ホーム > 健康・福祉・子育て > 福祉 > 地域福祉・助け合い > バリアフリーの街づくりについて > みんなのバリアフリー街づくり条例 > 第3回みんなのバリアフリー街づくり条例整備基準見直し検討会議(会議結果)

更新日:2024年3月11日

ここから本文です。

第3回みんなのバリアフリー街づくり条例整備基準見直し検討会議(会議結果)

会議結果

次の審議会等を下記のとおり開催した。

審議会等名称

第3回神奈川県みんなのバリアフリー街づくり条例整備基準見直し検討会議

開催日時

令和4年12月27日(火曜日)14時00分から16時00分

開催場所

波止場会館 3階中会議室

出席者【会長・副会長等】

石渡和実【副会長】、大原一興【会長】、金子修司、山口英生〔五十音順、敬称略〕

所属名

地域福祉課 調整グループ

電話 045-210-4804(直通)

ファックス 045-210-8874

掲載形式

議事録

審議(会議)経過

(事務局)
ただいまから第3回神奈川県みんなのバリアフリー街づくり条例整備基準見直し検討会議を開会します。本日進行の県地域福祉課の佐野です。どうぞよろしくお願いします。まず県地域福祉課長からご挨拶申し上げます。

(河田課長)
あらためまして皆様こんにちは。地域福祉課長河田でございます。本日の整備基準の見直し検討会議も3回目を迎えることができました。年末のお忙しい中の開催になりましたことをお詫びするとともに、ご出席いただきました皆様、本当にありがとうございます。心よりお礼申し上げます。
今回が3回目ということなんですけども、第2回目が10月18日、2ヶ月前ということでお時間経っておりますので、少しだけ振り返りますと、第2回の時には整備基準見直しの方向性と対応方針、そして各土木事務所や特定行政庁を始めとした関係団体からの意見照会の結果を、事務局の方からご説明、ご報告をさせていただき、様々なご意見をいただいたところでございます。そしてそれを踏まえまして、本日第3回の会議では、改正整備基準の内容につきまして、ご議論をいただけたらと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。県としてもバリアフリーにしっかり取り組みたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

(事務局)
ありがとうございました。今日ご出席の委員の方は、名簿に記載の通りでございます。検討会議の事務局は地域福祉課が担当しております。また、今日は県から道路管理課、建築指導課も出席をしております。よろしくお願いいたします。
次に、本日の配付資料ですが、今日の資料は次第、出席者名簿、座席表、資料1、資料2、参考資料が1から7、またご参考として整備ガイドブックを配付してございます。資料は以上となりますが、過不足大丈夫でしょうか。
会議の記録につきましては、委員の名前を記載し、内容を要約した形で、会議終了後、県のホームページに掲載する予定でございます。あらかじめご了承ください。
皆様のお席の前のマイクは会議録を効率的に作成するための録音機器です。皆様に会議中操作いただく必要はございませんので、あらかじめご承知ください。
また、本会議は、附属機関の設置及び会議公開等運営に関する要綱に基づいて傍聴を認めてございますが、本日は傍聴の希望の方はいらっしゃいませんでした。
それでは早速議事に移らせていただきます。ここからの進行を大原座長、よろしくお願いいたします。

(大原座長)
今日もよろしくお願いします。ということで、具体的な基準の改正案が今日出てきて、それについて具体的な案としてどうしたらいいかという検討を今日していただくということになると思います。議題は「整備基準の内容について」という一言で書いてありますが、資料1が今日の説明資料だと思いますけど、資料1の最初のところに項目が(1)から(7)まで書いてあります。(1)、(2)と(3)から(7)という、この2段階に分けて、時間を区切って協議していただければということですので、そのようにしたいと思います。前半は、この項目の(1)、(2)ということについて説明いただいて、そこでご意見いただくということで、ほぼ1時間弱ずつ、前半・後半という形で進めていきたいと思います。
それでは早速、事務局から説明をお願いいたします。

(事務局説明)

(大原座長)
それでは(1)と(2)について、それからスケジュールについて、最初に説明がありましたけれども、特に(2)のアとイのトイレの機能分散と乳幼児設備についてはすぐにでも決めて、パブリックコメントに向かっていきたいということですね。具体的にどうでしょうか。
(1)に関しては、ただし書きの適用という形で具体的な条件に即したものをできるだけ分かってもらうというか、事業者が実現しやすいように入れていくという基本方針ということで、個別にどこの項目でどうというただし書きについて今日は議論するのですか。

