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更新日:2023年10月27日
ここから本文です。
次の審議会等を下記のとおり開催した。
第3回神奈川県みんなのバリアフリー街づくり条例見直し検討会議
令和3年5月24日(月曜日)9時45分から11時30分
波止場会館4階 大会議室
秋山 哲男、石渡 和実【副会長】、大原 一興【会長】、金子 修司、河原 雅浩、小山 遊子、鈴木 孝幸、落合 真理子(滝澤 広明 代理出席)、福地 賢一、山口 英生 〔五十音順、敬称略〕
令和3年8月(予定)
地域福祉課 調整グループ
電話 045-210-4804(直通)
ファックス 045-210-8874
議事録
(事務局)
ただいまから、第3回神奈川県みんなのバリアフリー街づくり条例見直し検討会議を開会いたします。まず、県を代表しまして、参事監兼福祉部長の水町からご挨拶申し上げます。
(水町部長)
皆様おはようございます。神奈川県福祉部長の水町と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。本日は、大変お忙しい中、第3回の神奈川県みんなのバリアフリー街づくり条例見直し検討会議にご出席をいただき、心から感謝を申し上げます。
この見直し会議は、県の条例を常に時代に合致したものとするために、条例施行後、5年ごとに見直しを行うという県庁全体の規定に基づいて開催しているものでございます。今回の見直しにあたっては、途中でコロナウイルス感染症の流行による中断もございましたけれども、過去2回開催しました会議におきまして、委員の皆様から様々なご意見をいただいているところです。今回行う見直しの結果につきましては、条例見直し調書という様式にまとめまして、今年9月の県議会に報告をする予定としてございます。
本日の会議では、事務局において、前回皆様方からいただいたご意見をもとに、関連分野の近年の状況変化等をまとめ、見直しにあたって検討すべき事項を再度整理し、対応案を取りまとめております。また、条例見直し調書につきましても、これまでの議論をもとに案を作成しましたので、ご審議ご議論のほど、お願い申し上げます。
最後になりますが、平成28年に発生した津久井やまゆり園事件を受け、県は県議会とともに、「ともに生きる社会かながわ憲章」を策定し、憲章の理念を広める取り組みを通じて、誰もがその人らしく暮らすことのできる、ともに生きる社会かながわの実現を目指して取り組んでおります。皆様方には、これまでもこの憲章の普及にご協力をいただいているところでございますが、引き続き、この取り組みに、ご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。
本日は、限られた時間ではございますが、皆様から忌憚のないご意見をいただき、有意義な会議になればと考えております。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
(事務局)
ありがとうございます。なお、水町はこの後、所用がありまして、恐縮ですが、挨拶にて退席をさせていただきます。
本日の出席者は、出席者名簿の通りでございます。なお、本日は、公益社団法人商連かながわの石川委員、自立生活支援自立生活センター自立の魂の小野委員、神奈川県旅館ホテル生活衛生同業組合の川口委員、公益財団法人神奈川県身体障害者連合会の西川委員、認定NPO法人神奈川子ども未来ファンドの吉富委員、社会福祉法人神奈川県社会福祉協議会の渡邊委員は、ご欠席となっております。
それから、申し訳ありませんが、ご役職の訂正でございまして、金子委員ですが、一般社団法人神奈川県建築士会の副会長と記載しておりますが会長でございます。大変申し訳ありませんでした。
本日の傍聴につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、まん延防止等重点措置が発出されていることから、傍聴は中止させていただいております。会議終了後に、できるだけ速やかに、会議結果をホームページに掲載いたしますので、委員の皆様におかれましては、ご協力をお願いいたします。会議の公開につきましては、県は、できる限り会議の内容を公開しております。この会議の議事録を作成し、発言者のお名前を記載して公開いたしますので、よろしくお願いいたします。
次に、前列の事務局を紹介させていただきます。皆様から向かって右側から、垣中地域福祉課長、黒川建築指導課長です。どうぞよろしくお願いいたします。
検討会議の事務局は、神奈川県地域福祉課及び神奈川県建築指導課の両課で担当させていただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
続きまして、本日の配付資料のご確認をお願いいたします。まず、次第、出席者名簿、座席表、資料1、資料2、資料3、資料4、それから参考資料1、参考資料2、参考資料3、参考資料3の別冊2、参考資料4、以上でございます。不足等はございませんでしょうか。
なお、皆様のお席の前にマイクが置いてありますが、こちらは、会議録を効率的に作成するための録音機器です。会議中皆様に操作をしていただく必要はありませんが、あらかじめご承知おきいただければと思います。それでは、次第の議題に沿いまして、議事に入っていきたいと思います。ここからの進行は大原会長にお願いをいたします。
(大原会長)
議題に入る前に、一つお諮りしたいことがあります。本日代理出席の方が1名いらっしゃいますけれども、委員ご本人の代理ということですので、発言権を付与したいと思いますが、ご異議はありませんでしょうか。よろしいですね。それでは代理出席の方に対して発言権を付与することといたします。よろしくお願いします。
それでは今日の議題は、次第にありますように、二つということになっています。
