更新日:2020年7月29日

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第19回(第2期第11回)水源環境保全・再生かながわ県民会議 審議結果

審議(会議)結果

次の審議会等を下記のとおり開催した。

審議会等名称

第19回(第2期第11回)水源環境保全・再生かながわ県民会議

開催日時

平成24年3月26日(月曜日) 16時00分から19時00分

開催場所

神奈川県庁新庁舎 第5会議室

出席者【座長・副座長等】

堀場 勇夫【座長】、新堀 豊彦【副座長】

天野 望、井伊 秀博、北村 多津一、木下 奈穂、久保 重明、倉橋 満知子、木平 勇吉、小林 信雄、高橋 弘二、髙橋 二三代、田中 充、沼尾 波子、服部 俊明、林 義亮、原 慶太郎、増田 清美、柳川 三郎、湯川 裕司

次回開催予定日

平成24年5月下旬

所属名、担当者名

水源環境保全課調整グループ 担当者名 志澤、近藤

電話番号 045-210-4352

掲載形式

  • 議事録

審議(会議)経過

(事務局)
定刻となりました。開会に先立ち、事務局より何点かご報告申し上げます。
本日の委員の出席状況でございますが、現在、20名のご出席をいただいており、設置要綱第5条の定足数を充たしています。
本日の出席委員は、お手元に出席者一覧を配付させていただいております。
現在、傍聴の方は、1名でございます。
県側の出席者につきましては、石黒環境農政局長、宮崎水・緑部長をはじめ、関係各課職員が出席させていただいております。
次に、本日の議事の進行でございますが、設置要綱第4条第4項の規定により、堀場座長に議長をお願いいたします。
それでは、堀場座長、よろしくお願いいたします。

(堀場座長)
それでは第19回水源環境保全・再生かながわ県民会議を開催いたします。第2期県民会議がスタートして丸3年が経過し、委員の任期満了ということで今回が第2期の最後の会議です。
本日は知事に県民会議から点検結果報告書の平成22年度実績版を手交することになっています。知事の到着は16時30分ぐらいの予定ですが、お見えになりましたら議事を中断し、手交したいと思います。

議題
(1)施策調査専門委員会の検討状況について
①点検結果報告書(平成22年度実績版)(案)について

(堀場座長)
最初に点検結果報告書(平成22年度実績版)について、田中委員長からご説明をお願いします。

(田中委員長)
資料1-1「かながわ水源環境保全・再生の取組の現状と課題点検結果報告書(案)」と、資料1-2「点検結果報告書(平成22年度実績版)の「総括」(案)に対する意見等」についてご説明します。
この点検結果報告書は、前回の県民会議で、骨子案として提出し、その後、施策調査専門委員会を1月に開催しました。その間に委員の皆さんからご意見をいただき、特に各事業をどのように総括するかという点についてご指摘いただきましたので、この点を盛り込んだ形で、1月の施策調査専門委員会で報告書の案としてまとめました。さらに県民会議の皆さんにこの点検結果報告書をお送りし、会議内パブリックコメントのような形でご意見をいただきました。それを資料1-2にまとめています。
最初にこの資料1-2からご説明します。
水源の森林づくり事業、丹沢大山の保全・再生、間伐材の搬出促進等については、合わせて17件のご意見をいただきました。私と事務局で整理し、右の「対応案」としてまとめました。基本的にはできるだけ意見を反映するということで、反映済み、あるいは一部反映とし、委員の皆さんからすると少し、この反映はどうかなと思うところがあるかもしれませんが、文言や表現、あるいは趣旨の強化、加筆といった形で、概ね反映させていただいています。
次に、資料1-1の冊子ですが、目次については例年ほぼこのような構成です。「見方」は、この点検結果報告書のまとめ方、見方の説明です。次に12の柱、これは「各事業の点検結果」で、1番の水源の森林づくり事業から、2番丹沢大山、3番渓畔林、4番間伐材、5番地域水源林整備、6番河川・水路への自然浄化、7番地下水保全、8番県内ダム集水域における公共下水道、9番ダム集水域における合併処理浄化槽、10番相模川水系流域環境共同調査、11番水環境モニタリング、12番県民参加における新たな仕組みづくり、となり、それぞれ平成22年度の事業実績と評価をまとめています。これは従来からの構成であり、また前回の県民会議でも説明しましたので、おおむねご理解いただいていると思います。最後の13は、特別対策事業の総括と県民フォーラムの意見報告書の概要です。
以上が構成ですが、内容について1点だけご説明します。
総括の13をごらんください。13-1に「12の特別対策事業の総括(まとめ)」があります。平成19年度から20、21、22年度までの過去4年間について、収支の一覧表をつくり、県民の方々からいただいた個人県民税等を含め、事業実績を整理しています。
具体的な事業の内容については、13-6と13-7をごらんください。12の特別対策事業の柱ごとに過去5年間、今年度を入れて5年間ですが、事業ごとにどの程度の予算を使ったかをまとめています。例えば一番上の「水源の森林づくり事業の推進」では、5年間で83億9,300万円を執行しており、大変充実した事業を展開しているということです。以下、「丹沢大山の保全・再生対策」事業は7億9,600万円になります。整備面積や確保面積などの事業量もこの形でまとめています。
13-7の右側の一番下が5年間の計画額で190億8,800万円です。振り返ってみますと、私たち県民会議の役割は、こういうものが適正に執行されたかということを監視あるいは評価してきたということです。
手前に戻りますが、13-2、13-3をごらんください。これが事業全体の総括ですが、ここでは12の事業ではなく、それらを「森林関係事業」「水関係事業」「水源環境保全・再生を支える取組関係」という3つの柱に大別しています。
(1)森林関係では、上の欄の「成果」にどのような成果が認められたか、例えば水源保全地域内においては人工林の荒廃状況が改善し、水源かん養機能の向上が図られつつあり、土壌浸食が減少するなど、施策推進の効果があらわれつつあるとの認識をまとめています。
人づくりでは「かながわ森林塾」を開校し、人材育成に取り組み始めたこと、地域水源林の整備では、各市町村が公的に管理、整備する仕組みを導入したことなどがあります。
しかしながら、成果のみならず課題もあるということで、課題を3、4点整理しています。水源の森林づくり事業では、シカの採食が課題です。また、整備面積の進捗管理だけでなく、生態系への配慮など整備内容に関する点検・評価のあり方や生態系の視点からの効果検証について早急に検討する必要があることなども課題です。これについては、森林の新しい評価のあり方にできないかということで、次の資料で説明します。また、丹沢大山の保全・再生対策では、土壌流出防止対策に関して、今後もモニタリングを行って植生回復あるいは土壌保全効果を検証していくことを課題としています。
(2)水関係でも「成果」ということでは、例えば河川・水路における自然浄化対策の推進では、生態系に配慮した河川整備によって本来の川らしさが創出されてきたことや、子供たちの環境教育や学習の場になっていることは評価できるとしています。また、合併処理浄化槽の整備促進では、個人設置型は低いものの、市町村設置型とあわせた整備事業はおおむね順調であるという評価をしています。
「課題」としては、生態系に配慮した整備による水質改善効果がよく見えないところがあり、引き続きモニタリングを実施して、整備効果の把握に努める必要があること、単に水質データを検証するだけでなく、汚染の原因解明まで踏み込む必要があるという指摘をしています。
(3)「水源環境保全・再生を支える仕組み」では特に県民参加の仕組みづくりの「成果」として、事業の点検評価に、事業モニターや県民フォーラムの意見など、多面的な評価を行ったこと、市民事業の支援では、県民会議の提案により市民事業支援補助金制度を創設し、さらに昨年度、ステップアップ方式導入の提言を行って、これを平成23年度に県に提出したことなどをまとめています。もちろん県民フォーラムの開催、ニュースレターによる県民参加への発信なども評価しています。
ただし、「課題」もいくつかあります。県民参加の仕組みづくりでは、県民目線によるところの点検評価と事業の進捗状況から見た客観評価、特に事業量とお金の使い方については、現場でどのぐらいの効果が上がっているか、事業モニター制度と連携して行うことを課題にしています。また、県民フォーラムに関しては、都市部の住民参加が少ないことや参加者の年代層の偏りなど、情報提供のあり方についても効果的な方法を検討する必要があるとしています。
以上、平成22年度の成果と課題を中心に、森関係、水関係、そして県民参加関係としてまとめたものの概略です。個別の課題については各事業のところでまとめていますので、後ほどご覧いただきたいと思います。
本日ご承認いただければこの(案)を取って、県民会議として平成22年度の点検結果報告書を確定したいと思います。
説明は以上です。

(堀場座長)
この点検結果報告書につきましては、各委員および県民会議の意見を反映させたものですが、何かご質問、ご意見はございますか。特にないようであれば、ご承認いただいたということでよろしいでしょうか。