(事務局)
参考資料1の1ページ目の四角囲みの6個目までは、すでに逐条解説にあるものや、QAを行政内部で書き溜めているものを、ここに改めてピックアップしたもので、これをきちんと皆さんに周知をしていきましょう、というのが一つの案です。
その他に、7個目のポツから下線部が引いてありますが、会議を踏まえた対応の方向です。車椅子使用者も含む高齢者の介護サービス施設ですとか、そういった入所機能を有していて、特定の方が利用する施設等において、常時職員が適切に介助を行える施設においての出入口や廊下等、また、児童の関係ということで、この二つについては東京都の運用を参考にここに記載させていただいています。もともとの資料で、特に小規模な福祉施設等で主な利用者が固定されている場合、介助の知識を有する職員の常時配置の状況に鑑み、一定の柔軟な対応が可能ではないかというところの一つの対応案として出しています。
ここに書いてあるだけじゃなくて、当然ただし書き適用なので、運用の中で個別のケースが出てくれば、都度対応していくものになりますので、今のところ出せるものとしてはこのようなものになります。他は実際に運用していく中で、また事例を生み出していければと思っています。2、3ページの(2)は、規定の遵守困難な場合というところで、これも今すでに取り扱っているものを記載しているということと、建築物の改修・用途変更の場合には、やはり個別の事情とか整備基準に近づけることを前提として、現場の状況を勘案して、より柔軟な対応を可能とすると、逐条解説でもともと書いてあることなんですけど、それをきちんと出して、周知徹底を現場にしていきたいと思っています。

(大原座長)
ありがとうございました。今説明のあった部分と、それから乳幼児の設備ということで、この辺りに関して何かご意見ありますか。
機能分散は基本的な方針はこれでいいと思いますが、次から次にいろんな課題が出てくるので、例えば今後高齢者で、「オストメイトで車椅子」の人等にとっては、今のオストメイト対応施設が立位の形でしかほとんど使えない。複合した場合の機能分散は基本的に、ある人に対応した一番いいものをきちんと1個ずつ設定するということですけど、複合した場合に、実は使えるところがなくなっちゃったりするということも、可能性としてあるんですよね。そのあたりどう考えるかなんですが。

(事務局)
今回有効幅員80cm以上というところ、もともとはみんなのトイレ一つ設けているというところを、今回分散化することによって、車椅子対応便房は有効幅員80cm、オストメイトと乳幼児用設備は有効幅員を設けない形にしているので、このままいくと建築設計標準の65cmに即してやってくださいという話になります。今言ったような重複の場合どうするか、そのあたりの考え方について御議論いただけたらと思います。

(金子委員)
現実に図面に落として見るものがないと、イメージが湧きにくいかなと思うので、どこかに図面はありますか。

(事務局)
今のガイドブックでは87ページです。「図7個別機能に対応した便房の配置例」ということで、上が車椅子、下がオストメイトで、幅員はいずれも80cm程度としているという状況がございます。
動作や寸法の考え方というところでは、同じガイドブックの42、43ページのところに、乳幼児の場合はベビーカーが幅50cm、高齢者のショッピングカートが50cmというところがありますので、この場合は対応ができるんですけれども、車いすが入ってくると、65cmくらいだと入らない形にはなります。なお、車椅子はその次の44ページのところに載せてございます。

(大原座長)
関連するところのガイドブックそのものの改定は、整備基準を見直すことと連動するんですか。

(事務局)
望ましい水準はここで検討しますし、あとは書きぶり等も主にこの議論を踏まえながら、編集の際に、変えていくべきものは変えていく形になります。

(大原座長)
トイレに関しては、国のガイドラインも結構詳しく何ページも割いて作るようになってきているかと思うので、どんどんガイドブックが分厚くなるっていうのはいいことかどうかわかりませんけれども、事例として広い空間があって、いろいろな対応が受ける場合にはこうするとか、エリア全体でもう少し提示できるようになるといいかなと思います。今は割と、部屋単位、便房単位というのが中心だと思うので、エリア単位で表現できるページを増やして、事例を分かりやすくするということかと思います。
視覚障害の人たちへのヒアリングでは、トイレについて意見はありましたか。例えば、あまり良くないと思っているんですが、東京都はいわゆる多機能トイレに音声案内をつけて、視覚障害の人をそこに案内してボタンの案内を端から順ぐりに聞いていると全部聞き終わるまでに1分ぐらいかかるということがあります。そういうのをあえてみんなのトイレの中に入れなくても、実際視覚障害の人たちはちゃんと誘導されれば、男性用女性用の普通のトイレで用を足せるということもあり、その辺りの整理があまりうまくできてないなという感じがします。