一つ目は、「条例見直しにおいて検討すべき事項及び見直しの方向性について」ということです。今日は第3回目の会議ですけれども、第1回、第2回の検討会議を踏まえて、周辺の関連分野の状況等を踏まえて、裏付けをしたような形で、整理をされています。これを事務局にまとめていただいておりますので、それを確認してもらうということになります。
二つ目が「条例見直し調書素案」ということで、これは次回最終決定というようなことですけど、本日はその素案という形で、県議会に正式に提出する見直し調書の案を事務局に作っていただいてますので、これについて審議したいと思います。
第1回会議で、事務局から説明がありましたけれども、今回の見直し検討というのは、県のルールに基づいて条例施行後5年ごとに行うというものです。すべての条例がこの見直し検討の対象となっているということで、バリアフリー街づくり条例が、特に見直し検討になっているわけではありません。すべて、条例は5年ごとに見直すということになっていて、そのための定められた統一書式というのが「見直し調書」ということで、これを県議会に報告するということが、この会議の目的というか、終着点になります。
それでは改めて、また議論を先に進めたいと思います。それでは事務局の方から資料に基づいて説明をお願いします。
≪事務局より資料説明≫
(大原会長)
ありがとうございます。特に資料2で、国とか県とか、周辺でのいろいろな関連施策ということを、背景としてまとめていただいて、この神奈川県の条例のオリジナリティと言いますか、条例の役割、検討すべき項目についてまとめたということになります。
資料3も、項目ごとにどういうところを、今回バージョンアップするかということがまとめられています。こんなふうにまとめていただきましたけれども、どこからでも構いませんので、ご意見やご質問等をお願いしたいと思います。
(秋山委員)
きちっとフォローされているという印象で、資料2と3を拝見しました。その上でのお話なんですが。
例えば、資料2の3ページにある事前協議という部分ですが、できれば、建築物を建てるときに、視覚障害者の誘導をどういう形で考えて、やるかということを、もう少し丁寧にやってもよろしいのかなと思います。
おそらく事前協議ではほとんどやれてないんじゃないんでしょうか。というのは、杉並区あたりのお話を聞きますと、ほとんどの建築物の誘導ブロックの敷設が、あまりちゃんとできてないようです。ということで、私は調布市で、駅前広場の誘導ブロックを敷設するのに、インクルーシブデザインを取り入れました。それはどういうことかというと、どこに誘導ブロックを敷設するかを全部図面の上に、触地図で作成したものを触っていただいて確認して、これでいいですかという確認を第1回目にやりました。第2回目は現地に訪れて、敷設が適切であるかどうかを実際に確認して、微修正して、そして設計に臨んでいるということなんですね。
それでおそらく、多くの施設、バリアフリー法の盲点ですけれども、視覚障害者誘導用ブロックの敷設についてはかなり問題ありというふうに見ています。そういう意味で、そこをちゃんとすることが1点ですね。
それから、2点目は、大規模施設、例えば空港などでは、誘導ブロックを施設内に、敷設するかしないかという議論もあります。これはあくまでも介助者が提供できれば敷設しなくていいと私は思っていまして(ガイドラインでもそうなっている)、例えば、JALとかANAとかは今、全部介助をやっています。しかし、空港会社の窓口までいくのが大変です。
ところがEUではJALとかANAがやってはいけないということになっています。その理由が、空港会社間でサービスの差があってはいけないということで、サービスを均一にするために、共通の会社を作ってやっているというのがEUです。アメリカも同様にそういう会社を作ってやっています。我が国は遅れていますので、そこをどうするか。
羽田国際ターミナルでは、すべて受付まで来ればコンシェルジュが対応するということで、空港内には誘導ブロックが敷設していません。
それから、最近はマッチングアプリで、視覚障害者を誘導するということを待ち合わせてやるというのも開発途上にあると思いますので、新しい技術と新しい対応の方法を考えたときに、建築基準が古くならないような事前協議をちゃんとしたらどうかというのがご提案です。ここはやれてないと思いますので、ぜひ今後検討していただきたい部分というふうに思います。これが一つですね。
3つ目は資料3とか、いくつかに、「心のバリアフリー」という記載があります。例えば資料3の1ページ目の1(理念規定の追記の検討)の2行目のところ、「共生社会や心のバリアフリー」とあります。
この心のバリアフリーというのが、来月羽田国際ターミナルで、見えにくい障害のことをやるんですが、こういう心のバリアフリーをやるためには、「優しさ」であってはいけないというのがあるんですが、そこがどうも「思いやり」とか「優しさ」じゃないんだっていうところが、理解されていない。裏側に実は、共生社会、いわゆる人権の問題があって差別してはいけないんだっていうところが、どうも浸透しておらず、人によっては優しさと思ってしまう。優しさでやられたら障害者の人たちは困りますよね。そういう意味で、そこがわかるように記述していただきたい。ただ、国や県としては、人権という言葉の使用について日本は極度にこだわっている部分があります。ですから、そういう意味で「人権」は書けないかもしれないけれど、心のバリアフリーを適切に読んでいただくための文章を丁寧にフォローされたらどうか。これが、提案の三つ目です。
それから4つ目が、資料3の3ページ目の6(条例遵守率の向上に向けた取組)ですね。これは今後どうする、どう書くのかっていうところですが。
バリアフリー法による市町村の基本構想に基づく重点整備地区というふうに書いてありますが、市町村における重点整備地区の他に、もう一つ新しい「マスタープラン制度」というのができました。これは都市全体でプランニングをやっていくという流れです。これについて書かれていませんので、それと、この過去の重点整備地区との整合性を取る必要があるだろうと思います。
(大原会長)
