電子レンジ用哺乳瓶消毒器の商品テスト

「電子レンジ用哺乳瓶消毒器を使用したら溶けた」という相談が寄せられたことから、電子レンジ用哺乳瓶消毒器をいくつかの条件で使用した場合の結果を調査しました。
電子レンジ用哺乳瓶消毒器の取扱説明書どおりの使用方法のほか、想定される誤使用の条件で商品テストを実施し、その結果について消費者の皆様へ情報提供します。

1調査の概要

調査対象品　市販されている電子レンジ用哺乳瓶消毒器3検体
調査内容　電子レンジの出力は500ワットとして、次の四つの方法で哺乳瓶2本を加熱殺菌する。
（1）取扱説明書に記載された方法
（2）水を入れず、その他は説明書の方法
（3）各サンプルに油を塗布し、その他は説明書の方法（洗浄スポンジ等を介して他の食器類の油汚れが移ったことを想定した方法）
（4）水を入れず20分間加熱し、その他は説明書の方法
調査期間　令和5年10月から11月まで
検査期間　一般財団法人日本文化用品安全試験所
参考情報　電子レンジ用哺乳瓶消毒器について
電子レンジ用哺乳瓶消毒器とは、水と洗浄した哺乳瓶を消毒容器に入れ家庭用電子レンジで加熱することで蒸発した水で加熱し消毒することを目的とした商品です。電子レンジの出力や、加熱時間、水の量がそれぞれの商品によって違います。

2調査に使用した機器

（1）調査対象品

市販されている電子レンジ用哺乳瓶消毒器　3種類

検体番号	材質	耐熱温度	取扱説明書の使用方法に記載の加熱条件 （水の量、電子レンジ出力、時間　の順）
1	ポリプロピレン	140℃	水60ml、500～700W、5分
2	ポリプロピレン	120℃	水70ml、600～700W、3分又は水70ml、500W、3分30秒
3	ポリプロピレン	140℃	水50ml、500～700W、5分

 

（2）その他の機器
家庭用電子レンジ　出力500ワット
哺乳瓶2本　容量240ml、耐熱ガラス製

3調査結果

（1）取扱説明書に記載された方法

検体番号	加熱時間	結果
1	5分	著しい変形などの異常は認められない
2	3分30秒	著しい変形などの異常は認められない
3	5分	著しい変形などの異常は認められない

 

（2）水を入れず、その他は説明書の方法

検体番号	加熱時間	結果
1	5分	著しい変形などの異常は認められない
2	3分30秒	著しい変形などの異常は認められない
3	5分	著しい変形などの異常は認められない

 

（3）各サンプルに油を塗布し、その他は説明書の方法

検体番号	加熱時間	結果
1	5分	著しい変形などの異常は認められない
2	3分30秒	著しい変形などの異常は認められない
3	5分	著しい変形などの異常は認められない

 

（4）水を入れず20分間加熱し、その他は説明書の方法

検体番号	加熱時間	結果
1	20分	トレーが固着して外せなくなった。 底の一部が変形した。 他の部品に著しい変形等は認められない。
2	20分	底が変形した。 蓋に著しい変形等は認められない
3	20分	底が変形した。 水切りかごが固着して外せなくなった。 蓋の一部が変形した。

 

 

4まとめ

• 「1　調査の概要（4）水を入れず20分間加熱し、その他は説明書の方法」の条件では、電子レンジ内の回転する皿に接触している消毒容器の底部分に変形が発生したことを確認しました。それ以外の方法では、今回は容器の破損を確認できませんでした。
• このことから、電子レンジ内の皿が発熱するか、何かしらの理由で皿と接触している容器底部分が熱くなることで消毒容器の変形が発生していると考えられました。
• また、電子レンジ内が熱くなると考えられる他の状態にも注意が必要と考えられます。（例）電子レンジの出力数（ワット数）の設定間違い、殺菌前に電子レンジやオーブン機能を使用した時の庫内の余熱、電子レンジの庫内の汚れによる過加熱

5消費者へのアドバイス

• 電子レンジ用哺乳瓶消毒器の取扱説明書に記載されているように、それぞれの商品ごとに加熱条件が指定されています。電子レンジの出力、加熱時間、水の量の条件（例：500W、4分30秒、水50ml等）を確認してから使用しましょう。
• 電子レンジの誤操作で強い加熱になると容器がとけることがあります。電子レンジの設定操作に注意しましょう。（例）加熱時間や出力（ワット数）等のボタンの押し間違い
• 前の調理の熱が電子レンジ庫内に残っている場合は、庫内が冷めてから電子レンジ用哺乳瓶消毒器を使用しましょう。
• 電子レンジ内の汚れが異常な加熱を誘発することがあります。電子レンジが汚れているときは清掃しましょう。

消費生活相談は、消費者ホットライン188番をご利用ください。