(事務局)
今回のヒアリングでは視覚障害の団体からは、トイレに関する意見は出ていませんが、今回の整備基準とは別の機会等でお話をしたときには、いわゆる多機能トイレやみんなのトイレは視覚障害者にとっては大変使いづらいものになるので、むしろ通常のトイレを普及してほしいみたいなお話はいただいたこともあります。
確かガイドブックの中で視覚障害の人には、通常のトイレをご案内するというようにしていますし、方向としてはそちらの方になるのかと思っております。

(金子委員)
今のご説明のことがとても大事だなと。前の読み返すとそれが感じられたんですね。やりすぎちゃって大変なんだろう。障害の持ち方によっては、その辺り上手にコントロールする方法があるといいなと思いました。

(石渡先生)
資料1の4ページ目の一番右側の今後の対応というところで、男女共用トイレはこれから本当に必要だなって思うんですけど、そこの説明の上から3つ目の丸のところです。「ユニセックスや異性介助に対応できるように」とあるんですけど、異性介助は本来権利侵害なので、それを認めてしまっているような書きぶりになっているかなと思います。
「やむを得ない異性介助」とかしていただければと思います。トイレは本当に緊急性のあるものなので、異性介助になることもあるかとは思いますが。

(事務局)
本来は同性介助が基本になります。差し支えなければこの資料を今回見え消しさせていただいて、「ユニセックス等」にさせていただければと思います。ありがとうございます。

(大原座長)
乳幼児設備はいかがでしょうか。これは項目としてはトイレのところに入っているのでしょうか。

(事務局)
該当箇所は2つあります。1つはみんなのトイレの規定の中に、乳幼児の対応ということで、みんなのトイレの中における設備として、規模や施設種別の要件を設けて遵守規定にしましょうというのが1つ。もう1つは休憩授乳場所等という項目があります。ガイドブックの116ページ117ページです。
こちらは現行では努力規定で、利用者の利用に供する授乳のための場所等を設けるように努めることとなっていまして、これは授乳とおむつ替えを想定しているんですけれども、こちらの部分について、1000平米以上というところでの規模と施設種別の要件を設けた上で、遵守規定を追加しようとしております。
授乳設備につきましては、トイレの便房内に規定する予定はなく、トイレ内で設置するものとしては乳幼児用設備ということで、椅子とおむつ交換台になっています。
それとは別の規定として、授乳スペースの設置というところを求めていくということで、これは、便房内に入っていくというものではない想定で作っているところです。議論としては、乳幼児用設備一般としてまとめて議論していただいていますが、基準項目の箇所は、違う場所で想定しております。
もしよろしければ、資料2の新旧対照表を参考にご覧いただければと思います。1ページから便所の規定が始まっておりまして、3ページの(3)に乳幼児設備の規定が入ってきています。
この中で乳幼児用の椅子やおむつ交換台の規定を入れさせていただく一方で、8ページに休憩授乳場所等という規定がありまして、この規定の中で、別に乳幼児用等施設ということで、授乳スペースやその他おむつ交換台の設備という規定を別に設けるという作りとして考えております。

(大原座長)
これに関して言うと、今のところ案としては、1000平米以上の対象施設を遵守規定に引き上げるということですが、区切りは1000平米という感覚でいかがですかね。

(山口委員)
職員アンケート結果等を読ませていただいても、商業施設で見ますとそういう一つの前提のこういう店舗立地法がかかってくる、かかってこないの境目になってきますので、店舗設営者側としても、区切りの数字という意識もあると思います。逆に言いますと1000平方メートルを下回るようなお店が、どちらかというと難しいといいますか。そういった近隣への影響の検討がされないことが多いと思っていますので、いずれはそこも視野に入れながらという、展開がよろしいんじゃないかなと思います。
あと、絵を見て、実際現在の授乳室の参考にするのは、もう古いかなというのが率直な感想です。今の授乳室はかなり変化しています。
さらに、アンケートの方にもありますが、防犯性を高めて欲しいという意見もあったり、もっと開かれた場所にするべきだというように価値観が変わっている最中ですので、この件についてはもう少し時間を見ながら、じっくりやっていった方がいいのではないかと思います。
今ここで一旦、遵守義務の方に入ったということぐらいまでにしておいた方がいいんじゃないかと思います。今まさに変わっている最中で、どうなっていくかということに対応できなくなってしまうのではないかと思います。
おむつ替えのスペースまでは男性が入れるようにするというのは、もう私の事務所では標準としています。なおかつ、複数人お子さんもいらっしゃる場合はおむつ替えのもしくは授乳スペースに3歳ぐらいの方を連れてくるっていうパターンが非常に多いんですね。ですので、お父様はそこまでは入ってくるということです。そうなってくると、給湯器、給湯設備の位置、ごみ箱の位置、この辺りも授乳室側に入れるべきか、おむつ替え側に入れるべきかというところもじっくり考えた方がいいと思います。今のこの絵ですとお母さんがやるという前提の絵になっているわけです。
ですから今はその辺りが変わってきているということもありますので、かといって両方に水回りを設けると当然費用が上がるので、それもまた遵守率を下げることに繋がっていくという意味で、議論の余地があるかなと思いました。