ありがとうございました。一つ目に誘導ブロックの敷設等について事前に、ルートとしてきちんと考えておくということと、それから建築物だけに頼らない、基本的な総合的なバリアフリー計画というのを立てておくということの必要性が出てきたかと思うのですけど、その1点目については、どの辺で答えていきましょうか。
ハードにとらわれずソフトと合わせて、検討するというのが、資料2でいうと、3ページ4ページ目のあたり。3ページの四角の枠のイの中に、管理運営にあたって提供しようとしている支援や配慮の内容を追加して記載するというようなことが出てきているかなと思います。
それ以前に、事前協議の段階で総合的な計画を立てておく必要っていうのは、どこかに。入れておいた方がいいでしょうか。
(秋山委員)
言葉としてここにはないと思うのですが、インクルーシブリサーチを前提とするということであれば、障害当事者が、調査段階あるいは設計段階から、参画して、それを整備していくという、そういう流れが現時点では抜け落ちているんですね。それを入れることによって、ある程度事前協議はもう少し締まったものになるかもしれないというところです。以上です。
(大原会長)
ありがとうございました。はい。関連したご意見でしょうか。
(鈴木委員)
特に駅前等の誘導ブロックの敷設に関して、先ほど秋山先生も色々参考になるようなお話をされていましたが、実際にできてしまった事例として、誘導ブロックの色が、周りのアスファルトの色が黄土色で、その黄色の点字ブロックがわかりづらいというものがあります。さらに、その点字ブロックはいわゆる上の突起部分しか黄色くなっていなくて、後はステンレスだったりして、ロービジョンの人たちにとっては見づらかったりするという問題があります。
これは駅のロータリーなので、土地としては鉄道会社の所有のようなのですが、タクシーとかの路面は市町村の所有、というような事情があって、そこら辺の整理をどうつけていくかということ。また二つ目に、そのような誘導ブロックが、ロータリーにはあるけれど、ロータリーから県道とかに出ると、ブロックがなくなってしまう。そして、バス停から駅まで行くのにあまり歩道を整備していないので、連続性が保たれていないという点。さらに、先ほど幅の広い歩道の段差の解消というのがあったんですけど、段差が全くなくなってしまうと我々は車道に出てしまう危険があるので、この辺の2センチの段差の確保を明確にしていただければというふうに思います。
最後に、音響信号機のところの問題です。現在、音響信号機が多く設置されてきてはいますが、最近、スマートフォンを利用して、アプリで信号が変わったのを伝えるという仕組みが出てきているんですが、スマートフォンを持っている視覚障害者の方がはるかに少ないです。確かにアプリはいいのでしょうが、それですべてを補われると困ってしまう部分もあって、そこら辺をどのように作り上げて、関連づけていくかっていうところが、課題かなと思っています。
もう一つあるのですが、駅前のロータリーを利用するバス停があり、バス停のそばに誘導ブロックがあるのですけど、バスの乗客が皆その上に並んでしまうそうです。だからブロックの上に並ばないように、一本別の線を地面に引いて欲しいのですが、それは、バス会社がやるのか、その土地を持っている鉄道会社なのか、それともそこの市町村なのかというところで、今問題になっています。
そういうときに、人のところだからという話なのか、いわゆる鉄道やバスや行政が、協調して並ぶ列をちゃんと作るような対応をするということが、心のバリアフリーになるのかどうかよくわからないのですけど、今、問題としてあるので盛り込んでいただければというふうに思います。以上です。
(大原会長)
はい、ありがとうございました。
(河原委員)
大体の内容は、以前にお話した内容をまとめてくださっていると思います。ただ、残念なことは、前回も、繰り返しお話をさせてもらいました情報のバリアフリーについて、明記されていないことです。もっと明確に条例の中に入れて欲しいと思っています。
資料3の2ページを見ますと、情報バリアフリー、情報アクセシビリティ、災害が起きたときについては、整備の基準のところで対応するようにというふうに書かれていますけれども、やはり一般の県民の方々がまず見るであろう、条例の文章の中に、情報バリアフリー、心のバリアフリー、といった言葉がないと、バリアフリーイコール物理的なバリアフリー、というイメージがまだまだ強くありますので、そういうことにこだわってしまい情報バリアフリー、心のバリアフリーまでは頭が回らないという恐れがあります。ですので、条例の中に、バリアフリーという考えには、物理的だけではなくて、情報バリアフリー、心のバリアフリーについても幅広く含まれているということをはっきり明確にして欲しいと思います。
それから、条例の最初の文章のところです。障害者が安心して生活をする。自分の意思によって自由に移動するというという言葉が書いてありますけれども、これを見ると、対象は移動できない人たちがメインであると思われてしまいます。
聴覚障害者は移動については、当然問題はありませんが、情報がないと行動ができません。そういう人は他の障害者の中にもいらっしゃると思います。移動ではなくて、行動という言葉に変わってはどうかと思うのですね。
例えば何かをやるとか、何かを決めて行動する。そのためには、ちゃんとした情報があって、情報を把握して、そして自分で考えていく。そして、行動を始める。そういう流れがあると思います。情報がないと行動もできません。移動はできても、すべてとは言えません。そういうこともきちんと条例の中に、入れて欲しいと思っています。以上です。
(大原会長)
はい、ありがとうございました。
(秋山委員)
今のお話を聞いていて、資料3の4の情報のアクセシビリティというような文言の立て方は悪くないんですが、よく読むと、公共的施設整備の利用に際して用意することが望ましい情報設備や、災害時に円滑な避難誘導、情報提供が可能な設備等についてという記載がありますが、その前にどうしても必要なことは、やはり聴覚障害者や視覚障害者が困ることがあるので、先ほど河原さんがおっしゃったような移動と、それからもう一つはユーザビリティ。アクセシビリティとユーザビリティは、ユニバーサルデザインの基本的な大きな両輪ですから、アクセシビリティができても、いわゆる、行き来できても、それが使いにくかったらどうにもならないので、ユーザビリティっていうのは必ずあるんですね。そういう意味では、「障害者が困らないように」という言葉が多分抜けていると思います。