―各委員了承―

(堀場座長)
それでは、表紙から(案)をとり、後ほど知事に手交したいと思います。

(2)森林生態系への効果把握に関する検討について

(堀場座長)
引き続き、森林生態系への効果把握に関する検討について、田中委員長からご説明をお願いします。

(田中委員長)
資料2をご覧ください。これは、水源環境保全・再生事業が森林生態系の増進、回復とどのような関係があり、森林づくりにどのように関わっているのか、効果を上げているのか、踏み込んだ評価が必要ではないかとの施策調査専門委員会の指摘を受け、課題として整理したものです。
タイトルは「「森林水循環を考慮した森林生態系の効果把握のあり方(仮)」に関する検討の考え方」ですが、これはあくまで現時点での仮題です。水源環境保全・再生施策については、5年間で相当な金額を投入しています。その効果を多角的に評価しなければいけないということで、もちろん中心は水環境保全ですが、成果や効果を複合的に評価するために現行の調査・評価手法に水循環を考慮した森林生態系の要素を入れることができないかというのが、1「趣旨」です。
次に、2「検討のポイント」をごらんください。水循環を考慮した森林生態系という考え方はまだ日本では新しい考え方のようです。事務局に東京大学の有識者へのヒアリングもしていただきましたが、あまりこういう考え方はないということで、まず水循環と森林生態系の関係について概念や定義を整理し、水源環境保全事業との関連性、現行の評価体系での位置づけ、どのような効果把握の仕方があるのかを考えていきます。しかしこの考え方や評価の仕方はまだ通説や定説ではありませんので、手探りですが、少し踏み込んでいきたいということです。ただし、森林生態系に関するモニタリングは、水源環境保全・再生施策や、丹沢大山の自然再生計画の取り組みの中でも既にいくつかやってきています。したがって、この新しい評価の仕方、効果把握の仕方について、現行モニタリングの結果の活用としても検討していこうということです。
そこで、3「検討内容」では、森林生態系の定義、効果把握の仕方および必要性を分析し、現行の評価体系における位置づけ、評価相関図を再構築するとしています。現行の評価体系が指しているのは、具体的事業がどのように評価されるかということであり、例えば1番事業の水源の森林づくりは地域水源林整備と関わっているわけですが、森林整備として間伐、枝打ちをし、そのことによって下層植生が回復し、土壌流出を防止する。その結果、水循環、水源かん養機能の回復・向上につながる。そして最終的なアウトカムである良質な水の安定的確保を実現することになる。こういう評価の流れを示しています。水源の森づくり、地域水源林の整備、あるいは間伐材の搬出は、一括して位置づけられる事業だと言えます。丹沢大山の再生事業についても、土壌流出防止対策、丸太柵や植生保護柵の整備が、下層植生の回復、水源かん養機能の向上をもたらし、良質な水の確保につながる、河川・水路の自然浄化対策、下水道の整備事業なども地下水の水質の浄化に寄与し、これが良質な水の安定的確保につながる、こういう評価あるいは事業の流れになっています。
そこで今回、水循環を考慮した森林生態系がこの中のどこに位置づけられるのか、概念の位置づけをしたのが、3のア「水源環境保全・再生施策における森林生態系の効果把握・評価の位置づけ検討」です。イでは現行のモニタリング調査を整理し、森林生態系効果把握のための具体的なモニタリング項目、評価の視点、効果把握の基準、体制の進め方などを整理して、特に第2期計画の中で森林生態系評価のあり方を議論し、具体的な展開を図っていくことを検討しています。
具体的な検討の進め方が下のフロー図ですが、平成24年度は、ほぼ1年間をかけて、我が国でも新しい考え方ということもありますので、準備会等を置き、色々な有識者、県の各関係機関や施策調査専門委員会の委員を含めた検討会、あるいはワークショップなどでフリーディスカッションを行いながら論点の整理、検討課題に対する方向性を整理し、「生態系効果把握の考え方」の報告書をまとめたいと思っています。その報告に基づいて、平成25年度以降に具体的な効果把握の方法を展開したいとしています。この点につきまして何かご要望がありましたら、次年度に引き継いでいきたいと思います。

―黒岩知事入室―

(堀場座長)
知事がお見えになりましたので、しばらく議事を中断させていただきます。

(黒岩知事)
こんにちは。

(堀場座長)
それでは、知事よりごあいさつをお願いします。

(黒岩知事)
お忙しい中、水源環境保全・再生かながわ県民会議にご出席いただきまして、ありがとうございます。私も去年の今ごろは知事選の真っ最中で、ちょうど1年がたちましたが、これまで「いのち輝くマグネット神奈川」をつくりたいという思いでやってまいりました。私自身、学ぶことばかりでしたが、この水源環境保全・再生の問題を聞き、現場に行って「なるほど、そういうことか。」とやっとわかったという感じでした。まさか神奈川県知事になって議会でシカのことを聞かれるとは想定もしていませんでした。しかしこのシカの問題は非常に大きな問題で、今となっては知らなかった自分が恥ずかしいと思いました。そういった問題も含めて、県民会議の皆様から様々なご提言をいただきながら、施策を進めていることを知り、本当に感謝しています。また、本日、22年度版の報告書を提出されると伺っております。私ももうすぐ1年たちますから、今度はしっかりと理解した上で、施策の推進に向け頑張っていきたいと思います。また、今回は第2期委員の皆様の任期満了に伴う締めくくりの会議でもあります。本当に献身的に取り組んでいただいたことを心から感謝いたします。そして引き続き委員を務めていただく方、今後ともよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

(堀場座長)
手交に先立ちまして、この県民会議について少しご説明します。県民会議は、水源環境保全・再生施策の特別対策事業が水源環境保全税という超過課税を財源としておりますので、それが正しく使われているかを県民視点で評価するために設置された組織です。「かながわ水源環境保全・再生実行5か年計画」に基づく12の特別対策事業について実施状況を点検・評価し、その結果を県民に提供するための諸事業を行っています。このたび、平成22年度の事業実績を反映した「かながわ水源環境保全・再生の取組の現状と課題」という報告書を作成しましたので、ぜひ施策に反映させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

―点検結果報告書を知事に手交―

(黒岩知事)
どうもありがとうございました。

(堀場座長)
それではせっかくの機会ですので、何か皆様から知事にご意見・ご質問等があればどうぞ。よろしいですか。特になければ知事は所用により退席されます。

(黒岩知事)
どうもありがとうございました。では失礼いたします。

―黒岩知事退席―

(堀場座長)
それでは議事を再開します。田中委員長より引き続き、資料2の説明をお願いします。

(田中委員長)
平成24年度から以上のような方向で検討を始めたいと思います。もちろん施策調査専門委員会でもさらに具体的あるいは技術的な課題の抽出等を行っていきますが、これについては県民会議で提示するのは初めてだと思いますので、ご意見やご質問がありましたら、必要なものについては次期に引き継いでいきたいと思います。よろしくお願いいたします。

(堀場座長)
何かご意見、ご質問ございますか。

(高橋弘二委員)
河川、地下水については、特別対策事業を実施していますが、生態系に配慮した川づくりや、水循環を考えた地下水かん養を目的とした事業でありながら、効果把握はBODなど、水質だけでやっています。結果は当然、水質浄化が主たる目的ではないので、よくありません。県民会議委員の方から浄化効果がないという指摘もありますが、本来はそうではなく、水循環あるいは生態系配慮を目的とするなら、それに対する効果把握が当然なければいけないのですが、それがほとんどやられていません。水質だけではなく、生き物が前に比べてどうなったかとか、生態系の効果把握の1つは生き物だと思います。今、森林水循環の効果把握ということがありましたが、川の効果把握、水質だけではなく、それ以外の把握をしなければいけないのではないかと思います。その検討もぜひやっていただきたいと思います。

(田中委員長)
今の点、実はこのタイトルも最初は森林生態系の効果把握あるいは評価だったのですが、先週、施策調査専門委員会を開催した折に、単なる森林生態系ではなく、水源環境保全のための水循環、水源かん養機能という視点が大事なポイントなので、水循環という言葉を入れたらどうかという意見がありました。そこで私と事務局で調整し、今回は仮題として森林生態系の効果把握としましたが、趣旨としては、高橋委員が言われたように、水循環という視点を入れながら生態系の把握をしていく、そして生き物と水、森林の保全がどう結びつくのか、そのメカニズムを何らかの形で評価できればよいということで、それにより水源環境保全・再生施策の多面的な効果まで波及させたいということです。考え方の整理に時間がかかるのですが、1年間かけて丁寧に議論しながら考え方を構築していきたいということです。
自然浄化、河川浄化のあり方についても、水質のみでなく多面的な効果把握をすべきというご指摘ですので、施策調査専門委員会の中で考えたいと思います。

(堀場座長)
ありがとうございました。そのほかございませんか。

(田中委員長)
木平先生からご意見がありましたら、お願いしたいと思います。

(木平委員)
この事業の目的は良質な水の安定的確保で、質と量の両方をやろうというのが最終的な目標ですよね。そのために12の事業をやっているのですが、一つ一つの効果は把握できるし、数量的にも評価できるが、それを良質な水と量に結びつけることをしていない、というよりも難しい。それを我々はやらなければいけない。そうでないと、また次の5年間が終わったときに、多くの人に説明する科学的な根拠がない。そういう意味でこの研究的な事業は非常に有効だと私は思います。森林生態系もそうだし、河川生態系という視点も検討されるのは、私はよいと思います。

(新堀副座長)
木平先生がおっしゃったとおり、やっていることはすばらしいし、県も一生懸命取り組んで、効果も出ていると思いますが、一般県民が理解しているか、関心があるかとなると、私どもの周辺ではそれほどピンときていない。水もきちんと供給されているし、決してまずいものではない。それから神奈川県の緑はかなり守られているという認識も、最近は県民全体にあるわけですが、我々がこの5年間努力してきたことについての県民全体の評価という意味では少し忸怩たるものがあります。長期間かつ漠然とした内容を評価するのだからアピールするのは難しいと感じています。丹沢の状況も大規模に発表されているし、調査書も発行されていますから、丹沢についてはかなりわかってもらっているが、水源という意味でどれだけ理解されているかとなると難しい点があります。しかしながら、水資源に関してはかなりの精度とかなりの評価を得られる内容だと自負しておりますので、これを県民の方々にどのように知らせるかが課題だと思います。

(堀場座長)
その他にございますか。

(久保委員)
家内はよく水を買います。この良質な水という定義は非常に難しい。私は水道水をそれなりにうまいと思って飲んでいますが、主婦の感覚ではどうもそうではない。これははっきりとした指標がないといけない。どのように質の良し悪しを評価するか、その辺は考えなければいけないのはないか。そうでないと、県民の賛同は得にくいと感じています。