(石渡委員)
今山口委員がおっしゃった場面を私も3日前に、JRのみんなのトイレで見かけました。ずっと使用中の表示になっていて、何だろう長いなあと思ったら、お父さんがおむつを替えていて、お母さんがいろいろと言っているみたいな、家族の時間みたいなのがそういうところでも大事なんだなと思いました。

(大原座長)
この辺はもちろん、より設置を推進するということですけど、その具体的な形に関しては、まだそんなに規定せず、いろいろな工夫があるというようなことは、ガイドブックにも徐々に載せていくということで、基本方針としてこういうものが必要とされていることを皆さんご意見としていると思います。
あとは、とりあえずということで1000平方メートルというあたりで、1個強化していくということでしょうか。

(山口委員)
今日、あるメーカーさんからもうインクルーシブデザインについてのいろんな資料が回ってきました。メーカーさんは対応がすごく早いので、このインクルーシブデザインという考え方とか言葉は、おそらくこれから一気に広がってくる流れであれば、すごく取り組みをしやすくなるんじゃないかと思います。
今インクルーシブデザインといわれても、「?」となる人が多いと思います。私も最初はそうでした。何が違うんだろうというところからの勉強だったので、メーカーさんもこのタイミングで、そういったものが出てきているということで、その辺りの取り組みはできそうかなという気がしました。
それと、各団体さんからいろいろ名称についてのご意見が出ているかと思うんですが、世相の流れ、そこについてきそうな気配は見えてきていますので、今のスケジュールの中で目途が立つんじゃないかなという気はしておりました。

(石渡委員)
このインクルーシブデザインという言葉は、結構、神奈川県は、他の県に先駆けて使っていて、神奈川県独自で使われつつあると思うので、インクルーシブデザインについても少し先取りして使ってもいいのかなとお話を聞いていて思いました。

(金子委員)
それと、こういう話がいいか分かりませんが、今のような一歩進んだ話が出てくると同時に、古いタイプのトイレであったり、商業施設は手を加えてないケースがあるんですね。びっくりするようなデパートのトイレ等、これを何か持ち上げてあげるような考え方が出せないかなと思います。それができれば大きな進歩に繋がっていくんじゃないかと思っています。何かあればご検討いただけるとありがたいです。耐震性がないのを上げていくような話ですから、きっと環境問題も同じなんですけれども、何かできるんじゃないかと思います。

(山口委員)
和便器の例もそうですよね。和便器の方が実際、洋便房よりも大きさが小さく済むんですよね。効率設計という意味でいうと、商業施設等では、大規模施設で採用される率が上がってしまうのかなと思っています。それを洋便器に変える場合、今まで3個便房があったらどうしても半分半分で2個になってしまいます。
実際和便器を使われる方がどのくらいいるのかというと、大分少なくなってきたというのはありますが、実際どうなのかというのは私も分からないです。

(金子委員)
和便器に関しては小中学校等公共の学校では、意図的に残しているもの以外はほとんどわずかに残しているような状態です。みんな洋便器になってなくなってしまいました。

(大原座長)
まずは、具体的にはトイレに関しての機能分散の考え方を紹介するということと、それから乳幼児の設備ということでいろいろあるかと思いますけども、この項目を進めるということはよろしいですか。

(石渡委員)
金子委員が古いトイレの話をされていましたが、精神科の病院の閉鎖病棟というのは相変わらず古いままであるみたいな話もよく聞くので、入院したらかえっておかしくなる話なんかをいっぱい聞いたりするんですけど、建て替えるときに対応するということになるのでしょうか。

(事務局)
現行で既存施設について、条例の中では既存施設にあっても、整備基準に適合するように努めなければならないというような規定を置いた上で、バリアフリー改修のアドバイザー派遣という形で、施策としてアドバイザー派遣をして、いろんな助言をしてそれを生かしていただくようなことはやってはいるところではあるんですけども、まだまだ件数が少ないところもあったりするので、それは課題と認識しています。こういったご意見もいただきながら、考えていきたいと思います。