障害者の困り事を解決するというのが、この条例の基本的な目標だと思うんですね。その言葉がどうして抜け落ちるんだろうかっていうのは、私は、言葉だけで物を説いているように思うんです。現実的に障害者が困るということに対して、理解してはいると思うんですが、言葉上つじつまが合うように文章を作っているという印象です。
大事なことは、障害者が困らないように条例を作るにはどうしたらいいかということ。円滑に移動できるために、あるいは聴覚障害者の人たちが円滑に街を歩けるようにするためには、音が出ているものを見える化しないといけません。視覚障害者については見えない文字で書かれているものを、音声化するとかそういう作業をすることによって、健常な人と同等のアクセシビリティが確保できるわけで、そのところが背景にあって文章を書いていく姿勢を持つことによって、プラスアルファの言葉がうまくそこに入り込めると思うのですが、そこが何となく乾いた言葉になっているので、もう少ししっとりとした言葉に変えたらどうかというご提案です。以上です。
(大原会長)
はい、ありがとうございました。今まで出てきていることを幾つかまとめますと、実態として例えば物とかにこだわりすぎて、物とか設備とかをつければいいんだろうというような形ではなく、それがちゃんと連続性を持って、総合的に情報として伝わっていくっていうような、物の整備だけでなくそれの使われ方、伝え方ということまで考えないといけないということが、あったかと思います。
それは、今回の見直しで条例のどこに入れるかっていうのは少し考えなければいけないと思うのですが、そのあとの課題になってくるガイドブックマニュアルでの表現の仕方とか伝え方が、相当今後頑張ってやっていく必要があるということが、幾つかありました。
マニュアルなどでは、仕様を規定して寸法や仕様だとか、物をつけなさいというようなことだけを規定して、それだけで終わってしまうことが多いので、そうではなく本当にそれが連続して使われるのか、役に立つのかというようなことを念頭に置いた使い方・作り方を考えるという、その姿勢というのが必要かと思います。
それで、この文章の中では、皆さんから具体的にここにこんな言葉を入れるとよりうまくいくというようなことをぜひ教えていただけるといいかなと思います。
先ほどの話だと、情報のバリアフリーに関しては、項目としては、入れているような印象があるが、それが何のためにと考えた時に、災害時の情報提供などに限られている感じがあるということですね。
ですから原点に戻って、先ほどの理念規定の部分でも、自由に移動できるということを、行動という言葉がいいのか、自由に行動を選択できるというようなことなのか、その辺を考えていくと、アクセシビリティとユーザビリティの関係ですけども、その辺を、検討項目としてあげておくというのは今、抜け落ちていたかなと思います。
いずれにしてもその理念のところを強化して加筆するということが、今回の課題としてありますので、その辺は、ぜひ入れていただくと良いと思います。
それから、最初に戻って、まず事前協議や計画立案の段階での様々な参加だとか、当事者の参加といった、実際に建築施行する前の計画段階での様々な検討ということが、当然必要となってくるわけなのですが、これに関しては確かに、これまであまり条例に書かれていなかったという感じはします。
(秋山委員)
今のように、事前協議でかなり頑張っていくか、どうかという議論があると思うのですが、もう一つ大事なことは、この条例でできること、できないことを早めに決めていくことです。できないことはできないと分かっているわけで、例えば先ほどの、鈴木さんがおっしゃった管理が異なるという問題。例えば都道と県道とか、あるいは主体が民間のところとか、そういうところでブロックをいくら調整せよといっても、出来ないわけです。このガイドラインだけでは。
ガイドラインでできないことをガイドラインでやろうとしなくていいと思うんですね。ということは、どこか他で仕組みを作って、そういうところを調整していく部署を作ったり調整する。または診断する項目を作ったりとか、あるいは機関を作ったりとか、そういうことをやらないと無理なので、いわゆるできないこととできることをはっきりさせて、条例でできることはここまでで、できないことはどうやって、フォローするかという、そちらの方を努力した方がよろしいのかなというふうに思います。以上です。
(大原会長)
はい、ありがとうございました。その点は確かに大きな問題ですね。
(秋山委員)
だから、書き過ぎないことです。ただし、不足しないようにすることっていう、そのバランスをどうやって書くかというところですね。資料を見ていると、大分頑張って書いているけれど書き足りないなっていう部分と、ちょっと書きすぎなのかもしれないという部分とか共存するので、そのあたりのでこぼこを直していくことです。そして、条例でできないことが見えると、書き過ぎている部分がわかると思います。
例えば、鈴木さんが先ほどおっしゃった、「2センチの段差」という話はもう、県の条例では、コントロールできない範囲ですね。これはすでに、国が0~2センチの間で決めていいよっていうのを10年前にガイドラインとして出しています。そのあと、市町村が通達を受けて、条例化していますので、市町村の条例に移管されているので、県としては手が出せないわけですね。
今、国土交通省の道路局で懇談会が開かれていまして、そこで、道路の基準等を、もう一度見直しをかけている最中です。その結果がすべて影響されると思いますので、来年度までにうまく間に合えばいいんですが、少しずれると思います。