(髙橋二三代委員)
事業モニターで行った南足柄の現場に2、3日前にもう一度行ったのですが、水源環境保全税の使われ方に合致していないことを改めて感じました。住宅地の中の農業用水路がこの税できれいに整備されたのですが、生活排水がどんどん流れ込んでいて、それは、いずれ酒匂川に合流して飯泉の取水堰に入ります。水源環境税でやりましたと書いた看板は立っていますが、税を取られていることを皆様はまだ認識していません。「税を知っていますか」と言っても「うん?知らないけど県がやってくれた」と。「県がやってくれたではなく、皆さんの税金なんですよ」と言うのですが、看板からはそのことをうまく読み取ってもらえないと感じました。せっかく整備されてもごみはぽんぽんと投げられているし、地元の人とのつながりもできていない。税を使うなら「こういうものを皆様のために皆様の税でやります」と周知してから始めないと、でき上がったものに対する愛着も生まれないし、地域の人とのつながりもできない。自治体で取り組まれるときにはその手法も問題ですが、工事の時の住民への説明をもっと徹底していただければ、その後のつながりが環境教育にもつながるのではないかと感じました。
それと水のことですが、県の水道の新聞にインフルエンザ予防のうがいには水道水がよいと書いてありました。水道水が安全であるというPRがあり、そういうものをもっと前面に出していただきたいと思います。

(柳川委員)
私はブナが生き生きすると水が良質だというイメージをずっと持っていて、多分県民の多くもそうだと思います。この5年間ブナについていろいろな調査、研究をやっていただいて、様々な場所で苗木の育成にも努力されている。次期5年では復活の兆しを見たい。第1期の5年間では調査、研究を苗木の段階からよくやっていただきましたが、蛭ヶ岳から丹沢山あたりのブナの再生が、良質な水のわかりやすい表現になるのではないかと、森林生態系の1つのとらえ方としてぜひ検討をお願いしたい。

(新堀副座長)
残念ながら、人間の目につくには10年、15年、最低でもそのぐらいかかるでしょう。

(倉橋委員)
効果の指標になるかわかりませんが、川がきれいになり、森が明るくなれば、必然的に人や子供たちが入っていくと思います。その周りに遊べる自然の空間があれば、そこで遊ぶようになります。フェンスなどがあれば入れませんが、それが指標になると思います。水の中や森の中に生き物が増えると人はそういうところに引きつけられていくと思います。だから、これからだと思いますが、整備をやった結果、だんだんと回復していって、生き物がふえ、人が引きつけられていく、そういう指標があってもいい気がします。

(堀場座長)
最後の会議ですので、皆さんご意見をぜひ。

(井伊委員)
新しい指標ですが、新たな視点で評価の方法をつくるのは結構なことと思いますが、私はもう少し直截的といいますか、例えば土壌が流れて、それで何が起きるかというと、単純に考えればダムに土砂が流れ込み、貴重な4つの水がめの底がどんどん浅くなっていく、直接的にはそういうことが想定されます。整備や工事など、土砂流出防止対策の効果は、環境指標や生態系ではなく、川やダムに出てほしいと思います。私は丹沢湖の底が結構見える状態を日々確認していて、土砂の量の多さを痛切に感じています。そこには当然浚渫が必要で、逆にそういう費用が下がることが効果だといえます。新しい視点も大事ですが、そういう直接的で単純な結果が別の事業、例えば土木などに影響していることを、県の部署は違うでしょうが、全体として見るのも1つの考え方ではないかと思います。

(田中委員長)
いろいろなご意見ありがとうございました。県民に対してどのように水源環境保全・再生施策の効果を伝えるか、PRするかということですが、コミュニケーションチームやモニターチームほか、いろいろなチームと連携し、総体として県民会議が発信していく、その点を、さらに進めていきたいと思います。
もうひとつは効果の指標の考え方ですが、森林生態系という概念が水循環とどのように重なるのか、あるいは水循環をどのような形で向上させていくのか、そういう指標にアプローチできれば、水源環境保全・再生施策にぴったりきますので、そういう概念体系、指標体系をつくれないかということです。ご指摘のようなダムの土砂堆積量や、人と水との触れ合い、また県民の参加など、あるいは全体として環境が保全・再生しているという機能をどこかで評価することになると思いますが、それはもう少し広い枠組みで捉えていくことだと考えます。森づくりから川、そして人との触れ合いという、大きな体系を考えていかなければいけませんので、専門委員会の方で整理させていただきたいと思います。

(堀場座長)
それでは今後さらにご検討いただきたいと思います。

(2)市民事業専門委員会の検討状況について

(堀場座長)
次に、議題(2)に入ります。市民事業専門委員会の検討状況につきまして、沼尾委員長よりご説明をお願いします。

(沼尾委員長)
お手元の資料3をごらんください。市民事業専門委員会は前回の県民会議以降、平成24年度の「もり・みず市民事業支援補助金」の選考会の業務を行ってきました。2回の審査の後、最終的に補助する事業の選考を行いました。
皆様ご承知のとおり、平成24年度実施分からこの補助金制度は大きく変更されています。ステップアップ方式による定着支援事業と高度化支援事業の2段階に分け、それぞれ補助の上限や、補助率を変更するという新たな仕組みを導入しました。平成23年度の場合には、1,200万円の予算に対して申請が687万円と低調でしたが、このステップアップ方式を導入した効果なのか、それ以外のPR効果なのか検証が必要ですが、平成24年度の補助金申請は、26団体44事業で申請金額が1,548万3,000円になりました。これはこの制度が導入された平成20年度に次ぐ金額で、申請しやすい制度になったのではないかと考えています。その後、書類等を精査し、1次選考を通過した26団体44事業中、選考会で選抜した23団体35事業が2次選考対象になり、3月3日の選考会、公開プレゼンテーションに進みました。2次選考を行った結果、最終的に当日のすべての事業を採択するという結論を県に提出しました。現在、この23団体35事業は、金額その他について県と調整を行っています。予算自体は既に可決されており、その額は1,200万円ですが、この後、金額の調整をして、補助の交付決定が行われるということです。
資料の裏面が2次選考会で発表を行った団体と、今年度で終了する団体の報告会を兼ねた選考会のスケジュールです。これらの団体がこれまでの活動や今後の活動について報告を行いました。今回特徴的だったのは、新たに応募された団体の中に横浜、葉山、横須賀など、都市部で活動されている団体が含まれていることで、これらは水源保全地域以外での活動で、取り扱いをどうするか、若干課題が残っています。この後の引継書の内容とも関わるのですが、地域での活動が広がっていくきっかけになればよいと考えています。
私からは以上です。

(堀場座長)
ありがとうございました。今の内容に関してご意見あるいはご質問はありますか。

(髙橋二三代委員)
河川は1次選考で3件260万円でしたが、2次選考では1件60万8,000円になりました。200万円落ちており、1件が100万円ぐらいだと思うのですが、落とされたのはどういうものでしょうか。

(事務局)
河川・水路では、整備自体を目的としている事業が1つ、もう1つは、NPO団体がみずから開発した水質の機械を使った事業です。

(髙橋委員)
わかりました。

(沼尾委員長)
整備自体を目的としている事業というのは、土木工事を業者に委託するというもので、市民事業とは言えないのではないかということでした。

(髙橋委員)
はい。わかりました。

(高橋弘二委員)
それは1次選考で落ちてしまうのではないですか。

(沼尾委員長)
そうです。なので、2次には上げていません。

(高橋弘二委員)
1次選考対象にはなるのですか。

(沼尾委員長)
要するに書類としての形式だけは整っているということです。

(高橋弘二委員)
なるほど。そういう意味ですね。

(柳川委員)
1次選考で44事業が35事業になりました。何とか協力しようという人たちが応募していると思うのですが、平成23年度は1次選考31事業に対して、2次選考では30事業でしたので、今回は事業数がずいぶんカットされてしまっている。これは今のようなことがあったからなのですか。

(沼尾委員長)
基本的には、今の河川の話が典型ですが、市民事業としてなじまない性格のものということです。つまり自ら活動するのではなく、土木事業を委託して河川を整備するための補助金が欲しいというもの、また、形式的なことですが、森林整備した後の間伐材の活用までを森林整備としている団体と、森林整備と間伐材の活用を分けている団体があり、間伐材の利活用については、水源環境の保全・再生につながる特別な効果があれば、1事業として認めますが、そうでなければ森林整備にまとめてもらうということで落としているものもあります。また普及啓発や調査研究における都市部での活動をどう評価するか、都市部だけで完結しているとすると、この制度の要件を満たすと言えるのかが議論になりました。基本的には採択する方向で進めましたが、やはり県民に対する説明がつきにくいものは、採択が厳しいということです。

(柳川委員)
我々の評価の仕方と、県民の考える支援のあり方との間に差があるのではと気になってお聞きしました。情熱を持ってやっている県民の活動の多くはボランティアです。だから、大変かもしれませんけど、少し修正させて取り上げる道を考えていただければありがたいと思います。

(沼野委員長)
ご指摘のとおりだと思いますので、この後の引継書の議論で取り上げたいと思います。

(堀場座長)
平成24年度は前年に比べ、申請件数が伸びたということで、今後ともNPOあるいは市民団体の活性化に期待していますので、よろしくお願いします。

(3)県民意見の集約・県民への情報提供について
①事業モニターの結果について

(堀場座長)
次に、議題(3)は県民意見の集約・県民への情報提供について、各作業チームからご説明願います。ご意見、ご質問につきましてはすべての説明が終了後にお願いします。
では最初に、事業モニターの実施結果について、柳川委員、高橋弘二委員からご説明願います。