(金子委員)
それは補助金が出たりするんですか。

(事務局)
こちらは、かながわ住まいまちづくり協会さんに委託しているのですが、バリアフリーの研修を受けた一級建築士の方と、あと車椅子ユーザーの方と2人1組で改修を予定している建物へ行っていただいて、それぞれの目線で改修のアドバイスを建物の設置管理者さんにさせていただくという事業になります。

(大原座長)
前半はこのような感じでよろしいですか。この形で進めていただくということで、ガイドブック等の具体的な事例だとかに関しては、まだこれから作業が必要かなと思いますが、基本方針をこの形で出していただくことは皆さんから賛同いただいたということで、それでは3から7まで説明をお願いいたします。

(事務局説明)

(大原座長)
ありがとうございました。項目が幾つもありますけれども、事務局からの説明だとこの6と7を早く決めたいということですか。

(事務局)
6と7は整備基準自体の改正を伴うものになりますので、パブリックコメントをやりますので、方向を固めないとその次に進むのが難しいものになっています。

(大原座長)
「6番目の計画段階からの参画について」は、具体的にはどういう感じになるのでしょうか。

(事務局)
国・地方公共団体等の場合には、整備の計画の策定等への利用者の参画に努めることということで、今まで何も規定がなかったところなんですけれども、まずそのそういう公の主体が設置・管理を行うものについては努力規定を導入するということで、新旧対照表では9ページで、18という項目を新設した上で、「参画に努めること」という項を作りたいと思っています。

(大原座長)
現実には大変だろうなとは思いますが、逗子市は市の要綱で十数年やってきているということがあるので、できなくはないと思いますし、広く神奈川県内で広がっていくのはよいことだと思います。

(石渡委員)
その施設計画段階からの参画というのは具体的に何かの建物を建てるというような、設計をするというようなところから入っていくということですか。

(大原座長)
事前協議のフローの流れの中に入り込んでくるということですよね。今までは担当者の意見を聞いて事前協議をしたわけですけど、その段階で何らかの形で当事者が関わった結果を出してくる方法もあるし、事前協議の中で関わるという過程を入れるというのもあるかと思います。

(事務局)
資料1の9ページの、先ほど申し上げた整備基準の体制というところのほかに、ガイドブックも36ページの整備の基本的な考え方、整備のポイントというところに入れるということで、記載をしていますけれども、こういったところにも取り入れていくということです。

(大原座長)
県内の市町村に努力を呼びかけるのはいいかもしれないが、対象に国を含んでも良いのでしょうか。

(事務局)
条例の中で、「国、地方公共団体その他規則で定める者」ということで、県、市町村、国という塊を持っています。これらの人達は事前協議の仕方が、通知という形で予定を送ってそれに対して確認をしていくというやり方です。その手続きが他の事業者さんと違います。そうするとその塊の人たちについては網掛けをしようとするものです。

(石渡委員)
具体的にどういう建物を建設するかで、協議の中身とかレベルが結構違ってくると思うんですが、そこら辺はこれからいろいろ工夫をしていただくことにして、条文としてはこんな感じでいいのではないでしょうか。
「障害者等」の「等」には、例えば育児中の親子とかも入ってくるわけですよね。

(事務局)
もともと条例で障害者等っていうのは、障害者だけじゃなくて障害者、高齢者、妊産婦、乳幼児連れの方といった移動に制約のある方々を指しておりますので、そういった計画に必要な様々な関係者にご意見を伺うというところを想定しています。

