットにした採用に力を入れているといいます。フォークリフトや大型免許などの取得費用を全額負担して応募のハードルを下げるほか、条件を満たせば保育所の費用も一部負担するなど、人材確保に向けた投資は惜しみません。

 秋元美里副社長は「優秀で能力があるにも関わらず、結婚や出産を機に一度キャリアを捨ててしまった女性を採用することが、組織の強化につながると考えています」と話します。子育て中の女性は、普段から効率的に動くことに慣れており、家事・育児との両立や一家団らんの時間を確保するために率先して仕事の効率化を模索し、結果として組織の業務改善にも寄与しているといいます。

 女性社員が働きやすい環境整備も進んでいます。その一つが、3人の社員で同じタスクを共有する「グループ制」の導入です。お互いの仕事内容や進捗を把握することで、会社を休まなければならない際も他の2人が仕事をスムーズに引き継げ、有給休暇の取得率も向上。社員自身にある程度タスク管理を任せることで、組織の中から効率化や改善のアイデアが生まれることも増えたそうです。

ジョブローテーションで積極育成

 女性社員が増えることで役割を増してくるのが、女性管理職の存在です。人事課長の関根輝空(るきあ)さんは、女性社員の増加を見越していち早く女性管理職に登用されました。「仕事上の悩みはもちろん、男性の上長や管理職には話しにくいプライベートな相談なども、女性同士だからこそ気軽に相談してもらえます」と話します。男性管理職が女性の部下に過度な気遣いをするあまり関係をぎくしゃくさせてしまうケースも多いといい、両者の橋渡しも重要な役目です。

 女性社員の採用拡大に加え、マネジメント力に長けた女性管理職を増やしていくことが同社の目標です。関根さんは「優秀な女性社員を積極的にジョブローテーションさせて各部署で女性の管理職候補を育てています。」と話していました。

秋元 美里の画像

秋元 美里 取締役副社長

COMPANY DATA

設立:1958年 業種:物流
従業員:283人 所在地:小田原市
URL:http://www.marudai-unyu.com/

人口減少社会においても、女性の活躍はとても重要です。