(柳川委員)
資料4をごらんください。森チームは、11月9日と11月30日の案件に関する報告です。私たち事業モニターによる県民視点の点検評価のほか、進捗状況の客観評価、モニター担当委員のレベルアップなどについて、何ページかになっておりますが、去年夏から秋にかけて堀場座長にご報告したワーキンググループの検討結果に基づき、試行的に実施しています。特に最後の箱根の仙石原片平地区のモニタリングを行ったときの状況の中で、皆様にお知らせしている水の問題と、日本有数の観光地で温泉地だということで、その両面を踏まえて、箱根町が水源環境保全のために行っている森林の整備状況をよく見てきました。町を挙げてボランティアを募り、いろいろな整備を進めていることを特にお知らせして、森についての報告を終わりにしたいと思います。

(堀場座長)
ありがとうございました。引き続き、高橋弘二委員、よろしくお願いいたします。

(高橋弘二委員)
それでは水チームの報告をします。2月23日に実施してまいりました。モニターの結果は大変厳しい評価になったと思います。中身は読んでいただければよいのですが、評価点を見ていただくと、5人の委員の平均点は、残念ながら3点を超えているのはありません。全部2点台です。これに対する結論的な評価が、14ページの一番下の[総合評価]になります。これを読むと「治水対策のための護岸整備事業」としては評価できる。しかし、治水対策は自治体(河川管理者)の責任であり、自主財源で行われるべきものです。その整備手法として「多自然川づくり」を行い、それによって「水循環機能、生態系配慮(生物多様性)」が向上する。だからその「水循環機能、生態系配慮」に対して水源環境保全税を交付することができる。しかし実際は、ほぼ全額が水源環境保全税で整備されており、これでよいのかと。先ほど市民事業の選考の話がありましたが、我々からするとあの選考の考え方でいけば、今回見に行ったものは全部不採択になるのではないかと思います。最後に厳しい引き継ぎになりますが、我々、県民として見たときはそのように考えました。
以上です。

(堀場座長)
ありがとうございました。久保委員も責任者のお名前に挙がっておりますが、何かございますか。

(久保委員)
私がこれをまとめたのですが、初めての試みで意見が様々で難しいなと思いました。今後は各チームの責任者がまとめてリーダーが総括するという形でいくべきかと思います。評価するのは非常に難しいと、やってみて感じました。

(堀場座長)
モニターチームの皆様、他に何かございますか。何でも結構ですが。

(沼尾委員長)
記述のなかに自主財源という説明がありましたが、これは一般財源ですか。

(高橋弘二委員)
それぞれの自治体の自主財源ということです。

(沼尾委員長)
水源環境保全税も自主財源ですので、表現を一般財源に修正されたほうがよいと思います。

(堀場座長)
そういう意味では、水源環境保全税も一般財源ですので、この辺は、税関係の専門家が見てもおかしくないような表現にしたいと思います。

(倉橋委員)
河川の整備関係で強く感じたのは、整備計画を作る市町村の、多自然川づくりや自然護岸というものに関する知識が非常に不足しているということです。簡単な考え方でやられている傾向を強く感じました。特に大井町と南足柄市に行ったときは、すべて同じ工法でした。何も工夫された様子が見受けられない。だから皆さんの評価が低かったのですが、そしてそれを認可する県側の知識も不足しているのではないかと。言いにくいことですが、それを非常に強く感じましたので、双方とも担当になられた職員はそれなりの学習が必要ではないかと思いました。

(増田委員)
森チームとして参加したのですが、水チームと違って森チームは高い評価点をつけていますが、堂平へ行ったとき、約2年前に比べ成果が如実にあらわれていました。それで評価点が高くなったと思います。ただ水は専門的で、何をしたからこれがどう出るという評価が難しいのではないかと思います。だから評価の基準を水チームは少し考える必要があるのではないかと。この何年か皆様の意見を聞いて、森の方は素人目からも成果がわかりやすく、説明を受ければ一層わかるのですが、水は水質の問題から効果が評価しづらい部分があると感じました。

(田中委員長)
「ねらいは明確か」、「実施方法は適切か」、「効果は上がったか」、「税金は有効に使われたか」という共通項目、そのほかそれぞれの事業に対する項目、これを4、5人の委員が見て点数をつけ、平均点を出すというのが評価の仕方です。ご指摘については、1つは評価基準のような、どのぐらいであれば3点、どのぐらいよくなったら4点という、事業モニターチームでまずその評価の基準合わせが必要かもしれませんね。あと、着眼点あるいは評価の視点といいますか、そこも必要かもしれません。全体的に見た印象のようなもので点をつけてしまいがちなので、水質浄化の場合は水の浄化にどれだけ役立っているかを評価する場合、事業効果と見た目とが割と重なりやすいので、形状などから生態系に役立っていないのではないかと見られがちなのだと思います。一方、森の方は面的な広がりがあるので複合的なのではないかという印象を持っています。現場を確認するときの基準合わせと評価の視点をどう共有するかという点については、できれば木平先生が言われたように、森の専門家や水の専門家などに同行していただいて少し意見交換すればいいのではないかと思います。

(柳川委員)
森は木平先生が何回も現地で講義をしてくださっているので、モニターの目線もある程度のレベルになっています。

(井伊委員)
評価基準を合わせる必要はあるのですかね。公募委員の場合、専門家ではない人たちがその工事を見て、県民目線で「これは右」だ、「いや、左」だと、それで2点、3点になる。これを全部「相談して3にしましょう」というのは、何か変な話ではないかと。基準はあったほうがよいと思いますが、合わせる必要があるのでしょうか。
話し合うこと自体は大事だと思うし、よいと思いますが、だめだと思うところを無理やり寄せる必要はあるのでしょうか。

(高橋弘二委員)
水の関係を私は5人分まとめました。私は一応水の専門家でございます。事業者の方からは水質の効果を出してきましたが、この事業そのものは水質浄化ではありません。治水、浸水対策、老朽化の改修や浚渫、それに生態系への配慮ということですから、それを水質で評価しても意味がありません。しかし委員の何人かは、浄化効果がないからだめだという評価になる。事業者側から効果を出してきますが、それは本来の効果ではありません。その辺は県民の目線と言っても、ある程度専門的なことがわかってほしいというのが私の考えで、先ほど井伊委員が言われたのともちょっと違う気がします。

(堀場座長)
これはどのように評価するかという問題で、根本的な話になりますので、おいおい検討していくしかないかと思います。

(高橋委員)
モニターが終わってから、1時間ほどみんなで意見交換をやっていますので、その辺は大分よくなってきているのではないかと思います。

(堀場座長)
モニターチームのご努力はもちろんわかっていますが、専門性ならば専門家に見てもらえばそれで済んでしまう話になってしまいます。

(井伊委員)
私の意見は、なにもぴしっと決める必要はないのではないかということです。みんなが言いたいことを言えばいいと言っているわけではありません。

(久保委員)
私も難しいと申し上げましたが、私は丹沢と渓畔林の両方を見ました。丹沢の方はやはり見た目に効果がきっちりとあらわれています。だから皆さん素直によい点をつける。しかし渓畔林の方は確かにきれいにできていますが、放っておいてもできたのではないかという意見も出て、平均3点ぐらいになってしまいました。ある意味では皆さんの目もしっかりしているのではないかと思います。素直に見て、素直に表現しているということです。木平先生も一緒に行き、説明もしていただきましたし、県の担当者もよく説明してくれました。それを聞きながら判断していく、これしかないのではないかと思います。

(堀場座長)
それはもちろん、Aという森林とBという森林を見れば評価は相対的でいいのですが、水と森林となると、同一基準では難しいかもしれないということです。

(久保委員)
それは難しいと思います。

(湯川委員)
よろしいですか。今お話を伺っていて、水チームの評価が割れているのは、生態系への配慮の捉え方が委員間で相当違うためではないかと感じました。その事業の目的に対する共通の理解があれば、その到達度という形でもう少しまとまった評価が、まとまったというのは委員間の合意のもとに評価できるということですが、そこは次年度の課題として、森林生態系も含め、いろいろな議論を進めていけばよいと感じました。

(堀場座長)
来年度、皆さんのご意見を出し合うということで。意見交換することが大事だと思いますのでよろしくお願いいたします。

②第14回県民フォーラムの結果について

(堀場座長)
それでは引き続き、第14回県民フォーラムの実施結果について、倉橋委員からお願いします。

(倉橋委員)
3月4日に相模湖で第14回県民フォーラムを行いました。これが第2期県民会議の最後のフォーラムであり、第2期実行5か年計画へつなげてゆくため、また第2期から始まる山梨県側の上流域対策などを考慮して相模湖で開催しました。今回は場所が遠く、参加者の確保が難しいと考え、相模湖の船上見学を加えました。ただし、船上見学の募集告知が県の広報に載らなかったこともあり、参加者は56名でした。応募は48名でしたが、当日参加があり、56名になりました。応募者は全員が来てくださって大変うれしく思いました。非常に寒い上に外でしたので震えながら見た方もいましたが、おおむね皆さんによかったといっていただきました。午後のフォーラムでは、微生物の専門家である信州大学の花里先生から「アオコが消えた諏訪湖に学ぶ」と題した講演で、事例をお話ししていただきました。お話はわかりやすくて、よかったと聞いております。フォーラム参加者は全体で123名でした。私としては予想どおりかと思いましたが、中にはもう少し多くてもよかったという意見がありました。会場が広かったこともあり、まばらに感じられたと思いますが、フォーラムに関しましては、4人のパネリスト、そしてコーディネートをしてくださった淺枝先生の進行がとてもわかりやすく、充実した内容だったと思います。アンケートでも、船の見学、パネルディスカッションともよかったという回答が多くありました。ただ、お一人だけ、すごく遠くから来て無駄だったという意見が1枚あり、とても気になって、できたら内容をお聞きしたいと思いました。
私としては、アンケートのとり方をもう一つ工夫していただけないかということです。参加者がどこから来たか、今後のフォーラムに向けて参考になるのではないかと思います。参加者名簿までではなくても、地域的なものが見えるとよいと感じました。
以上です。

