更新日:2023年11月21日

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かなテラスレポート

かなテラス(神奈川県立かながわ男女共同参画センター)の講座やイベントの様子、男女共同参画に関する各種情報などをレポート形式でお知らせしています。

vol.45(2023年11月号)

 2023年度かなテラスレポート第3弾です。今回は、「『女性に対する暴力をなくす運動』期間」、「女性のためのリーダー研修」についてお届けします。

目次

 11月12日(日曜日)から25日(土曜日)までは「女性に対する暴力をなくす運動」期間です!

女性に対する暴力をなくす運動とは?

アイコン 11月12日(日曜日)から25日(土曜日)までは、国の男女共同参画推進本部が定める「女性に対する暴力をなくす運動」期間です。
 配偶者等からの暴力(DV)や性犯罪・性暴力等の女性に対する暴力は、女性の人権を著しく侵害するものであり、男女共同参画社会を形成していく上で克服すべき重要な課題です。「女性に対する暴力をなくす運動」期間中には、国、地方公共団体、関係団体等が連携、協力し、女性に対する暴力の問題に関する取組を一層強化することとしています。
 県でも、この運動の期間中に、県庁本庁舎を、女性に対する暴力根絶のシンボルマークであるパープルリボンにちなんだ紫色にライトアップします。
 「女性に対する暴力をなくす運動」期間中に、皆さんも女性に対する暴力根絶のシンボルマークであるパープルのリボンを身に着けて、女性の人権や、誰もが安心して暮らすことのできる男女共同参画社会について、一緒に考えてみませんか?

「女性に対する暴力をなくす運動」の詳細は、内閣府男女共同参画局ホームページを御覧ください。
県庁本庁舎のパープルライトアップの詳細は、パープルライトアップのお知らせを御覧ください。

女性に対する暴力(DV)の現状

 内閣府が2020年に実施した『男女間における暴力に関する調査』によると、配偶者からの暴力の被害経験があった女性は25.9%で、約4人に1人が配偶者から被害を受けたことがあります。

配偶者からの被害経験

 しかし、これまでに配偶者から何らかの被害を受けたことのある女性のうち、「どこ(だれ)にも相談しなかった」のは41.6%で、多くの女性が被害を受けても相談していないことが分かります。

デートDVについて

 結婚していない恋人同士の間でも暴力は起こります。恋人同士の間で起こる暴力を、デートDVと言います。『男女間における暴力に関する調査』によると、20代の女性の26.3%、30代の女性の27.8%が、交際相手から被害を受けたことがあります。

被害経験
【出典】かなテラス(神奈川県立かながわ男女共同参画センター)「パートナーからの暴力に悩んでいませんか ドメスティック・バイオレンス(DV)に悩む女性たちへ」(2023)

デートDVに悩んでいるあなたへ

パープルリボン DV・デートDVは人権侵害であり、決して許されるものではありません。誰もが暴力を受けずに、安心して暮らす権利を持っています。
 かなテラスでは、県配偶者暴力相談支援センターとして、DV・デートDVに悩む方からの相談をお受けしています。一人で悩まずに、まずは相談してください。

相談窓口の詳細は、DV相談のページを御覧ください。

DV防止啓発講座(川崎会場)
令和6年4月施行の「改正DV防止法」~ここがポイント活用術~

 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律の一部を改正する法律(改正DV防止法)が、令和6年4月に施行されます。改正DV防止法では、裁判所が暴力等の加害者に対して、被害者の身辺へのつきまとい等を禁止する「保護命令」制度の拡充などが定められます。
 そこで、かなテラスでは、改正DV防止法や各種支援制度について、法律のプロで被害者支援の経験も豊富な講師がわかりやすく説明する講座を開催します。

日時 令和5年12月8日(金曜日) 13時00分から15時00分まで
会場

すくらむ21(川崎市男女共同参画センター) 2階第1・2研修室

川崎市高津区溝口2-20-1

講師 多摩総合法律事務所 弁護士 露木 肇子氏
対象 関心のある方 25名(性別不問、先着順)
受講料 無料
申込締切 令和5年12月1日(金曜日)

 

 講座の詳細やお申込み方法は、DV防止啓発講座(川崎会場)の御案内を御覧ください。

多様性をもった組織づくりに向けて
~「女性のためのリーダー研修」開催のお知らせ~

  女性のためのリーダー研修の詳細は、こちらを御覧ください。

 今、組織や企業で女性管理職の活躍が望まれています。女性管理職を増やすことは、優秀な人材の確保、企業の社会的評価の向上、また、女性の活躍が進んでいる組織はROA(総資産利益率)が高くなるという調査結果もあり、業績の向上につながるなど、組織にとって多くのメリットがあると言われています。