(大原座長)
(3)の避難経路に関しては、結論出しにくいというような感じですか。

(事務局)
(3)の避難に関しましては、整備基準として新たに設けることはしないで、そこは既存の基準で対応しましょうということです。
ただ既存法規・基準はすでにある中で、当事者の方々から、避難についてご意見が出るのは、実際の有事の際の誘導とか案内や安全な経路の事前確認といったところについてのご要望ご意見ということがあると思われますので、条例見直し検討会議の議論とか整理の中では、こういった避難設備とか災害対策も含めて、一つにはその施設の円滑な利用のための支援ということの一環としてとらえることができるのではないかということで、そこの工夫で一緒に対応をすることができそうだという、整理をもともとしておりました。
ですので、参考資料5にイメージということでつけておりますが、この中に溶け込ませる形で、日常の利用の支援のほかに、非常時の体制の整備ということも項目を一つ追加する案を今お示ししています。参考資料の5が事業者に出していただく書類のイメージです。
「1施設の利用に必要な支援」ということで、「施設とか設備、整備したものを使えるように取り組みをお願いします」と、具体的には個別の事例ですけれども、「例えばこの例が考えられます」というふうにヒントをお示しした上で、1ページの真ん中あたり「(1)施設において予定している支援内容について、上記も参照しながら、内容を記載願います。」としています。
今のイメージで、アからクまで書いてあります。日常の利用の支援、整備設備を使った放送やご案内、職員研修として非常時の体制の整備、例として、放送の案内、避難経路を通じ、人的誘導その他手段等、このような形で項目を追加して意識づけを図っていきたいとしております。
それが一つで、もう一つは資料1の(3)のところ、資料1の7ページにも書いていますが、特に事前にどういうふうに自分が避難するか確認しておきたいというような、当事者の意見もあり、避難訓練に、特に視覚障害・聴覚障害の方等の当事者の方の参加が難しいというようなお話も聞きます。そうした避難訓練の場で要配慮者対策の働きかけ、或いは要配慮者の方のご参加といったところについて、消防の担当部局に依頼をして、各市町村消防の方に流してもらえるよう働きかける等、施策の取り組みも今後検討したいと思っています。

(石渡委員)
10ページの難聴者の聴力を補う設備とは具体的にどういうものなのかというのが、そもそも分からないのですが、そのさらに下の方に、集団補聴システムとありますが、どんなものなのか教えていただけますでしょうか。

(事務局)
整備ガイドブックの114ページに、聴覚障害者の安全かつ円滑な利用に必要な設備について、解説があります。お尋ねの内容ですけれども、この114ページの真ん中左側に「(3)聴力を補う設備の設置」左から二つ目、真ん中の解説欄のところにございますが、例として、磁気ループ、ヒアリングループを利用した集団補聴装置、FM補聴装置、赤外線の補聴装置あるいは字幕、文字情報を表示する装置があるということで、IPtalk等を載せております。
ヒアリングループには、整備をする際に、あらかじめ埋め込んでいくタイプのものと、後付けでコードを必要な場合に張りめぐらせるタイプのものがありまして、埋め込むタイプのものはあらかじめ設置するものになりますので、金額もかかるものになりますが、後付けタイプのものは廉価です。

(大原座長)
授乳室のところで休憩所の話がありましたが、そういう項目はないですか。

(事務局)
建築物には、すでに休憩場所等ということで、休憩のための場所を設けるように努めることという努力規定がありまして、117ページで示しています。117ページにも、休憩場所のその設置にあたっては廊下の有効幅員が不足することのないように注意が必要であるというようなことも書いてございまして、やはり道路に設ける場合も、幅員の関係を十分に確保した上でという前提にはなります。
今お示ししている道路のベンチは本当にポンチ絵という話も先ほどありましたので、おそらく大原先生と事前に資料調整した時にも、手すりとかがないと立てないのではないかという話もありました。

(道路管理課)
177ページの公園の絵では背もたれはありませんが、手すりがついています。公園というのはもともと休憩に行くような場所というようなところがありますし、そこに腰かけて長時間、景色を楽しむとか、いろんな使い方が想定されるに対して、道路というのはどちらかというと、移動の途中に少し腰掛けるというようなもので、移動の方にメインが置かれた施設という認識をしております。
しかも、大抵の場合はこれからベンチを置こうとすると、すでにある歩道の上に設置を検討していくということが想定される中で、公園等のようにしっかりしたものが置けるような施設ではないというところを踏まえると、場所ごとで可能なことを検討していくというのが、基本的な考え方になると思っております。そういう意味で、手すりをつけなければならないとか、背もたれはこうだというのもやってしまうと、整備にあたって、先入観を与えてしまうことも考えられますので、できるだけシンプルな絵にした方がいいのかなと考えて、こうした絵にさせていただいております。

(大原座長)
絵は何種類か挙げておくのがいいですよね。切り株ベンチみたいなのでもいいわけですよね。横浜市が歩道等でいろいろな活動をやっていこうというのを進めていて、指定された道路には、市がベンチをくれるんですね。それはわりとしっかりした背もたれのある手すりつきのベンチで、住民としてはそんなしっかりしたものはいらないからもっと簡単なものをたくさん欲しいという意見も出ているので、すでに何かそういう支給されるベンチが立派なベンチなので、一例としてそういうのもあるけど、簡単なものでも構わないという意見もあります。