(堀場座長)
今の件は個人情報的にとれますか。厳しいですか。

(事務局)
住所地までであれば可能です。

(堀場座長)
次回はそのことについてご検討ください。今回のように相模湖という場所でやった場合などは興味があります。

(事務局)
わかりました。

(堀場座長)
その他、何かご質問あるいはご意見ございますか。

(柳川委員)
この意見集約の「情報提供・啓発」の19番に、DVDをホームページからダウンロード可能にしてほしいという要望がありますが、要するに県民が独自にミニフォーラム的なものをやったりするときに、県のホームページから、ダウンロードしてもらうようにするのは可能ですか。

(事務局)
可能です。しかし中身の画質がよいので相当重いです。このため、代わりにDVDを無料で貸し出しております。

(柳川委員)
わかりました。

(堀場座長)
パーツごとにいくつかに分けてできますよね。

(事務局)
ではそれは考えさせていただきます。とりあえず貸し出しができるという旨をPRしているもので、それでよいかと思っていたので。

(堀場座長)
今どきCDを貸してくれというのもね。ダウンロードできれば。

(事務局)
わかりました。

(堀場座長)
その他にございますか。

(北村委員)
相模湖については、船上見学当日は雪解け水が相当流れ込んで、かなり汚れている感じを受けました。カワウの糞害も実際に見ると現状を体験できるいい企画だったのではないかと感じました。

(木下委員)
今回のフォーラムで託児所を設置してもらいました。以前私も4歳と1歳の子供を連れてフォーラムに参加したことがあって、騒ぐのをとめるのに精いっぱいで何一つ覚えていませんでした。今回子供は4人だけだったと聞きましたが、子育て世代の参加を促す試みとして、第一歩を踏み出したとうれしく思っています。

(堀場座長)
最近はほとんど託児所があります。ないほうが少なくなってきましたのでよろしくお願いします。

③しずくちゃん便り第25号について

(堀場座長)
続きまして、それではしずくちゃん便り第25号について、北村委員よりお願いします。

(北村委員)
それでは「しずくちゃん便り第25号」をごらんください。第25号は第2期の締めくくりの号として、第1期計画の成果と課題と第2期計画の新たな取組をダイジェストでお知らせしています。しずくちゃん便りは県民の皆さんにわかりやすくをモットーに取り組んできました。第25号はその中でもできる限り明るいトーンで、写真を多く取り上げるようにしました。それから水源環境保全税の超過課税の概要をまとめています。また、1ページ目は、県民会議の役割を堀場座長に書いていただき、4ページ目は任期を終えてということで、各チームの皆さんにコメントを寄せていただきました。
私としましては、こうした広報紙の発行に関わったことは非常に意義があったと感じております。
ありがとうございました。以上です。

(堀場座長)
私の方から「個人県民税の超過課税の概要」について補足させていただきます。誤解されている方がいらっしゃるかもしれませんが、この300円と0.025%は個人住民税に上乗せした、何にでも使える税金であり、その意味で一般財源です。一方、これにしか使えない税金という課税方法ですと、特定財源、すなわち目的税になります。本税は一般財源の普通税です。これを基金に入れ、条例でその基金の使途を特定するという形で特定財源化しています。ですから、本税は目的税ではございませんので、この場で補足させていただきます。

(柳川委員)
すみません。この写真の「荒れた人工林」と「整備された人工林」ですが、同じ場所を比べているのですか。

(事務局)
同じ場所ではありません。

(柳川委員)
こっちの整備されている方は山北でしょうか。

(事務局)
そうです。

(柳川委員)
できれば何年の現地で、何年後整備してこうなったという書き方をしてもらうと、県民はぴんとくると思いまして。「ああ、こんなによくなったのか」と。

(新堀副座長)
そういう写真は余りないですよ。

(柳川委員)
次の課題でよろしくお願いします。

(堀場座長)
しかしこれは同じ現場の整備前と整備後のように見える。矢印があるとまずいかもしれませんね。

(北村委員)
では、課題にさせていただきます。

(堀場座長)
作業チーム皆さん大変ご苦労さまでした。事業モニターでは何度も現場に足を運んでいただいて、聞くところによると雨の中ということもあったとか。

(柳川委員)
台風のとき行きましたよ。平成22年9月8日です。

(堀場座長)
その結果が、県民フォーラムやニュースレターに結実したと思いますので、改めてご礼申し上げます。

(4)第3期県民会議への引継事項について

(堀場座長)
それでは議題(4)に進みます。第3期県民会議への引継事項です。資料7の第3期県民会議への引継書をごらんください。
県民会議の活動は平成19年の発足以来、大きな成果を上げてきたと自負しております。また専門委員会の検討事項や作業チームの活動範囲拡大に伴い、多くの成果とともに、課題も出てきたと思います。そこでこれまでの成果と課題、あるいは懸案等を平成24年度からスタートする第3期県民会議への引継事項として資料7にまとめました。新体制の円滑な運営のお役に立てばと思います。また、10名の委員からこれまでの県民会議の活動に関する所感を寄せていただきました。
引継書の個々の内容につきましては、各委員長と各チームリーダーにご説明いただきたいと思いますが、ご意見、ご質問に関しましては後ほど一括してお願いしたいと思います。
最初に、施策調査専門委員会の田中委員長からご説明をお願いします。

(田中委員長)
資料7の2ページ目からが施策調査専門委員会の5年間の成果と課題です。2ページには過去5年間の主な取り組みの経過を年次ごとにまとめています。初年度の平成19年度は「良質な水の安定的確保」という効果をどのように計るのかということで、評価の流れ図を整理し、評価体系をつくりました。さらに森と水それぞれについて水環境モニタリングをどのように行うか。特に新しい試みである対照流域法は技術的、専門的な観点から検討しました。
平成20年度は、前年度の実績をまとめた点検結果報告書案を作ろうということになりまして、12の特別対策事業の点検を行い、その報告書の原案を作成し、県民会議に提案しました。最終的には、本日と同様、知事に提出しました。
平成21、22年度はこの点検結果報告書の取りまとめと同時に平成24年度から始まる第2期5か年計画にどのように引き渡していくかということで、特に平成21年度からは課題を抽出しながら次期5か年に向けて論点を整理してきました。さらに平成22年度は、次期5か年計画に関する意見を意見書案としてまとめ、これも最終的には県民会議で議論し、平成23年の5月に知事にお渡ししました。
今年度につきましては、例年と同様に特別対策事業の点検を行い、点検結果報告書案をまとめました。また、森林生態系評価あるいは効果把握のあり方についても意見交換をしました。それから、後ほど提起させていただきますが、第2期5か年計画で水源環境保全税を投入して実施する山梨県側の上流域対策の効果をどのように把握するのか。次期計画ではこれが重要な課題になっており、これについても意見交換させていただきました。
3ページには課題を4点まとめました。1点目は「森林水循環を考慮した森林生態系の効果把握のあり方」ということで、第2期5か年計画に向け、水源環境保全・再生施策の効果を森林生態系の視点も含めて多面的に把握し、その結果を県民にわかりやすく説明する、あるいは発信していくことが大事であると繰り返し言われていますので、そういう点で、現在の評価に加え、水循環を考慮した森林生態系の要素を加えながら、評価あるいは効果把握の仕方を追求していきたいと考えています。ただし、その概念も効果測定方法もまだ開発途上のところもありますので、水源環境保全との関係性や、現行の評価体系における位置づけ、さらには現行のモニタリング手法の活用、モニタリング結果の活用など、各方面の意見を聞きながら慎重に検討する必要があるというものです。
第2の課題は、事業モニターの関係です。点検結果報告書では、目標に対する進捗や費用など定量的な事業評価には1つのパターンができてきましたが、そこに質の評価が入ってきていないということがありました。そこで、県民会議では委員が事業モニターで現場を見て評価していますので、この事業モニターと、従来から行ってきた定量評価、これらを重ね合わせてどのような総合的評価をするかということです。その際には点検結果報告書の作成の仕方あるいはその運用も少し工夫が必要だと考えています。
3点目は県民の理解をさらに深めるという課題。さまざまなモニタリング、あるいは新しい森林生態系の視点も含めた評価が課題になっていますが、事業に対する県民理解を一層促進するために、写真や文献といった媒体も使用しながら、あるいは新しい評価体系について情報提供していく必要があるということです。
4点目は県外対策、山梨県との関係です。第2期5か年計画から本格的に山梨県との共同事業がスタートし、神奈川県民から集めた税金を一定額山梨県に提供して、事業を行っていくことになりますが、その評価をどうするのかということです。つまり県民に対する説明責任として、水源環境保全税が使われ効果が上がっていることを説明する必要があります。そのためにはこの新しい枠組みでの森林整備事業について評価手法をきちんとつくり上げなければいけないのですが、その場合、山梨県との関係もあります。山梨県側が行う事業であり、どういう形で独自の視点あるいは県民会議がこれまで蓄積してきた視点をつけ加えるかが課題です。また、これまでの神奈川県側の評価手法との整合性あるいは継続性、この点についても配慮が必要かと思います。
最後に4ページは「特記事項」として、森林生態系の効果把握に当たり、水源環境保全・再生施策との整合性について留意すること。それから点検結果報告書に事業モニタリング結果を反映させる際は、県民目線の評価と定量的な評価との結びつきが必要であることをつけ加えさせていただきました。
以上です。

