ホーム > 健康・福祉・子育て > 医療 > 感染症・病気 > 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について

更新日:2025年11月10日

ここから本文です。

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について説明しています。屋外では肌の露出を避ける、忌避剤(虫除け剤)を使用するなどの対策をし、マダニに刺されないようにしましょう。

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とは

 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とは、SFTSウイルスによる人獣共通の感染症で、中国にて2011年に初めて人の感染例が報告されて以来、東アジアや東南アジアで患者が確認されています。日本国内では、2013年1月にSFTSの患者が初めて確認されて以降、西日本を中心に毎年60~100名程度の患者が報告されていましたが、2021年以降は毎年100名を超える患者が報告されており、東日本でも患者が報告されています。

感染経路

 主な感染経路はウイルスを保有するマダニの刺咬ですが、感染した動物(野生動物やペット等)や患者の血液・体液との接触による感染も報告されています。
 県内でもヒトやネコの感染が確認されていることから、ウイルスを保有するマダニが県内に生息している可能性があり、注意が必要です。

症状

 感染後、6~14日程の潜伏期間を経て、発熱や消化器症状(嘔吐、下痢、腹痛、下血等)、倦怠感、出血傾向、意識障害、急性腎障害などが見られます。重症例では、多臓器不全や播種性血管内凝固症候群(DIC)などを呈することがあります。致命率は約10~30%程度といわれており、発症後7~14日での死亡例も報告されています。

治療法

 かつては対症療法のみでしたが、2024年6月に抗ウイルス薬(ファビピラビル)の使用が承認されました。病状の進行が予想される場合に使用が検討されます。

主な予防策

 主な感染経路はウイルスを保有するマダニの刺咬なので、マダニに刺されないようにすることが重要です。

マダニはこんな場所に多く生息しています

  • シカやイノシシ、野ウサギなどの野生動物が出没する環境
  • 民家の裏山や裏庭、畑、あぜ道など

山田んぼ 山のイノシシ

マダニから身を守るために

  • 屋外では長袖や長ズボンを着用して活動する、裸足でのサンダル履きを避けるなど、肌の露出を少なくしましょう。
  • 野外活動後は、上着や作業着は家の中に持ち込まないようにし、マダニの持ち込みを防ぎましょう。ガムテープや粘着クリーナーを使って服に付いたダニを取り除く方法も効果的です。
  • マダニに対する忌避剤(虫除け剤)の使用が有効です。DEET(ディート)やイカリジンを主成分とする忌避剤(虫除け剤)を使用しましょう。
  • 忌避剤(虫除け剤)の使用でマダニの付着数は減少しますが、マダニの付着を完全に防ぐわけではありません。忌避剤(虫除け剤)を過信せず、肌の露出を少なくするなどの対策と組み合わせて対策しましょう。

長袖女性 ダニのついた服と虫よけスプレー

(参考)国立健康危機管理研究機構感染症情報提供サイト マダニ対策、今できること

【フタトゲチマダニ写真】(出典:神奈川県衛生研究所)

フタトゲチマダニの写真

マダニに刺されたかもしれないと思ったら

  • ダニ類の多くは、長時間(10日間以上のこともある)吸血します。 
  • マダニに刺された場合、無理に取り除こうとするとマダニの口器が皮膚の中に残ってしまうので、無理に取らず皮膚科等の医療機関で処置(除去や消毒など)を受けましょう。
  • 草むらなどマダニが多く生息する場所で活動した後、数週間程度は体調の変化に注意し、発熱等の症状がある場合は医療機関を受診しましょう。
  • また、医療機関を受診する際、「草むらなどマダニが多く生息する場所で活動した」「マダニに刺されたかもしれない」と医師に伝えましょう。

動物への感染

 犬や猫などの動物もSFTSに感染します。神奈川県内でも猫の感染事例が報告されています。ペットの感染については、生活衛生課ホームページ「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について」をご参照ください。

関連情報

このページの所管所属は健康医療局 保健医療部健康危機・感染症対策課です。