(石渡委員)
ベンチの話で、特に戸山(新宿区)のあたりに国の障害者に関係する施設があるんですが、あそこは結構坂が急で、その急な坂の中に本当に1人がぽっと座れるようなベンチが3つぐらいあって、疲れたら座るみたいなそういう感覚なんだなと思って、とても立派なベンチではないんだけど、必要性には応えてくれるんだろうなと思いました。

(道路管理課)
おそらくその必要性に応じて設置していくという形になって、また歩道上に設置することになりますので道路管理者の許可が必要ですし、今のところ、道路管理者が自ら設置するものというイメージで作っております。
道路管理者が地元から要望を受けたり地元でお話する中でこういった形がいいという、ふさわしいものを置いていこうという趣旨で、この規定を設けております。
ですので、今回簡易的なベンチにしておりますが、なるべくそのハードルを下げて、立派な絵にはせず簡易的なものにして、その都度必要に応じて、必要に応じた形のベンチを設置していこうということで考えております。

(山口委員)
駅にベンチが設置されていたのですが、良いか悪いかは別にして、夜間にそこで寝る人間がいたことによって、現在ベンチが撤去されてしまい、結構寂しいなと思っています。
一方で、そういった方々の場所を取り上げるのかという視点ももちろんあります。
私の事務所の下に、事業者さんが気を利かせて、リモート用に6人座りぐらいの机を置いてくれたんです。ところが、1人が真ん中に座ってしまうと、6人掛けだと実は次の人が座れないんですよね。どこに座るみたいな感じだし、かなり遠慮する感じになります。なので、どちらかというとお金かかる話ですが、大きな1個を取っておくのではなく、1人掛けのものがポツポツとある方が今のご時世だといいかもしれないと、この絵を見て思いました。最初に出てくるのはそちらの方がいいんじゃないかと思います。
幾つか参考例があるにせよ、1人用の椅子がある程度の距離感を持って置かれているという方が情勢にあっていて、実際に1人で占領されてしまって他の人が使えないということの方が残念に感じました。

(大原座長)
項目で言うと「(5)施設の円滑な利用のための支援の提供」ということで、参考資料5で、要するに今まで事前協議の団体で、確認申請なんかで設置管理者事業者、施設運営者、バリアフリーの配慮を、ソフトの配慮をちゃんと約束してきてくれということになるんですけど、これは建築関係で、その作業がひと手間増えることになりますが、私は仕組みとしてこういうことが入ると、今までバリアフリー化を進めたいという良心的な設計者が事業者と打ち合わせをするときに、お金がかかるのはやめてくれというようなところに対抗する後ろ盾になるんじゃないかなと思います。
事業者にもきちんとソフトでも対応するんだということを約束してもらうという手続きをここに書かせるというのはいいことだとは思いましたが、今までやっていないことだけに、抵抗があるんじゃないかなと思います。先ほどの非常時の避難の話もここに組み込む予定ですよね。図面だけで約束できないというところがあると、それは運営管理者がきちんとそういう対応をすることをあらかじめ認識してもらわないといけないですね。この仕組みができることは、結構画期的なことだと思います。

(山口委員)
私自身は、これは素晴らしいことだと思います。もちろんコストがかかる方向を建築士が事業主側に説明して、何らか承諾を得るのか、理解を得られないにせよワンアクションを経るというのが大事なことだと思っていて、むしろそれがないことがおかしいという感覚は私個人としてはあります。

(金子委員)
現実にこれはどういうふうに運用するイメージをお持ちなんですか。

(事務局)
実際に事前協議を事業者とする際に、いろいろな書類を出していただくことになると思いますけれども、その時に出していただく書類の一つにこれは位置づける予定でして、ただ、整備基準にも位置付けている様式類と、もう少し柔軟な形で改変ができるような様式と2パターンあるんですけれども、後者の方の書類の一つということです。現在は、例えば適合した場合にみんなのトイレの情報をマップにしているNPO法人のホームページに情報を載せてもいいですかというようなチェックをしてもらっている書類があります。そういった書類の一つということで、事前協議の適合不適合に関わるものではないが出していただくことを考えています。
出していただいたときに、各審査窓口でそれを受け取って、もし何も書いていないということがあれば、書いていただけませんかということで、確認はすると思いますが、絶対に書かないと通さないということではないので、どうしても書けないところがあったりとか、書けないけどこういうことはやるとか、書けるところを書いていただいて出していただくということです。

(金子委員)
設計者側とか事業者側にどう説明して、どう使ってもらおうかということの、エビデンスになる必要なものだから、私は良いことだと思います。何の法律を根拠にこれをやるんだとか、抵抗が出るかもしれませんけどね。それは申請する事業者と審査する側との信頼関係が結ばれるみたいな話ができるんじゃないかという気はしますが、ただ単にチェックだけするのではなく、前向きな使い方ができるとよいと思います。