(堀場座長)
ありがとうございました。続きまして、市民事業専門委員会について沼尾委員長、お願いします。

(沼尾委員長)
資料の5ページをごらんください。こちらに「5年間の成果」として、市民事業専門委員会での検討状況について整理しました。初年度は市民事業支援のあり方について、アンケートやヒアリングを行い、補助金制度とともに財政的支援以外の施策が必要であるという意見をまとめました。平成20年度は、その仕組みのもとで補助金制度を創設し、選考会もあわせて行いました。また、補助金以外の支援として事業報告会や情報交換会の仕組みをつくりました。平成21年度は、実際に交流会を実施するなどの取組をすすめました。平成22年度には支援制度を使い勝手のいいものにしようと調査を行い、平成23年度に最終的な支援補助金制度の改革案を取りまとめ、新しい制度で今回選考会を行ったところです。
6ページには市民事業専門委員会として、6つの課題を掲げています。1つ目は、平成24年度から補助金制度のステップアップ方式がスタートしましたが、その効果を検証して、さらなる制度改正を検討する必要があるということ。また、高度化支援を終えた団体のその後の活動に対する支援のあり方も課題となっています。
それから2点目として、財政面以外での市民活動への支援のあり方をどうするかということです。現在は県のホームページやニュースレター、このほか従前からのメーリングリストや情報バンクの掲載、あるいは団体間での情報の共有や連携の仕組みをサポートするなど意見は出るのですが、進みづらいところもあり、引き続き検討する必要があります。
3点目としては、市民事業交流会の実施方法です。これまでも中間報告会や選考会を兼ねた交流の場を設けてきました。また、今年度の秋の交流会では現地での研修会を初めて実施しました。内容については賛否両論ですが、今後何をねらいとしてどのような内容でどう実施していくかが課題です。
4点目は事業報告会ですが、現在2次選考会とあわせてやっており、次年度も応募する団体は必ず来られるものの、次年度のない団体は「もらうものはもらったし、事業はやった」ので、欠席するケースが出ていまして、課題になっています。税金を使って活動しているのだから、公開の場で報告してほしいと思いますが、団体の方では事務運営を非常に厳しい人数、資金でやっている実態があり、資料作成にそれだけの人手を投入できない実状もあるようです。それらの事情を含め、今後のあり方を検討していく必要があるということ。
それから5点目としては、今度、横浜、川崎といった都市部における市民事業への支援、水源地以外の水源環境保全・再生に関する市民活動の活性化が問題になってきていまして、これをどう支援するかということです。現在の補助金制度ですと、水源地域での活動を軸とすることを要件としているので、横浜での活動については補助制度が使えませんので、そのあたりの普及・啓発や教育事業に関する要件を緩和することも含めて、今後の検討課題として残されています。
最後に高度化支援を終えた団体と県との協働事業の実施に向けて実現可能なスキームを検討する必要があるということ。そのほか団体からは、用地の確保や実施しやすい環境ということで、県から各市町村に働きかけてほしいとか、あるいは技術的な指導、意見交換の場が欲しいなど今後の検討課題としています。
以上です。

(堀場座長)
ありがとうございました。それでは沼尾先生は所用によりここでご退席されますが、先生は今月末をもって県民会議委員をご退任されるということですので、本来ならば最後にごあいさつしていただくのですが、急ですが、ここでごあいさつをお願いします。

(沼尾委員長)
一言だけごあいさつ申し上げます。
今日ここに来たときに、先ほど新堀副座長ともお話ししたのですが、この会議室は水源環境保全税の創設に当たって毎回会議で使用した部屋でして、本当に久しぶりにここに足を踏み入れ、そのときのことを懐かしく思い出しました。早いもので当初の生活環境税制という構想から始まった水源環境保全・再生に向けた取り組みも5年目が終わりました。10年近く、関わらせていただき、勉強させていただきました。水源環境保全・再生に向けた取り組みは着実に進んでいます。ただ、日本全体の状況を見ますと、今の消費税増税の議論を見ても、政府とか行政に対する信頼は得られず、税を取ったが何に使われているかわからないし、納税したくないという意見も多いわけです。そういう中で神奈川県のこの取り組みは、当初から参加型税制を打ち出し、税をどう取って、何に使い、効果があったかを、議会以外のところでもきっちり評価しながら育てていこう、その思いがここまで県民会議を進めてきたと思います。これはこの国の財政民主主義に対する自治体側からの壮大な社会実験としてぜひとも続けていただきたい。間違っても道路特定財源のような末路にならないように、その使い道、あるいは税率も含め、これで一般財源とは別の財源を確保したというようなことにならないよう、県の皆様にも頑張っていただきたいと思いますし、県民会議のこれからを私も一歩離れたところから見守っていきたいと思います。
今日うれしかったのは、モニターの調査結果で「2」という評価が出ましたよね。5、6年前や7、8年前なら、こんな結果は出せないという県側の体質もあったと思います。悪い評価も赤裸々に出しながら、どうしていくか前向きに考えていくことが、参加型の非常に厳しいところで、県側も腹をくくらないとできないことですが、そこで腹をくくれるのが神奈川県のよいところだと思いますので、ぜひともその魂を引き継いでいただきたいと思います。これから県民会議委員を続ける皆様にしっかりとチェックしていただき、私も含めて退任委員の方々も見守りながら、この仕組みが有効に、水源環境が次世代に美しい形で継承されていくことを祈りたいと思っております。ありがとうございました。

(倉橋委員)
沼尾先生に感謝の気持ちを一言だけ申し上げます。先生には新事業を精力的にやっていただき、お忙しい中大変だなと感じておりまして、それを5年間やっていただいたことに感謝いたします。

(堀場座長)
それでは、沼尾委員長、どうもありがとうございました。

―拍手―

―沼尾委員長退席―

(堀場座長)
引き続き、事業モニターチームから説明していただきます。柳川委員、お願いいたします。

(柳川委員)
事業モニターチームですが、引継書の7、8ページをごらんいただければ一目瞭然かと思います。特に、先ほど田中先生からお話しいただいた、昨年の夏から秋にかけて行った事業評価ワーキンググループによる検討結果が第3期県民会議の事業モニターの大きな成果につながると思っています。
簡単ですが、以上です。

(堀場座長)
ありがとうございました。続いて県民フォーラムチームについて、久保委員、お願いします。

(久保委員)
県民フォーラムチームは引継書の9、10ページになります。平成19年度から平成23年度にかけて14回実施しています。県西地域から横浜、川崎まで、県内を2巡した結果がここに出ています。参加総数は2、324名、意見数727件で、決して多いとは言えませんが、かなり的を射た意見が出ていると感じていまして、各意見に対してはその場で、またはその後にホームページで回答しております。9ページの表からは、参加人数と意見数は必ずしも比例していないことがわかりますで、今後はできるだけ多くの方に来ていただく工夫する必要があると思います。
5年間の課題は、引継書の参考資料の中に5点ほど出ています。今後の対応方向についても書いてありますので、次期委員の方々に検討していただきたいと思います。
以上です。

(堀場座長)
それではコミュニケーションチームについて、北村委員、お願いします。

(北村委員)
コミュニケーションチームについては引継書の11、12ページに記載しています。コミュニケーションチームの役割は、県民の皆さんにわかりやすく情報提供することありまして、はニュースレター「しずくちゃん便り」を発行して情報提供することがメインで、平成20年度~23年度にかけて25号発行しました。もう一つは県のホームページですが、県民の目線からわかりにくいと感じた点を見直す取り組みもしています。
課題については、情報提供等ワーキンググループの最終報告として、「しずくちゃん便り」の配付先の見直し、また「しずくちゃん便り」以外の情報提供ももっと幅広くやった方がよいのではないかなどです。DVDを学校に提供したり、インターネット等の広報ツールを使って県民の皆様に報告する手法を考える。それが次期の課題になってくると思います。
以上です

(堀場座長)
それでは全体を通じまして、どの委員会やチームに対してでも結構ですので、ご質問等がございましたら。どうぞ。

(北村委員)
県外上流域対策の評価ですが、これは次期計画における新しい事業ですから当然批判なども出てくると思います。評価手法については山梨県側との整合性などよく考えていただくとして、基本的にはまずこの事業をうまく定着させることが大事だと思いますので、ご努力をお願いしたいと思います。

(田中委員長)
はい。大変難しい課題ですけど。

(堀場座長)
その他にどうですか。それでは引継書につきましては、一旦事務局にお預けして、第3期の第1回目の県民会議で改めて委員にご説明し、評価手法などを新たなメンバーによる委員会でご検討いただきたくようお願いします。

報告事項

(1)県民会議意見への対応状況について

(2)平成24年度当初予算について

(堀場座長)
次に、事務局より報告事項が2点ほどございます。

(事務局)
では資料8をお願いします。「県民会議意見への対応状況について」です。これは、この5年間に県民会議からいただいたご意見について施策への反映状況を整理したものです。ご意見は裏面に整理していますので、後ほどごらんいただきたいと思います。1の「意見件数」と内訳ですが、「森関係」では、1の水源の森林づくり事業の推進で39件など、小計で81件。「水関係」では、8と9の下水道や合併処理浄化槽の整備促進で18件など、小計で39件。「保全・再生を支える取組」では、12の県民参加の関係で60件など、小計で84件。合計で204件でした。
2の「主な意見」ですが、森関係と水関係から1つずつご紹介させていただきます。森関係では、水源の森林づくり事業をシカの保護管理と連携して推進すること。水関係では、河川・水路の自然浄化対策の整備について、例えば汚染源対策とセットで実施することも1つの方法というご意見をいただきました。
これに対する県の対応ですが、3ページをお願いします。3ページのNo.21が先ほどの意見です。同様の意見をNo.28までいただいています。右の「県の対応状況」は、第2期では、これまで実施していなかった高標高の山稜部や中標高の森林整備実施箇所周辺でのシカ捕獲を実施するとともに、シカの生息密度が高い地域では森林整備箇所に植生保護柵を設置するなど、シカ管理と連携した森林整備を実施します。また、これらの取り組みについては、従来のモニタリング調査の中で効果を検証します。
次に11ページをお願いします。「水関係」のNo.1の河川・水路の整備手法へのご意見に対する「県の対応状況」として、第2期計画では、河川等の整備事業と一体として行う河川の水質に影響を及ぼす生活排水への対策、具体的には合併処理浄化槽への転換ですが、これも自然浄化対策の対象とすることにしました。県の対応状況をご覧になり、ご意見、ご質問等がありましたら、遠慮なくいただきたいと思います。
報告事項の2点目は平成24年度の当初予算についてです。資料9をご覧ください。第2期5か年計画に基づき、平成24年度も引き続き12の特別対策事業を推進する旨を一番上に記載しています。中ほどの表は12事業の体系図です。一番下の表は事業費及び資金の流れです。
裏面は水源環境保全税による事業費を示しています。森林関係事業の取り組みは、27億7,000余万円。内訳は「水源の森林づくり事業の推進」以下、記載のとおりです。水関係事業では、12億100余万円。水源環境保全・再生を支える取り組みでは2億700余万円です。右下の平成24年度特別会計の当初予算額は41億7,900余万円です。資料には記載していませんが、平成23年度当初予算の43億3,300余万円と比較しますと、マイナス1億5,400万円です。これは平成23年度が第1期計画の総仕上げということで積極的に予算を組んだことによるものです。
以上です。