そういうところもありますので、できることとできないことをはっきりさせた方がいいということです。以上です。
(大原会長)
はい、ありがとうございました。整理の仕方としては、基本的な理念のところで、さらに幅広く、今必要となっていることを取り入れていく。それがすべて、少なくとも条例として、整備項目に入っていくわけではなくて、マニュアルや何かで、ある程度方向性を見せる、誘導するというような形で、具体例を挙げていくという方法なのかなと思いました。
だから理念の段階では、比較的考え方を取り入れていくことはいいと思うのですが、具体的に何ができるかというところは、マニュアルでの、例えば具体例として推奨例みたいなものをできるだけ上げていくとか、規制によって義務化するというのではなく、推奨例とか誘導するっていう考え方で、もっと様々な具体例を挙げていくという方法があるのかなと思っています。
それから先ほどの話の中で出ていた、事前に、参加型で様々な意見を聴取した形で計画を立てていくということに関して。前から何回か紹介しているかと思いますけれども、県内では逗子市で、公共施設を建てるときには、計画段階で当事者を含めた検討を行っていますね。そういうのを、もっとここでも取り上げて、そういう仕組みを、推奨できるような形に何かできないかなと。条例そのものに入れるのは難しいのかもしれませんけれども。何かそのことに関しても触れておいた方がいいなと今思いました。
(秋山委員)
茅ヶ崎市も実は、県の方はご存知かと思うのですが、基本構想を作る段階で、小学校の人たちと一緒にやっています。そしてかなり頑張って作って今回大臣賞を出そうかというところまで行ったのですが、賞を出すには期間や広がりがもう少しできるといいねっていうようなところです。そうやって茅ヶ崎市はかなり頑張っているところがございますのでそういうのを、事例として入れておくっていうことでしょうね。
(大原会長)
それから、先ほど話題に出ていたことで一応触れておきますけども、心のバリアフリーという言葉に関しては、様々な誤解も含められていますので、ぜひここのところきちんと考え方を明らかにする必要がありますね。
(石渡委員)
心のバリアフリーについて、先ほど秋山先生が、優しさとか思いやりではなくてその権利保証とかというような視点で、というふうにおっしゃって。そこはどうも日本は馴染まないって言っていたのですが、やっぱり障害者の権利条約ができてからは、かなりその辺も意識が変わってきているように思います。
それで、その守ることと同様に、権利侵害についてどうするかというのが、日常生活、社会生活ではしんどくて、多分これは、条例でできることとできないことの、できない方に入るので、差別解消法等と、どういうふうに整理していくかということになっていくかと思うのですが。
ここのところすごく話題になる人権侵害で、SNSや動画で、障害がある人を誹謗中傷するようなことがかなり出てきています。情報アクセシビリティという、ちゃんと保障しなければいけないところと、情報を使っての、悪質な人権侵害が起こってきていたりするので、そこら辺との整合性をどうつけるかというのが、すごく悩ましいことになっています。どうも差別解消法もあんまり機能していないと感じるところがあって、今、国でもいろいろ検討していますけれども、特にこの情報の扱い等をどう整理するのかというのが、難しくてわかりきれないところがあるんですが、現実の障害がある人の生活を見ていると、そこのところに目配りをして欲しいなというところがあります。
(大原会長)
ありがとうございます。大事なところですよね。基本的に、ちゃんと全体をもう一度見て、個人の尊重というところですね。
先ほど、なかなか人権って言葉を行政が使いたがらないっていう秋山先生のご意見もありましたが、言葉をちゃんと考えて、人権でもいいと思いますし、個性だとか、人として尊重するということは、「ともに生きる社会づくり」ということでは、基本だと思いますので、その辺の言葉を誤解のないように、きちんと入れておくってことはもちろん必要だと思います。
それから情報に関しても、もう一度ちゃんと精査する方がいいですかね。
先ほどの行動する自由みたいなものまで言ってしまうと、難しいかなと私は思っていたところで、要するに、人権侵害に結びつくようなものは自由ではないと思うんですけども、その辺の言葉をもう一度検討して作っていただくといいと思いました。ご意見いただいたものを全てもう一度繰り返してはいないような気はしますが、記録にもとってあると思いますので、一つ一つお答えできるような文章にまた変えていったらいいと思います。
そのほか、いくつか問題提起があれば、していただきたいと思います。
(金子委員)
建築の設計に関与しておりますので、やはりこういう場合に私たちが、事前相談であったり、審査側さんと協議をしたりするときに、我々自身の理解の仕方、その設計の世界ですね、これが一番実は問題でありまして、難しいところです。
かなり一生懸命、いろんなことを学んできているつもりではありますが、例えば、先生がおっしゃったような、どういうことが目的でこれをやろうかという、法律に合うようにつくるということが、結局目的になってしまう。条例に合わなければ駄目だということになるんですが、そこの根底が、障害者の皆さんが困らないアクセシビリティであったり、ユーザビリティとか、その言葉が実現できるようにならなければいけない。
それは理解できるとして、では、先ほどお話があったような、段差が0か2センチかっていう話と同じなのですが、具体的にどれだけの幅があればいいのか、そういうところにどうしても踏み込んでいく話になるわけですね。そうやって一歩具体化する時が難しくて、我々にとっては大変悩ましいことになる。ですから、今日のお話のようなことが、設計の世界の中でも、もっと伝わっていく方がいいと思いました。従ってそれには、この理念的なことを書くことは大事なことで、もっと具体的な話として落とし込んでいただけたらいいのかなというふうに思いました。
(秋山委員)