(石渡委員)
建物を建てるときにこれだけのチェックをしていただけたらすごくありがたいなと思うんですけど、人的な誘導だとか人的案内も入れていただいたので、建てた後の職員研修等も指導できるといいなと思います。この間も差別解消に関する会議があったのですが、筆談ですら断る事業者がいるという話が結構出てくるので、施設建築後も対応していることが、何かしらの形で見えると良いかなと改めて思いました。

(事務局)
例えば県の障害福祉課等で、企業の接遇の担当者向けに、心のバリアフリー推進員養成研修等もやっています。そういったいろんな研修の案内等をホームページにリンクを貼る等、ご興味があれば情報が得られるような工夫が必要かなというのは思いました。

(石渡委員)
こういうものを作っていただくことも含めて、神奈川県は、当事者の方の声をしっかり受けとめてくださっているというのをいつも思っていて、この間いただいたメールでもいろんな方たちの声を汲み取るのに苦労されたということで、本当にそこまでがっちり受けとめてくださっているのはありがたいし、そういうのがあるからこそ、さっきのインクルーシブデザインを検討して、先んじて動き出すみたいなこともできていくんじゃないかと思います。よく当事者の方の声を聞く機会があるものとしては、とてもありがたく思います。

(山口委員)
建て付けとしてまず入口があって、設計者なり事業主側が意識に入ります。それでおそらくある程度の規模の建築物の場合、事業者が自分自身でそのまま窓口に立って業務を行うということよりも、その場合は職員やバイトさんとかパートさんになってくると思うんですが、そういった方々が実際にこれを実践していく話になると思いますので、そういった意味で先ほどの消防への働きかけや消防訓練をやることはそれなりの規模の改修だったり新築だったりという話になります。そこの避難の最前線にいらっしゃるのは消防が多いかと思いますので、ファーストステップとしてすごく有効なんじゃないかなと私は感じました。またその後、これをやる中でどんどんアップできればいいんです。ファーストステップとしては、かなりインパクトがあると思います。

(金子委員)
結局今の確認申請や事前協議というのが、その建物を建てる前だけで終わってその後どう使っていくかというところに繋がらなかったわけですよね。ここできちんと事業者、管理者、運営者がそこまで見越して、設計し建築をすることができるというのはかなり大きなステップだと思います。

(事務局)
「(3)難聴者の聴力を補う設備の設置」について、当事者ヒアリングの結果を踏まえて、検討した結果、第2回の会議では入れていませんでしたが、遵守規定を案としております。こちらでパブリックコメントにかけることについては問題ないでしょうか。

(大原座長)
努力規定から遵守規定になるというのは、基本的に良いことですので、すでに努力規定になっているものがありますし、このまま進めてもよろしいでしょうか。

(異議なし)

(大原座長)
今日の会議では大体了解を得られたわけですが、これから法務部門と調整しないといけないということですね。実際、条例とか文言に関してはいろいろと調整が必要になってくるということですので、その辺りに関して大きな変更はないと思いますが、変更が生じた場合は、座長と事務局に一任ということでよろしいでしょうか。

(異議なし)

(大原座長)
基本方針はこの形で進めていくということで、今日のところは、了解を得られたということにしたいと思います。次回は4月になるということですけど、その間にパブリックコメントに出され、結果も踏まえた上で次回会議になります。

(事務局)
本当に皆様長時間にわたりありがとうございました。1月に法務部門との法令審査に向けた調整を経まして、2月にパブリックコメント、4月にその結果を踏まえて会議を開催させていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは本日は以上をもちまして、第3回神奈川県みんなのバリアフリー街づくり条例整備基準見直し検討会議を閉会いたします。本日はご多忙の中お集まりいただきまして、ありがとうございました。どうぞお気をつけてお帰り下さい。

会議資料

資料1 整備基準見直しの方向性及び対応方針(ワード:134KB)

資料2 改正整備基準新旧対照表(ワード:35KB)

参考資料2 適合状況項目表(案)(エクセル:81KB)

参考資料3 近県の乳幼児用設備の整備基準(エクセル:25KB)

参考資料4 関連団体等への意見照会の結果(エクセル:47KB)

参考資料5 配慮に係る取組事項 内容イメージ(ワード:30KB)

参考資料6 整備ガイドブック案(3道路 1の項 図10)(PDF:319KB)

参考資料7 想定スケジュール(ワード:29KB)

このページの所管所属は福祉子どもみらい局 福祉部地域福祉課です。