 しかし、女性登用の現状について日本は国際的にも大きく立ち遅れており、様々な分野で女性登用・活躍を進めることが課題とされています。

「203030」への道

 長らく“男性社会”といわれてきた日本ですが、2022年には25〜39歳の女性のうち働く人の割合は81.6%(表1)と初めて8割を超え、女性の経済活動への参加は増加しています。一方で、企業の課長相当職以上の管理職に占める女性の割合は12.7%(表2)と過去最高を更新したものの国際比較では低水準で、国は長期的な取組みが必要としています。
 政府は『2030年代には、誰もが性別を意識することなく活躍でき、指導的地位にある人々の性別に偏りがないような社会』となることを目指し、プライム市場上場企業を対象として2030年までに女性役員の比率を30%以上と目標に定めるほか、女性起業家の育成・支援、リスキリングによる能力向上支援などの取組を進めていますが、道のりは遠いのが実状です。

性別/年齢別働く人の割合(表1)

有業率

管理職相当職以上に占める女性の割合(表2)

女性管理職

 

なぜ30%

女性の管理職がなかなか増えないのはなぜ?

 【その1】
 女性への家事や育児の負担は、男性に比べてまだまだ大きく、家庭と仕事の両立がしやすい環境が整っていないことが挙げられます。
 育休制度の改正やリモートワークの普及等、働き方のバリエーションは増えているものの、実際には男性の育児参加は一時的で、負担軽減ができたと言えるまでには至ってはいません。

厚生労働省

 

 

厚生労働省「令和5年度男性の育児休業等取得率の公表状況調査」より

男性の育休等取得率が高いほど、平均取得日数が短くなる傾向が見られる。

 

 

 

 

 【その2】
 女性が管理職になる前例が少ないことも理由の一つと考えられています。
 女性は妊娠や出産を機に仕事を離れる時期があったり、勤続年数も短い傾向にあるため、能力はあっても責任のある仕事を任されず、十分な経験が積めない(男性と同様の経験を積むことができない)、また、本人の意思や状況を把握せずに『管理職と家事育児の両立は負担だろう』との思い込み(無意識のバイアス)による配慮がなされ、キャリアアップの機会を得られなくなるケースもあります。その結果、組織内に女性の管理職として仕事と家庭を両立しているロールモデルが少なく、自分が管理職になることをイメージしにくいなど、不安を覚える女性も多いようです。

 【その3】
 「インポスター症候群」※が影響していることも考えられます。
 「インポスター症候群」とは、自分の能力を必要以上に過小評価し、周りから見れば十分な成果をあげているにもかかわらず、自分の実力ではなく「まぐれ」だと考えてしまうことで、男性よりも女性に多くみられると言われています。インポスター症候群の影響の可能性も考慮し、一人ひとりの女性の能力を適正に評価すること、「一定の条件」すなわち働き方を見直し、性別にかかわらず誰もが働きやすい職場環境にしていくことが必要です。
 ※1978年に心理学者のポーリン・R・クランスとスザンヌ・A・アイムスによって命名。

女性管理職を増やすには

 仕事と家庭生活が両立できる環境整備とともに周囲の理解や意識改革が不可欠です。
 男性の家事育児参加の促進、多様で柔軟な働き方の推進、長時間労働の是正等、ライフイベントとキャリア形成を両立できる環境づくりに取り組むと同時に、キャリアアップする女性の前例を多く作り、管理職として活躍できるイメージを持ってもらうことが大切です。
 コロナ禍を経て、職場のコミュニケーション方法は変化し、リーダーのあり方も、強いリーダーシップに限らず、「サポート型」「民主型」等そのスタイルは一通りではありません。「自信がない」「私はリーダーには向かない」という人も一人ひとりに合った方法で、リーダーシップを発揮し、活躍できる可能性が多いにあるのです。

女性管理職育成セミナーのお知らせ

 男女がともに働きやすい職場環境づくりと同時に、女性自身に力をつけてもらうことや自信を持ってもらうことも大切です。そこで、かなテラスでは、次のとおり女性管理職育成セミナーを実施します。

女性のためのリーダー研修(令和5年度女性管理職育成セミナー)
一定程度の職務経験を有し、将来管理職としての活躍が期待されている女性に向けて、様々な転機を迎えても自分らしく働き続けるための対処法を知り、組織のリーダーを担うためのスキルやマネジメントを学ぶセミナーを開催します。(全3回)。
日程 令和6年1月19日・26日・2月2日(各金曜日) 13時00分から17時00分まで
開催方法 対面(1月19日、2月2日)及びオンライン(Zoomを使用/1月26日)
講師 株式会社キャラウィット 代表取締役 上岡 実弥子氏
対象 係長・主任・サブリーダー相当職の女性
定員 30名程度(申込み多数の場合抽選)
受講料 1,500円(全3回分)
申込締切 令和5年12月22日(金曜日)

 セミナーの詳細やお申込み方法は、かなテラスHP「女性のためのリーダー研修」(令和5年度女性管理職育成セミナー)」を御覧ください。

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