先ほど、理念規定と、情報の問題というのが結構大事だという話がありましたが、障害者が情報を使うときに困ることについて、それを単純でもいいので言葉にして、情報について、一般の人と差別が起こらないようにするような書き方をぜひやっておいた方がよろしいのかなと思います。
情報だと、ウェブではアクセシビリティとユーザビリティという、ウェブアクセシビリティの中ではその二つが大体やられていまして。それは、エコロジーモビリティ財団でセミナーでやったりしていますので、それを少し活用して、情報のアクセシビリティについては書かれてもよろしいのかなと思います。
それから、認知症の問題とか発達障害の問題を、どういう扱いでするのかっていうのは、今までの福祉のまちづくりの中では、あんまり対策が出てこなかったのですが。成田空港ではストラップをつけて、お困りの人は、それで案内をするということをやろうと思っているのですが、今度、羽田国際ターミナルで、研究室で500本ぐらいストラップを買って、必要な人にそれを使っていただくことをやろうとしています。
成田空港については、成田独自のものを作ってしまったんですね。僕らがやろうとしているのは、世界共通の方がいいかと思って今、英国と連絡を取って、英国で使っているものとか何ヶ国かで使っているストラップがあって、英国の場合は、困っている人は、事前に連絡すれば全部空港で対応するという、そういうストラップをつけています。大きな県の施設だとかそういうところでも、困る人はそれをつけていただくっていうこともあってもいいのかなと思います。取ったり外したりが自由にできますので、例えば、認知症の人が作業するときに、ほんのちょっとアドバイスをしていただいたりすると旅ができるわけです。そういう意味で、ストラップなり、そういう方法を、各施設がちゃんと持っていたり、あるいは共通したもの、ストラップ等を持っていたりすれば、その施設ができるだけ使いやすくなります。
だから、発達障害や認知証の人たちに対する利用の配慮をもう少し、どこかに書けないだろうかっていうところが、もう一つありますね。以上です。
(石渡委員)
今秋山先生がストラップとおっしゃったのですが、発達障害の方だと、知的障害の方も含めてヘルプカードっていうのがかなり広まってきていて、妊娠された方のマークみたいなものですが。
ですから、結構ヘルプカードが難病の方などにも広がってきているので、国際的ではないけれども割と国内では、そういうものを使って、という流れになってきているのかなと思います。
(秋山委員)
羽田空港では、ヘルプカードを、マークの中に入れて使っています。
だから否定するものでは全然なくて、ただ国際ターミナルについては、世界共通の方がいいかなっていうふうに考えています、まだやっていないのですが。
(大原会長)
やっぱり今動いている色々な事例や工夫とかっていうのを、できるだけ入れていきたいですね。条例そのものには関係ないにしても、そういうのをどんどん取り入れていくということも何か宣言としては、やっぱり書いておいたらいいのかなと思いますけども。
(河原委員)
話はちょっと変わりますけれども、施設を作るときに、事前の協議等を行うということも、資料に書かれています。しかし、施設を作った後に、ちゃんとそれが生かされていないことが多いです。
例えば、物が置いてあったりとか、通れなくなってしまったりとか、そのようなケースが幾つかあると思っています。施設を建てた後も、きちんと障害者等が自由に使えるようになっているのかどうか、そういうものを確認する。そういうものも書かれていた方がいいと思います。
確認をして、使われていないとか、そういう状況があった場合にはそれを改善するようにという指導をする。そういった仕組みがあった方がいいのかなと思いました。以上です。
(大原会長)
今言われたようなことは大事なことなので、これはぜひ、条例の範囲内か外かと、そのあたりをきちんと議論する必要がありますね。スパイラルアップで改善をしていくっていう視点が、この条例では、現時点では入っていなかったのですかね。
(秋山委員)
入っていたとしても、できないような気がします。
先ほど話にあったような、駅周辺の、多様な主体がそこに参画しているところは、それぞれ個別の主体がスパイラルアップをバラバラにやっていても、意味がないんです。そうするとそれを一括して、診断して評価をしていくっていうやり方をとらない限り、問題は顕在化しない。そうするとそれを新しいプログラムとして作る必要があるのかなと思います。
私が今やっている最中のこととして、空港の診断をしています。地方空港8つがすでに終わって、それを1冊にしたレポートをユニバーサルデザインで作り上げて、今年も、さらに5つの空港の診断をする予定ですけれども。それはなぜやるかっていうと、日本の鉄道とか、あるいは道路や建築物だとか、そういうレベルがちょっと低いところを、できるだけ空港の診断をしてレベルを上げるということです。
つまり、成田や羽田で今大改修をやって、相当のレベルまで来たものを見本に、地方空港の診断をしています。従って、鉄道駅及びその周辺の診断とか、まさに基本構想であるようなところをもう少し診断をちゃんとすると、かなり良くなるはずなんですね。そういうことを、市町村はやってないので、もったいないなと思っています。以上です。
(大原会長)
今日もたくさんのご意見が出ましたので、また直していく部分が結構ありますけども、事務局の方で、今日のご意見に基づいて、今の資料2、3の部分も改定を重ねてもらいたいと思います。
その上で議題の二つ目に入りたいと思うのですが、内容は連続してますので、議題の二つ目っていうのは資料4の、この1ページだけある資料ですけども、実際に条例見直し調書ということで、県議会に提出するものを素案の形で作っていただいています。これ5年ごとの見直しということで、こういう調書で県の方に出し県議会へ報告するということになっています。では、この資料4の方の説明お願いできますでしょうか。
≪事務局より資料説明≫
(大原会長)
このような資料の形で、県議会の方に提出しようということですけど。いかがでしょうか。見直し結果として、「改正及び運用の改善等を検討する」というところに、最終的に丸がついています。