<各委員あいさつ>

(堀場座長)
これをもちまして、本日の議事はすべて終了しました。
それでは引き続き、第2期県民会議の締めくくりとして、各委員の皆様からご感想など、ごあいさつをいただきたいと思います。なお、四者協議会の委員は最後にお願いします。
それでは、北村委員からお願いします。

(北村委員)
先日の県民フォーラムで、淺枝先生もおっしゃっていましたが、行政にお任せするだけでは身近な問題を解決できない時代に入っているのではないかと思います。県民会議に参加して、自分自身ひしひしと感じています。やはり地域に暮らす人たちが、あるいは団体の人たちが参加しないといけないのではないのかと感じています。そのきっかけやみんなが共通認識を持つにはどうすればいいか、こういう県民会議のような、皆さんが集まって問題点を共有することがとても大事だと思います。この県民会議の機能を高めて発展させていくことがこれから大事だと感じました。
それからもう一つ、最近の新聞記事に水源地域が外国資本に買収されているとあり、北海道などはすでに何百ヘクタールも買われているようで、そういう点も我々で認識して取り組まなければいけないのではないかと思っています。
どうもいろいろとお世話になりました。ありがとうございました。

(堀場座長)
次に、井伊委員、お願いします。

(井伊委員)
神奈川県がダムを4つ持って100%自前の水源を持っていることを知ったとき非常に感心したというか、素直に喜んだというか、単純にすごいと思いました。同様にこの水源環境保全税の仕組みや、県民会議の仕組みについて、すごいことをやったものだと思いました。ダムを作った人たちは50年前ぐらいに将来に向けて準備したわけですが、この水源環境保全税の仕組みや県民会議の仕組みでも、将来、何年か、何十年か後の人たちが、「いや、すごいことをやったもんだ」と感心するのではないか、またそうなるようにしていかなければいけないと思います。そういうところに自分が関与し、いろいろと話を聞かせていただいて、非常に勉強になり、うれしく思っております。ありがとうございました。

(堀場座長)
次に、天野委員、お願いします。

(天野委員)
この水源環境保全税の創設は本当に画期的なことだと、これはおそらく皆さんとは別の角度からよかったと思っています。私は約22年、津久井の行政をお預かりしました。左手で宮ヶ瀬ダム建設の補償問題、右手には50年前、40年前につくった津久井湖、相模湖のアオコ汚濁問題がありました。津久井郡は小さな町でしたが、昭和40年以降、たくさんの人が移り住んできて、湖が汚いのは相模湖や津久井の首長の責任だと激しく追及されました。ですから左右両手に水問題を抱えながら、最終的には県が関与してもらわない限りこの問題は解決できない、つまり財源だということで、先輩の町長たちと努力し、この5か年計画でそれなりの成果を出したと思います。過去50年、60年の間、神奈川県だけでなく、日本全体の森林政策が植えろ、育てろだけで荒廃の一途をたどってきた、それは国の政策的な問題だと思います。一方で、昭和22年に相模湖、昭和40年に津久井湖が完成し、水質なんていうことは全く考えずに量的確保だけをやって放置してあったわけですから、今日のいろいろな問題は当然の結果だと思います。また、私の考えでは、一定の成果を出すには経過した年数の半分ぐらいは時間が必要だと思っています。私はこの県民会議の役割も、この制度の創設も本当に画期的なことだと思って、その一員に入れていただいて、本当に感謝申し上げる次第です。

(堀場座長)
次に、湯川委員、お願いします。

(湯川委員)
この水源環境保全税がなければ、我々のような面積の広い町では水の浄化や、森林を守ることは非常に大変です。水源環境保全税には感謝しております。また現在、高度処理型の合併浄化槽設置なども、人口減少に伴い、自治体だけでこの面積を維持するのが財政的に苦しいところがあり、それらの面もあわせまして、ぜひともなお一層の皆さんのご協力をいただければと思っております。本当にありがとうございます。

(堀場座長)
次に柳川委員、お願いします。

(柳川委員)
私は川が大好きで、きらきら光る川の流れを何とか守り続けていきたいと頑張ってきました。今回、県民会議の委員をやらせていただき、たくさんの人から森への思い、川への思い、自然環境保全の大切さなどをさらに教えていただきました。また、担当の星崎課長さんや河原課長さんにいろいろお世話になり、自然を深く、物事を多角的に見られる自分になりつつあると、5年間の皆様とのつながりの中でそういうものができてきたと大変ありがたく、感謝でいっぱいでございます。

(堀場座長)
次に増田委員、お願いします。

(増田委員)
県民会議という仕組みはできた、ではどうやって運営していこうかと、当時の第1期の公募委員を中心として非常に熱気を帯びて、市民事業委員会や施策調査委員会、その後の県民フォーラムやニュースレターの発行へと実を結んでいったことを思い起こしました。次期5年につきましては、きょうも各施策や市民事業にも課題が出ていましたが、それらの課題に取り組み、成果が結実するよう進めていければよろしいのではないかと思います。ありがとうございました。

(堀場座長)
次に、原委員、お願いします。

(原委員)
私はこの神奈川県の問題については、丹沢大山の総合調査で関わらせていただくようになりました。また、e-Tanzawaというシステムをつくり、いろいろな形で利用していただいています。ただ、この県民会議が始まったころ、ちょうど本業の方が忙しくなり、出席できないことが多く大変心苦しく思っていましたが、田中先生の委員会にはなるべく参加して、意見を出したつもりです。
自然生態系の問題は、時間をかけないと結果が出てこないものが多くて、科学的にというのは非常に難しいことです。また、県民の税金の使い道をオープンにするという姿勢は非常に称賛すべきものです。ただ、この間の地震や大雨のように大きな災害で、歩みががらっと変わることもあるので、また難しい。そこをどうやっていくか、森林生態系という新しい枠組みが始まるようですので、ぜひいい結果が出るように期待したいと思います。
最後に、私は千葉の東京情報大学にいますが、神奈川県民はtaxpayerとして本当にハッピーだなと感じております。勉強させていただきました。どうもありがとうございました。

(堀場座長)
次に、林委員、お願いします。

(林委員)
水源環境保全税については、何年かたって、また関わることになろうとは思っていませんでした。ただ、事業の現場に行って、大勢の方がこの水源環境の保全・再生に携わっていることを学んだことは非常によかったと思っています。先ほど新堀副座長が私のほうを見ながら、県民の理解がまだまだとおっしゃっていました。メディアももう少しがんばってくれということかなと思いつつ聞いておりました。ありがとうございました。

(堀場座長)
次に、服部委員、お願いします。

(服部委員)
私は23年7月から参加しました。森林、山の整備は確実に進んでいると実感しています。本当に暗くて、土砂が流れて、ちょっと憂うつになる山が、明るくなり、すぐ入れるようになりました。ただ、やったことが水の量と質とに関わっているのか、影響するのか、効果があるのか、そこのところはまだ示されていない状況です。科学的に難しいところはありますが、しっかりと議論していく必要があると思います。
もう一点、私は市民事業専門委員会に参加させていただいて、この3月に第2次審査にも参加させていただきましたが、団体の収支を見ると、支援がないとやっていけないというのが現状かと思います。今回、補助事業を定着から自立へと、ステップアップ方式に改正しましたが、その効果をしっかりと検証していかなければいけないと思います。各団体が自立するためどうしたらいいのか、団体も含めてしっかりと議論して、自立化に向けた取り組みをしていく必要があると思います。
以上です。ありがとうございました。

(堀場座長)
次に、髙橋二三代委員、お願いします。

(髙橋二三代委員)
5年前、公募委員に応募した際、私は秦野市で生まれ育ったのですが、水に対する不自由は何もなかったと書きました。次世代の子供たちにも水のことでつらい思いをさせないよう、この県民会議に参加できて、とてもありがたいことでした。ただ、よく枠組みの中に県西地域、2市8町のエリアが書かれていますが、公募委員として約36万人の中の1人が私の名前になっている、公募委員とは何だろうとつくづく思います。
しずくちゃん便りを、すそ野を広げようと80部を預かり、分けて発送して読んでくださいとお願いしました。また、市民事業の書類も小田原、山北、南足柄のボランティアの人たちに配ってお願いするのですが、支援団体の中に名前が挙がってこないので、支援が要らないのか、はたまた面倒くさいのかなと。5年たってもなかなかすそ野が広がらないことが残念ですが、これからも折に触れ、県民会議で行ったことを生活の中に活かしていけたらと思います。もし配付などでお手伝いができるのでしたら、これからもさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