改正というのは先ほど、資料2で触れたいくつかのこと、特に最初の理念のところを強化して書くとかですね。少しずつ、変える部分がありますが、運用の改善ということで言うと、例えばガイドラインとかマニュアルの改定というか、使いやすくしていくというような話だとか、あとは市町村への働きかけなどもあるとは思うのですが、そんなイメージでいいでしょうか。
少なくとも皆さんここまでこう議論してきて、廃止はありえないと思うので、(見直し結果選択肢の)1、2、3に行く可能性があるかということですけど、4としてやっぱりこの際だから、改正したり、改善をしていくという方向で、結論を出しているということでよろしいかとは思うのですが、ご自由に意見をいただければと思います。
(秋山委員)
有効性は、何となく言葉を読んでわかるのですが、例えば資料中の、「本条例のバリアフリーの街づくりを進める上で公共的施設等の新築等の整備基準を規定する本条例の規定は有効である」というような記載がありますが、誰に有効なのかが書かれていないのです。例えば高齢者、障害者にとって極めて有効であるとか、それが抜けてしまっていいのかなあというのが一つ。
そのあとの、「今後、関連施策と連携してバリアフリーの街づくりに向けてより有効に取り組みを進めていくために、条例の目的として共生社会づくりの方向性を明確にする」という部分。共生社会づくりの方向性を明確にすると、何が変わるのかなっていうところです。もし僕だったら、生存権・生活権を守る共生社会づくりとか、そういう言葉が入ると意味がわかると思います。
共生社会って何か、初めての人はわからないだろうなと思います。例えば、先ほど日本は「人権」という言葉を使うのは嫌だって言っていたのと同じように、EUあたりの交通計画では、ドイツでは、生存配慮(Daseinsvorsorge:輸送サービスは「生存配慮」と明記している)と具体的に言っているんですね。
権利条約(2006年国連本会議で採択)以降2016年4月に障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律が施行された。なかなか交通とか、道路とかの方にはこないんですね。それを緩やかにかみ砕いて、何となくそれに近いような言葉にしているっていうのが、現状なんですね。だから、人権ということではない。
それで、おそらく、先ほどの理念規定っていうのは、おそらく憲法に類するもので、健康で文化的な最低限度の生活を保障するという、25条で規定されていますけれども、その規定を受けるのが法案で、法案は、もうちょっと具体的なところを書かないといけない。理念はもう少しわかるように出してもいいんじゃないかと思います。
これは県議会ですから、県議会の人たちが理解しやすく書くことです。それがわかるように書くのが本来の文章の作り方じゃないかと思います。これだと僕はわからない。誰に効果がもたらされて、共生社会っていうのは我々の生きる権利を与えてくれるんだよということがわからない人にとっては、理解ができないということになります。
県の議会の何割かはわからない人がいると思うので、わかるように書いてあげないといけないんじゃないかということです。以上です。
(大原会長)
ありがとうございました。憲章ではその辺のことは何か出て来ていませんかね。ともに生きる憲章では、人間としての権利を保障するとか、そういう話はありませんでしたか。
方向性としてはもちろんそういうことを意識しているので、何か一番いいのはどこかから借りてこれれば、非常にすんなり入るのだけれど、ここで新たに作るのは相当勇気がいるんじゃないかなというふうに思いますが、それはいいことなのでぜひやるべきだと思います。
(秋山委員)
権利の件が入ると辛いと思いますので、むしろ高齢者、障害者の社会を良くするっていうのは共生社会の中にはあるので、その意味の説明をちょっとした方がいいのかなっていう、そういうことです。生存権、生活権でなくても構いません。
(事務局)
地域福祉課の佐野です。ともに生きる社会かながわ憲章においては、誰もがその人らしく、暮らせる地域社会の実現に向けてということで、具体的には、資料2でも示させていただいているような四つの柱を立てていますので、そういったところも、もう一度確認をとりたいと思います。ありがとうございます。
(秋山委員)
そうした言葉のほうが、わかりやすくていいですよね。
(大原会長)
誰もがその人らしく生きる、生活をし、暮らすということを、何かぜひ入れてください。確かにこれはバリアフリーの街づくりという言葉が目的概念になってしまっていますが、バリアフリーの街づくりというのは本来手段であって、その先に何があるかをちゃんと示さないといけないということを改めて感じました。
(秋山委員)
SDGsなんかは文章に入れなくていいんですか。誰も取り残さない社会を作るとか。そういう、もうちょっと具体に伝わるような言葉を、少し工夫して入れ込んだらいいと思います。
(河原委員)
まちづくりの中で、それに対して、当事者の参加という部分が今まで足りなかったので、当事者がまちづくりに参加できるような仕組みは必要であるということも入れて欲しいと思います。以上です。
(大原会長)
そうですね。有効性のあたりではその辺りが、必要ですね。
(鈴木委員)
例えばこういう事例があったのですが、これをどう盛り込むかはちょっとわからないのですが。コンビニで、ちゃんと敷地内にブロックがあって、ちゃんと利用しやすいようにできているんです。ところが、そのブロックの上が、買い物用のカートの置き場になっていて、実際には使えないっていう状況があったりするんです。こういうのは、結局、事前の協議できちっと作られているのに、いざ利用するときになったらそれは全然わからなくなってしまっているということです。先ほど話に出ていた心のバリアフリーや、理解といったところをもう少しきちんとやれるような内容を盛り込むといいかなと思います。
(大原会長)
はい、ありがとうございます。そうですね。建設をするところで終わりではなくて、それの本来の目的に合った、有効な使い方っていうことも、何らかの形で触れておく必要があると。