(堀場座長)
次に、高橋弘二委員、お願いします。

(高橋弘二委員)
あっという間の5年間でした。振り返って一番印象に残るのは、現場に出かけていく事業モニターです。みんなで見て、いろいろと意見交換ができました。現在、子供たちの環境教育や市民団体の環境教育をやっていますので、機会があれば水源環境の話をしていきたいと思っています。
それと私が提案して1回だけ実現しましたが、一般県民対象の事業モニターを、来年度もやっていただければ、ぜひ私も参加したいと思いますので、よろしくお願いします。
ありがとうございました。

(堀場座長)
次に、小林委員、お願いします。

(小林委員)
私はこの県民会議に参加し、丹沢大山の森林の荒廃が大分深刻であることに驚きました。特に丹沢の堂平に整備されている植生保護柵の中と外を見たときは、非常に驚きました。シカ対策、保護管理が非常に重要だと痛感しました。シカ対策は次期5か年計画に盛り込まれて、大変よかったと思います。この水源環境保全・再生事業が将来の目標に向かって着実に展開されることを期待しています。3年間大変お世話になりました。ありがとうございました。

(堀場座長)
次に、木平委員、お願いします。

(木平委員)
この5年間、委員の方、県庁の方と大変楽しい時間を過ごせました。ありがとうございました。ところで、このたび、丹沢の自然再生の状況について書いた本を出します。オールカラーで、ページ数は1,500を超えるものです。丹沢の自然再生に関わった方々にいろいろと書いていただきました。この本がやがて書店に並び、こういうものを通じて多くの方に知っていただきたいというのが私の気持ちです。
以上です。

(堀場座長)
次に、倉橋委員、お願いします。

(倉橋委員)
5年間皆さんとご一緒し、しゃべってばかりでご迷惑だったかもしれませんが、私自身、相模川水系流域の環境保全をしていて、身近というか、活動そのものですから、つい熱が入ってしまうこともたびたびありました。またいろいろなことを学ばせていただきましたし、先生方や県の職員の方々のご努力、膨大な資料を職員の方々が徹夜をされてつくっていることも感謝しながら、よりよい水源環境を私たちの目でしっかりと見ていくためにも、これからも何か事業ができたらと思っています。私はまた第3期の2年間もやらせていただくことになりました。皆さんとはお別れになってしまいますが、退任される委員の方々には今後もぜひ関わっていただきたいということをお願いしてあいさつとさせていただきます。

(堀場座長)
次に、久保委員、お願いします。

(久保委員)
委員になって3年がたちました。初めは山が荒れているなという感じを持ちました。最近、檜岳へ登ってみると、上の方まで手が入っていて、それが水源環境保全税かどうかはわかりませんが、だんだん変わってきたことは実感しています。そのほか、事業モニターで丹沢山など見せていただき、いろいろなところで非常によいことをやられていることを理解しました。これをいかに丹沢全体に展開していくかが、今後の大きな課題ではないかと思います。植生保護柵についてもどう展開をしていくのか、県民にわかるようにやっていただければ、理解も深まると思います。それから山梨県の問題ですが、源流が山梨のほうにあるのですから、そこへ入っていかないと解決しないという認識を持ちました。いろいろな機会を与えていただき、理解も深まって、これを周囲に広めていきたいと考えています。私ももう2年継続することになり、この経験を今後のお役に立てたいと思っています。また、倉橋さんの言われたように、そのたびごとにすごい量の資料が出てくるので、作られる方に感謝しています。どうもありがとうございました。

(堀場座長)
次に、木下委員、お願いします。

(木下委員)
3年間公募委員を務めさせていただきました。3年前委員になった直後に、私ごとですが、妊娠が発覚しまして、委員を続けさせてもらえるのかちょっと不安でしたが、皆さんに温かく見守っていただいて、おなかが大きい中でモニターに参加したり、乳飲み子を連れて参加したこともありました。フォーラムやボランティアの方を見ると、団塊世代の方がすごく頑張っていらっしゃって、子育て世代も頑張らなければいけないと思いました。この間のフォーラムで託児所を設けていただいたように、子育て世帯も参加できるようにすることも検討の1つに入れていただきたいと思います。親たちも子供の飲み水には神経質になっていますし、子供の将来の自然環境にもすごく興味もありますので、機会があれば勉強したいという人も多いと思います。先ほど高橋弘二委員がおっしゃったように、一般県民対象の参加モニターもぜひ親子バージョンをしていただければ、私も参加したいと思います。3年間本当にいろいろと経験させていただいて楽しかったです。ありがとうございました。

(堀場座長)
ありがとうございました。それでは、新堀副座長、お願いします。

(新堀副座長)
水源環境の保全・再生は、岡崎知事時代の終わり頃から始まったのですが、丹沢大山を中心とする自然の問題については、私は昭和20年代から関わってきました。丹沢全山を歩き切り、昆虫の調査も2回ほど徹底的に調べたこともあります。少なくとも昭和30年代、40年代はどの沢にも豊富な水が流れていました。それが昭和50年代中頃からだんだん水が減ってきて、上の木を切り過ぎたとか、枯れたとか、山の保水力が減ってきたことがはっきりとしてきました。今の水源環境問題は、全部が丹沢ではありませんが、県民の飲んでいる水の相当部分が丹沢山系から生み出されていることだけは間違いありません。そういう意味で、丹沢を守ることをずっとやってきて、ある程度の成果を上げたと思いますし、県も本気になって丹沢を守ってくれるようになってきました。ですから、これからは決して悪い方向には向かないと思っています。しかし相手は自然です。人間の力が関わるほどもろくなっていきます。そういうことを考えながら5年間皆さんと一緒に勉強し、検討し、かなり具体的な話し合いもできました。この力と知識を全て注いでほしいと思います。
私は今期をもって委員を退任させていただきますが、引退しても、この水の環境を見続けていきたいと思います。こういう問題は現場を見ていることが一番大事です。どうかみなさん、現場の状態を十分に理解し熟知して、これからの神奈川県民の水のためにご努力願いたいと思います。どうもありがとうございました。

(堀場座長)
ありがとうございました。それでは田中委員長、お願いします。

(田中委員長)
5年間皆さんと席を共にし、あるいは現場を一緒にさせていただいてありがとうございました。施策調査専門委員会の委員長を務めましたが、森林や水源環境のモニタリングをいかに測定するか、その効果、評価のあり方など、大変専門的で、かつ技術的なところもあり、なかなか難しいものでした。水源環境保全税と同じようなものは全国に30以上あるようですが、ここまで徹底的にやっている例はないのではないかと思うぐらい本格的に、体系を組んでやっていると思います。微力ではありましたが、一助として多少なりとも貢献できたことは大変うれしく、誇りに思っています。どうもありがとうございました。

(堀場座長)
ありがとうございました。
最後に私からごあいさつ申し上げます。私も本日をもって座長を退かせていただくことになりました。ご承知のように、この税は横浜国立大学の金澤先生が神奈川の税調の一員として神野先生のもとでつくられました。全国に先駆けて参加型税制をつくりたい、県民参加型の組織をつくりたいと。通常、我々専門家は税を作ったらそれでおしまいなのですが、的確に実施されていることを点検する組織体までつくることになり、これは日本で唯一だと思います。画期的な税制であり、組織体であったと思います。金澤先生が残念なことに途中でお亡くなりになり、実は私は環境の方は全く専門外ですが、先生の熱き思いをだれかが引き継がなければいけない、少なくとも後退させてはいけないということで、第2期県民会議の残りの2年間、責任をとる形で急遽やらせていただきました。不手際も多々あったかと思いますが、金澤先生の熱意に免じてお許しいただければと思います。それで私なりに判断して、第3期からは新たなメンバーにバトンタッチしたいと思います。税調の座長はやっていますので、黒岩知事から太陽光の税制をつくるという難問をいただいており、何とかしなければいけないと、税の方では神奈川県は地方のトップを走る役割をいつも担っておりますので、今回もまた最初の税制ではないかと思います。そういうことで、多々不手際があったかと思いますが、お許しいただければと思います。
先日イタリアへ行き、つくづく日本は美しい、水源豊かな国だと思いました。ぜひこの県民会議がうまく運営され、事業が円滑に実施されることを願っています。ありがとうございました。
それでは最後に、石黒環境農政局長よりごあいさつがございます。

(石黒環境農政局長)
堀場座長、新堀副座長はじめ、第2期県民会議委員の皆様にはお忙しい中、精力的に活動していただいたことに敬意を表しますとともに、厚くお礼申し上げます。平成19年度からスタートした第1期5か年計画の取組が円滑に進んだことは、県民会議の力によるところが大変大きいと思っています。皆様のお力で全国に例のないこの参加型税制の形をつくっていただいてきたことに本当に感謝申し上げます。平成24年度からは第2期5か年計画がスタートしますが、この参加型税制の考え方をしっかりと基本に据えつつ、これまで継続した取組に新たな取組を加え、水源環境保全・再生の着実な推進を図っていく決意でございます。引き続き、ご指導、ご支援、ご鞭撻を賜りますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。どうもありがとうございました。

(堀場座長)
それでは、これをもちまして、第19回水源環境保全・再生かながわ県民会議を閉会いたします。委員の皆様、県職員の皆様、ありがとうございました。

(以上)

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会議資料

資料1-1 点検結果報告書(平成22年度実績版)(案)
資料1-2 点検結果報告書(平成22年度実績版)の「総括」(案)に対する意見等
資料2 平成24年度「森林水循環を考慮した森林生態系の効果把握のあり方(仮)」に関する検討の考え方
資料3 水源環境保全・再生市民事業支援補助金 年度別申請事業数及び金額一覧
資料4 平成23年度第3回~第5回事業モニター報告書
資料5 第14回県民フォーラム活動結果報告
資料6 ニュースレター「しずくちゃん便り第25号」
資料7 第3期県民会議への引継書
資料8 県民会議意見への対応状況
資料9 水源環境保全・再生への取組み(水源環境保全・再生事業会計)

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このページの所管所属は環境農政局 緑政部水源環境保全課です。