(山口委員)
今のご発言に合わせまして、私実務上で建築士をやっておりますが、つい先日店の方から相談が来ました。現状点字ブロックが店内に敷設されていて、それがレジ前まで続いてきていると。それで、一般のお客様が、カートを押して店に入ってくると、ブロックの振動で、カートに乗せていた荷物を落としてしまったそうです。
ついては、ブロックを移動なり撤去っていうのは、どこにどう相談すればいいのかというご相談が来ました。それは私が建てた建物ではなくて、他の仕事をやらせていただく中で、合わせての相談でした。
どこに相談するのか、私も悩みました。多分、相談する窓口としては、この福祉のまちづくり条例なりを所管している窓口になろうかと思ったのですが、これはやはり建築士が、自分の判断でアドバイスを差し上げてもいいんじゃないかと思いまして、私はそこに別の、こうしてくださいという絵を書いて渡しました。
それで、なぜこの話をしたかと言いますと、先ほどからお話を伺っていて、例えば空港だったり大規模な施設からまず、法律を合わせてきているわけなのですが、最近、非常に改修が多くなっているのは、皆さんおわかりだと思うんですよね。改修が多くなる中で、何を守ればいいかがわからない施工者さんなり、ひいてはその改修というのは、比較的若い設計者が携わることが多いです。大きな新築のものに比べればそれほど技術力を必要としませんので、事務所の中でも比較的若手が担当することが多い。つまり、その法律の成り立ちですとかを理解していませんので、我々の年代ですと、このまちづくり条例なりバリアフリー法というのは、ずっと変遷を見てきていますので、その根底がわかっています。何をしなきゃいけないかがまずわかっている。
ところが今、実務でその設計をしている若い子たちというのは、でき上がったチェックリストしか見ていません。そのチェックリストをチェックすることが仕事だと思っています。その根底にある根本にある、今議論に上っている理論や理屈、そのものを理解していないので、そういった改修の時にじゃあ何をすればいいのかがわかってないですね。イコールその点字ブロックがあればいいという、結論になってしまうのです。
ですので、今日一連のお話を、久しぶりに参加させていただいて恐縮なのですが、その理想の部分の、文言などをわかりやすく、誰もが読んでもすぐわかるものを入れていただけるというのは、私どもからしても非常にありがたいです。むしろこの今見ております神奈川憲章のこの四つの文章を、チェックリストの頭に入れてもらえないかなと思うぐらいなんですよね。
そうすると設計者が、若手も含めて、これをやればいいんだということを理解した上でチェックしていきますので、そうするとそのチェックが漏れる箇所についてはどうすればいいかということの一つの拠り所にすることができるように思いました。以上です。
(大原会長)
はい、ありがとうございました。そうですね。だから理念を明確に、今回、少し手を入れるということに加えて、普及とか、さらに理解を深める、広げるということが、まだ十分ではないという認識を少し書いておいたらいいかと思います。
今後、条例という形で、手続きとか仕様だけをあげるのではなく、それが実際に理解されて、考え方として普及するということに関しては、まだこれからも、取り組んでいかないといけないというようなことも、先ほどもありましたけど、この有効性のところでしょうか。きちんと普及するまでには、まだまだ必要なことがあるというようなことを加えたらいいかと思いました。
事務局の方には文章の宿題がたくさん来ましたけど、頑張って、また改定案を作ってもらいたいと思います。
それでは、色々ご意見いただいたところで、この後、事務局の宿題とさせていただくということで、今回の見直しの検討結果は、この調書で県議会に報告するということですね。
それから、県議会への報告後、見直し調書に記した方向性に基づいて、さらにこの具体的な見直しの文言を考えていくという作業が、今後あるということになるわけです。それについては、もう1回別の会議を立ち上げるということだそうです。
この見直しの検討会議というのは、こういう形で見直しをするという方向性をいろいろいただいて、方向性を示すということが目的ということになりますので、見直し調書としてどういう形で出すかという結論を出すところで、一応見直し検討会議というのはあと1回で終わりということになります。また資料も後で見ていただいて、ご意見等ありましたら事務局の方に直接ご連絡いただければと思います。これから、この書き方とか、資料についてはまた改定をして、作業を進めていただくということになります。
それでは、今のこの見直し調書に関しては次回で最終案としてまとめるということになりますけれども、今日のところの議論はこれで、時間も来ましたので、終わりにしたいと思います。次回は7月を予定しているということですので、また日程調整をしていただいて、コロナ禍の具合も見ながら、気をつけて進めていければと思います。
(事務局)
長時間にわたり、いろいろとご意見をいただきましてありがとうございました。いただいたご意見を踏まえまして、また改めて資料を修正改定して参りたいと思います。それでは以上をもちまして、第3回神奈川県みんなのバリアフリー街づくり条例見直し検討会議を閉会いたします。
次回の会議の日程や場所等につきましては、今後日程調整を行いまして、決まり次第、皆様方にお知らせしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。本日はご多忙の中ご出席いただきまして、ありがとうございました。
資料3 条例見直し内容の方向性(事務局案)(ワード:44KB)
参考資料1 第2回会議出席委員発言要旨(エクセル:18KB)
参考資料2 条例の概要(R1年11月26日第1回会議時資料)(ワード:38KB)
参考資料3 関係法令等の動向について(別冊1)(PDF:8,213KB)
このページの所管所属は福祉子どもみらい局 福祉部地域福祉課です。